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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
84/195

84話 組と酒

 現在……



 俺が行きたかったイベント会場のスタッフに成り済まして、部下たちに指導しながら準備を行っていた。まさかイベント会場を仕切っているのがエルディ組。エルディは仮名でやっていたデザンで本当の名前はリク・エルディと言うらしい。俺はなんとか幹部まで昇り詰め、ここを仕切らせてもらっている。

 警備会社がカディヴィア社であっても、俺が任務中とセイワンに告げていたため、知らん顔でいてくれたのが幸いだった。

 ここにルシャンダとズユが来るとリクから報告があり、そこでルシャンダを捕まえるらしい。俺はできれば遭遇したくないなと思いながらも、裏方として動いていたらリクがやって来た。


「順調か?」

「昨日より今日が比較的多い。本気でルシャンダを捕まえる気か?」

「ルシャンダを捕まえれば、ズユがもしかすると帰ってくるかもしれないと動かしている。アイズは気にせず仕事に取り掛かってくれればいいから。それからこれよかったら行って来いよ」


 すっと渡されたのはファッションショーのチケットで、このファッションショーって確かミライが出演するやつ。ありがたくいただき、チケットが二枚ある。キアとシフォンは帰ってしまったし、渡せないからどうするかと悩む。

 ティルは脱走したし、リアに渡すのはな。となればチェルぐらいかとチケットをなくさないように財布にしまった。チェルは俺と同様にリクの下で働いている。チェルもこのイベント会場で下準備をしており、後で渡そう。

 

 会場の前には多くの人たちが来ており、今日も忙しくなりそうだなと時間となり、受付では多くの人たちがスタッフにチケットを渡している。

 俺は裏方のモニターで顔チェックをしており、ちらほらと顔馴染みの人がいるな。そこにルシャンダとズユを発見し一つの画面には二人の様子を映す。

 すると久しぶりらとグックが裏方に入って来て、グックは元デッドハラン王国の元第三調査隊長。今はエルラド族の陸軍大将として動いている。そう考えるとデッドハラン王国には潜入していたのがクロウとグックとなるわけだ。

 師匠は知っているのか分からずとも、そこはスルーしとく。


「結構な人いるら。おっ!ルシャンダ、楽しそうらな。いじりたくなるらよ。らいと一戦交えた時に殺したはずなのに生きてら。ワイズのせいらよ」

「それ嫌味?俺の弟が大事にしてるもん、これ以上壊さないでくれると助かる。それに俺の可愛いニディアには手出してないよな?カディヴィアの刑務所に入っていたドロップが消えたと新聞で見た」

「ドロップは大丈夫らよ。チェルの力でニディアにしたことや女性にしていたこと抹消したら。今は普通の子らよ」


 それならそれでいいけれど、これでニディアを奪おうと計画しているなら、ニディアを救いに向かっていた。無事ならそれでいいとルシャンダとズユがVR体験に入るようで、グックが移動する。

 俺は会えないがルシャンダは雷魔を出せるから、そんなに心配はしていない。VR体験に入ったのを確認し、グックは天満ジェルロを出し、部下たちはグラキャスを出して人々を襲い始めた。ルシャンダがグックに気を取られている隙に俺はズユと接触する。


 ズユはえっという表情でいて、名札を見せると、ズユに言われる。


「地獄箱から出られないはず。どうやって」

「チェルと取引して出してもらった。今はその」

「リクの元で働いてるの?」

「そう。だから大人しくしてくれると助かる。それにリクがここにいる」


 ズユに伝えるとズユはそっかと少しトーンを下げながら、ズユに言われる。


「なんとなく、リクが何をしているのか知ってたよ。リクのとと様が組の組長で、組長が亡くなられた後、リクがやってること。アイズはズユとリクを離すために動いてくれてるんだよね?」

「逃げれるなら逃げたほうがいい」

「…忠告ありがとね。ルシャンダ助けないと」


 ズユはルシャンダを助けに向かってしまい、前から知っていながらもリクと接していたってことになる。そしたらリクが出て来て、一発殴られた。


「ズユの前に現れるなよ。関係が悪化したらどうすんだよ」

「悪い。ただズユはリクの本性を知っているようだった。ここはちゃんと話すべきだと俺は思う」

「帰ったら話す。アイズはそのまま場が収まるまで待機をしておけ」


 了解と告げ様子を伺っていると雷魔が現れ、これはまずくないかと黒い雲ができ雷が落雷して眩しい光が数秒起きる。消えルシャンダたちは無事かと光っていた場所へ行ってみたら、グックが珍しく雷によって全身が焦げていた。


