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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
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86話 披露宴でハプニング

 秋の季節になり紅葉季節となって、この度僕とシフォンは籍を入れ、式はまだ先の予定にしようと思ったけれど、ワイズとティルがサプライズで予約を入れてくれていたらしい。そして僕は新婦控え室でそわそわしていた。こんなに緊張するのはいつぶりだろうと椅子に座って待っていたら、ノックの音が聞こえもうかなと立ち上がる。

 するとニディアがコルアたちに押されて入って来て、ごめんねと言いながらほら早くと余っているドレスを選ばせていた。


「コルア?どういうこと?」

「ダブル披露宴なのに、ニディアが逃げるから大変だったのよ」

「なるほど。じゃあ僕、先選んじゃってよかった?」

「平気。キアとても似合ってるから、ニディアも負けないぐらいのドレス選ばなきゃ」


 あまりティルの記憶がなくて、まだ思い出せないでいるけれど、あともう一人僕は大事な人を忘れているような、そんな気がする。けれどいくら思い出そうとも顔も声もわからない。

 

 僕がちょっと気になっていたドレスをニディアが選び、それを着付けるコルアとネフィラ、そして母さん。すでにギーディスは号泣してそうだなと、想像しながらニディアのドレス姿をみる。

 しばらくしてニディアは僕より立派なお姫様のような姿となった。お母さんにニディアとのツーショットを撮ってもらっていると、父さんとギーディスが来る。


「おめでとう、キア、ニディア」

「美しいより可愛すぎだろ二人とも。もう時間らしいから行こうか」


 僕は父さんの手をとり、ニディアはギーディスの手を取ってバージンロードを歩く。一歩、そして一歩と進みあれとなぜか懐かしいような、景色がピースのようにはまっていく。

 異変を感じたらしい父さんがハンカチを渡してくれて、せっかくやってくれたメイクを落としてしまいそうな勢いだ。忘れてはいけない、忘れちゃいけない人がいるのはわかってる。過去に入ったかのように僕の名を呼ぶ声。ミライを抱くその人の顔っ。

 僕は立ち崩し、姉貴と何度も口に出す。


「歩けそうか」

「姉貴はっ姉貴はどこにいるの?」


 父さんにしがみついて、父さんは悲しそうな寂しそうな瞳をして、ここにいないことが理解した。ニディアたちは何もかも知っているような表情。

 姉貴がいない披露宴は嫌だと思っても、ワイズとティルが用意してくれたのは申し訳ないと、父さんに支えながらゆっくり立ち上がる。

 ギーディスに大丈夫かと言われ、大丈夫と答えながら、ゆっくり歩いた。姉貴が帰ったらプチパーティーでもしたいなと、みんなが見え僕たちを祝福している。


 到着して父さんと代わるシフォンに支えながら段を上り、牧師の言葉を聞く。



 ルシャンダは映像を回してレッツォはリアのためにとキアのカメラマンとして動いてもらっていた。これをいつ見せられるかわからずとも、リアが帰って来ることを信じている。

 本来ならリアが帰って来てから、やったほうがいいのではないかと俺たちは考えていた。だがキアたちはリアたちを忘れていることもあり、やろうとティルが提案したんだ。

 ニディアはすでに子を授かっていることもあったしな。それにしてもいつ子ができたんだよと思ってしまうほどだ。アイズはこの場にいないが、きっと祝福している頃だろう。


 見ていたらまんまとノゾミが言うもので、ママはいないぞとノゾミを抱っこしていると木々に誰かがいる。ノゾミが言うならそう、だよなと思っても、影が消えてしまった。

 リアがこっそり見て来たのかと四人が同時に誓いますと言っていて、そちらに目をやる。指輪をはめシフォンはキアのベールを、ティルはニディアのベールをあげ、同時に誓いのキスをした。ウバンたちが歓声を上げ、四人は照れながら一度退場をしていく。

