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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
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64話 炎魔と影魔

 カディッちが二人を天罰しようとしたが、二人はカディッちの天罰から逃げ、右側の通路にはドロップ、左側の通路にはヘリット。二人に挟まれ俺はドロップを選び、カディッちはヘリットを選んだ。


「男と遊びたくないよ。もう。どうせなら女の子にしてよね。ギーディスの相手するだなんてまじで最悪なんだけど」

「俺は結構、子どもから大人まで人気なんだぜ」

「あっそ。ニディアがこっちに来てるかなって来たけどいないのが残念」


 ニディアがなぜデッドハラン王国に行くと言い出したのか、最初は理解不明だったがやっと理解ができる。ノアが未来で見てきて、ニディアをデッドハラン王国へと行かせた。そう捉えるしかないと無鉄砲に出すローメアを炎で溶かす。


「この件が終わったら、ニディアとたっぷり遊んであーげよ。だから早くぶっ倒れてくんない!」

「それはこっちの台詞だ!ニディアの大好物なキャンディーをあれ以来口にしてねえんだよ!」


 ニディアはあの日以来、大好物のキャンディーを口にしている姿がなかったし、部屋にあったキャンディーたちは全部処分していた。飴をプレゼントしても受け取るが、俺が見えないところで処分して、飴が苦手になったことに気づいた時、心が痛んだよ。

 好きな物を嫌いになるのはとても辛いことだ。せめて昔のように無邪気な笑顔で喜ぶ姿を俺は見たかった。それなのに俺はニディアが苦しんでいる時期、ワイズのことが一杯一杯で構ってあげられず後悔している。


 それでもニディアは俺と向き合うようになって、昔ほどではないが少しずつ笑顔を取り戻していた。


「ふうん。ならたっぷりキャンディー送ってあげよっか?いろんな棒キャンディーを花束にしてメッセージカードにはニディアの心奪いに行くよって。そしたらニディア、どうなるのかな」


 頭狂ったかのような笑顔で、ここでドロップを仕留めなければ、ニディアの幸せな未来が来ないような気がする。本来、親父からは炎魔を出すなと言われているけれど、使うしかないようだな。

 炎魔の力を全て出せば俺の肉体は灰のように消えるかも知れないほどの威力があると、データを親父に見せられた。ヴィアント家には代々炎魔の力を得ている。一度、見せたことがあるかな。リアたちが火事を起こした時、俺が炎を纏って逃がした場面。あれは炎魔の力を少し使っていた。


 ニューダ社も炎に包まれ建物自体崩れる可能性もあるな。ティル怒るかなと思いながら背後にいるカディッちに伝える。


「カディッち、俺さ」

「あれを使う気なのか?親父さんに言われているのだろ?」

「ニディアの未来を考えてたら、ここでドロップを仕留めないと絶対後悔するから、ヘリットだっけ?その子を連れて逃げろよ」

「ディリーになんて言えば?」

「必ず戻るとだけ伝えといてくれればいい」


 カディッちはもの言いたそうな感じだったが、了解したと言ってくれてそれじゃあ行きますかな。ふうと深呼吸をして左腕を肩ぐらい上げぼっと炎が出る。


「何する気なわけ?」

「何するってこういうことだ!炎魔!」


 俺の全身が燃え上がり左腕から炎魔が背伸びしながら現れ、俺の左肩に乗っかった。建物自体が燃え、カディッちはヘリットを連れて逃げてくれる。

 ドロップは慌てながら逃げようとするも、炎魔は逃さないとドロップにしがみつき、ドロップは火傷を負い叫びながら暴れていた。俺がまだ生きているうちは炎魔は俺が思うままに動いてくれる。


「熱い、熱いっ水飴ちょうだいっ」

「ニディアを苦しめた分、苦しめ。好きなもの腹一杯食べれない気持ち、存分に味わえよ」


 助けてよとドロップに頼まれても、俺はただただドロップが苦しんでいる姿を見ていた。するとネフィラが思った以上に早くきて、炎魔は一旦俺のところに戻ってくる。ネフィラはドロップについた火を思いっきり水を浴びせた。


