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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
74/195

74話 フウトウ街

 フウトウ街に到着し、風車が多くあり戦闘機が空を飛んでいるのが見えた。ここに確か父上の知り合いが住んでいると聞いている。本当にいるのだろうかと空軍基地はこの先という表示を見つけそちらに足を踏み入れようとしたが、何かを感じ茂みに隠れた。

 空軍が歩いて来て一緒に来ていたノデッドが情報を盗み聞きする。


「この空軍基地、奴らの基地っぽいじゃん。どうする、ヨウミ」

「危うく敵地に入りそうで危なかった。となれば父上の知り合いはいなさそうだ」


 せっかく来たはいいが、ここにノールト人が住み着いているということは、父上の知り合いはいないかもしれない。そう考えていると、ノデッドがこっちと言われノデッドが何かを掴めたらしく行くとローブを身に纏った人物と接触する。

 その人はローブを降ろし、蜜柑色をした髪の毛がなびき、久しぶり、ヨウミと微笑んだ。ノデッドは目をハートにして知り合いじゃん?と聞かれるも、我が輩には記憶がない。

 

「あまり記憶にはないかぁ。ちょっと残念」


 と言いながらこっちとその人についていき、フウトウ街に離れた林の先に立派な建物がある。そこに入るとここで働いている社員たちが、総帥お疲れ様ですと敬礼をしてお疲れとふわふわの言葉を発しながら、エレベーターに乗り、最上階へ到着した。

 部屋にお邪魔し目に入ったのは壁に写真やそれに沿って関係している人たちの写真を糸で引かれてある。


「びっくりした?リベルナ王子。今はヨウミか。ごめんごめん。聞きたいことってずばりこれでしょ?」


 壁を突いてルシャンダが探し出せない情報などが多くここに記されていた。リアたちはやはりあの種族でティルの一家もその種族だということ。そしてリアたちの近くにある写真はナユ、ルワード、ロンゴール、そしてパトレアという男の写真。

 パトレアの近くに貼られてあるのはグック、ヴェルディ、ビルー、ピット、ジルー、カディーラ、そしてスターリという少女。カディーラの写真から水糸で繋がれているのはエリュウやイルルたちの写真。

 リアの写写真から下に九色の糸が引かれ、赤糸はワイズ、橙はレッツォ、黄色はルシャンダ、緑はウバン、青はブルバ、水はもちろんエリュウに繋がっている。紫はツァッセ、黒はティル、白は我が輩で関係している人たちの写真もそれぞれに振り分けられていた。


「口にすればすぐ天罰くるけど、紙に書いて貼っておけば何週間は持つ。あ、ヨウミには一度、助けてもらったことがあるんだよ」


 一度会ったことがある。どこでと思考を膨らませていたら、はっと思い出す。我が輩はリアに殺められそうになった時、我が輩を見ていた子がいたのだ。我が輩は咄嗟にその子を庇い、リアの攻撃を受けてしまったということ。


「無事だったのだな」

「おかげさまでピンピンしてる。自己紹介まだだったね。わゆはズユで革命軍の総帥をしている。以前はお母さんが仕切っていたんだけど、奴らに捕まっちゃってわゆが仕切ってるの。ここまでたどり着くにはとても時間かかったよ」

「リアたちを救いたいのだ。力を貸してくれないか?」

「助けてくれた恩もあるし、力にはなりたい。だけどね、ウラデュエの都市に行くのは簡単だけど、楽園に入るには三つを突破しなければならない」


 ズユは指を使いながら教えてくれる。


「一つが海、二つ目が陸、三つは空。海軍元帥ビルー、陸軍元帥グック、空軍元帥ヴェルディ、三人が門番のようなもの。三人を倒さない限り、楽園には辿り着けないよ」

 あの三人を倒さなければリアたちがいる楽園というところにはいけないというのか。するとノデッドが腕を組みながら、ズユに聞く。


「そこに防犯カメラは設置されているん?」

「防犯カメラは一切ついてない。防犯カメラがあったらさ、ハッキングとかされるでしょ?それを防ぐために都市も楽園にもないよ。防犯カメラあったほうが監視はしやすいと思うんだけどね」

「ルシャンダの力ではいけないということか」

「行く方法はもう一つある。ブルズンにいるムージュ・アガン。その人なら時空移動できるからいけるかもしれないけどね」


 チーシャの父であるムージュ・アガン。一度チーシャとキアが侵入した場所ではあるが、あそこは入ることが許されない場所でもある。ムージュに力を借りたくても、借りれないだろう。