「らー!逃げられたらよ!」


 内心ホッとしながらグックにどんまいと告げると今ホッとしたらよな?と圧をかけられる。してないと手を横に振っているも、グックは近づき、睨まれる羽目になった。そしたら離れてくださいとカディヴィア社員がグックに武器を向けている。

 グックは舌打ちしながら消え、カディヴィア社員が総軍隊長、よかったですと久しぶりにその名で呼ばれた。小声でまだ任務中だからと伝え、失礼しましたとカディヴィア社員は退散して行き、チェルが走ってくる。


「大丈夫?」

「平気。イベントは一旦中止することになるから、各企業様に謝罪する。俺は来てくれた人たちのお詫びメール送るから」

「了解。さっきズユ様を見かけたの。少しお話ししたかった」

「いつかちゃんと話せる日が来るよ。それまではリクの元で働こう」


 うんとチェルが笑顔を出し、俺たちは仕事へ戻って、お詫びのメールをしに向かった。こんなもんかなと本日来てくれた人たちに一斉送信して、後日別の日程が組めそうならその日に来てもらうかは各企業に聞いてみないと分からない。

 明日開催できるかも危ういなと考えつつ、部下たちに壊れた部品を撤去するよう命じていた。こうなることになるんだったらサクラでも使って二人に絞れば、大ごとにはならなかったんじゃないかと思ってしまうほどだ。そこは今後のことも考えリクに相談するか。



 基地へと戻りまだズユは帰って来ていないようで、なんて伝えようか考えているとズユが帰ってくる。ズユは俺様を見ず、デスクに到着するも足を止め、機嫌が悪いことぐらいわかっていた。


「ズユ」

「せっかくの楽しみ台無しにされて、超不機嫌。リク、正直に答えて。じゃなきゃわゆはもうリクを信じられなくなる」

「親父が亡くなって俺様が組を動かしてる。だから俺はパトレア様の番犬として汚い仕事を引き受けているよ」


 伝え切るとズユは深いため息を出しながら、俺様の前に来て平手打ちを喰らう。ズユは涙を一粒、また一粒流して、信じてたのにと言われた。

 ズユに触れようとも俺はズユの信頼を失ったと同然。ならこうするしかないと無理やりズユを軽めに押し、逃げ場を失わせてズユに口付けをする。嫌だと俺を突き飛ばそうとも、ズユの力は弱い。し終えるとズユは手の甲に口を当てていて、俺はそれでもズユを抱きしめる。最初は嫌がっていたものの、手が背中に周り、ズユの言葉を聞く。


「もう二度とわゆに嘘つかないで、正直に答えて」

「約束する。もう包み隠さない。パトレア様から指示を受けて、今チェルは俺の元で働いてもらってる。まだ会わせるように言われてないけど、必ず会わせてやるからもう少し待ってな」

「うん。待ってるね。ねえリク」


 ん?と顔を見るとズユは涙を拭いて引き出しから封筒を取り出す。


とと様の番犬ならこれとと様に渡してほしい」


 俺様に手紙を渡し、これが何を意味するのかわかってしまう。本当に渡しちゃっていいのかと目を見ると、覚悟はできているようだった。


「そしたらせっかくできた革命軍は」

「私が降参すればリアは救われる。リクの隣にいればいいってことだよね」


 確かパトレア様は次の手段を選んで動いていると聞いてる。だからリアを救うことは不可能だ。


「ズユ、これはまだ渡すな。俺様がいいって言うまで、出さないでくれ。すでにパトレア様は新しい手口で動いている。ズユはこのまま、ズユの母さんが成し遂げようとしたことに専念しろ」

