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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
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8話 僕にも似合う服を

 夜になり続々と民が城から出てくるのをみて、ネフィラとウバンは無事かなと待つこと数分後。二人は楽しそうに話していて、声をかけるとぱっと花を咲かせこっちに来る。


「どうだった?」

「最初はびっくりしたんだけど、お仕事してこれぐらいお金もらえたよ」


 カリシーさんが言っていた通りで安心し、コルキューラ村の人たちも嬉しそうに帰っていく姿を見届ける。一先ずは安心できたけれど、ティルが城に来ていたかどうか確認した。


「ティル来てなかった?」

「来てたべよ。それと変な人から伝言頼まれたんすよね?」

「そう。なんかねエピルスの一番偉い人が現れて、ティルとライディー騎士団を追い払った後に教えてもらったの。この暑さの現象がわかって、もう少し暑さは続くだろうけれど、時が経てば今まで通りの寒さに戻るって」


 時が経てばと言うのはどういう意味なんだろう。寒さが元通りに戻るなら大丈夫そうと話し合っていたら陛下が来られる。ただ黒豹のカリシーさんの姿はなかった。


「陛下」

「リア、ワイズ。直ちに帰りなさい。おそらく再度ライディー騎士団が訪れる可能性が高い」

「ですが」

「この国は大丈夫だ。心配はいらない。それに君たちがここにいると大事になるだろう。すまないが長居はしないでくれ」


 もう少し滞在はしたいけれど陛下の命令なら仕方ないか。いつか全て解決できたら訪れよう。ルシャンダに一度、クーヴァさんのお店まで開いてもらい、段ボールを持つ。

 クーヴァさんにお礼を再度言い、私たちは家へと帰った。


「おかえりであります」

「ただいま。洋服もらったから、みんなで分けるからルシャンダみんなを食堂に呼んで」


 あいあいさーとルシャンダはみんなに報告し、私たちは食堂まで運ぶ。みんなは嬉しそうに選んでて、みんなの笑顔をみた私は展望台へと行った。

 暑くも寒くもない涼しい風に吹かれながら、この島を眺めながらあることを思い出す。エピルスの一番偉い人の名前、ネフィラは言っていなかったけれど、私は察した。ヨウミだということ。


 小さい頃、私、ティルとワイズ三人は施設を抜け出し、遊んでいた時、ふらっと現れたのがヨウミ。そして遊んでいたことが館長に見つかり、目の前でヨウミはライディー騎士団によって殺害された。

 仮に生きたとしてもヨウミに会いたくない理由が実在する。それは私にしか見せてない姿がファンズマの姿だった。エピルスの人たちはファンズマの力を得ている。いずれファンズマの力を使って私たちを襲うのであれば絶対にみんなを守らなくちゃ。


「やっぱりここにいた。どうした?」

「ワイズ、私やっぱりエピルスと接触したくないの。カリシーさんはいい人だったけど、ヨウミと会いたくない。私、見ちゃったの。昔、ヨウミがファンズマの姿になってるところを。その姿がまるで」


 私が言いたくない言葉を塞ぐようにワイズは大丈夫と包んでくれてその言葉は言わなかった。


「何がなんでもリアやみんなを守るし、リアが言いたくないことは無理して言わなくていい。ただ我慢するのだけはやめろよ。俺がずっとそばにいるから甘えてほしい」

 ワイズの表情が見れなくてもこれはと私も頬を染めてしまう。手をワイズの背中に乗せると強く抱きしめてくる。


「ありがとう、ワイズ。ワイズも我慢しなくていいよ」

「じゃあ今まで我慢していたこと、吐き出していい?」

「うん」

「リア、俺さ」


 ワイズが言いかけた時に姉貴と私を呼ぶキアの声が聞こえ、私とワイズはすぐさま離れ、キアはきょとんとした表情でいた。数秒後、キアは頬を赤くし両手で口を抑えながら邪魔してごめんと謝る。ワイズはまた後でとこの場から退散してしまった。