「そうだ。ちょっと待ってて」


 そう言われズユは自分のデスクへと行き受話器を取って、誰かと連絡をとっているようだ。少しして受話器を置き、カタカタとキーボードを打って、コピー機から何かが出てくる。それをとり我が輩たちに見せてくれたのだ。

 

「ムージュに関して、わゆ、気になっていたことがあって調べたら、ムージュは一度ウラデュエに行っていることがわかったの」

「なんと」

「わゆも最初調べた時は驚いたよ。でねでね、ムージュがウラデュエに侵入した時、ウラデュエ都市に住む女性と接触していた。他国と接触はしないから、ノールト兵がムージュを拘束し、本来ならば天罰が降るはずなのに、ブルズンに連行されてる。おかしいと思わない?」


 ズユの言う通り、確かにウラデュエ都市に行けば、必ず天罰は下りそうな感じではある。それなのにムージュはブルズンに連行された。

 一時期ブルズンはデッドハラン王国が仕切っていたと聞いていたが、もしやグックがデッドハラン王国にいたこともあり、占拠したと言うべきかはわからぬ。そこはロンゴールに確認は必要だ。


「確かに、ウラデュエに侵入した者たちは、行方知らずとなったと聞いている」

「わゆの勘だとムージュはポインズ王子の末裔を隠し持っているんじゃないかって気がするんだよね。ちょうどツァッセのような顔立ちがポインズ王子だから」


 壁に貼られているツァッセの写真の下に付箋で、ポインズ王子の末裔?と書かれてある。ここはムージュの弟であるワファエに聞いたほうが手っ取り早いかもしれん。

 

「あのさ、ノア、リア、キアの父親が違うかもしれないと言うのはどう言うことじゃん?」


 ノデッドがズユに聞き、壁を見てズユはデスクにあるタブレットを取り、見せてくれたのだ。それはノア、リア、キアの遺伝子であり、ノアはロンゴールの遺伝子と似たような部分があり、その一方リアはパトレアの遺伝子と似ている。そしてキアはルワードの遺伝子が入っていた。


「ノアとリアにあったことがないし、パトレア様とロンゴールの遺伝子はもらってないから断定はできない。ルワードがそれを気にして、わゆのところに来たんだよ」

「ではルワードはここにいるのか?」


 衝撃な事実でズユに聞いていると、久しぶりだな、ヨウミとルワードが現れたのだ。ノデッドがナディストとなり、ルワードに襲い掛かろうとして止めに入る。


「ヨウミ!邪魔するじゃんかよ!」

「怒りを鎮めるんだ、ノデッド。ナユはもう記憶が回復しているとワイズから聞いている」

「さすがはリアの夫だな。キアは私の子だという証明ができた以上、私はウラデュエに侵入するつもりでいる」

「ノアはロンゴールの息子で、リアはパトレアの娘という仮説はどう捉える?」

「ナユを保護した時に、ナユはすでに妊娠していることがはっきりした。ロンゴールの息子だと知り、パトレア様に報告したまでだ。それからだ、パトレア様はたとえヴィアント家を引いているナユだとしても興味を抱き始め、私が不在時に私の姿となりナユとやったのだろう」


 ルワードとロンゴールは二卵性であるが、ノアとキアはナユの顔立ちに似ている。けれどリアはナユというより父親にそっくりだろうと認識していた。ここではっきりする。こうやって写真を並べてみるとリアの顔立ちはパトレア似だということだ。


「ナユに会わないのか?」

「会う資格はない。私はパトレア様にナユを託したのだからな。パトレア様は気づいているだろう、自分の子がリアのみだということを」

「ならなぜキアまで連れ去られたのだ?」

「私への復讐だろう。愛弟子でありながらヴィアント家と親しくしていたのだからな。パトレア様はヴィアント家を嫌っているからな」


 パトレアはたとえヴィアント家を嫌っていたとしても、ナユに子を宿させたということ。その子がリアであり麗しい姫君。今はもう、妃と言うべきか。


「お取り込み中悪いんだけど、ルワード、奴らが動き出す。指示をみんなに」

「わかっている。ヨウミ、何かあればここに連絡するようワイズに伝えてくれ。すぐには出られないだろうが、折り返しはする」


 すっと名刺を投げられそれを受け取り、ルワードはこの部屋を後にした。


「ルワードを悪く思わないでね。複雑な思いをしながら、ナユと過ごしていたようなものだよ。ナユはロンゴールを愛し、ルワードはナユを愛し、三角関係になってたんだもん。まるでワイズとティルのようにね」