「ギーディス団長なんでっ。うちはてっきり誰にでも優しいお父さんだと思ってたっ!」

「俺は敵になった子どもであろうがなかろうが容赦はしない。それにだ。気づいてんだろ?ネフィラ。今ならまだ間に合う。そいつから離れろ」

「嫌です!ドロップがなぜ、女性にしか興味が持てなくなってしまったのか知らないくせに!」

「こっちは被害者が出てんだよ!それくらい分かれ!ハイス、悲しんでたぞ」


 ハイスはお父さんなんかじゃないと言い張って、そりゃあそうだけどハイスは誰よりもネフィラのことを心配しながら任務に行ってたんだ。

 そしたらビー玉がコロコロとネフィラたちのほうへ行き、次の瞬間。水の爆発が起きて炎魔は左腕に入っちまった。

 ハイヒールの音がしてそちらに目をやると、ビルーが現れる。


「炎魔は使うなとあれほど言われたはずです。死にたいんですか?」

「今までどこに行ってたんだよ」

「あち、本日付でカディヴィア社を退職させていただきます。今までありがとうございました」

「おい、まだ話は終わって」


 そしたらビルー目掛けてローメアが現れ、炎の力でビルーを守った。危なかったとはいえ、ビルーはビー玉を使って水爆弾を仕掛ける。次から次へと水爆弾が発動し床が崩れビルーを庇いながら下へと落下した。

 こうするなら最初から言えよと穴に落ちた俺らで、ビルーは離れてもらえますかと言われたから離れる。


 ドロップとネフィラに逃げられたかと思ったが一緒に落下したようで、ローメアとメドマーのファンズマが出現した。けれどネフィラはビルーの姿を見てこう言う。


「うちがもう一人…?」

「元姉と言うべきかな。ネフィラの遺伝子にはもう父親の遺伝子はない。だから赤の他人。容赦はしない」


 ビー玉を取り出して、ビルーは近距離攻撃をし始めて行き、俺はドロップが出すローメアを倒して行った。



 バンジャはソアレの爆弾によって怒り、僕らは今、バンジャの架空世界に閉じ込められている状態だ。ソアレは僕の後ろにいて、よく頑張ったねとソアレの頭を撫でる。

 ソアレがなぜ、バンジャを裏切ったのか。それは僕が影となってデッドハラン王国の様子を見に行った時に、ソアレの様子も見ていたからだ。


 ソアレが無事ならまだよかったものの、バンジャはソアレにやられたように、バンジャなりの仕返しを見せられ、見過ごすわけには行かなかった。

 そこで僕はバンジャが部屋にいない間に影魔えいまの姿を借りて、ソアレは最初驚いていたな。それでもソアレは、僕の言葉をしっかり聞いて反撃をした。可愛い僕らの妹にはもう手出しはさせない。

「ソアレ、わろのこと歯向かったらお仕置きって言ったのろよな?」

「ソアはバンジャのパートナーにならない!バンジャの言うことは絶対に聞かないもん!」

「あーあーそうかのろ!だったらわろの架空世界でせいぜい生き延びれのろ!」


 架空世界が切り替わり、そこには計り知れないほどオウガッセが多くいて、僕は左腕を肩ぐらいまで上げ、影魔を出し僕の衣服が深黒を帯びる。


「ティル、どうやって出ますの?」

「架空能力には弱点がある。そこをつけばすぐ出られるよ。まずはあの悪魔みたいなファンズマを退治してからにしよっか。準備はいい?」

 

 エワンは雪を降らしながら大丈夫ですわと言っており。ソアレは爆弾を手にして大丈夫と言う。オウガッセの弱点はまだ特定できていない部分があるも、僕らはオウガッセに挑もうとした。

 架空世界が切り替わってエワンとソアレの姿が見えない。ばらばらに散らばってしまったようで、影魔に状況を把握してもらう。


「影魔、エワンとソアレの居場所把握できる?」

「エワンは火山がある場所にいる。ソアレはさっきいたオウガッセがいた場所」


 先にどっちと合流したほうがいいか考えていたら、気配を感じ止まれと念じて距離を離した。そこに現れたのはエンディード並みの高さのファンズマがいる。

 まるで身体の一部一部が土地となっているような感じだ。ファンズマは手にしている武器で僕を潰そうとして回避した。すると今度は横から武器を振り回してくるから、影能力で一度影に潜って出る。

 遠距離より近距離で攻撃をしたほうがよさそうだなと、影を使って近づき大きな足に傷を与えるもかすり傷程度だ。やはりエワンとソアレの能力が必要と感じていると何かが降ってくる。