「なんとか取り消すことはできないの?」

「決定事項らしい」


 ズユは思い詰めたような表情をしていて、勝手に楽園に戻るなよ。そしたらわかったと俺様から封筒をとり引き出しに戻した。


「リクとの約束は守る。ただこれだけは守って。もう二度殺めないでほしい」

「約束する」


 小指を出しズユも小指を出して指切りげんまんをし、俺様はズユに再度キスをして、パトレア様に報告しに行くことに。



 リクが行った後、わゆはソラとカイに打ち明け、あの組織と関わっていることがはっきりした。


「リクはやっぱりあの組長として動いていたんだきゅうね。以前聞いた時は組抜けてきたって言ってたきゅうに」

「組長が亡くなられてから、リクの様子がおかしいのはわかってたやさ。もっとリクに寄り添っていれば違う道があったかもしれやさね」

「信じてリクと接していた。リクに嘘つかれてショックだよ」


 組を抜けたって聞いてたからわゆはそれを信じてリクと接していた。信頼しきちゃったことでリクを疑わずにいたのもいけない。そうなると炎帝がここにいるのも危険かもしれないとソラに指示を出す。


「リクにばれてるかもしれないけれど、炎帝をカディヴィア社へと運んで。カイはニューダ社にいるギーディスに炎帝のことを知らせてあげて。わゆは再度、ルシャンダに連絡してノアと接触するから」


 了解と二人から返事をもらい、早速行ってもらった。さっきフリジンダ社に行ったけれど、ルシャンダに連絡を取ってみる。まだワイズたちと話してるかなと切ろうとしたら出てくれた。


「さっきぶりだね。少し話せそう?」

『大丈夫でありますよ。どうかしたでありますか?』

「ノアに伝えて置かなければならないことがあって、そこにノアいる?」


 ちょっと待っててくださいでありますと音楽が流れ、待っているとノアの声が聞こえる。


『すぐ帰らなくてもよかったじゃないか。どうした?』

「考える時間が必要だと思って。話したいことは炎帝のことなの。炎帝を保護し今カディヴィア社に運んでもらってる」

『じいちゃん生きてたのか。てっきりもうじいちゃんには会えないのかと思ってた。ありがとう、ちょっと行ってみる』


 ルシャンダに代わり、ノアはカディヴィア社に行ったみたい。後はルシャンダに確認しなければならないことがある。


「ルシャンダ、ありがとう」

『いいでありますよ』

「ルシャンダに聞きたいことがあるの。アイズのことで」


 そしたらルシャンダはだんまりしちゃって、ルシャンダは何かを知っているんだと理解する。わゆがいつもギブアンドテイクするから、教えてはくれないかもしれない。そう考えているとルシャンダがこう言う。


『ワイズたちのじいちゃん情報くれたでありますから、教えてるでありますね。あれは』


 ルシャンダは包み隠さず全てを教えてくれて、わゆを守ろうとルシャンダがわゆに接触した理由だったらしい。花火大会で言い争っていたわけもなんとなくわかった気がした。


「ありがとう。でもわゆは」

『わかっているでありますよ。和吉とズユはまぶたち。困ったら助け合う仲であります。困ったらいつでも言ってくださいでありますね』

「うん。何かあったらルシャンダに言うし、ルシャンダも何か困ったことあったら言ってね」

『言うであります。またハッカークロウから攻撃されているでありますから、切るでありますね』


 またねと言いながら通話を終え、ハッカークロウはリクの元で働いていることが知れた。クロウの写真を印刷し関係図につけていく。まだヨウミが白か黒かわからないけれど、黒だとはっきりしたら組織を動かしているのがヨウミ。

 今はとと様に集中するべきだとしても、なんだろうこの感じ。今まで味わったことがないようなことが起きるのではないかと思ってしまう。


 ジルーとベインが脱出できたのか確認がまだ取れていない状況でもある。ここで二人が確実に捕まってしまったら、作戦を変えなければならない。二人の捜索は引き続きやってもらうことにして、わゆはそれ以外のことを進めることにした。



 ファッションショー当日となり、俺とチェルは会場に来ていた。凄い人だなと列に並びながらちらほらとミライファンを見かける。俺もミライファンと癖でグッズを買いすぎてしまった。リク情報ではパトレア様と一緒に別室でみるらしい。

