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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
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73話 ニュラン町の真実②

 ニュラン町にいる住民の記憶を回復できたことで、ありがとうと住民に感謝されながら、これでいつ天罰が下るかだ。どのタイミングかは知らずとも、ニュラン町の住民たちは覚悟をしているようだ。

 ミライは疲れ果て、ヒアラの家でおやすみタイム中で、ハディックは男の子に虫の芸を見せていた。俺はそれを見つつヨウミに連絡をしていた。


『なるほど。我が輩はつまりリベルナということになるのか。では我が輩たちはまず、残りの六人を探し出さなければならないということで良いのか?』

「わからない。町長が言うに、光の姫を救ったのは俺の先祖だと言うことだから、なんとも。それにタングが教えてくれたミライの絵が起きるかもしれない」

『ふうむ。ワイズとティルが描かれてある絵か。我が輩も拝見させてもらったが、それが本当に起きるかどうかはわからないぞ』

「イルルに今、それが起きるのか占ってるけど、まだ返事はもらってない。それからルシャンダに頼んだやつの絵。ヨウミはどう思う?」


 ルシャンダに解析してもらった結果、リアの似顔絵だろうけれど、左の顔は目や鼻が書かれてなくその代わり翼が描かれてあったんだ。それを塗りつぶしたくなるような夢を見たのだろうか。


天魔ジェルロになるリアの姿は見たくないが、そういう夢を見続けるということは、予知夢能力者のようなものだ。ミライの能力はリセットだろうから、深く捉えないことが得策だろう』

「そうだよな。リアがあんな姿になるのはごめんだ。もう少しニュラン町の住民に聞き込みしてから帰るから、ヨウミ、頼んだよ」

『うむ。ちょうどフウトウ街に着いたから、探してみよう。では』


 ヨウミとの通話を終えヒアラにミライの面倒を見てもらいつつ、俺は住民に聞き込みを行った。


「さっきの兄ちゃんじゃねえか。さっきはありがとな。聞きたいことがあるなら、ドンッと聞いてくれ」


 すると住民たちがぞろぞろと集まって来て、何から聞こうかと思っていたら、町長がやって来る。


「皆よ、記憶が戻ったとて、禁じられた言葉を発しないように喋るんじゃぞ。記憶が戻り近々現れるかもしれんから、戦えるものは動けるようにしとくんじゃぞ」


 はいと住民一同は返事をし、情報提供をしてくれた。


「俺は元陸軍大佐をしていたんだよ。って言ってもあの都市の陸を守る大佐って感じでよ。陸軍元帥、グック様には誰にも敵わなかったな」

「僕は元海軍中将をしていて、主にパトレア様が見つめている雲の海に現れる影を落とす仕事をしていた」

「陸軍と海軍がいるのか?」


 そう聞くと大半の人が海軍と陸軍に務めていた人の子孫たちのようだ。そうなると行くにしてもまずは海軍と鉢合わせになるってことになるのか。


「女性たちは楽園の女官として動いていたのよ。だからいつもあのお方にお会いできていたと母から聞いたわ」


 女性はあのお方にお近づきができるってわけかとメモを取っていると、ピコンとなりスマホを確認したらある人からの情報で写真も来た。リアの姿とヴェルディにこいつは誰だと拡大しているとジョセ様と隣にいた元陸軍大佐の人が言う。


