83話 地獄箱へルック②
キアからの情報を得て俺は棚にある本を調べ尽くし、他の家にある本も漁り脱出経路を確認していた。簡単には脱出経路は掴めず、まずはこの土地を調べている。
何がありどういうマナジオが出現するのかを確認しながら、メモをしているとアイズ兄さーんと呼ばれた。ノースは相変わらず術にかかっており、俺に弁当を作ってくれている。それを頬張りながらメモをしていると、ノースが興味深そうに見ていて見せてあげた。
「こんなことしなくても、拙僧たちはここに住んでいるじゃありませんか。まさか村から出ちゃうの?」
「まあそんなとこ。あの村にいても、人には会えないから、人を探しに行く。だからノースもいつでも出かけられるように、準備は進めてくれ」
「わかりましたけど、時々来てくれるチェルにはなんて?」
俺がすでに記憶が戻っていることは気づいているかは不明であっても、普通に食料など持って来てくれるからな。そしたらマナジオが出現し、軽く動くかと武器を取ってマナジオを倒した。
ふうっと汗を拭い、大体はこの土地がなんなのか把握できたし、後はどうやって鍵がある管理室へと入るか。
端から端までは扉がなかったし、地面も確認してみるも鍵穴らしきものはなかった。移動するには必ず通路があるはずだと考えていると、きゃあと空から降ってくる子がいて、炎魔を出しその子を救う。
「お前、確か」
「なっなんでアイズがいんのよ。てかここどこ?」
予想外な展開で一度地に着地し、フラがなぜここに来たのか説明してもらうことに。
「シフォンを探して空を飛んでたらいきなり襲われて、気がついたらここにいた」
「自分の力で飛べたはずじゃ」
「混乱んしてて力使うの忘れてたの。それにノースもいるけど、どうしたの?」
ノースは話についていけてないらしく、耳元で教えるとなるほどというポーズを取った。
「ならシフォンはキアと一緒ならよかった。これでなんか拷問とかされてたらどうしようって思っちゃったよ。それでアイズたちはどうしてここに?」
「俺たちも似たようなケースで一度、洗脳されたけどキアが来てくれたことで、俺はなんとか思い出せた」
「ふむふむ。今、あっちではリアたちのことやアイズのこと探し回ってる。そうだ!ルシャンダからもらってたの。ちょっと待ってて」
フラはスマホを取り出し、ここは圏外なはずだと思ったら、普通にスマホが使えている。ビデオ通話にしてしばらくするとルシャンダが目を飛び出すような表情をしていた。
「こちらフラ。なんかよくわからないけど、アイズとノースと接触できたよ」
『フラ、ナイスであります。せっかく持ってくれてたのにゲートは開けないようであります。ごめんであります』
「いや、いい。そこにワイズいるか?」
『今はミライと一緒にオーディションに出かけているでありますから、いないであります』
オーディションということは子役でもやらせる気なのかと、想像するだけでミライは確実に売れっ子になりそうだ。鼻血が多少出ていても、状況を説明する。
「俺とノースはあの日から閉じ込められているが、キアと接触できた。キアの情報だとリア、キア、ティル、シフォン四名が囚われているらしい」
『プラスリアとワイズの子も囚われているので合計五名でありますね』
いつの間にと知らない情報が入り、少し落ち込むも続きを伝える。
「チェルという女の子がこの地獄箱へルックの管理をしているらしい。今住んでいる家や空き家にはそんな本はないが、そっちで調べられそうか?」
『任せてであります。それとフラ、無線は使えそうでありますか?もしスマホが使えなくなった時用に、無線は便利であります』
「持ってるよ。予備用にもう一個あるから、はい」
助かると無線をつけオンにするとルシャンダの声がテストテストとビデオ通話があるのに言ってくれる。
「聞こえる」
『よかったであります。また何かあれば連絡するであります。くれぐれも気をつけてであります』
頼むなと告げるとルシャンダは任せてでありますと切れてしまい、これでなんとか脱出はできるかもしれないと感じた。