 会場の中へと入り、チケットに書かれている席に座る。前の席だと気づかれるかもしれないから後ろ側の席。


「ミライを見られるとは思わなかったけど、なんでくれたのかわからない」

「あれじゃない?アイズがファンクラブに入ってるから、リクがくれたと思う」


 とは言えファンクラブが廃止されてしまい、どうするかと悩んでいたがミライが芸能活動をしていることもあり、ファンクラブがあったからそれに入っている。

 それによってファンクラブ特典もさっきもらえた。これはリアに渡してもらおうと大切にしまい、時間となってファッションショーが始まった。いろんなモデルを見て、そして一度暗闇となり、モニターを見るとペンライトの光でママにとどけという文字が現れる。再び暗闇となり舞台が光るとミライとワイズがランウェイを歩き始めた。

 可愛いとスマホでパシャパシャ撮っていたら、チェルに笑われてしまっても、ミライがあんなに大きく成長している喜びのほうが大きい。チラッと俺と目があったように無邪気な笑顔で手を振ってくれるから俺も手を振る。

 そしたら二階の個室に手を振っていて、そこにはリアがいた。ただリアを後ろから抱きしめる人物に混乱した。ミライもそれによって立ち止まってしまい、ワイズがミライを引っ張るも動かない。


 ヨウミがいなくなったことで、チェルにごめんと俺はヨウミを追いかける。おそらく関係者の通路だろうと走っていたらヨウミを発見し、ヨウミと声をかけたら振り向いて、これはこれはと言われた。


「どう言うことだ?説明しろ!」

「そう焦らないでもらいたい。我が輩は一応エルラド族の人間。エルラド族同士で会っていてもおかしくはないしょう。それからもう一つ。エルディ組と手を組ませてもらっている以上、くれぐれも我が輩の邪魔はしないように。では失礼」


 ここ最近無差別事件を起こさせ、それを処理するのがエルディ組の役目。これをワイズに伝えなくてはならない。そう思ってワイズを探しているとミライを連れて歩いているワイズを発見する。


「ワイズ!」


 声をかけたらミライがアイ兄ちゃんと俺に飛びついて来て、俺のこと覚えてくれるだなんて涙が出そうだ。


「兄貴、来るならVIPルーム招待したのに」

「ルシャンダから聞いてんのか」

「まあ一応。控え室で話すか。ここだと喋りにくいだろ」

 

 ミライは俺の手を握りこっちだよと控え室を案内してくれて、控え室の中へと入る。


「まだ出番あるだろ?」

「少し時間はある。それとも長引くなら、終わり次第、親父が教えてくれたバーで聞くけど、どうする?」

「終わり次第でいい」


 ならとワイズと連絡先を交換して、ミライはもう少し俺といたいらしいけれどミライを撫でて、席へと戻りミライを見届けてあげた。


 チェルに用事ができたと告げてワイズが教えてくれたバーで待つことに。これが終わったら念の為、ワイズの連絡先は消しておこう。しばらくして遅くなったとワイズとそして父さんが不機嫌な顔でやって来た。


「アイズ、お前」


 帰らずあそこで働いているのを怒ってるのかと覚悟をしていたが、アイズだぁと俺に抱きつき顔をすりすりして心配したんだぞーと言われる。離れろと思ってもなかなか離れてくれず、ワイズは酒を頼んでくれたがワイズはコーヒーを頼む。