「ジョセって誰だ?」

「あのお方の右腕だった人で、世界樹となったと聞いたことがあったが、その隣にいるのはリフィア様か」

「いやいや、俺の妻だよ。名前はリア。リアを抱っこしているのは俺の子だ」


 ほうとみんなは見たいようで、スマホを落としそうになったところ、おっちゃんがスマホを守ってくれ皆騒ぐなと言いながら返してくれる。


「ここはノールト王国ではなさそうだな。ウラデュエはノールト王国の真上に位置していたが、移動されているかもしれん」

「本当にノールト王国の真上にあったんですか?」

「そうだ。もう亡くなられているが、島ごと隠せるぐらいの能力者がおってな。その人にウラデュエの存在を見せなくしていた」


 浮かんだのがナユ叔母さんだと言うことだった。ナユ叔母さんの能力は物体を消せる能力者。ならなぜナユ叔母さんを利用しなかったのか気になってしまうほどだ。


「その隠せる能力者って女性でした?」


 聞くと住民は頷いて、凄いこと聞いてしまったような気がする。俺たちが島暮らしできていたのはナユ叔母さんのおかげでもあったからだ。

 これはナユおばさんに共有はしといたほうがいいかもしれないと感じる。


「そうそう、ジョセ様はリフィア様に惹かれていたと聞いたことがある。これは兄ちゃん、早めに奥さんを助けなきゃジョセ様に奪われてしまうぞ」


 わはははははと笑う元陸軍大佐で、元海軍中将は呆れていたのだった。ティルとヨウミだけでいっぱいなのに、こいつにもリアを奪われるとなると厄介だな。

 そこで元海軍中将は俺にあることを教えてくれる。


「すっかり忘れていたが、元空軍少尉がフウトウ街にひっそり暮らしていると聞いたことがある。もしかしたら力になってくれるかもしれない」


 フウトウ街はヨウミが行っているから、もしかするとその人に会いに行っているのかもしれないな。


「今、俺の社員がフウトウ街に行ってるから、話はつけておきます」

「そうか。後情報があるとしたら、誰が末裔なのかは町長に聞いた?」

「いえ」

「なら僕の家に誰が末裔なのか教えよう」


 ありがとうございますと元海軍中将のご自宅へと入り、中将が隠し持っていたという本を俺に渡してくれる。


「町長からおとぎ話を聞いたのだろう。七人の王子に関する情報がここに載っている」


 七人の王子に関する情報と俺はめくるとそこには衝撃な写真が載っていた。

 

 ロッキャス王子はレッツォのような顔立ち。

 サンダウ王子はルシャンダのような顔立ち。

 ベンブル王子はウバンのような顔立ち。

 ミズファ王子はブルバのような顔立ち。

 クアヴィ王子はエリュウのような顔立ち。

 ポインズ王子はツァッセのような顔立ち。

 

 そしてホルヴァル王子は俺かアイズのような顔立ちだった。俺は思わず全員が写った写真を元海軍中将に見せたら、まさにその通りだよと答えた。


「顔立ちが似ていると言うことはある種族と関係した末裔ということになる。よくこれが撮れたようなものだ」

「偶然に出会ったのではなく、必然的に俺たちは出会ったということなんだ。それ以外の子たちもそれに値するの?」

「遺伝子というのは複雑だ。同じ遺伝を持つ子でも差は出るだろう。見せてくれた子たちはある種族と関係を持った末裔と捉えるのがいい。それとこれは極秘情報だがあのお方に使えている六人はあのお方と同じ種族となる」


 王子に関する情報の後ろの方に六人についてが記されていて、ティルを操っていたグックのような顔立ちで陸軍元帥を勤めていた。キアを誘拐したピットのような顔立ちをしている人はあのお方の側近。

 ニディアと一緒にいたノールト兵のような顔立ちがやっていたのは、空軍元帥。ネフィラのような顔立ちをしているのは海軍元帥を務めていたらしく、カディーラ団長のような顔立ちは、ある種族の子供たちの教育係。

 ボルシャ王の大臣であったジルーのような顔立ちはウラデュエの都市管理官をしていたようだ。


 この六人があのお方に近く仕えている者というべきなんだろう。それにドゥシャー王子はティルそっくりだし、リベルナ王子はヨウミそっくりすぎだ。

 こんな貴重なものをもらっていいものだろうかと思わず聞いてしまう。


「いただいていいんですか?」

「必要であれば持っていって構わない。役に立てれば幸いだ」

「ありがとうございます。大切に使わせていただきますね」


 話していると住民が大変だと元海軍中将に報告しに来て、俺たちは外に出ると天魔ジェルロが多く出現したのだ。ミライが危ないと感じ、ルシャンダにヒアラの家の中にゲートを開けろと指示をしてヒアラの仮自宅へと入る。

 ヒアラはミライを起こしていたようで、リュックを背負わせていた。ミライにくれた本を渡していると、ゲートが開きヒアラはミライを連れて島の中へと入ってもらった。


 ミライを頼むとルシャンダに告げ、ガリシャがちょうどいたから、ガリシャ来いと伝える。俺たちは天魔ジェルロ退治をしていくも、増える一方だった。

 ゲートをここで開かせたら島に入りそうだな。三年前のことにならないようにと、タングの力でバリゲードを設置しているから侵入はあれ以来されていない。だから天魔ジェルロを倒さない限り、ゲートは開けられないからだ。天魔ジェルロに炎を使ったり、剣で倒したりとしていると、鐘が鳴り響き、俺たちは耳を塞いだ。