 リアは四角関係、いや五角関係に当たっていたかもしれない。ワイズ、ティル、我が輩、アイズ、そしてレッツォがリアを愛しているのだからな。

 もしかしたらあのおとぎ話のようにひっそりと秘めているのかもしれないと感じた。


「奴らってノールト人のことじゃん?」

「ノールト人とは別に組織が存在するの。まだ奴らは表には出ていないけれど、その組織の狙いはまだはっきりはしてないことが多くて。一応、後でルシャンダに送っておくからチェックしてみて」

「ルシャンダとやりとりしているのか」


 まぶだちと笑顔で見せられたのはルシャンダとツーショットの写真。なぜ今まで喋らなかったのかと後でペチペチしとくとしよう。


「ルシャンダといつあったん?ルシャンダ、引きこもりじゃんかよ」

「ハッキングされた時に反撃した辺りから仲良くなった感じかな。それもあってこれがやっとできた感じでもあるの」


 ワイズに報告したらルシャンダはしばらくネットを使わせないような気もするのだがと思ってしまうほどだ。


「リアたちを探してるって言われたからギブアンドテイクをして情報をもらってたから」


 ギブアンドテイクでルシャンダなりに情報をもらっていたのであれば、ワイズは許してくれるだろう。ズユは何かを感じたのかデスクに戻りルシャンダ並みにキーボードを打っていく。


「ヨウミ、ノデッド、悪いんだけど窓の近くに装置があるから窓全開に開けてもらえると嬉しい」


 そしたら吹き飛ばされそうな勢いでもあるが、ズユに言われた通りに窓を全開に開ける。すると強風が吹き何かに掴まっていないと吸い込まれそうな勢いだった。

 それでもズユが使用しているところだけは吹き飛ばされておらずにいて、どんな能力の持ち主なんだと思ってしまう。今まで見てきた中で、ズユの能力に興味が湧いてしまった。


「チェックメイト!」


 エンターキーを押すと風が一気に止み、我が輩とノデッドは床に落とされる。ふうと椅子にもたれかかり、我が輩とノデッドはズユの近くによった。


「さっきはありがとう」

「何してたん?」

「えっとね、わゆの能力は風を使って情報を得ること。ノデッドのようにはいかないけど、風とこのパソコンを使って必要な情報をピックアップする。いつもなら担当の人がそこ開けてくれるんだけど、ルワードと一緒に任務行ってもらっちゃったから」

「なんでチェックメイトって言ったんだい?」


 えへへと誤魔化されるも、入手できたらしい情報を見せてもらった。それはファンズマに関する情報で、これは我が輩も知らない情報だ。


「ファンズマと契りを交わした元ライディー社とあるけれど、実際はパトレア様の先祖が契りを交わしたとされているみたい。これ入手するのに結構時間かかったんだよね。あの鍵能力者ジルーが普通にここに来るからさ」


 それ一番危ないのではと思った瞬間に壁に鍵穴が現れ、壁が扉になり現れたのだ。ジルーは我が輩たちがいるもズユにスマホを渡される。


「ズユ、君の言う通りにすればよかったっ。私はどうすればいいっ」

「あちゃあ、ヘリットちゃん、例の化け物に?」

「リア様と深く関わるなと告げたのに、ヘリットはワイズに情報を漏らしていたっ。そのせいで」

「ふむふむ。あれはヘリットちゃんに渡してある?」


 渡したとズユに告げると袖をまくり、カタカタとキーボードを打って地図と赤いのがどこかへと向かっているような感じだ。


「パトレア様、ヘリットちゃんに何かを指示したっぽい。こっちで確保はしておくから、ジルーはばれずにパトレア様の指示に従って。大丈夫。ヘリットちゃんを元に戻すから、元気出して」


 頼むと告げ開けたところから入り、元の壁となった。


「一応、言っておくね。ジルーのお子さんであったヘリットちゃんが記憶回復だってことは知ってるかな?」

「知っている。ワイズが記憶を失った時に探していた子だ」

「パトレア様は記憶をいじることができるベインちゃんを我が子のように見ているけれど、ヘリットちゃんはその逆を持っていて、グックがその子を連れてデッドハラン王国の隊員として動かせていた。それを知らずジルーはヘリットちゃんをずっと探してたの」

「つまり、ベインとヘリットは兄妹かなんかじゃん?」


 姉妹だよとデスクトップにある写真を見せてもらい、少女が赤ん坊を抱っこしている写真。ウラデュエの民は記憶を操作されているというのかとズユに聞いた。


「ウラデュエの民は記憶を操作されているということでよいのか?」

「んー全員ではないだろうけど、記憶操作はされてると思うよ。ベインちゃんが現れたらまず逃げるべしって隊員たちには告げてる。そう言ってもここがいつばれるかわからないから新しい拠点に移る予定にはなってる。パトレア様、かんかんに怒ってそうだし」


