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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
89/195

89話 駆け引き

 遅れちゃったのと大会議室の扉を開ける前に、内容が聞こえちゃったの。うまくいっていて、タングに挑発しながら生活してたけど、みんなにわえのこと話すだなんて馬鹿なの。

 ならわえはもうここにいる資格ないと、お家に戻ろうとしたら、しばらくいなかったノデッドがいたの。


「逃げんじゃねえじゃん」

「ノデッドには関係ないの。そこどいてなの」


 通り過ぎようとしたらわえの腕を掴んで、大会議室じゃない空いている会議室に入れられたの。ノデッドは鍵を閉め見られないようにとカーテンを閉めたの。


「なあ、前々から思ってたんだけどさ、チーシャ、キアをブルズンに来させ、刑務官に捕まえさせたのもチーシャの仕業だろ」

「それがなんだって言うの。わえはお父さんに会いたかっただけなの」

「違うはずじゃん?自分の能力、盗聴だからキアたちがブルズンに入った時に聞こえちゃったじゃん。チーシャがファンズマと取引しているところをな。刑務官にはチーシャを探すよう振りをして、あの研究所へと入ったじゃん?」


 半ファンズマであり、能力者を持つ者には気をつけなさいと姫様に言われていたの。あの時、キアを確保させている間に、わえはあの研究所内へと入って、ファンズマと接触していたの。

 ノデッドに気づかれていただなんて信じられないの。


「まだあそこに研究所はあんの?」

「あそこは空っぽだけど、レヴェラの仲間が住んでるの」

「そうか。ならみんなには黙っておくから、姫様に会わせろじゃん」


 ノデッドはファンズマの四天王って言われている人なの。信じられそうにないけど、姫様のところに連れて行かなきゃ、ノデッドはきっとみんなに言うの。

 だから連れて行くしかないのとわかったのと伝えたの。


「姫様に会わせてあげるの。だからこの島から出してなの」

「それくらいは任せろじゃん」


 フリジンダ社の社員証とスマホを置いて、メモとペンがあったからそこに今までありがとう、ばいばいと置き手紙を書いたの。誰にも知られないようにと、ノデッドと一緒にフリジンダ社を出て、ノデッドはナディストになってわえを抱っこし、島から出たの。

 みんなと過ごせて楽しかったのと、島が見えなくなり、どこに行けばいいじゃんと聞かれたから、橙の土地、オンジーレに行ってもらうことにしたの。


◇ 


 ルシャンダにチーシャを探させているもいなく、手分けして探していたら、ネフィラが俺のところに来て置き手紙が会議室にあったらしい。

 内容は今までありがとう、ばいばいとあって逃げられたようだ。


「どうするの?」

「ブルズンの刑務所に行くにしても、俺たちの権限にそこは含まれていない。ムージュ元団長がまだいるのかも不明だ。とにかくネフィラは一度、深海の国、マーメイル王国に行って、違法取引が行われていないか確認を頼む」

「了解。ラキューにはなんて説明をするの?ドキアがレヴェラに囚われていることを知ったら、きっとブルズンに行くかもしれない」

「俺から話はつけておく。今までチーシャの正体に気づけなかった俺たちの責任でもあるからな。それじゃあ、頼む」


 うんとネフィラはウバンとエリュウで行ってもらうことにして、チーシャの経歴を改めて確認をしていた。俺たちをいつも元気にしてくれていたチーシャが裏切り者だったなんて信じたくはない。

 情報が少なすぎてここはズユに頼もうか一瞬迷う。ズユはギブアンドテイクを必ずしてくるからな。ここは穏便に済ませておきたいところだ。悩んでいるとデスクトップの画面からメールを受信したらしく確認するとズユからだった。


フリジンダ社ワイズ社長様

お世話になっております。革命軍総帥ズユと申します。

この度、フリジンダ社、ニューダ社、カディヴィア社、三社と同盟を組みたいと思っております。

同盟を組むかどうかは、メールで返信をいただければ幸いです

また、別件でお話したいことがあるので、ご返答をお待ちしております。


 別件ってなんだろうかと思いながらも、同盟となればリアのところに行けるってことか。ただ俺にとってはチーシャも大事な社員でもある。同盟を組ませてもらいたいけれど、まだその準備が整っていない。

 リアには待たせてしまうかもしれないけれど、ドキアの件を終わらせてからにしたいな。カタカタとメール文を作成していく。


革命軍総帥ズユ様

お世話になっております。フリジンダ社ワイズ・ヴィアントです。

同盟を組む件に関しましては、フリジンダ社一同賛成をしております。

ですが同盟を組むにあたり、一件片付けたい案件がございまして、そちらが終わり次第でもよろしいでしょうか?