「アイズ兄さん、拙僧…」
「混乱しちゃってるかもしれないけど、必ず記憶戻せるように探すから、ノースは俺とフラについて来てくれればいい。フラ、チェルと接触する場合、目を見るな。逸らせなくなって、洗脳されるから」
「了解。それでどうするの?」
「ルシャンダから連絡来るまでに支度はしたほうがいいかもしれない。一度村に戻る」
ある程度メモしたものさっきルシャンダに見せるべきだったかと思いながらも、俺たちは一度村へと帰ることに。
◇
管理室でモニターを見ていたら、フラという子がこの中へと入ったようで、アイズと接触をした。そしてまさかのまさか。わちの能力が切れていることに気づき、誰かと連絡を取っている模様。
そうきたかとわちは村にプログラムを組み替え、村から出ないようにする。後は睡眠ガスを起動させ、眠ったのを確認し、アイズたちをばらばらに閉じ込めておく。
見ていたら壁が扉に代わりジルーが入って来た。
「珍しいお客さん」
「状況は?」
「わちの能力が切れてた。もしかしたらキア様と会わせた時に全て思い出した。ただノースはきっちりここで暮らしているって認識してる」
「そうですか。きっちり監視しておくのですよ。万が一パトレア様の逆鱗に触れるようになったら、わかっていますね?」
わかっていますと伝えながら、三人が眠ったのを確認し、まずはあれを回収しておく必要があるなと睡眠ガスを停止させ村へと入る。
◇
村に戻って身支度をしでた瞬間、ガスによって眠気に襲われてしまうとは不覚だった。ここはどこだと周囲を見渡しても真っ暗な部屋。ノース、フラと呼びかけるも、さっきのことで全て見られていたかと耳に触れたら無線はあった。
俺は咄嗟に無線をオンにしてルシャンダと呼びかけるとどうしたでありますかと応答してくれる。
「悪い。出かける準備をして家を出た途端に睡眠ガスでやられて、俺たちがばらばらに飛ばされた。まだ難しそうか?」
『地獄箱へルックについて、調べているでありますが、情報は掴めないであります』
「そうか。二人と離れるのは一番に、ちょっと一旦切る」
あいあいさーという声を聞き、オフにして髪の毛で耳を隠す。ヒールの足音が聞こえ、炎魔を出しぼっと灯火がつくとチェルが冷ややかな笑みを浮かべながら手を振った。
「ノースとフラをどこへやった?」
「さあどこだろう。わちの目を見ないのは恐れてる?洗脳されたら困るよね」
近づくなと炎魔がチェルに攻撃を与えるも当たらず、いつの間にか背後に壁があってチェルが俺の顔を掴む。
「ノースとフラはねえ、しっかりわちの目を見てくれて、今は各エリアで過ごしてもらってる。助けてもアイズのことは忘れてるよ」
目を瞑ってチェルを突き飛ばし炎魔の翼を借りて飛行してみるも、ぶつかり落下してしまった。どこへ行っても壁にぶつかっていることで、チェルが笑い出す。
思うように目を開けられないことで、出口を探し出せないでいたら、オフにした無線がオンに切り替わり、ルシャンダが小声で話した。
『和吉の言う通りに動くであります。まずは右に進むであります』
ルシャンダが何かを掴んだようで、俺は言われた通りに右へと進む。ルシャンダの誘導によって扉がみえても、ロックがかかっているようだった。
待ってよとチェルの声が後ろから響き、どうすればいいと周囲を見渡すも真っ暗だ。そしたら解除音が聞こえ、その中へ入ると扉が完全に閉まる。
すると大きな木々がたくさんありさっきの部屋は中央エリアの左側か右側を意味しているのか。
「ルシャンダ、ありがとう。フラも無線がついてるよな?フラはどこにいるかわかる?」
『同じエリアにいるようであります。GPSを見る限り、中央にフラがいるようでありますよ』
「わかった。調べてみる。何かわかり次第、また教えてくれ」
あいあいさーとまた言われ、一度無線が切れた。ルシャンダに言われた通り中央を目指していると、木や植物のマナジオが出現し、ここは思いっきり炎で焼き尽くす。
ここは案外うまく行けそうだなと中央に辿り着くと唖然としてしまった。