「姉貴、ごめん」

「いいよ。どうかしたの?」

「あっえっと、その…」


 急にキアはもじもじしてしまい、少ししてキアは私に発言したのだ。


「僕に似合う洋服選んでほしい」


 そういうことねとキアのスタイルをみて、キアに似合う洋服あるかなと一緒に食堂へと戻る。ほとんどみんな選び切っちゃったらしく、残っているのはワンピースやスカートが多めだった。

 なるほど、キアは男の子だしさすがにワンピースやスカートはないよねと悩む。


「キアはどんな服が好きなの?」

「あ、えっと、その…」


 まただとキアは頬を染めてしまい、数秒後やっぱりいいと逃げてしまった。キアどうしたんだろうと残ったものを一応私が貰っとくとしよう。

 私は普通に自分で作っちゃう派だから、洋服貰ったついでに布もいただいた。貰ったのでキアに似合う服でも作ってあげようかな。そうは言っても男の子だし、ここはワイズにアイディアを貰うのが良さそうとワイズを探しに行くことにした。



 僕は何してるんだろうと母さんの寝室で凹んでいます。せっかくみんなのために服をもらってくれたのに、みんなに言い出せなくて、ほしい服取られちゃった。

 僕は一応、部外者でもあるし、みんなにはあんな態度とってるから頼れる人と言ったら姉貴しかいない。そう思って選んでもらおうとしたけど、結局逃げるだなんて情けないな、僕。

 顔を上げ母さんの寝顔をみて、母さんが元気だった時のことを思い出す。


「これ、キアに似合いそうね」

「そうかな?」

「そうよ。キアは女の子だし、きっと似合うわ」

「本当に?」

「えぇ。お姉ちゃんのように美人さんだもの。そう思わない?ノア」


 兄貴は僕の姿をみてどうだろうなとふざけながら一緒にファッション雑誌をみてあの頃が恋しいと思ってしまう。その数週間後、母さんは眠りについた。

 母さんと兄貴と三人で過ごした日々はどれも楽しいことばかり。母さんが元気だった時は髪の毛伸ばしてたけど、母さんが眠りについて、兄貴に髪の毛を切ってもらい、男として動いてた。やっぱり姉貴みたいに髪伸ばして、髪を編んでもらいたい。


 いつか叶うかなと母さんを見ていたら、警報音が鳴り響き外からかとモニターで見ているも誰もいなかった。ハッキングされているのか調べるもハッキングの形跡はない。うっかりルシャンダがやっているのだとしたら、ルシャンダを疑うよ。

 誰もいないのはおかしいと姿を消し、母さんの寝室に鍵をかけ、施設内を調べていく。やはりみんなの中にスパイがいるなら母さんを移動させなければならない。施設内を確認していくと誰かの叫び声が聞こえそちらに行く。


 行ってみるとそこには兄貴の姿で、兄貴と呼んだら、よっと兄貴の挨拶がきた。


「着地失敗した。元気だった?」

「兄貴こそ。おかえり」

「すぐに行かなくちゃならないから、母さんの顔見ておこうと思ってさ」


 兄貴でよかったと安心するも油断はできないと母さんの寝室へと一緒に歩く。


「兄貴、言われた通り、姉貴と接触したよ。母さんにも会わせて、能力で試してもらったけど駄目だった」

「そうか。未来は相変わらずリアはティルに利用されてて正直辛かった。何通りみても変わらずでしかもだ。最悪なのはワイズがティルによって死す場面が変わることもない」

「僕、見ちゃった。ワイズとリアが」

「二人が付き合う場面も俺は何度も見てる。おそらくだが二人が付き合っていることに苛立ち、殺すに違いない。あんなに仲が良かった三人の運命がこうなるだなんて誰も思ってはいないだろう。とにかくどのルートでワイズが死なずに済むのかそっちを最優先するしかない」