また別件でお話がしたいと仰っておりますが、そちらにお伺いすればいいのかも踏まえ、ご連絡をいただければ幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。


 こんなもんかなと返信をし、タブレットを持ってルシャンダのところへと向かった。モニター室では半分のサーバー対策部社員がチーシャの捜索をしており、ルシャンダはなぜかここにいない。珍しいとサーバー対策部社員に聞いたところ、電話をしながら出て言ったそうだ。

 まあとにかく会議室で待ってることを告げてもらい、俺は会議室で待っていた。チーシャの能力はすり抜ける能力とあるが、タングが言うに幽霊能力者だったとしても、普通に接触はできていたな。


 まだ未確認できていない能力もあると、親父と母さんが言っていたし、そこにチーシャの能力が含まれているとしたらどうだろうか。


 少ししてごめんでありますとルシャンダが入って来て、扉を閉めてもらい、打ち合わせをする。


「チーシャは見つかりそうか?」

「駄目でありますね。防犯カメラを避けているでありますし、チーシャの私物は全て家にあったでありますから、GPSで辿り着くことは不可能であります。それと和吉たちが会議している間に、ノデッドと接触していたでありますよ」


 タブレットを見せてもらい、会議室で会話が確認とれ、ノデッドはチーシャと一緒に行ったことが判明する。


「タングたちに見せたか?」

「まだであります。ただおかしいでありますよ。ノデッドはヨウミの捜索に当たっていたであります。それと何か関係しているでありますかね?」

「とにかくチーシャを捕まえないと話が進まないから、引き続きチーシャの捜索を頼みたい。それからクロウから攻撃は?」

「時々、あるでありますが、油断はできないでありますよ。いつここが再び襲われる可能性だってあります」


 俺たちが不在時にハッキングされたら元も子もないから、用心しなければならない。親父と母さんにセキュリティを高めてもらったから、以前のようにはならないと思うが、ここに残る社員にもそれ以上の訓練は必要となってくる。


「ルシャンダはトゥフィの遮断能力で塞ぎつつ、みんなのサポートを頼む」

「あいあいさ。ワイズ、リアを助ける準備期間、どうするでありますか?」

「本当は今でも助けに向かいたい。ただこのまま行けば確実に俺たちは死す。イルルの未来予知では、誰も死なない未来らしいから、俺たちは楽園にいる七人を確実に倒せる力が必要だ。そこでルシャンダ、あの本に記されていた王子を含め訓練をしようと思う」

「あの本に記されていたことを試すんでありますか?ここでやるのは危険でありますよ」


 タブレットで親父に教えてもらった島を見せる。


「この島、本に載っていた島でありますよね?実在するでありますか?」

「カディヴィア社が管理している島だ。そこで実践訓練をし、魔遺伝子ティオスを使いこなす」

「ティルはどうするでありますか?あの本によればティルは確かドゥシャー王子でありました」

「そこなんだ。あの本を全て読ませてもらったけど、ドゥシャー王子は悪そのものだった。ティルは無理に制御しているのかもしれない」


 まだ判断はしにくいが、タングに発していた言葉が時々、部屋から聞こえるとニディアから聞いていた。入ると何もなかったように、ティルはニディアと接しているそうだから、もう少し様子を見てもらっているところだ。

 そこでティルがニディアを敵視するような言葉を発したら、ティルを確保しなければならない。タングは子供たちの世話役としてやってくれるから、ここはウリかハディックに任せるか。


「ティルがおかしくなったら、ニディア危なくなるであります」

「平気。万が一のためにガリシャが見張ってくれているが、サリラが邪魔しなければいい」


 サリラはちょくちょくガリシャと交流を深めているが、相変わらずガリシャは鼻血馬鹿とあだ名がつけられるほどだ。

「そうでありますね。ザズはなんか言っていたでありますか?」

「いや、全くと言うよりもう諦めているらしい。そうだ、ノースたちって見つかったか?」

「全然でありました。ズユに相談したところ、リクがそんなことはしないって言ってたっすよ」


 革命軍の基地にはいなかったということか。そうなるとノースたちは普通に釈放されたが、途中で何者かに拉致されたとかでいいのだろう。

 