なぜなら根に絡まっている人たちが多くいて、根を燃やしてみるも生えて助けられない状況だ。
「炎魔、この人たちを救う手段は?」
「木魔と言って、ウィズスという魔を倒さなければ助からない」
案内してくれと気配を感じ取れる炎魔は俺の背中に羽根を生やせ誘導してくれるようだ。ウィズスの棲家となっている場所に到着すると、大きな樹木の中にフラが生活をしていた。
けれど俺に気づいていないらしく、手を振っても俺の姿は見えていないような感じがする。
そしたら俺が来たからなのかフラが入っている樹木から目が出てきて、葉っぱが俺を攻撃するから燃やした。こうやってみると気色悪い樹木だなと樹木が動いているにも関わらず読書をしているフラ。
これを倒さない限り無理のようだなと炎魔に葉を燃やしてもらうも、葉っぱが復活する。どうなっていると攻撃を回避しながら、考えているとそういうことかと葉っぱの攻撃を燃やす。
いくら炎魔の力を使って全焼しても復活するのは下中央のブロックが青。つまり水エリアということだ。水を吸収すれば木は癒える。
これは苦戦しそうだし、チェルがここに来たら終わりのようなものだ。考えろ。何かいい方法があるはずだと周囲を見渡すも俺の能力はバリア。バリアとふと思い、俺のバリアはどんなことがあっても破れない威力がある。一か八かで地面にありったけのバリアを敷いた。
今だと炎魔に叫び、樹木全体に火をつけてもらうとさっきみたいに回復はしない。俺の能力を舐めないでもらいたいと、フラを救出しようと思った時にフラが入った小さな部屋だけが抜け動き出し、ハイスピードで逃げる。
このままでいいのかわからずとも小さくなった樹木を追いかけていたら、チェルが目の前に来てフラが入った樹木に逃げられてしまった。
「はい、そこまで。どお?傑作だと思わない?」
「フラがなぜ俺がいるのに気づかなかった?」
「それはアイズという存在はいないってここが認識している。たとえ助けようとしても、フラはあのこじんまりとした部屋から出ることはない。ノースもアイズの存在は消してあるから無理だよ」
そういう能力があるとは知らず、この二人に認識してもらうにはチェルを完全に倒さなければならないということか。炎魔が俺の肩に乗る。
「降参してあの村に戻る選択肢もある。そうすればあの二人を村に戻すこともできる。どうする?」
ここで挫けるわけがないと倒す方法を探っていたら、そう言えばズユ様がどうのこうの言ってたよな。ここでルシャンダと話しているのがばれたらまずいなと悩んでいると、ルシャンダの声が聞こえる。
『アイズ、チェルは幼い頃からズユの側近だったらしいであります。ズユは今、革命軍として動いているでありますよ』
チェルに聞こえない程度にありがとうと伝え、チェルに伝えた。
「思い出したよ。ズユって子。俺、実は会っててさ、チェルのこと心配してた」
「はったりに過ぎない。あのお方から逃げ切れるわけがない!」
「革命軍として動いている。タブレット持っているなら、調べればわかるはずだ」
本当に情報が出ているかわからずとも、チェルはタブレットで調べ、どうかなと待っていてあげると本当だと呟く。ルシャンダからもう一つ言われ、ギブアンドテイクをよくしているらしい。
ワイズがそのこと知ったら怒るんじゃないかレベルであっても、チェルは少し戸惑いを見せていた。
「リクとはもう関わるなってパトレア様に言われてるのに一緒にいるだなんて。早くリクと離れさせなきゃ」
「力になろうか?」
「それはいい。ただリクはある組織と繋がってるという噂がある」
「ある組織って?」
本当は俺を確保したいようであっても、俺の隣に来てタブレットを見せてもらう。それはリクという情報でこの刺青どこかで見たようなと思っていたら、嘘だろと刺青を拡大してこれがデザンだとわかった。
「ちょっと確認なんだけど、こいつって」
「デザンと仮名でやっていた人。たぶん用が済んだからズユ様の元へ帰ったんだと思う」
俺が選んだ隊長でおそらく母さんは隊長がいなくなったことで、怒っていそうだな。デザンは後継者を作っていないような雰囲気だし、ブルバに任せてしまうことになる。