 きゃあと叫び声がして影魔と叫ぶと影魔は叫び声のほうへ行き戻って来た。そこにははぐれたエワンがいる。エワンなら雪の能力で回避できたのではと思ってしまった。


「エワン、服どうした」

「最悪ですわ!火山から花畑に到着しましたの。可愛いお花と思って触れたら化け花で、服ぎったんぎったんにされましたわ!逃げ回ってたら落下して」


 エワンの話を聞いていたらファンズマの右肩から爆発音が聞こえる。まさかと僕の隊服を脱ぎエワンに着させ、影魔えいまを使って影だけを使い、爆発したところへと向かった。やっぱりそうだ。ファンズマ自体が世界となっているんだとソアレに近づく。


「ティル」

「そのままソアレは爆弾を投げ続けて」

「でも」

「大丈夫。ソアレならできるよ」


 うんといい返事をもらい僕の身体に影を元に戻して、ファンズマが振り回す武器を回避しながらエワンに指示を出す。


「エワンは下半身を凍らせて動かさないようにして。僕の言霊だと数秒しか止まらないから」

「その後はどうしますの?」

「僕が巨人ファンズマを見渡し、どこが弱点なのか確認する。それまでは動くたびに凍らせて」


 わかりましたわと言ってくれて、合図と共にエワンは下半身を凍らせ僕はファンズマに乗り、腹部の土地へと到着する。腹部の地面は踏むと沈むから少し歩きづらい。

 進むも弱点になりそうな部分はなく、なら胸部の土地かと行こうとしたら足に何かが絡む。と言うより沼のように沈む感覚だ。こうなったらと影魔に出してもらうかと思った矢先のこと。

 全身が痺れ影魔の力が左腕に戻ってしまい、元の姿に戻ってしまった。


「やっぱり、あんた嫌いのろ」

「バンジャ」

「架空世界はわろが倒れない限り、架空世界から出られないのろ。まああの二人は自力で脱出はできたようのろだが、ティルはたとえあの末裔の子だとしても、出られないのろよ」


 末裔?どういうことだと沼から出ようとするも痺れて動かずどんどん沈み、ばいばいのろとバンジャに手を振られ、沼の中へと入ってしまう。ここから出たくてもまだ痺れが残っていて影魔が出せなかった。

 リア、ワイズとペンダントがゆらゆらと動く。僕がこんなところでやられるわけがないと動くペンダントに手を伸ばした時のこと。

 誰かが僕を救出し沼から脱出をした。ケホケホと水を吐きながら、助けてくれた恩人にお礼を言おうとしたところ、誰もいなくそこには大きな核がどくんどくんと動いていた。


 ここがファンズマの心臓かと影魔を呼び出し、衣服が漆黒と帯びる。


「影魔、これがファンズマの心臓?」

「一つの核に過ぎない。ファンズマの核は三つある」

「さっき僕を助けてくれた人は知ってる?」

「あのお方が直々にティルを助けてくれるとは想定外だったが好都合だ。これを壊せばファンズマは弱まる」


 あのお方というのは誰のことやらとまずはこの核を壊し、ファンズマが咆哮して、僕を出し影魔が僕を守り着地する。ティルとエワンが走って来た。


「核は後二つ、どこにある?」

「ソアレがいる部分とそれから頭部だな」

「しゃっ喋った!?」

「エワン、驚いている暇はないよ。攻撃パターンが変わったっぽい。物が降ってくるぞ」


 エワンはファンズマの方を向き直してファンズマが瓦礫を僕らに向かって投げてくる。弱まれば弱まるほど攻撃パターンが増す。さっきは武器を振り回してばかりだったが、それプラス瓦礫を投げてオウガッセ少数が出てきた。