「ズユが知らないとなれば、知らないんだろうな。ノースたちはイルルに任せるから平気だ」

「なら和吉はチーシャのみに捜索にあてるでありますね」

「頼む」


 するとタブレットからメールが来て、ズユから返信が届き確認する。


 片付けたい案件につきまして、詳しくお話し聞かせていただければ、革命軍を動かせることは可能です。

 別件につきましても日程調整をいただければ、そちらにお伺いいたします。

 ご確認のほどよろしくお願いいたします。


 とあり空いている日を調べていたら、ルシャンダがあることを言われる。


「ズユと会うでありますか?」

「まだ諦めてなかったのか?」

「ちっ違うであります!」


 そう言いながらもルシャンダの顔でばればれだよ。まだ気持ちはあるんだなと日程を送り、ルシャンダも日程が決まり次第、その場にいてもらおうかなと思ってしまうほどだ。

「打ち合わせに来るらしいから、もしあれだったら同席してもいいぞ」

「和吉はやることがあるので、いいであります」


 そう言いつつも実際は会いたいんだろうなと思いつつ、ルシャンダと打ち合わせが終わり、残りの仕事を終わらせることにした。



 ワイズから返信が来て、日にちを確認しながらメール文を打っていると、ソラが大変だきゅうとわゆの部屋に入って来た。ソラは一度深呼吸しながら報告してくれる。


「ゆうの部下たちから報告を受けたきゅう。たった今、オンジーレの土地でヨウ姫を確認したとのことだきゅう」


 ヨウ姫は今まで表に現れずひっそりと過ごされているととと様から聞いていたことがあった。


「それからそこにエピルス四天王の一人ノデッドと、フリジンダ社員のチーシャもオンジーレの土地にいるとの情報だきゅよ」


 よりによって、エピルス四天王のノデッドにフリジンダ社員のチーシャがいるだなんて。ヨウ姫はファンズマだけの組織を作り上げていると風の情報で入手済み。確か組織名はレヴェラと三枚目の壁を出し関係図を確認する。

 ファンズマの帝王とファンズマの女帝に生まれた子がヨウ姫。けれどファンズマの帝王とわゆのお母さんの遺伝子を使って生まれたのがヨウミ。

 二枚目の壁にはリクが仕切っているエルディ組。リクとヨウ姫が会ってしまったら、最悪な事態となるのは確実だ。


「リクにはこのこと」

「まだ知らせてないきゅうだけど、気づいているかもしれないきゅうよ」

「リクとヨウ姫には因縁があるけど、この組み合わせは別にあるのかもしれない。カイを呼んできてくれる?」


 了解だきゅうとソラはカイを呼びに行ってもらい、わゆはデスクに戻っていつも窓を開けてもらっている人に、窓を開けるよう伝え、風が来た途端、キーボードを素早く打ち始めていく。

 チーシャの父親はムージュ・アガンであり母親はガスガンの都に住んでいた女性だったはず。


 ハッキングをして数分後、チェックメイトとエンターキーを押し、風が止んだところで、担当者が窓を閉めてくれる。


 チーシャは三歳の時に死亡している。つまりチーシャの身体を利用して悠々と過ごしているのは、まだカディヴィア社に登録がない能力者。幽霊能力者であり、名前はルヴ。死んだとしても身体を乗っ取れば人生を送れる貴重な能力者とも呼ばれ、とと様は警戒をしていた。

 いずれ現れるのではないかと。いわば成仏できない魂が能力を出しやすいとされている。しかも死んだ能力を活かせることもあり、チーシャの能力はすり抜けるとあるけれど、実際は別の能力が存在するはず。これはワイズが終わらせておきたい案件というのは、きっとチーシャの件。

 無償で提供はしたくなくても、これは無償で伝えるべきかもしれない。


 するとカイが入って来たのかと思えば、リクでわゆは二枚目の壁を天井に上げといた。リクが来たことで一度、窓担当の人には部屋を退出してもらい、二人きりになったことで、リクはわゆが座っている近くに寄る。

 なんだろうとリクはしゃがんで、サングラスを外し、わゆの両手を握って話し始めた。


「ズユ、あのな。パトレア様がここを襲撃するよう命じられている。もし、仲間を守りたければ、すぐに帰って来いって言われてるけど、ズユの気持ちは変わらないか?」


 とと様がリクに頼んでここを襲撃してくるんじゃないかってずっと思っていた。せっかくここまで辿り着いたのに、はいそうですかと降参はしたくない。

 どの道、取引のために父様はわゆを利用してエルディ組を動かしたいのはわかってた。それにエルディ組に入ればリクを支えるために、やりたいこともできなくなる。  


「いつ襲撃するの?」

「それは、教えられない。ここを襲撃する日から俺は革命軍じゃなく組長として動く。ここで答えを出してくれれば、みんなを守れるんだぜ。ズユ、ここはカイとソラに任せよう」