ブルバはまだ慣れていないこともあるだろうし、変な奴を隊長にするのではないかと感じてしまった。
「ちなみにさ、ある組織ってどんな?」
「質問多過ぎ。まあある組織って言っても、知ってると思う。エピルス集団のこと」
ある組織の名を聞いて、これもまた衝撃すぎることで、そしたら余計に危なくないか。
「その刺青となぜ関係がある?」
「そこまでは知らないけれど、リクはエピルス集団と手を組んでいる、組長の息子って聞いたことはあるけど、そんな組があるとは一度も聞いたことがない」
ならここは交渉して俺たちを出してもらおうか。
「ならさ、チェル。俺と交渉しないか?俺がその組が本当にあるのか、調べるからさ。その代わりノースとフラ、それからこの箱にいる人たちを出してくれ」
「いやいや。それはできない。パトレア様はここを監視しているわけじゃないけれど、外に出ればわちが疑われてズユ様に会えなくなる」
するとタブレットの画面が切り替わり、ルシャンダの顔が見れ提案を持ちかけられた。
『なら和吉がハッキングして、ズユと接触しリクと接触するでありますよ。時間はかかるかもしれないでありますが、情報が分かり次第、ここに送るであります』
「誰?」
『ルシャンダであります』
「よろしく。ハッキング得意なら、フェイク動画って作れそう?それならうまくアイズを脱出させられるかもしれない」
できるでありますと言っており、覚悟を持ってなのか俺の提案に乗ってくれる。
「わかった。けれど情報を聞き出せるまで、ノースたちはここにいてもらう。それでいい?」
「構わない」
ルシャンダは了解でありますと画面が戻り、チェルの手を握って管理室へと入った。本当に七色の鍵があると思いながら、洋服をもらう。
「もしかしたらリクが帰ってくる可能性があるから、顔は変えたほうがいいかもしれない。あと名前も偽名を使うこと」
「顔は変えられないだろ。せめて髪型を変えるぐらいしか」
「人の顔をいじれる能力者はまだ現れていないから、んー」
全身を見て椅子に座ってと言われたから座り、俺の髪の毛を切っていく。少ししてこんなもんかなと鏡を見せてもらい、それでも俺だとはっきりしてしまった。
そこでチェルは化粧道具をとりささっと俺の顔に化粧をして見せてもらうと別人のようだ。
「この化粧は一週間持つ。その期間に調べられなかったら、アイズはここに戻ってくる。それでいい?」
「それまでに調べとく」
着替えてローブを羽織り、俺は一度脱出ができたが、ノールト兵が目の前で寝ていて思わず声を出しそうになった。チェルがこっちと言いながら警戒をしつつ、楽園から脱出し、ある組について調べることになる。
闇市とかに行けば何か情報が掴めそうだなと、カディヴィアに行きたいが手持ちの金は持ってない。となればワガラ都市にある闇市に行くかと歩こうとしたら、目の前に歩いて来ているのがセイワンだ。なぜいるんだと逃げようともセイワンは俺の匂いを知っているため、俺の目の前に立つ。
「アイズの匂いがする。だがアイズではないな。お前は誰だ?」
俺だとしても正体を明かすつもりはないと通りすがるつもりがセイワンが噛み付く。これは離してくれなさそうだなと伝えた。
「セイワン、アイズだ。色々あって今は戻れない。デザンのことについて調べている。何か情報は掴めてないか?」
セイワンは噛み付くのを止め、驚いた表情で話してくれる。
「これは驚いた。デザンか。最近、見かけてはいないが、妙な匂いはする。それと無差別殺人が起きているようだ。現場に行くたびに、デザンの匂いがかすかに匂って、辿ったのだが途中でいつも途絶える」
「どの辺だ?」
「プルパガースの土地にあるガスガンの都」
ガスガンの都は一度行ったことがあるけれど、ここからは距離が遠い。どうするかと悩んでいたらセイワンから鈴をもらう。
「大事な任務なのだろう。おんの鈴を貸す。その代わり絶対に帰って来い。皆心配している」
「もちろん。任務が終わったら帰る。そう母さんに伝えてくれ」