 ズユの母君が捕まったと聞いているし、この近くにはノールト空軍基地があるからすぐ移動はするのだろう。


「もしあれだったら手を貸そう。ここまで情報をもらったのだから」

「いいよ。いずれ同盟は組ませてもらう形にはなりそうだし、その時はよろしくね。あれ、参考になるかわからないけど、写メして帰って大丈夫だよ。ワイズによろしくね」


 ではそうさせてもらうかと我が輩のスマホでパシャパシャとり、またおいでと手を振られながら、我が輩たちはフリジンダ社へと帰ったのだ。


 ◇


 ヘリットの部屋に入り、ベッドの下にある缶を取り出し、ベッドに座って確認する。リア様やノゾミ様の写真だらけで取り出すと、四つに折られた紙が床に落ちた。それをとり広げてみるとこう書かれてあった。


 お姉ちゃん、これを見ているということは、きっとわいはパトレア様の罰を受けている頃だと思う。デッドハラン王国にいた頃から、リア様とワイズ様のことはご存じでした。

 末裔であることをグックに言われ、わいは恐れてた。何かの間違いだって自分に言い聞かせて、それでもニューダ社に侵入した時、カディーラと出会ってやっと理解した。


 気がついたらパトレア様の前にいて、最初は従ってたけれど、リア様とティル様の生活を見て行くうちに、これはやっぱりおかしいと感じちゃったの。そこでわいはこっそりワイズ様と接触し、連絡先を交換してワイズ様に情報を漏らした。

 リア様がどんな状況なのか、ノゾミ様の成長する姿。一度はキアが送っていたようだけれど、パトレア様に気づかれ、それ以来、送ってはいないみたい。

 キアはわいがいなくなったことで、わいを探すかもしれないから、お姉ちゃん伝えて。ワイズ様たちは必ず、この楽園に来る。それまではどうか、パトレア様の事触れに触れないように注意してと。お姉ちゃんと過ごした時間はわいにとっての宝物だったよ。ありがとう。ヘリット


 ヘリットは記憶回復をする能力を持ち、グックと共にデッドハラン王国へ侵入し、あたしはオーケル館長の下で働いていた。手紙を四つに折り直し、これは処分しておく必要があると思って、缶を持って出ようとしたらビルーが立っていた。

 つい缶を後ろにやるも、ビルーは缶を奪って、その中を見てしまう。手紙はあたしのポケットにしまってあるから気づかれてない。


「ヘリットがここまでやっていたとはねえ。ベイン、わかってると思うけど、パトレア様の事触れに触れないように動きなよ」


 缶を返してくれて、忠告をしたビルーはこれから海へと渡るようだった。自室に入り暖炉にヘリットが持っていた写真を燃やしていく。

 すると女官たちがジョセ様じゃないと噂をしており、初めて聞く名だなと思って廊下に出てみる。するとリア様の後ろで歩いている人がいて、今まであんな人いたっけと感じた。ねえと女官たちを引き止めジョセという人のことを教えてもらう。


「ジョセ様はパトレア様の右腕だった人とお聞きしてます。今はリア様の側近として動いているようですの」

「しかもジョセ様はリフィア様に恋されたと噂で聞いたことがあるわ。それがリア様にそっくりだったんですって」


 女官たちは噂好きのようで、もう少し話を聞くと、ジョセという人は一度パトレア様に立ち向かったそう。愛するリフィア様が目の前で殺されたことによって、樹木の中で眠りについていたらしい。

 パトレア様は何を企んでいるのか気になるも、ビルーに言われたようにあまりジョセのことは聞かないほうがいいのかもしれない。するとオーケル館長がやって来て、頼み事を任され、行くことになった。


 

 ヨウミとノデッドが来るのは想定内であり、ヘリットちゃんの追跡を眺めているとやはりそう来るか。情報はルシャンダに送っといたし、ヨウミに写メを撮らせた。


 わゆはこれを記憶しているから、リモコンを押し上から新たな壁が降りてきてそこにある組織についての資料が張り付いていている。

 これはウラデュエと関係しているかはまだはっきりしていない部分があるものの、パトレア様はこの組織と手を組んでいるのは確かなこと。

 それにここ最近と言っても三年前から無差別殺人が起きている。最初はデッドハラン王国の調査員がやったのかと、現場に訪れたけれど、あのマークが血塗りで描かれてあったから、そうではないと確信が持てた。