 わゆのほおに触れるリクで、確かにそうかもしれない。けどお母さんがここまでやって来たことを自分でやっていきたいよ。悩んでいたらソラがカイを呼んできてくれて、なあにちやほやしてるんやさとカイが言いながら、リクの腕を掴むもリクは簡単にカイの手を振り払った。


「ズユ、あまり時間はないからな」

「うん…」


 リクはその言葉を残して部屋を出て行き、大丈夫やさとカイに心配される。


「ちょっとね。カイに来てもらったのは、ヨウ姫が動き出したの」

「ソラから大体聞いているやさよ。ヨウ姫と話すんやさ?」

「ううん。まだ会うことはできない。そこで一つ調べて来てほしいことがあるの」

「幽霊能力者の情報やさね。調べておくやさけど、リクとどうするんやさ?一層のことルシャンダに泣きついてもいいんやさやと思うやさよ」


 ルシャンダはまぶだちだからと言っても、カイに頭を撫でられ相談するやさよと言われ任務に行ってしまった。

 ルシャンダとツーショットの写真たてをとり、リクはわゆがリクから離れられないと知っているから、ルシャンダと遊ぶことを許してくれたようなもの。

 リクと結ばれたらルシャンダとゲームで遊んだり、お出かけもできなくなる。椅子にもたれかかり天井を見上げ、一度目を閉じた。


 ゆっくり目を開け写真たてを戻し、スマホを持ってわゆの部屋に入りベッドにダイブする。わゆの気持ち、わからなくなっちゃった。リクのことが好きだからリクといられるのは嬉しいけれど、とと様の言いなりにはなりたくない。

 そんなの時にルシャンダと出会い、少しでもリクのことを忘れられるんじゃないかなって思ってた。だけどリクはエルディ組の組長として裏で動き、表では革命軍陸軍大将として動いてる。ここは駆け引きするしかなさそうと連絡先を開きある人物に連絡をした。


 あまり出られないよねと切ろうとしたら、ズユちゃんと呼ばれ、久しぶりと伝える。


『あまり元気そうじゃないれ?どうしたんれよ』

「リクから聞いた。革命軍の基地を襲撃するけど、わゆがとと様のところに帰ればみんなは助かるって」

『あーそれは聞いたれ。革命軍を壊滅させ、ズユちゃんを確保する話は聞いたれ』

「だからお願いがあるの。リクの代わりとなれるのはドルックしかいない。わゆが降参するからドルックは革命軍に戻ってほしいの」


 寝っ転がりながらそれを伝えるとドルックは本当にいいのれと聞かれ、みんなを守るにはこれしかないと思った。


『舎弟頭まで昇りつめたれけど、ズユちゃんがそう言うならそうするれ。ただこっちも抜けるタイミングがあるから、遅れるかもしれないれよ。それでもいいれ?』

「うん。任せるよ。わゆとリクがいなくなっても、引き続き調査のほうは頼むね」

『任せろれ。それじゃあ、また何かあったら言ってれよ』


 ありがとうと告げ、ドルックと通話を終え、次はルシャンダに電話をかけてみる。まだこの時間は勤務中だから出ないよねと三コールしても出なかったから切った。後で折り返しが来ると思って、わゆは立ち上がり仕事へと戻り、ワイズにメールを返信することに。



 チラッとスマホを見たらズユからであっても、出れない状況でありました。電話に出たいでありますとただいま和吉は、ハッカークロウにハッキングされそうになっているであります。

 絶対に情報は渡さないでありますとハイスピードでキーボードを打ち、トゥフィにコーヒーを淹れてもらうよう告げたでありました。最近は大人しいから油断はしないようにしていたでありますが、クロウが今求めている情報はチーシャの個人情報であります。エルディ組はチーシャを狙っているでありますかと反撃して数時間後。


 今日のところは諦めるという暗号が入っており、攻撃が来なくなって、疲れたでありますと椅子にもたれかかったであります。時間をみると夜の九時を回っていたでありました。

 ズユを待たせてしまったでありますと、社員はすでに帰宅したようで、モニター室にいるのは和吉のみであります。


 仕事にならないでありますとコーヒーを飲もうと、ティーカップに口をつけたら空っぽでありました。まあいいでありますと片手でスマホを操作し、ズユに電話をかけたであります。

 鳴らしたでありますが、おかけになった電話は電波の届かない場所にいるか、電源が入っていないためかかりませんとアナウンスが流れるでありました。心配になり和吉は革命軍の基地をハッキングしたであります。


 ズユから叱られるのは覚悟の上でありますが、ズユや革命軍の人たちに何かあったのではないかとハッキングしたでありました。和吉は吐き気がしそうになり、男性トイレに駆け込むであります。