承知したとセイワンは犬になってカディヴィアの門へと行き、俺は鈴の力を使ってプルパガースのガスカンの都へと到着する。建物自体は古風のようなイメージで紫のガスが黙々と漂っている都だ。
都に住んでいる民たちはデザンのような格好をしている。肌はもちろん出してはいない。デザンが変わっているだけのことだ。
どうせなら俺も着物系を着てくればよかったかと思いながらも、組について事情聴取するも情報はなかった。やはり表には出ていない情報らしいなと、歩いていたら周囲を警戒している人を見つけ俺は尾行していく。
なぜ警戒していると尾行していると建物の間を通り抜け、裏路地に到着し左足で三回地面を叩くと地面が開き地下通路へと繋がっているようだった。閉まる前に俺も入り地下通路には何があるんだと進んでいくと地下になんと街ができている。
通りでセイワンはここに気づかずで終わったということか。こんな早く見つかるとは思わなく、ここで聞き込みができるかもしれないと一歩踏み出した瞬間。強い静電気によって全身が麻痺し倒れる。そしたらぞろぞろと武装した人たちが現れ布袋を被せられ両手を縛り連行された。
何もなかったとはいえ、なぜ静電気が流れたのかは定かではない。どこかの建物に入ったようで、組長侵入者ですと誰かが報告しているようだ。ここで組長に会えるとは好都合だと布袋を取ってもらうと、組長の姿に呆気に取られる。
組長は正しくデザンであり、その後ろにいるのはクロウだった。この二人グルだったのかよと突っ込みたくてもチェルがやってくれたことで、俺だとは気づかない。部下たちを下げさせ俺の前にしゃがみ俺の顔を覗き込む。
「これはチェルの仕業だな。クロウ、解析を」
クロウは手に持っているタブレットで俺を読み込み、出たとデザンに見せるとふっと笑って座椅子にゆたりと座り込む。
「まさか、元総軍隊長がここに訪れるとは思いもしなかったぜ。それで俺様のことを報告しにいくつもりか?俺様とクロウが何者で、何をしているのか」
「チェルの指示で動いているだけだ。これ以上ズユに関わるなと」
「関わる?そう言われても俺様はパトレア様に忠誠を誓っている番犬だ。汚いことは俺様が全て引き受け、反抗期のズユを俺様に渡した。それにズユも俺を信用しているってわけだ」
無線はつけたままでルシャンダがガミガミ言っている声が聞こえる。ここからそう簡単に返してはくれなさそうだな。
「ここはズユがいつもやっているギブアンドテイクと行こうじゃないか」
「ギブアンドテイク」
「そう。地獄箱にいる奴ら全員を釈放してやるよ。但しお前は俺の部下として働いてもらう。断って帰ってもいい。ただこのことはパトレア様に報告させてもらう。さあどうする?」
天罰を下るというのはノースやフラにも影響が及ぶってことだよな。二人が無事に帰ってくれるのならば、それはそれでいい。ただチェルはどうなるのかわからない。
「チェルはどうする?」
「それはパトレア様次第だろ」
二度も逆らったことでチェルの命はないということ。俺はどちらの選択をすればいいと悩んでいると、ルシャンダが言い出す。
『チェルは和吉がなんとかするであります。みんなを解放し、フリジンダ社かニューダ社かカディヴィア社で保護するでありますよ』
なら答えは一つだ。
「わかった。ギブアンドテイクを受ける」
「なら早速、報告してくるからクロウ、無線をとって壊しておいて」
へいへいとクロウが返事をするとデザンはプログラムだったようで、リアルに見えてしまった。クロウは本物のようで俺がつけている無線を外し、壊されてしまう。これでルシャンダとの連携が取れなくなってしまい、左手にリングをつけられ解放された。
バングルをつけられ外そうとしても静電気が流れる。
「外そうしても無理だ。これで炎魔は出せない。とにかくその化粧を落とせる石鹸が洗面所にあるからそれで顔を洗ってここで待ってろ」
おいっと声をかけると襖が開き、洗面所に案内しろと指示をして俺はせっかくやってくれた化粧を落としに戻った。
そして一週間後、地獄箱にいた者たちは解放されたと報告をもらうことに。