「ふう、やっぱりパトレア様のいう通り、元旦那様がいらっしゃったようで」

「ピット!」

「ご無沙汰しております、元旦那様。お変わりはいかがでしょうか?リア様はとても幸せにティル様とお過ごししておりますよ」


 炎魔を出して、ピットの羽を燃やしてもらおうと行ってもらったが、弾き飛ばされてしまい俺の元へと戻ってくる。


「ふふっ。元旦那様が炎魔ホルヴァルを従わせる力があったとは。早く使用していたらリア様は元旦那様といられたのに」


 冷ややかな笑みでそう言われ、今でも怒りが込み上げてきそうになるもグッと堪えた。


「この三年間、お前たちのせいでファンズマは減少している」

「よかったじゃないですか。あの気色悪いものがいなくなる」


 するとハディックがファイヴァンの姿となり、ピットを仕留めようとしたらグックが現れハディックは距離を離す。


「らいのこと覚えていてくれて、光栄ら。ハディック」

「前、のよう、には、いか、せない!リア、ちゃん、たちを、返し、て!」

「それは無理らよ。パトレア様の娘たちは、一生楽園の中にいてもらうことが決まってるんら。だからもう諦めろら!」


 グックはハディックに挑み始め、なら俺とガリシャはこのまま、ピットに挑ませてもらっていいってことか。


「派手にやりますね、グックは。見物と行きたいのですが、真実を知ってしまったこの人たちを排除するよう命じられます。だから」


 来ると感じ身構えていると野良のモクディガンが出現してしまい、今は構っている暇はねえんだよと炎魔にモクディガンを消滅させる。

 そしたらガリシャに呼ばれ振り向くとガリシャが庇ってくれたらしく、ガリシャの腕には羽が突き刺さっていた。


「残念。元旦那様を仕留められそうだったのに」

「社長には指一本触れさせはしない。それに以前のようには行かせないぞ。ピット!」

「そう熱くならなくても、小生は逃げませんよ!」


 ピットの羽が次々と刺さり始めて行き、俺は愛用の剣でピットの羽を燃やす。ピットの能力はあの羽だってわかってんだ。相性はばっちりだろうけど、油断はできない。

 ピットは飛んでいるから直接は与えられないが、炎魔がいるから多少はダメージを与えられそうな気がする。ガリシャの基本能力は風。あまりニュラン町に火はつけたくないがガリシャと共同能力をすることに。

 ガリシャと叫び俺は炎をガリシャに渡し、ガリシャはそれを利用して風を作りピットに当てさせる。ピットはにやつきながら飛び回りつつ、天魔ジェルロを少数出してその炎を当てさせた。読まれてたかと諦めるには早いとガリシャと協力しながらピットに挑んだ。



 わを苦しめたグックはニュラン町の住民を操り、住民はわを攻撃し始める。あまり傷つけさせたくはなくても、住民たちはグックを倒せと言っていて、住民を気絶させたとしても動いた。

 あの糸を引き千切ろうと試し、何本か切れたものの新しい糸がきて一度離れる。ブラボーらと拍手するグックに言われた。


「ルシャンダと違って、ハディックはらいと相性がいいようだが、こっちの姿はその姿だと効果は薄いらよ」


 グックはスニャンパのようなファンズマの姿となり、数体スニャンパが現れた。妖精タイプである種族にいるとされる妖精。だからあの姿はファンズマじゃない別のもの。

 ルシャンダの声が聞こえ、がみがみと言っている声が聞こえる。ルシャンダはグックによって一度やられてしまったようなもの。


『ハディック、和吉はぽっちゃり体制から細マッチョになったこと告げるであります!だからハディック、ルシャンダの思いをぶつけるであります!』

「直、接、言ったら、どお?」

『わっ和吉はまだ心の準備がないでありますから、覚悟しておけでありますと言うであります!』


 むう、まあここでグックを倒せる自信はないからなと、ファイヴァンの姿を解除し元の姿に戻って虫さんたちをたくさん出した。


「ルシャ、ンダ、から、伝、言。和吉、は、ぽっちゃ、り、から、細、マッ、チョ、に、なった、から、今度、会った、ら、覚、悟、して、おけ、だって」

 