 僕もそうするべきだと思うと解除して、兄貴は母さんのおでこにキスをしただいまと告げた。


「ギーディスにも忠告はしているが、なるべく互いが協力していることは伏せておけよ。ここでライディー騎士団に協力してるってなったら、ここにいられなくなる」

「わかってる。みんなには言わない。兄貴の言われた通りに動くよ。それでヨウミのほうはどうなってる?」

「順調に動いてるっぽい。まあリア愛は半端ないから、ヨウミと接触する場面になったら極力リアのそばで守ってほしいかな」

「それも未来で見てきたの?」


 まあねと兄貴は呆れたような笑みを浮かべ、ヨウミという人物は警戒しておこうと確信する。


「母さん見れたし、行く。何かあったらいつもの笛で呼んで」

「うん。気をつけて」

「キアも」


 僕のおでこにキスをした兄貴は僕とお揃いの笛を吹くといなくなってしまい、さっきの違和感を再度確認した。調べても結局見つからず、誤作動だと思いたいと母さんの手を握り、少し眠りにつく。



 ワイズにアドバイスをもらって、一週間後。キアをイメージして作ったけれど、気に入ってくれるかなと糸くずを切っていたら、キアが入ってきた。


「キア、ちょうど良かった。これ着てもらっていい?」

「えっ」

「いいから早く。あ!私、廊下で待ってるから」


 そう伝え私は廊下で待つこと十分後。姉貴と呼ばれ部屋に入ってみると、どうかなとキアは照れながら言う。似合いすぎてカメラがあれば撮りたいぐらいだった。


「こんな服、どこかで買ったの?」

「ううん。私が作ったの。それにしても似合いすぎる」

「ありがとう、姉貴。大切に着るね」


 嬉しそうに微笑むキアで、お母さんに見せてくるみたいで行ってしまい、今まで着ていた服を洗面所まで持っていく。これからはキアの洋服作ってあげようかなと考えていたらポケットから何かが落ちた。

 なんだろうとそれをとると写真で、私は思わず大声を出してしまう。みんながどうしたと来てしまい、私は虫がいたとだけ伝えた。


 虫と下の男の子たちは探しに行ってしまい、それに付き合ってあげる年上男子。女子組は夕飯のご飯を作りに行った。ふうと再度写真をみると私は大きな間違いをしていたことになる。

 頬を染めていたのはそういうことだったのだと知り、私は急いでさっき貰ったワンピースやスカートをみた。確かキアも手配書が貼られてないから、普通にショッピングしに行っても良さそう。キアに相談してみるとして、もし出かけたいって言ったら、そうだなこれとこれを組み合わせて、こっちもいいかもと洋服を選んで行った。


 翌日、キアと出かけることになり、私が選んだ服で歩くも、よそよそしい姿をしている。


「キア、大丈夫?」

「姉貴に選んだもらった服だから大丈夫。でも人の目線が」


 言われてみればいろんな人が私たちを見て、無線からワイズがじろじろみるんじゃねえと叫んでいた。万が一に備えてモニター室で待機してもらってます。

 