 見届けたあと、ミライはさっきリアがいたであろう場所へ行ってみるも誰もいない。するとママとミライが叫んでいて、待つんだとミライの手を取る。


「ママがっパパ、ママがいた!」

「わかってる。だけどおかしい。ガリシャ、聞こえるか?この島にリアがいる?」


 無線は常につけており、ガリシャに問うとこう回答が来る。


『マネジールの可能性が高い。油断はしないほうが得策だ』

「本人ではなさそうってことか?」

『おそらく。リアを見かけたと報告がいくつもあったからな。ミライとノゾミが反応するのも、まだマネジールを学ばせてないからだ』

「引き続きリアを確認とれたら、俺に報告を頼む」


 ノゾミを抱っこしたまましゃがみ、ミライにちゃんと教えてあげた。


「本物のママじゃないかもしれないから、パパから離れるな」

「本物のママだったら?」

「それならいいけど、ファンズマの仲間に真似するファンズマがいる。そいつかもしれないから、とにかくパパから離れないでいてくれるとパパは嬉しい」

「うん。パパ、ママと会った時に、これくれて、困ったらこっそり連絡しなさいって言われた」


 リアがとポケットから出してくれたのは、以前ファッションショーをやったグッズのメモ帳に電話番号がある。まだミライは携帯を持たせていないけれど、もしかしたら何か情報が聞き出せるかもしれないな。

 なら子供用携帯を持たせて、こっそり連絡を取ってもらうか。


「よし、じゃあこっそりって言ってるんだったら、明日携帯買いに行こっか」

「パパの携帯じゃなくていいの?」

「俺だと確実に拒否される可能性があるから、ミライ専用の携帯にすれば神様も怒らないだろ。俺は聞かないから、こっそり話していいよ」


 やったと俺に抱きついてルシャンダにハッキングさせるか。それかノデッドが役に立ちそうだがヨウミ探しに行っているからルシャンダと連携してやるしかないとみんなのところへと戻った。



 るんたったるんたったとスキップしながら、式場を管理している建物にいるカディヴィア社員を殺した。残りは披露宴に参加している連中と、新郎新婦のみ。はあゾクゾクしちゃう。さあ起きなさい、可愛い可愛い子たち。

 殺したカディヴィア社員たちの心臓を動かし、ゾンビへと変わり果てていくその姿も堪らない。ゾンビに変わったカディヴィア社員たちは唸りながら会場にいる人たちを襲ってもらう。


「ゾンア、イルルを確保しろと組長から言われてっから、イルルはゾンビにしないようにれ」

「わかってますって。イルルはドルックに任せちゃっていい?」 

「確保したらすぐ撤退するれ。それまでは自由に遊べれよ」


 よし来たーとこのチャンスは絶対に逃さないよ。これが達成できればランクが上がって給料アップする。スキップしながらゾンビと一緒に襲撃へと向かった。



 楽しくご飯を食べている人や誰かと一緒に踊ったりしている人もいて、幸せなひと時だよと僕はシフォンと踊っている。シフォンは姉貴のことや、もちろん大好きなティルのことも忘れているよね。どうにかして思い出せてあげたらいいけどなと踊っていたら、セイワンが走って来て、逃げろ!と言われる。

 みんな足を止めるときゃーと叫んでいる声に、どうなってんのと困惑した。現実には出てこないはずのゾンビが出現し、僕らは今無防備だ。


「ルシャンダ!ニディアとキアを先に逃がせ!」


 ゲートが開き、だけどと思ってもドレス姿で戦えるわけじゃないから、僕は言われるがままにゲートの中へ入る。入ると新婦控え室で、真っ先にドレスを脱ぎ私服に着替えた。


「せっかくの式にあんなのいなかったよね?」

「僕も正直、わからない。だけどゾンビにさせる能力者がいるのかもしれないよ」

「ゾンビというよりウイルス能力者かも。とにかく狙いは頭?」


 もちろんとルシャンダが開発した拳銃を持ち、外に出てさっきの場所へとニディアと一緒に向かう。そしたらゾンビに囲まれてスキップしている子を見つけた。

 ニディアに合図をしてゾンビになったカディヴィア社員を倒す。


「あーあ、残念だけど、新婦二人組。この二人をゾンビにしたいぐらい。それとも噛みつかれるほうが好き?」

「僕らの大切な日を邪魔しといて、いい気になってんなよ」

「情報通り、キアは反抗的だね。その一方、ニディアは、思い出したくないことでもあった?」 


 ニディアの顔が青ざめていて、僕の服を掴む手が震えていた。ニディアと呼びかけるとガクガクしながらニディアが言う。


「ドロップ」


 えっと前を向くとゾンビ能力者の後ろから顔を出してやっほーとニディアに手を振っていた。ここはまずいなとニディアを後ろにやるとドロップがドロップの飴を一つ舐めゾンビ能力者の隣に立つ。


