62話 甘いビー玉
甘い匂いではっと起きたニディアで、恐れを感じるも、ここはと周囲を見渡すも種類豊富のビー玉がぶら下がっていた。床もビー玉がぎっしり詰まっている。
混乱をしていると気分はと大きなビー玉に座っている人がいた。ニディアはその人のことを知っている。
「ビルー隊長、ここはどこです?」
「ニディアは知らなくていい場所。そろそろ、あちを探しているころかな」
ビルー隊長は東軍隊長を任されている人。その人がなぜと頭を悩ませているとビルーさんと知らない子が走ってきた。
「清めずここに入れないでください」
「めんどくさい」
「後で叱られても、私は助けられませんよ。これ清めの塩です。ニディア様、申し訳ありませんがこちらへ」
清めってニディアは穢れてないと思っても、知らない子についていくことに。全てが眩しい場所で笑顔を貼り付けているような笑顔をしている人たちが多くいた。
案内してもらうと清め風呂という場所で、中には女官が待ってますのでと言われ入ることに。
清め風呂に入った次は女官たちに着せ替え人形のような扱いをされ、これがニディアと思わず自分が映った鏡をまじまじと見てしまった。
お似合いですと少し照れながら庭に案内されそこにいたのはお父様の妹であるナユ叔母様が花を見ていらっしゃる。ここはノールト王国ではないはずと近くに寄ったら、ナユ叔母様は初めましてと言われた。
「ナユ叔母様?ニディアです。覚えていらっしゃらないのですか?」
「どちらかでお会いしましたでしょうか?」
またピキッと心にヒビが入った感覚で宝物のケースがどんどん壊れていきそう。一歩また一歩と下がりこれは夢に違いないと逃げようとしたら、衛兵に捕まっていると懐かしい声が聞こえた。
「ニディア様を離しなさい」
失礼いたしました、ヴェルディ様と衛兵はニディアを離し元いた位置に戻る。ニディア様、こちらへと言われ庭から離れ歩廊しながら、ヴェルディが言う。
「ニディア様、これからお会いする方に失礼がないよういただきたい」
「…ヴェルディ、ノールト兵だよね?ならなぜ偉そうな人が着るような服を?」
「お応えすることは禁じられています」
ノールト王国にいた頃とは違うから、調子狂いそうと思いつつ階段を登り切ると空の海が見えた。そこで眺めている人がいて、ヴェルディがお連れいたしましたと告げると振り向く。
おとぎ話に現れた王子様のようで見惚れていると、その人は近くによった。
「初めまして、ニディア。わたわはこの世界の創造主、パトレア。麗しいニディアに一つ頼みたいことがあります」
「頼み事?」
「キアとアイズを引き離してください。さもないとアイズはキアによって死にます」
「アイズお兄様が死ぬの?」
えぇと悲しい瞳をしていて、またピキッとひびが広がっていくような痛みを感じる。それでもアイズお兄様とキアはデッドハラン王国にいて、近寄りたくても近寄れない。
ドロップに会うのも嫌だと考えていたらパトレア様はニディアの顎を優しく触れ、もう片方の手で頬に触れる。
「ニディア、怖がることはありません。ただ引き離すだけでいいのです。以前、アイズに止められたかのように、今度はニディアがアイズを止めるのです。ドロップは我々が排除致しますから、ご安心を」
読まれていたと思いながらも、それならうまくできるかもしれないけど、なんだろう。この感覚。味わったことがない恐怖心が背後にいるような。
それかパトレア様の瞳から離れられないからだろうかと、パトレア様を見ていたら、ヴェルディが咳払いをしてパトレア様は離れる。
「それでも不安なのであれば、ヴェルディをつけましょう」
ヴェルディがいてくれるならできそうかもと思い、わかりましたと告げた。
「あの、ナユ叔母様が記憶を失っているように見えたのですが」
「ナユに似た子がいるのです。お気になさらずに」
どう見てもナユ叔母様にしか見えないけれど、会った時は少女のままだったし違う人かと認識する。
「では、頼みましたよ、ニディア」
「はい」
お辞儀をしてヴェルディと一緒に階段を降りて、まだ疑問がありつつもヴェルディは答えてはくれそうにないな。まるでおとぎ話にある空の都市みたい。
「ニディア様、ここに来たことは誰にも口には出さぬようお願いいたします。パトレア様は全てを見ておられますので」
誰かに言ったら、ニディアがどうなるのか想像がつくから言わないよと、伝えると同時にヴェルディはある瓶をニディアにくれる。
「これって?」