 グックに告げるとグックはお腹を押さえて笑い出し、なんだよその喋り方と笑われてしまう。カチンとなったわは蜂さんたちに号令して、攻撃を開始するとスニャンパがグックを守った。

 わがこんなに遅く喋っているのは、思うように言葉が通常より発せられないから、こうやって点を使って喋ってる。エピルスのみんなやフリジンダ社のみんなはわのこと馬鹿にしないのにむかつく。


「危なかったら。ルシャンダといい、ハディックといい、面白い子らね。らいの傑作を台無しにしたワイズをやりたいところだったけど、ハディックと遊んでた方が楽しいら!」


 来るとグックの行動を止めに入ろうとした時、鋼の武器を手にしたルシャンダがやって来たのだ。それによってグックは一度距離を離す。


「ハディックを馬鹿にするのは酷いであります!」

「ふうん。引きこもりルシャンダは卒業したのか?」


 ぎくっと反応するルシャンダであり、サーバ対策部であっても基本引きこもりは変わらないと言いたいぐらいだった。ルシャンダは誤魔化したい表情でも開き直り、人差し指で頭を差し正直に伝える。


「引きこもりは相変わらずですが、和吉は以前と違うであります。グックの分析はこの頭に入っているでありますから、今度こそリベンジするって決めたでありますよ」


 ひゅうとグックは吹き、ルシャンダは鋼で作った武器を手にして、わに指示を出す。

「ハディック、グックの糸は鋼となっているであります。今は妖精の姿でありますから、この武器が効率。だからハディックは合図が出るまでファイヴァンの姿で待っててであります。一緒にグックを止めるでありますよ」


 足を見るとガクガクに震えてるよと突っ込みたくても、ルシャンダはやる気でいる。ワイズはまだピットとやり合っていて、こちらには気づいていないけれどルシャンダの指示に従い、ファイヴァンの姿になった。

 指と首を鳴らすグックがいくらよとルシャンダに攻撃をし始める。



 三年前に起きた出来事で、和吉は合間を縫ってトレーニング室で鍛えていたでありました。サンドバックにはグックの写真を貼り付けて練習したり、早起きでありますから朝練は島中を走り回ったり、身体を鍛えたであります。

 グックや他の人たちに対抗できるようにと和吉はありとあらゆる修行をしてきたでありました。みんなもプログラムを使用して対策済みであります。


 グックと会うとあの光景を思い出すでありました。もう二度とあんなことにはならないでありますと鋼の武器でグックに挑むであります。


「へえ。やるじゃないら。だけどらいはそんな武器ではやられないらよ!」


 妖精の羽根で酔わされそうになり、和吉は秘密兵器を作ったでありました。鼻にティッシュを詰め込み酔わないようにするであります。

 ひゅうとまた吹き今度は妖精の羽根で飛ばされるでありました。ハディックに呼ばれるも、平気であります。グックも負けないようにと筋肉ムキムキでありました。和吉はまだまだかもしれないであります。負ける覚悟はしているでありますが、今回は一人ではないでありました。

 だから和吉は。


 呼べという声に和吉は左腕を肩ぐらい上げ、雷魔らいまと叫んだのであります。空にはもくもくと雲が出来上がり、それに向かって雷魔が飛んだでありました。ゴロゴロと雷鳴が響き、グックに向かって落雷したのであります。

 グックは逃げるようでも次々と落雷して行き、ハディックに今でありますと叫んだのでありました。逃げるグックにハディックは拳と蜂さんを使って一撃を与えたであります。


 グックはその一撃を受けハディックと和吉から距離を話したでありました。


「おいおい、まじから。これは報告したほうが良さそうらよ。ピット!後は頼んだらよ!」


 ピットに告げグックは消えそうになり、待つでありますと動いたけれど、姿を消されてしまったであります。グックに操られていた住民についている糸を燃やしたでありました。


 

 雲が暗くなって雷が鳴ったからなんだと思いきや、ハディックと一緒にいたのはルシャンダであって、そういえばそうだったとピットに炎を当てていく。

 ルシャンダはグックにやられた経験で、運動不足を解消し日々トレーニングをしていた。それにしても雷魔をここで出すとは好都合かもしれない。


「ルシャンダ!このままピットにも雷を打たせろ!」


 あいあいさーと雷雲がこっちに来てピットに向かって雷が落ちていくも、それを回避しながら天魔ジェルロを出していくピット。住民はサンダウ王子にそっくりだと呟いており、あのおとぎ話通りにルシャンダは引きこもりだよと言いたくなる。