 エワンに力を借りながら頭部を目指し、ソアレはなんとか自力でオウガッセを倒せているから大丈夫だろうと思いたい。

 頭部へと到着するとそこは美術館のような建物があり、行こうとしたら待てと影魔に引き止められる。


「核が移動したようだ」

「どこに?」

「もう一つの核と合体している」


 行けと影魔を放ちソアレを守ってもらうため先へと行かせ、影のスケボーを作りソアレのところへと向かった。


 ◇


 ドロップを止めるにしてもドロップは俺ではなくビルーに向けて攻撃をしていた。ビルーはビー玉を使うもうまくローメアを倒せないでいて、俺がカバーをする。


「あちは平気だから」

「碧じゃねえだろ。さっき捕まりそうになったじゃねえかよ。ドロップのことは任せてネフィラを止めてろ」

「言われなくてもするけど、あちはネフィラを敵視している以上、生かしてはおかないよ」

「ビルーの妹だろうが」


 妹じゃないと言い出してネフィラと言い、ビルーと言い面倒くせえな。


「ネフィラのお姉ちゃんもらっていい?いい?」

「うちに姉がいた記憶ないけど、うちとそっくりだから姉なのはわかったよ。姉の能力が面白いから師匠に渡したら喜びそう」


 ネフィラは以前と比べてロンゴールに洗脳されてんな。リアたちが知ったら落ち込む気がしてきたな。それにブルバはネフィラを探すために、総軍隊長まで昇り詰めた男。

 ブルバに伝えたいがブルバはもうデッドハラン王国に向かっている最中だから来ない。


 炎魔と連携ができれば一番いいのだが、俺の弱点となるネフィラがいるから炎魔は連携してくれないだろう。ビルーは複数のビー玉を出し、考えている暇はなさそうだなと炎魔を出そうと決めた時のことだった。

 ビルーに花が突き刺さりビルーはえっと固まって、その花を抜こうとしたら根が出始め、ビルーを拘束したのだ。穴から落ちて来たのはワイズと一緒に行ったはずのウバン。


「間に合ってよかっただべ。あれネフィラが二人?」


 ウバンは混乱してドロップはお腹を押さえながら爆笑していた。ウバン何してくれてんだよと突っ込もうとしたら、動けるネフィラが喋る。


「うちのほうがネフィラだよ」


 ネフィラは自分を指し半笑いしていて、ウバンは俺のほうを見て、慌てながら花の弓を取り、失敗して恥ずかしい表情をしながら、ウバンはネフィラに弓を向ける。

「ぼっぼかぁはし、失敗はしないだべ」


 失敗してるじゃねえかとぼこり、俺の炎で根を外すとビルーはウバンの頬を抓った。


「あちじゃなくて、ネフィラを狙いなさいよ」


 ごめんにゃさいだべと思わず俺も笑いそうになってしまって、ビリーは得意の蹴りで俺を蹴飛ばした。ウバンにこんな一面が見れるとは思わなかったな。


「ウバン、他のみんなは?」

「ぼかぁの班しか来れなかっただべ。ハッカークロウにハッキングが入りそうだったらしいだべよ」


 そうとなれば各土地に散らばっている団員は呼び出せないってことでいいか。まあウバンが来てくれたからネフィラはウバンに任せ、ドロップを今度こそ仕留められる。


「ウバン、ビリーとネフィラを連れて先に本部から脱出しろ」

「ギーディス団長、いいんだべか?」

「こいつが笑っている間にさっさと行け」


 ウバンは少し悩んでいるようでもネフィラを拘束して、ビルーと一緒に逃げてもらった。ネフィラとドロップが追いかけようとして炎の壁を作る。


「さて邪魔者はいなくなったから、再開しようか」

「もうニディアに関わらないから、見逃してよ」


 ドロップは焦りながらそう言われるも、俺はドロップを許さない。


「できるわけがないだろ」

「ろが女性にしか興味持てなくなっちゃったの、教えるから助けてよっ」


 火が回り始めていき、ドロップは咳き込んでいて、ここでホディヴィも出せば確実にドロップは死す。炎魔を出すほどでもなかったか。逃げ場もない以上、俺が苦しめても力を消耗するだけだし、俺も出るかと行こうとしたら、ドロップに足を掴まれる。


「助けっケホケホ。て…」


 ニディアを苦しめたんだからと、一歩を踏み出すもなぜ俺は躊躇しているんだ。敵を逃すようなものじゃねえかよと思うも、俺はドロップを抱っこして脱出をする。

 煙を多く吸い込んだようで、ドロップは避難所の医師に診てもらった。のちにドロップはカディヴィア所有地の刑務所へ連れて行く。それまでは油断はできないとその様子を診ていたら、ネフィラが毛布を着てこっちに来た。


「やっぱり、ギーディス団長は子どもを見捨てないんですね」

「死ぬより生きて償ってもらうことにしただけだ。ネフィラも相当の処罰は下る。覚悟はいいか?」

「…はい。うち、実は」


 ネフィラに真実を言われ、ウバンにネフィラとドロップを監視することを命じて、すぐにカディヴィア本部へと急いだ。ディリー、ディリーと叫ぶも返事がない。

 どこにいるんだよと探し回っていたら、総司令官室に通じる通路には多くの糸が張り巡らされていた。思わず部屋に入ってみると、俺は腰を抜かし、思いっきり叫んだ。


 ディリーの部屋も糸が張り巡らされ、そしてその中にディリーが糸に絡まっていた。まだ生きてるよなとディリーに触れるも冷たい。嘘だ、嘘だと糸を燃やし身体を暖めるも冷え切った身体だった。