 仮にワイズたちが楽園へと到着した時に、リアだけを連れてこの組織の元へ行かれたら終わりと見ていいかもしれない。この組織が拠点とする場所は天の真逆、地獄だということ。

 それまでになんとかしてリアたちを救えればいいけれど、なんだろう。胸がざわざわしてきたと張り付いている資料を身返していたら、空軍大将がわゆの部屋に入ってきた。


「状況はどお?」

「ウラデュエの都市が動き始めていまきゅう。追跡しているけれど、何機かは天魔ジェルロによって壊されたきゅよ」 

「行かせている部隊を撤退させて。場所は新しくできている国、リスヴィオン王国の真上だから。それから、ソラ、浮上している部隊にフリジンダ社がある島へと向かわせるように。そこにジルーの娘さんが侵入する」

「了解だきゅう。ズユ、さっきヨウミ見かけたけどよかったのきゅうか?」


 ヨウミに伝えたことがあったけれど、ヨウミは今それどころじゃないだろうから言うのはまた今度にしている。ヨウミの母君から預かっているものをお母さんはずっと手にしていた。

 

「うん。また会うだろうから、その時に渡すよ。それじゃあよろしくね」


 わかったきゅうとソラは指示をしに行き、わゆはルシャンダに情報を提供するメールを送る。ギブアンドテイクだからルシャンダは何をくれるのだろうと、仕事をしていたらメールが届きルシャンダからの返信だった。

 

 情報ありがとであります。今のところ情報を与えられることがないのでありますが、ズユが行きたいと言っていたチケットが手に入ったであります。日にちはこの日でありますが、一緒に行くでありますか?


 あのチケット取れたんだとルシャンダがとってくれた日付を確認すると予定は何も入ってない。一度は行ってみたかったし情報収集として、この場所にちょうど行きたかった。

 ルシャンダにその日は空いているからよろしくねと返信をして、るんるん気分でいたら、ぷっと笑われてしまう。


「いるなら声かけてよね、リク」

「悪い悪い。ソラが浮上している部隊に指示を出していたから、俺様も出番かと思ってよ。それともカディヴィア社で動いていたほうがよかったか?」


 リクはちょっとカディヴィア社に潜入として動いていて、あっちではデザンと呼ばれている。派手に刺青見せてるんじゃないよと気させた。


「総司令官は気づいているっぽい?」

「いや。まだ俺様がノールト人であることはばれちゃいねえよ。あの犬には勘づかれそうだけどな」

「あのわんちゃんね。そうだなぁ、もう少しカディヴィアの情報はほしいけど、総司令官に打ち明けて、こっちに戻ってきて。なるはやで」

「報告してくる。あのさ、ルシャンダとどうなの?」

「え?ただのまぶだちだよ。もしかして拗ねちゃった?」


 ちげえわと言っていても顔真っ赤と笑っていたら、何かを顔面に突きつけられ、リクは総司令官に報告しに行っちゃう。リクがくれたものは包みに入ったもので、中を取り出すと浴衣だった。もうリクったら素直じゃないんだからと浴衣はタンスにしまう。

 リクが覚えていてくれるとは思わなくて、ネットに掲示されている花火大会を一緒に行く約束をしていた。浴衣がなくって買いに行きたくても、時間がなく買いに行く暇がなかったのに、わざわざ用意してくれるとはねえ。


 花火大会って言っても調査のためにここに訪れるからついでにみようとリクに誘われたのがきっかけだった。見ていたらズーユと呼ばれ扉の方をみると、ニヤニヤしているカイがいる。


「カイ、何か報告?」


 聞くとカイはわゆのところに来て、どうなのどうなのと突かれてしまい、なんのことと考えていたら、しっかりするれろと叱られてしまった。


「ルシャンダとリクどっちにするんやさ?引きこもりのルシャンダか、俺様系のリク。あすはやっぱりリクに一票やさよ。うまくいくといいやさね」

「ちょっと勝手に三角関係作らないでよ。ルシャンダはまぶだちでリクはただの同期!」

「威張ってるズユ可愛いやさ」


 カイはわゆのほおをすりすりして、離れてよとやってもカイは離れようとしない。勝手に恋の噂をしてそうなカイに聞いてみる。


「カイはさ、お母さんがなぜ捕まったのか、知ってる?」

「組織に近づくために近づいたのだと、あすは思ってるやさ。だけど、これはあすの憶測やさよ」


 お母さんが捕まったわけは誰も知らない。置き手紙に連行されるから後のことは頼むねと書かれてあった。お父さんはどう思っているのか知らないけど、お父さんは、パトレア様の下で働いている。

 いずれお父さんに挑まなければならない日があるのだろうと思いながら、仕事をしていった。 

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