「組長に接触はするなーって言われてんだけど、ゾンアの下で働いてるからさぁ。アイズはろが記憶ないって思い込んでるらしいけどね」


 今無線がない以上、みんながいるところに逃げたとしてもネフィラたちを襲う気だ。ここは僕の能力で姿を消し、ニディアを連れて逃げるのがいい。

 そう思ってニディアの手を取り、姿を消して逃げる。二人から待ちなよと言われながらも、ニディアが戦える状況じゃない。僕一人だったら、二人の相手はできたけれど、ニディアはまだトラウマが残ってる。せっかくドロップが刑務所に入って、少しずつ大好きなキャンディーを食べるようになったのに、ドロップが脱走した辺りからまたキャンディーを食べれなくなった。


 それともニディアの幸せを邪魔しに来たのかよと、逃げ回っていたら飴ファンズマ、ローメアに挟まれた。そうだ、ドロップは師匠の弟子でファンズマを出せる。僕はもうエンディードを出せないから、どうすることもできない。

 つっかまえたという声にしまったと足が飴になって動けなくなってしまう。僕の姿が見えているようだ。

「姿消してもばればれだぞお。ニディアはいっただきぃ」 


 こうなることを予想してたよと僕はニディアに触れ、思いっきり炎を出す。あちちちとドロップは一度距離を離して、足についていた飴が溶ける。僕はニディアを引き寄せ、拳銃を構え撃つ。


 イルルの未来でドロップが来るかもしれないという情報を手にしていた。ただゾンビに関してはなかったとしても、シフォンとよくゾンビ系のゲームで遊んでるから怖くはない。


「そう焦らないでよ、ドロップ。ゾンはこの反抗的な小娘を甚振ってあげる」

「離してくれると助かるよ」

 

 ニディアを庇いながらだとむずいなと思ったら、なんと僕たちの前に現れたのがアイズだった。


「組長の命令だ。新婦二名は手を出すな。それ以外をやれ」

「せっかくのお楽しみ邪魔しないでよー若頭ー」


 ドロップはなぜかゾンアという女の後ろに隠れてしまう。


「見えてんぞ、ドロップ」


 ピクッと動いていて、二人が行かないとアイズは僕たちを守るようだった。


「組長そういうところ優しすぎるんだから。まあ目的は別だし、今度会ったらたっぷりドロップと一緒に遊んであげる。じゃあねぇ」


 ゾンアはスキップしながら別方向へと行き、待ってよとドロップが後をついていく。アイズは深いため息を出し、大丈夫かとニディアに聞くも、怯え切っている。

 一応精神科とサリラの治療は受けているらしいけど、それでも心にできた傷は癒えないようだ。


「後で組長に言っておく。ごめんな、そばにいられなくて」

「アイズ兄様」


 するとニディアはぷっと笑いながら若頭と呼ばれ、アイズは照れている。


「若頭はやめろ。ったく。大丈夫か?」

「うん。ニディアは大丈夫。ティルがいるもん。またキャンディー食べれなくて、ショックだったけど、少しずつ食べられるようには戻ってる。それにニディアは昔のようにアイズお兄様やワイズお兄様に守られているニディアじゃない。さっきはびっくりしちゃったけど、今度会っても平気だよ」