「あっあああああぁぁぁぁぁ!」


 ディリーを抱きしめ泣き叫ぶと同時に、炎魔が俺の目の前に出てくる。


「炎魔っお願いだっディリーをっディリーを助けてやってくれっ」


 それでも炎魔はじっと見ていて助けられないのか。すると炎魔は涙目になりながらディリーのそばにより、一粒炎の涙をディリーのほおに落ちる。炎の涙はディリーの頬をつたい、赤く光って消えた。

 しばらくしてディリーが息をし、咳き込んでいてよかったとディリーを抱きしめていたら、何やってんだと俺のほおに触れる。


「すぐ駆けつけられなくて悪かった」

「別に構わない。炎魔を出すなとあれほど言われていたではないか」

「気がついたら炎魔が勝手に出て来ただけだ。炎魔」

「ギーディスが悲しむところ、見たくないから。今回だけ。次はない」


 炎魔が喋ったと少し驚くも炎魔は照れ屋さんなのか左腕に入ってしまった。ディリーをゆっくり立たせる。


「ニューダ社のほうは?」

「俺の炎で燃えたよ。ネフィラとドロップは確保した」

「そうか。これでようやく、ニディアは好きなキャンディー食べられるといいんだが」


 そうだなと鈴の力を使ってカディヴィア社を脱出すると、カディヴィア社は炎に呑み込まれた。



 モニター室ではルシャンダがクロウに挑んでおり、私はルシャンダの能力を使いながらゲートを作り。学園内にいる子どもたちや先生たちを救出していた。

 これで最後かなとゲートを閉じ、助かりましたと先生たちに言われながら、ティルたちが無事か心配になる。


 ティルの看病をしている時、ティルは元々記憶があって、記憶がない振りをして生活していた。

 もしばれたらデッドハラン王国が実行しないかもしれないと、恐れたティルは基本能力、影を使い、情報をかき集めて、狙いが子どもたちだと言うことを教えてくれた。

 そうしなければデッドハラン王国には弟子七人と戦う羽目になるから。運よくデッドハラン王国は実行してくれたけれど、一人逃してしまったらしく、時間は残されていない。


「第二ラウンドっすか?」

「うん。帰って来てくれてありがとね、タング」

「いいっすよ。まさか各土地に配置していたみんなを三種類のゲートを作りつつ、ハッカークロウに挑むルシャンダはすごいっすよ」

「えっへんであります。リアの力がなければ、和吉は一つのゲートしか開けられなかったでありますからリアに感謝であります」


 なんか照れるなと思いながらも、カディヴィアと島、そしてデッドハラン王国に送り届けた。第二ラウンドというのは、優秀な子どもたちを奪いに、この島にくる可能性が少なからずあるということ。

 本当はニューダ社にも送り届けたかったけれど、途中でルシャンダに手を離すよう言われ、ウバン班しか送れなかった。モニターを見ていると、ワイズから応答が来る。


『リア、情報を頼む』

「各土地にいた隊を四つ、カディヴィア、ニューダ社、島、そしてデッドハラン王国に送り届けた。ただニューダ社はウバン班しか送れなかったの」

『狙いはやっぱり、ニューダ社とカディヴィアだったか。となるとあの広告はデマだったということか。悪い、俺たちが行っちまって。みんな大丈夫そうか?』

「子どもたちと先生は無事保護できた。カディヴィアで待機していた総司令官とニューダ社で待機をしていたギーディスから応答がないの」


 ワイズはなるほどと何か悩んでいるそうで、ワイズの指示を待っているとルシャンダがキーボードを打ちながら喋った。


「ワイズ、みんなのこと心配している暇ではないでありますよ!今は戦場の中、ワイズはアイズのことだけに集中するであります!」

『おう。みんなのことが心配だけど、アイズを止めてキアを取り返しに行ってくる。それまでは気を抜かないように、気をつけろ』


 ワイズたちもねと伝え、ワイズの声が聞こえなくなり、無事にみんなが帰って来ますようにと、モニターで状況を確認していく。

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