「リア様にお渡しください。身体の不調の時に飲むようにと。お腹の子に害はありませんので」
こういう薬あるんだと受け取って、ドロップのことを思い出しちゃった。
アイズお兄様がデッドハラン王国の調査に行く数ヶ月前のこと…
お母様に渡された任務を実行している時に、甘い物が食べたくなってしまって、ちょうど目に入ったのがキャンディー屋さんだった。美味しそうなキャンディーに目が行き多種多様の飴たちを見ていたら、店主のドロップが現れる。
「いらっしゃーい。どんな飴が好み?ドロップ系?水飴系?スティック系、いろいろあるよ」
いろいろ見てニディアが手にしたのがドロップ缶。缶が可愛くて手にした直後、嬉しいなとドロップが背後から飛びついた。
「ドロップを選ぶ君はいい線言ってる。ねえもっと美味しいキャンディーがあるんだ。これ試食してみる?」
すっと渡されたキャンディをもらい、口にした瞬間に違和感を感じ、倒れそうなところドロップが支える。どうしたのと笑いながら言い、力が入らなくて次第には飴っぽいファンズマがニディアを呑み込み、意識が遠のいた。
ぐつぐつと甘い香りの匂いで目を覚まし動こうとしても飴でコーティングされ動けずにいる。周囲には飴に閉じ込められた人たちがいた。
「ふふーん。名前はニディアって言うんだね。ろはドロップって言うんだぁ」
ニディアの隊服や私物が目の前にあって、よくよくみると飴で作られていることがはっきりする。全身赤くなりそうと思っても、炎の力で溶かせばと思ったけれど、想像してしまってやめた。
飴で作られた服は透明色じゃないからましでいいかって思ってる場合じゃない。なんとかして逃げるとしてもここに捕まっている人たちを助けなきゃ。
「さあて。ニディアはどれくらい耐え切れるかな」
何をする気なのとドロップの飴を口にして、コーティングされた飴をぺろっと舐める。
「やめてっ」
「えードロップが好きだから、ろを選んでくれたんじゃないの?」
「缶が可愛かったからそれにしただけだよ!」
「缶に惹かれるだなんて、ろはショックだなー。ならさ心が壊れるまでみんなーニディアと遊んでもらえー」
ぞろぞろと現れたのは飴でできた小人でとても嫌な予感しかしなくて、小人たちが一斉に飛びかかった。
ドロップは地べたに寝っ転がりながらお腹を押さえ、このことを早くお母様に報告しなくちゃ。小人たちは満足したかのように去って行き、変わり果てた姿を見て飴が砕けてもベトベトしてて動けなかった。
ドロップは立ち上がりニディアを跨いでニディアの口にドロップを入れる。
「まだ心は壊れないか。おっと待っててね」
ドロップはポケットにしまっていたスマホを取り出して、誰かと喋っていた。
「えーニディアを逃がせって言われても。師匠、デッドハランに連れてっても。えーなんでよ。パートナーにしたいぐらいなのに。うん、うん。はーい師匠。わかったよ。じゃあね」
ドロップはまだ舐め切っていない飴をニディアの口に入れ、吐き出したくてもごくんと飲み込んでしまう。それを見たドロップはニディアを連れて、甘い匂いが増して行きその奥は大きな水飴が出来上がっていた。
入りたくなくてもドロップに投げ飛ばされジャブンと水飴風呂に入るとヤッホーイとドロップも入った。
「ローメア、入浴剤、ちょうだい」
飴のファンズマのことをローメアと言うのかと頭に入れながら、水飴の色が半透明ではなく白と赤が入る。
「本当はもっと固まらせたかったんだけど、師匠がね、ぐちぐち言うから今日は見逃してあげる。でもろは諦めたつもりはないよ。こんな面白い子初めてだもん」
いつの間にかベタベタ感がとれ、すべすべの肌に戻り始めた。そしたらアイズお兄様の声が聞こえドロップはニディアの唇を奪い、消えちゃった。
「ニディア」
「お兄様」
「待ってろ。いまだしてやるから」
そうは言ってもここ水飴の中だよと思っても、お兄様は着たまま水飴に入りジャケットを羽織らせてくれる。隊服を渡してくれて、それに着替えている間にアイズお兄様は飴に閉じ込められている人たちを助けた。
それ以来ニディアは甘い物が苦手となってしまい、そしてアイズお兄様が調査に行くまで、度々ドロップに接触していたけれど、アイズお兄様が調査に行った後ぐらいからドロップの姿は見えなくなったんだっけ。
時々ドロップに襲われる夢を見るたびに、心が不安定になり、精神科に通うこともしばしばあった。ドロップがいれた飴に口にしたくない言葉を時々出す。