「キアの可愛い姿みてるだけだから、堂々と歩こう」

「恥ずかしい」


 慣れてないと恥ずかしい気持ちがいっぱいだよねとキアの手を握って一緒に歩く。


「私がいるから、興味のある洋服屋に行こう」


 こくんと頷いてキアが行きたいところにとことん付き合ってあげ、時に美味しいものを食べたり飲んだりした。ひと休憩でカフェでくつろぐ。


「姉貴とこうやってお店回れるの楽しい。ありがとう、姉貴」

「いいよ。私こそありがとね。最初は男の子だとばかり思って、あの服作っちゃったけど」

「あれはあれでいいよ。むっちゃかっこいいし。僕の一つの夢がこんな早く叶うだなんて、幸せすぎる」


 美味しそうにケーキを頬張るキアがそう言ってくれて、私も幸せだよと紅茶を飲んでいたらギーディスが現れしかもキアの隣に座った。

 思わず吹き出しそうになり、ギーディスはにこにこしながら見ている。そっとティーカップを置く。


「可愛い子たち発見しちゃったからさ。ワイズ、連行するつもりないから出て来なくていいよ」


 そうは言っても無線ではルシャンダ開けろと叫んでいても、キアは平然とワイズ大丈夫だからと告げる。店員さんにコーヒーを頼むギーディスは私じゃなくキアに質問をした。


「以前警報なった?」

「鳴った。そしたら兄貴が現れただけだった。ただ兄貴が来る場合、警報はならない」

「ティルがあの島を調べ始めた。早めに動かしといたほうがいいだろう」

「なるほどね。だから記録には載らなかったのか。わかったよ。それで僕以外にも話すことあるんじゃない?」


 えぇというギーディスでちょうど頼んだコーヒーが届き、それを一口飲んだギーディスはポケットからある一枚の写真を見せてくれる。


「これって」

「俺の妹。可愛いでしょ。俺は妹のためならなんでもするって決めてる。ライディー騎士団に入ったのも妹のため。まあ俺にも才能が出てしまったから、逃げれない存在になっちまったけどな」

「こんなによくしてくれてるのはそういうことだったんですか」


 まあねとコーヒーを飲みながらもう一つ私たちに情報を提供してくれた。


「ファンズマも俺たち同様の研究をし始めているのはライディー騎士団では知れ渡っている。随分前というよりリア、ワイズ、ティルがこっそり抜けて遊んでいた日で発覚したことだ。館長がなぜリアたちの友を殺害するよう命じたのかわかるか。リアたちを守るためだった。それがたとえファンズマの帝王の息子であってもだ」


 ヨウミがファンズマの帝王の息子だなんて、想像するだけで身体が震える。


「その影響でファンズマの帝王は姿を消している。捜索もしているがいずれライディー騎士団、いや研究そのものを破壊しに来るかもしれない。本来ならばリアたちを連れ戻したいが、ヨウミが現れたことで今ヨウミに集中している。逃走者を見かけたとしてもスルーするだろう。どうするかはリアたち次第だ。ヨウミに集中している期間で、逃走している全員を救うか。それともライディー騎士団に協力するかだ。ただ仮に帰ったとしても今までの暮らしはなくなる。そこを踏まえて行動してほしい」


 ギーディスが言っている言葉が本当なら、その間に逃走しているみんなをできるだけ救いたい。それでもきっとエピルスの誰かには会うような気がしてきた。

 ライディー騎士団に戻ったとしても、今の生活に戻れる保証もない。これは今いるみんなで決めるしかないなと考えていたらギーディスとキアが急に立ち上がる。

 誰がいるのと振り向こうとしたら、ギーディスに引き寄せられ振り向くなと指示が出た。


「ルシャンダ、ゲートはまだ出すな。今開けたら厄介なのがそっちに行く。キア、お前は姿を消して逃げろ!リアは俺が必ず守り抜く」

「姉貴を頼む」


 キアは買ったものを持ち消えてしまって、私は振り向かずただギーディスの胸を見つめるだけ。何がどうなっているのと思っても、ギーディスは動こうとしない。まさかティルがとギーディスの顔を見た。