 まあルシャンダは人見知りはしないけどなとガリシャの風を利用しながら、ピットに向けて炎を出すと多少炎がついた。ピットはしまったと羽根についている炎を消す。


「あれを使う必要があるようですね」


 あれってなんだと身構えていると雷魔がルシャンダのほうに戻って行き、住民たちが逃げろと叫び出した。眩しい光の弾が見えて、ルシャンダのゲートの力で俺たちは逃げ切る。危なかったとモニター室に帰って来たら、パパとミライが飛びついた。


「ワイズ、よかったのか?」

「ルシャンダがゲート複数出してたから、うまく逃げ切れてるだろ。やっぱりこんな早く来る天罰がくるとは思わなかった。ルシャンダ、ありがとな」

「えへへ。雷魔の力があったでありますよ。それより、雷魔を出した時、グックは焦っていたであります」


 グックはルシャンダと一度やり合った時に、気づいていたとは思っていたが、そうではなかったらしいな。あの本を見たことがないということでいいのだろうと思いたい。

 ミライが俺にあの本を渡してくれて、それをとり俺は社長室でその本を読み返していった。



 やはりそうでしたかとグックとピットの報告を受け、わたわの部屋に入り本棚の奥にあるスイッチを押した。本棚が動き出し隠し部屋へと入って、電気をつけると古き書物が多く置かれている場所。

 わたわは古き書物から一冊を取り出し、ページをめくりサンダウ王子が生まれた国を確認すると、デンパット王国。ルシャンダの母君はやはりあの女王で間違いはないようですね。

 妹は確かルマで喋り方が独特であるも、それはいいでしょうと本を閉じた。ならばルマを奪いリア同様にあれを与えるか、それともルシャンダを奪い、わたわの指示に従わせゲートを開かせるのもひとつの手。

 ゲートを多く利用しているワイズならば、それをなくさせ時間を遅らせればいい。後でジルーに行かせるとして、邪魔者を捕らえなければなりません。ジルーには了承を得ていますから、ヘリットを呼んでくるようスターリに伝えてあります。

 そろそろですかと隠し部屋から出て、わたわの部屋を出るとスターリがお連れしましたと兵に捉えられているヘリット。兵とスターリを下がらせ、ヘリットが手にしているスマホを回収する。


「ワイズと繋がっていたようですね。やはりヘリットはすぐ記憶回復するようになっている。そうでしょう?」

「…万が一に備えてです。こんなのは間違ってます!リアちゃんはティルの夫ではないですし、ワイズの妻!ティルにはニディアちゃんという子が待ってる!それにノゾミちゃんはっ」


 わたわはそれ以上聞きたくなく、天魔ジェルロに口を塞がせ、これはいけませんと怒りを鎮めた。ヘリットはエルラド族の末裔だというのに、また一人末裔の子が消えるということ。


「ヘリット、わたわは心が痛いのです。わたわの娘の幸せを邪魔をする子はこの楽園にはいさせられない。これからはわたわのしもべとして動き、忠誠を尽くすのです」


 ヘリットはもがき抵抗をしていたとしても、わたわはヘリットのおでこにキスをする。みるみるとヘリットは天魔ジェルロへと変化をし、行きなさいと告げ、天魔ジェルロとなったヘリットは、ルシャンダを捕まえに行ってもらう。

 するとジルーが現れ、頭を深々と下げたのです。わたわは頭を上げさせ、スマホを処分するようジルーに伝える。


「これは処分しておきなさい。ジルー、わかっていますね?」

「かしこまりました。パトレア様、よろしかったのでしょうか?ジョセがまた同じ行為をするのではないかと、我々は考えておりますが」

「そうはさせないよう、あの儀式を行ったのです。リアは楽園から出ることはできないようにしてあります。それとティルから報告を受けました。ノゾミがミライのことを兄と言ったそうです。至急、遺伝子の確認を行いなさい」


 御意とジルーはスマホを持って、行ってもらい、さてミライはどうしているでしょうかと空の海を眺めていった。

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