あるはずなのに心の中は空っぽで、探しても見つけられなかった時、ティルと会って徐々に心の中を埋められている。
ヴェルディと一緒にティルがいる病室へ行くも、手が震えて扉を開けないでいた。後でこっそりヘリットが来てくれるとアイズお兄様は言ってくれたから、今は我慢だよねと扉を開ける。
リア義姉様の姿はなく、ティルはいらっしゃいと微笑んでくれた。
「ティル…」
「ごめんね。何も思い出せなくて。リアに写真を見せてもらったり、僕のスマホにある写真を見てもピンと来なかったんだ」
「無理して記憶戻さなくていい。ティルが思い出すまで、ニディア待ってるね。リア義姉様は?」
「ワイズと出かけたよ。可愛い子どもがいたから少し戸惑ったけど、これを見て何か思い出せそうなんだ」
見せてもらうと古いペンダントと新しく作ったらしいペンダントを手にしていて、思い出せればいいなと願う。
「そちらの人は?」
「ノールト兵のヴェルディだよ」
ヴェルディは会釈してティルに自己紹介をしていると、ヴェルディが廊下のほうを見始めた。ヴェルディと声をかけたら、少し外れますと言われ、病室を後にする。何かあったのかなと椅子に座り、この格好はまずくないと一瞬考えるもまっいっか。
スマホを取り出して、前に行った遊園地のことを伝えていった。
◇
気配を感じ行ってみるとそこにはなんとキア様がいらっしゃった。
「キア様」
「ニディアが心配で、ただ寄っただけ。ねえニディア、なんであんな格好してるわけ?」
「それはお応えができません」
「ならメリュレは知ってる?今日、夢に現れてもう時期お迎えに上がりますって言われた」
メリュレが動き出すということは準備が整っているという意味を示している。アイズ様がいらっしゃらないから、ここでと術をかけようと思ったが、そこにワイズ様がいらっしゃった。
「あれ?キア?」
「ワイズ…姉貴には内緒にしておいて。それじゃあ」
キア様は行ってしまい、ワイズ様は俺がいることに疑問を抱いているようだ。
「確か匿名部隊で、よく見たら初めにノールト国で会ったよな?」
「はい。あの場では失礼な態度をとって申し訳ない」
気づかれていないと思っていたが、やはり気づかれていたか。
「聞きたいことが山積みなんだけど」
「お答えできることは限られております」
「メリュレはあんたらの仲間なのか?」
「夢に出るのなら時期に何かが動き出すという証拠。それ以上はお答えできませんが、もう一つ教えておきましょう」
本来ならばこれは言わないほうがいいのかもしれないがワイズ様の耳元で伝えるとワイズ様は愕然としていた。これぐらい伝えておけば、ワイズ様は引き下がるだろう。
「なのでこれ以上関わればワイズ様の命が危険となる。そのことを忘れなきように」
ワイズ様はそのまま固まってしまっても、ニディア様の姿は見せられないと戻り、ニディア様を自宅までお連れした。
◇
東軍隊長であるビルーの姿が見受けられず、一体どこへ行ったんだか。総司令官の命令で動いていたものの姿を消されると厄介なんだよな。
「セイワン、ビルーの居場所突き止められそうか?」
「くんくん。ビルーは確かにここにいたらしい。後違う匂いがする。これはニディアの香水とキアとアイズの匂いも」
「どうなってんだ。元総軍隊長とキアが二人を拉致とか?」
「いや、キアとアイズはただ通りすがったようだ。ニディアが心配。早めに帰還して確認したほうがいい。おんはもう少しビルーの匂いを辿ってみる」
頼むなとセイワンと別行動をし本部へ戻ってニディアが使っていた部屋を覗くもいなかった。だとすれば実家のほうかと尋ねるも、ニディアは帰って来てないことが判明する。そうなるとやはりビルーはニディアをと考えているとニディアがノールト兵を連れて帰ってきた。
普段と違う格好に一瞬見間違えそうになる。
「あれ?ブルバ、うちになんか用だった?」
「いや。それよりなんでノールト兵と一緒にいるんだよ。母さん心配してたぞ」
「何もされてないから大丈夫。ティルのお見舞いに行ってただけだよ」
嘘つけと言いたくなるも、ノールト兵が睨んでいるからその言葉を飲み込む。ニディアはそいつと一緒に実家の中へと入り、何かがありそうだと総司令官室の前へと到着した。
少し部屋から揉め事が聞こえていたとしても、中に入るかと入った瞬間になぜか爆発に巻き込まれるオチになる。ケホケホと咳き込みながら、総司令官の部屋に設置されているスプリンクラーが作動した。
「総司令官、ワイズ、大丈夫か?」