「その娘、いただきに来た」

「四天王の一人、ハディックだな。確か能力は虫使い。何人もの騎士団が虫によって殺された事件があったのを思い出したよ」

「何言ってるの?早くその娘、ちょうだい。ヨウミが、待ってる」


 二人の会話で私は思わず震えが止まらなかった。すると熱くない炎が私を守ってくれる。


「悪いな。お前との相性悪いみたいだ。さっさとご主人様の元へ帰ってくれないか。それとも俺とやる気なら付き合ってあげなくもない」

「じゃあ、付き合って。タングが相手、してくれるって」


 げっという表情を出すギーディスは私を抱っこして、テラス席から脱出すると同時に大きな水槽が出来上がった。


「久しぶりっす、ギーディスさん。ギーディスさんように作ったのに上手くいかなかったっすね」

「タング、毎回毎回会うたびに水槽出してくるな!」

「ヨウミさんからの命令なんで、無理っすよ。ギーディスさんを捕まればある情報が手に入ると言ってたんすから」


 何か心当たりがあるのか深いため息を出し、ホデュヴィが出現した。


「俺は何も情報はヨウミに伝える義理はねえよ」

「そうっすよね。だからわんぼが選ばれたんすよ。ギーディスさんを捕まえるために」


 相性が悪すぎると私は一か八かでギーディスの力を吸収し、炎を出し切った瞬間目の前が真っ暗になってしまう。


 ワイズの声が聞こえ目を覚ますと私の部屋にいて、身体をゆっくり起こし何があったのか教えてもらった。

 私はギーディスの力を使って炎を一気に出したことにより火事を起こしてしまったらしく、タングという男の子が思いっきり水をかけても炎は消えなかったそうだ。

 ギーディスはその隙にルシャンダを呼び、ワイズが私を引き取った後、ライディー騎士団の青遺伝子の人たちに消火作業が始まっているらしい。


「お店にいた人たちは?」

「全員、無事だ。親父の力で助かってるから安心して」


 そっかと私はベッドに横になり、まだ恐怖心が残っているとワイズが私の手を握る。


「これからは俺も一緒に行くから。それにスルーしてくれるなら、たまには」


 言いたいことがわかって、私もだよと伝えるとこの前のことを言われるんじゃないかと準備していたら、姉貴と再びキアに邪魔されちゃった。


「あぁ僕、また二人の邪魔を」

「大丈夫。じゃあ俺、みんなに知らせてくるな」


 ありがとうと伝えワイズは私の部屋を出て行き、扉が閉まったことで、ワイズが座っていた椅子に腰を下ろすキア。


「姉貴、黙っててごめん」

「いいよ。ただ、お兄ちゃんに一度会いたかったな。今度来たらこっそり教えてね」

「もちろん。兄貴も姉貴に会いたがってたよ。それとギーディスと繋がっていること黙っててごめん。兄貴から言われてたから言いづらくて」

「平気。なんとなくギーディスが私たちを手助けしてくれてたのわかってたから。それより買った洋服大丈夫だった?」

「燃えてないから大丈夫。それにしてもギーディスがあんな場所で出会すとは思わなかった。ちょっぴり恥ずかしかったし」


 普段はいつもの格好でギーディスと会っていたんだろうと思い、これからは恥ずかしさをなくして好きな格好でいてほしいな。


「姉貴、今日は付き合ってくれてありがとう。姉貴が選んだ服着るの楽しみ」

「それはよかった。また行こうね」


 うんと眩しい笑顔をみせ、その後はギーディスがどんな人なのかキアに教えてもらった。



 四天王二人が現れた時は正直危なかったが、リアが俺の力を使ってくれたことで間一髪だったな。まだ消えそうにない火を眺めていると、ティルとルマがやって来た。


「何したんじゃ」

「四天王に出会しただけだよ」

「それにしても炎が消えない理由を教えてもらえないかな?誰と会っていたのか知りたい」

「可愛い子たちがいたからナンパしてただけだ」


 その二人はどこにと聞かれ、人数教えていないのにティルはなんでもお見通しなのが怖いところだな。


「無事に帰ったよ」

「そう。よかった。ギーディス団長」

「なんだ、ティル副長」

「いつかあなたの息子を殺してしまうかもしれない。それだけは伝えておきます。ルマ、行こう」


 怖いこと言うねとティルとルマの背中を見届ける。三角関係なのは知ってたけど、俺の息子は絶対に殺させたりはしない。幾度もそれはノアに教えてもらってたからな。それにさっきノアに会ったし、会っていたカフェがリアとキアがいたカフェだったからだ。

 ノアはきっとリアとキアの姿を見たく俺と接触したんだろう。本当に素直じゃないノアだなと炎が消えるのを待ち続けた。

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