 映像はぶれていたでありますが、革命軍がゾンビとなって死亡した革命軍を食している姿が、リアルすぎて吐いてしまったであります。吐いたものを流し洗面台で口を濯いで、戻ったら知らない電話番号からかかって来ていたでありました。

 折り返すと出てくれたでありますが聞きなれない声で、ここはサリラを呼び出したほうがいいかもしれないであります。


「今、助けに行くでありますから」


 するときゃーと叫び声と唸り声に和吉は悟ったでありました。キアたちの披露宴に侵入したゾンアが襲ったんであります。ゾンビになってしまった人たちは救えないとサリラは言っていたでありました。

 とにかく状況確認のため、ワイズに報告しようとしたら、誰かいるのとまだ繋がっていたスマホから別の人からの声が聞こえたであります。


「どちら様でありますか?革命軍を襲った人物でありますか?」

『違う。革命軍陸軍少佐ゼシャン。エルディ組に襲われたの。とにかく今からいう座標を言うからそこにゲートを開けて島に入れて。負傷者が多すぎる』


 わかったでありますと本来ならば防犯カメラがいいでありますが、緊急時のために座標は頭に入れているでありました。教えてもらいながら、和吉は録音しておいた放送を島に流し医療部を呼んだのであります。



 革命軍基地、最上階にて……


 下は騒がしくなっているものの、ズユはぐっすり寝ていてよかったよと布団をとり、ズユを抱っこする。時間はあまりないと言うことは今日決行すると言う意味だった。悪いな、ズユ。

 幸い、カイとソラが出払っていたから、ズユを運びやすい。ちゃんと俺が進めた紅茶でぐっすり寝ているから、しばらくは起きないだろう。  


「クワエ、起こさないように消音をズユにかけろ」


 はいはいとクワエはズユの耳に触れ消音をかけてもらい、エレベーターは使えないから階段で降りて行く。階段で逃げている革命軍の奴らは、ゾンアのゾンビによって喰われているも俺たちには攻撃してこないから普通に階段を降りられた。

 基地を出るとすぐ来たのはソラで空を見ると戦闘機が俺様たちを攻撃するも、当たるわけがない。


「リク、見損なったきゅう!ズユを連れさせたりはしないできゅうよ!」

「怪我したくなかったら今すぐそこをどけ。俺様の逆鱗に触れたら只事じゃ済まねえぞ」


 刺青の龍が動きソラの足が震え始めていながらも、ここから離れようとはしないようだ。ヴェルディの子どもだからあまり派手にしたくはないけど、ズユが起きる前に立ち去らなければならない。


「クワエ、アイズを呼べ」

「え?今?」

「今だ。ソラの相手をしてる暇がない。クワエはソラを止められないだろ」


 若頭をと少々嫌がっているようで、仕方がないか。クワエとアイズはカディヴィア社にいた頃、一緒に行動をしていた仲なんだからな。最近はチェルと一緒にいるのを見て少し落ち込んでいるようでも、まだ接触はさせてはいない。

 アイズに紹介する女というのはクワエだ。


「呼んでくるけど、その間にいなくならないでよ」

「早く呼んでこい」


 クワエはアイズを呼びに行ってもらい、ズユを抱えたまま俺様は地面を歪めるもソラは空に飛び、戦闘機に乗って俺様を攻撃してくる。

 ズユに当たったらどうするんだよと避け、あまり出したくはないがズユを守るために龍魔りゅうまを呼んだ。刺青の龍がそのまま出てきて、ソラに攻撃をする。

 悪いなと空を見上げていると俺様の名を呼ぶアイズで、後は頼むなと告げ、俺様はエルラド族の楽園へと向かうため、口笛を吹き龍がこっちに来てそれに乗り込んだ。


 アイズの炎魔でソラの邪魔をしている間に、ウラデュエへと入り、エルラド族の楽園へと入る。入り口で降ろしてもらい俺の体内に戻る龍魔。

 そこに走って来たスターリでお待ちしておりましたと言いながら息を切らしている。


 パトレア様のもとへと行くとパトレア様と六人が待っていて、パトレア様は椅子から立ち上がり俺様の前に立つ。そしてズユの髪の毛に触れ、ふふっと笑いながら、俺様に告げた。


「パトレア様、取引する上でズユには天魔ジェルロにさせないことが条件だ」

「いいでしょう。生意気な娘で手を焼かせるでしょうが、これからもズユのこと頼みますよ」

「はい」


 するとズユのおでこにあったしこりがなくなり一安心して、一度ズユをパトレア様に渡して後始末をしに俺様は戻ることに。

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