「そうか。それならいいんだけど、また引きこもるんじゃないかって不安で」


 ニディアは笑顔で大丈夫だよと言うから大丈夫なんだろうと信じたい。


「これ以上言ったら、また組長に馬鹿にされそうだから、やめておく。それじゃあ」


 アイズが行こうとしたけれど足を止め、まだ何かあるのかなと思いきや、振り向いて僕とニディアを抱きしめた。そしてアイズから結婚おめでとうと祝福の言葉をくれる。


「アイズ、今までありがとう。僕を支えてくれた年月は忘れたりしない。絶対に。ついさっきまでは忘れてたけど、この島に来て何もかも思い出せた。アイズと過ごした日々、辛いこともあったけど、アイズは愛が強い人だってわかってる。僕はそんなアイズを好きになってくれる人は、この世界にいることを願ってる。僕から卒業しても、たまには顔出してよ」

 うんとアイズは相槌を打って、今度はニディアがアイズに向けて話す。


「アイズお兄様、ありがとう。いつもニディアのこと考えてくれて、いつも最優先にしてくれるアイズお兄様が大好き。これからは自分を最優先して動いて。ニディアはもう旦那さんがいるから。それとね、アイズお兄様はもうすぐ伯父さんになるよ。どっちかはまだ聞いてないけど、生まれたら会いに来て。これは絶対。約束だよ」

「ニディアの子も守れる喜びが嬉しいよ。絶対に会いに行く。ノゾミにちゃんと会えてないけど、ワイズの子たちも触れさせないよう、手配はしておくから、そのことワイズにも伝えてくれ。リアは接触できてないけど、リアを救う方法も探すことも」


 お願いと僕とニディアが同時にハモリ、アイズが離れ、それじゃあなと一番いい笑顔を見せて行き、僕とニディアはみんなを助けに向かった。



 未来通りになってしもうて、ゾンビになってしもうたカディヴィア社員はワイズやギーディス、後炎を持つ子が先頭となって葬るも、動いているんや。

 シフォンが言うに頭を狙わないと停止しないかもしれへんと言っておって、銃を使える子たちが撃つと停止した。これで最後なんかと未来予知を見るもまだおって、気ぃ抜かんといてと叫ぶ。

 ミライとノゾミはタングと一緒に島に帰ってもらったから大丈夫やとしても油断はできへんな。


「イルル、未来見えとるんやろ。狙いはたしわたちなんじゃないんか?」

「そうや。そうとしか考えられへんけど、父上の気配がないんや。どうなってるん…」


 時折父上の気配を感じ取れているから、どこかにおるんやと思ってるんやけど、この島にはおらへん。考えておったら地震が起きよって思うように立てへんやと兄上がたわしを守ってくれる。

 地震が収まらへんとしゃがんでいると、一人だけ普通に歩いている奴がおった。シフォンが能力封じをして地震が止む。


「おーん。能力封じされちゃった」

「あなたは一体誰ですか?」

「れいのことか?れいはエルディ組舎弟頭、ドルック。イルル嬢を迎えに来たんれ。一緒に来てもらおうれよ」


 指を鳴らすと地割れからエルディ組の舎弟たちが現れよって、足を掴まれたんや。いややと消し飛ばすもなかなか離れてくれへんで、兄上が手を踏みつけ、離れてくれたんや。せやけどそこから舎弟たちが次々現れよる。

 能力を封じてくれていたとしても、エルディ組は拳で男たちを殴り、コルアたちが捕まっているんや。そやった。シフォンの能力は全員の能力を封じることになる。無防備になってしもうたたわしたちには叶わへん。なんとか逃げんとと思っても地割れが酷くて逃げるとしても逃げれへんかった。

 そしたらつっかまえたれとたわしを捕まえるドルックで、離せやと抵抗しても無理でノアと思っていたら、ドルックが離れたのを感じる。なんでやと思ったらノアが目の前に現れたんや。たわしは思わずノアにしがみつく。


「俺の女に手出してんじゃねえよ」

「これはこれはカディヴィア社総長ノア。噂では聞いていたっけど、イルル嬢とそう言う関係れか。これは組長に報告したほうがよさそうれ」

「お前、グックの子だろ。なぜそこの下っ端で働いてんだ?」

「グックは親父れ。だかられいも出せるんれよ」


 指を鳴らすとスニャンパのファンズマが出現し、ドルックもスニャンパのような姿になったんや。


「ファンズマに間違えられるんれけど、実際は違うんれ。精魔せいまと言って、あのお方に仕える妖精れよ。ちいと訳があって組に入れてもらってんれ」


 未来予知が見れて、ここで負傷者が出るんらしい。せやから皆を傷つけさせないためにも、たわしが動くしかないんか。ルシャンダとハディックが目の前に来よって、ルシャンダが言う。