「酒飲まないのか?」

「まだ仕事中だから、コーヒーにしておく。ほら親父、アイズの話聞くために来たんだろうが。さっさと着席しろ」


 親子が逆転するように子が親で親が子に見えてしまうぐらい、うんと父さんは花を啜りながら着席した。俺はワイズと父さんの間に座り、酒をもらいながら話していく。


「さっきリアがいた部屋にヨウミがいたのは知っているよな?」

「知ってる」

「それで気になって追いかけて言われたよ。ヨウミもある族であって、族同士で会っていた」

「俺たちもヨウミが最近おかしいとタングたちから情報はもらっていた。完全にヨウミが黒だと言うこともはっきりした以上。親父」

「ヨウミを確保する前提で動いたほうがいいだろうな。それとあれだ。アイズ、エルディ組に入って感じたことはあるか?」


 感じたことと言えば確かにリクは組長をしつつ、ズユの下で働いているわけ。そう言えばと父さんとワイズに確認をしてみる。


「俺が組に入る代わりに一緒にあの箱に閉じ込められていたノースとフラ、それから中にいた人たちの釈放する条件で組に入った。ノースたち帰って来てるか?」

「帰って来てない」

「イルルの未来は確定したっぽいな。親父、エルディ組に乗り込む気か」

「いや、行くとしたら革命軍の基地だろ。そこにノースたちがいる可能性が高い」


 帰ってると思っていたが、リクの言葉を信じて組に入ってしまった。組を抜けるにはリクの了承がいるけれど、俺を手放さないだろう。

 考えていたら、なーに喋ってんのとリクと後ろに部下数名が現れ、会っていること完全に見つかってしまった。


「バーテンダーから情報もらってたんで、ご挨拶にをと。ワイズ社長、ギーディス社長代理。総司令官は元気か?」


 父さんの逆鱗を買う勢いで話してくるから、止めに入ろうとしたけれど先に父さんがリクの着物を鷲掴みにする。


「ディリーはお前を信じて、西軍隊長を任せたんだぞ!ビリーにも裏切られ、ディリーがどんな思いでいたか!」


 ふっと笑って次第には大笑いし、父さんは炎魔を出そうとして、ワイズは手から炎を出している。やめろと止めに入っても、アイズは黙っておけと突き飛ばされてしまった。

「あらら、大切な息子にも手を出すとはいい度胸だな。それともあれか?組に入れさせたことが気に食わないってか?だがな」


 父さんの腕を思いっきり掴み、ヘラヘラしながら父さんに告げる。 


「断ってもいいと伝えたが、アイズは組に入ることを選んだ。それともニディアを襲わせたほうが大人しくしてくれるか?」

「リク、その件については」

「悪い。大人しく引いてくれればニディアには手を出さない。なあ、ここ一応俺様の大事な場所なんだよ。火消してくれない?」


 このバーがエルディ組と繋がっているとは知らず、父さんとワイズは火を消す。父さんは鷲塚むのをやめると後ろにいた部下たちが、父さんとワイズを殴り始めようとするも鈴の力を使ってか消えた。


「逃げられたか。まあいい。アイズ、今回は見逃してやるが、余計なこと今後喋ったら、ニディアを襲うこと忘れるんじゃねえぞ。返事は?」


 はいと告げ悪いなとバーテンダーに謝り、父さんと飲むはずだった酒を飲む。お前らも飲めと部下たちに伝え、ご馳走様ですと酒を選んで頼み始めた。

 普段は吸わないのに、煙草を吸って俺にあることを話す。


「俺様、最低だろ。せっかくの場をぶち壊して、父親と飲むはずだった酒を俺が飲む。ズユからの信頼は厚くても、俺が支配しているようなもんだ」

「…俺も以前はそうだった。ワイズから大事なもん奪って、支配しようと企んでたのもある。このままリアとミライ三人で過ごせればって何度も。それにキアも奪っては結局罰が当たったように罠に入った」

「アイズは愛が誰よりも強い。異常ぐらいだよ。ニディアに関しても、シスコンを超えるんじゃないかって」

「シスコンは余計だ」

 ははっとリクは笑いながら煙草を吸って、一本吸うかと言われたから一本もらい吸うもなんだこれおえっとなった。よくこんなの吸えるなと思ったら、やっぱりこっちかと渡されたのが棒キャンディーをくれる。

 お子ちゃまじゃないとなれるまでには多少かかるかもな。


「ニディアとの接触はしていい。大事なもんは会っておけよ。これから激しい戦が待ち受けているからな」

「それって」

「ズユにはまだ言えてないが、革命軍を滅ぼしズユを取り返す準備をしているらしい。取り返したら俺様のところに嫁がせるそうだ。アイズは最近どうなんだ?チェルとうまくいってそうな気もするけど、気持ちは変わらずか?」

「気持ちはだいぶ変わっている。ただチェルはそういう関係ではないからな。もしかすると俺はこのまま独身で過ごすかもしれない」


 俺は一人に絞れないこともあり、このまま俺はみんなの幸せを見届ける側としているんだろうと感じた。


「ならさ、紹介しようか?まあどうなるかわからないが、話はつけておく」

「いや、俺は」

「変わるかもしれないぜ。多少はな」


 なんだよとリクの腕に拳をぶつけ、リクは笑っていて、俺もつい笑ってしまう。こんな話するとは想定外だったけれど、リアとキアのこと忘れるぐらいの人に会えればいいなと思い始めていた。

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