「シフォンに能力解除同時にゲートを開けるであります!ノアはイルルを連れて逃げるでありますよ!」

「あの、お返し、は、息子、に、ぶつ、ける。早、く、逃げて」


 そやけどコルアたちが捕まってしまっている以上、どうすることもできへんと思ったらワイズが炎魔えんまを出した。


「イルルは大切な仲間だ。そう易々と次から次へと奪わせねえよ。なあ、みんな」

 

 ぞろぞろと五人が現れ、ワイズの左からはレッツォ、エリュウ、ツァッセが、ルシャンダの右側にはウバン、ブルバが立ち左腕を出して、それぞれの魔が出る。

 レッツォは岩魔がんま、ルシャンダは雷魔らいま、ウバンは植魔しょくま、エリュウは氷魔ひょうま、ブルバは水魔すいま、ツァッセは毒魔どくま

 いつの間に出せるようになったんやと思いながら、ノデッドとティルも遅れての登場をするんや。ドルックは冷や汗を掻きながら、ネフィラを人質に取り始めよった。


「この女がどうなってもいいのかよ」


 たわしたちはぽかんと一度し、そして笑い出してしもうた。ネフィラは一度経験してるんやよと皆笑いすぎて、馬鹿にしやがってれとネフィラをやろうとしたんや。

 そしたらネフィラは護身術をつけておって、護身術でドルックから脱出できたんや。コルアたちも護身術で舎弟から脱出しこっちに来よった。振り出しに戻ったでと未来が見えよって、そこにゾンビ能力者が来よる。


「皆、気いつけてや!ゾンビ能力者が来るで!」

 

 油断はできへんやと身構えていると、ゾンビ能力者とそしてニディアを苦しめていたっちゅう、ドロップが来よった。


「ありゃま、もう捕まえていると思ったよ、ドルック」

「うっせえれ。ゾンビもっと出せそうられか?」

「無理かもね。だから助っ人連れて来てる」


 そこに現れたのはドロップでニディアと接触していたらあかん。ドロップは飴ファンズマ、ローメアを出しよっても、こっちにはワイズとギーディスにディリー総司令官がいるんや。

 その隙にシフォンが能力封じを止め、ルシャンダがゲートを開けてくれて、披露宴会場から脱出したんや。


 たわしのせいでキアたちの披露宴をぶち壊してしもうて、少し凹んでいるとノアに引き寄せられる。


「ノア?」

「イルルが連れ去られる未来を何度も見てた。イルルはフリジンダ社に必要な人材。誰にも奪わせたりはしないよ」

「皆、大丈夫やよな?」

「ワイズたちなら大丈夫。イルル、一つ占ってほしいことがあるんだ」


 占ってほしいのはなんやろうとたわしの髪の毛に触れながら、どこか寂しそうな瞳で言ったんや。


「俺が死す瞬間を調べてほしい。そこで何が起きるのか、どうすれば防げるのか確認をしておきたいんだ」

「それはできへん!ノアが死ぬ運命はリアもキアもワイズたちも、それにたわしも望んでへんよ!」

「人はいずれどこかで死すかはわからないで今を生きている。俺の人生は未来や過去ばっか見てきた人生だ。これを最後にして、俺はイルルと過ごす時間を大切にしていきたいって思ってる。だから頼む、イルル。未来を見てくれ」


 たわしは感じ取ってしまったんや。ノアはすでに自分がどのタイミングで死すのかを。以前ノアに話したことでノアはたわしといることが増えたんや。

 ほんまにたわしでえぇのとノアはたわしが答えを出すまで、真っ直ぐな瞳におる。


「わかったや。未来みるやけど、一つだけ約束してや」

「もちろん約束する」

「勝手に死んだらあかんで」


 もちろんとまた答え、たわしはノアが死す運命を見ることにしたんや。

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