「平気だ。何かようか?急用なら聞くが今取り込み中でな」
「ニディアは先ほど家に帰っている姿を見ましたが、そこにノールト兵を連れていました」
「ちっ。ニディアを紹介するんじゃなかったな。ブルバ、ビルーを除く、軍隊長を本部に収集しろ。ノアが表として出られない今、お前たちが頼りだ」
ノアさんの件はさっきむっちゃ長すぎるメッセージをノアさんからもらって動いている。御意と応えセイワンと西軍隊長に連絡をとり、来てもらうことに。
しばらくしてセイワンと西軍隊長のデザンがやって来た。
「やはりビルーの匂いはあそこで途絶えていた」
「ビルーはこの俺様が捕まえるから、お前らは引っ込んでろ」
この二人そう言えば相性が悪いから気をつけろとノアさんに言われてたんだったと、ヤンキーぽいデザンは刺青を堂々と肌を見せ、なぜか女性陣はそれに打たれ失神していく。
そしてセイワンも負けてはいなくて女性陣がお手と手を出すと飛びつき可愛いと撫でるのだ。それを馬鹿にするデザンと男性陣もどうかと思うのだが。
セイワンは恥じらいを見せながら女性陣に甘えており、いいだろという表情をしてばちばちし合っている。
うん、呼び出したから後は勝手に会議室に来るだろと、先に行こうとしたらブルバと声をかけられ振り向くとシフォンがいた。
「シフォン、久しぶりだな」
「久しぶり、だね。ブルバに聞きたいことがあってきた」
「聞きたいことって?」
シフォンはタブレットを取り出して、ある記事を見せてもらう。あぁ確かそれってノアさんと一緒に初任務に出かけた時に起きた事件。
「知ってる。それがどうかした?」
「住民に事情聴取しても、何もなかったって言われて違和感を感じた。館長が亡くなったことで、ベインは行方不明になってるし、こっちに情報ないかなって」
「館長にべったりくっついていたベインが?館長が亡くなってから消えたってことなのかよ」
「そうじゃないんだ。ボルダウ国襲撃の後からベインがいなくなってる」
ボルダウ国に捕まっていたソアレを助けに行っていた時にベインが消えた。ノアさんからもらった情報と何か関係があるのかもしれない。それにティルが記憶を失った原因もベインが関係してそうだな。
「今のところベインの情報はないけど、何かわかったら知らせるよ。ティルに会いに行かなくていいのか?」
「もちろん、会いたいけど、ティル様の代理としてティル様の引き継ぎをギーディス元団長と仕事してるからまだ会わないつもり」
珍しいけど少しは成長したっぽいな。昔はティル様って泣きながらティルにべったりだったシフォン。そう言えばと違う件だけどこれは共有しておこう。
「別件なんだけどさ、メーファたちやそれ以外の子が妙なものを手にしていたから没収してあるのがある。事情を聞いたところ、デッドハラン王国の調査員と取引をしていることが判明した。シフォンのいじめはそれに関係していたってメーファから聞いた」
「いじめさせるようにってこと?」
「そういうこと。だから過去のことは気にすんな。まあ一応メーファたちには停学処分としてる。少人数かと思えば結構いたから学園も危なくなってるから十分に気をつけろ」
「ワイズ様には?」
まだ伝えてないと伝えるとなら伝えとくとシフォンが言い出し、よろしくなと伝えてシフォンと別れた。キアのことで心配だろうけど、キアのことを忘れるぐらい仕事を多めに増やしているように見えたな。
今度シフォンと飲みに行くかと会議室に行ってみると総司令官がイライラしながら待っていた。
「あの二人、ロビーで戯れているそうだな。早く呼んでこい」
そう言われてもと苦笑いしていたら、がみがみ言いながら入ってくる二人で、遅いと叱る総司令官である。さっさと席につけと言われそれぞれ席に座った。
「ノアが表に出られなくなったことで、お前たち三人にやってもらいたいことがある。ビルー捜索は一度やめ、デッドハラン王国に侵入する準備をやってもらう。セイワンはフリジンダ社、デザンはニューダ社、ブルバはカディヴィア。それぞれ各土地に部隊を配置しておけ」
デンパット王国の広告にある記事の解読ができ着々準備は進めていた。それにワイズがスノーリア王国から兵器をもらったそうで、島の倉庫に保管してあるようだ。
いよいよ大きな戦が起きようとしている。デッドハラン王国の調査隊長は全部で七人と聞いた。
第二調査隊長クロウ、第三調査隊長グック、第四調査隊長ヘリット、第五調査隊長ネフィラ、第六調査隊長ドロップ、第七調査隊長ボルシャ、そして第一調査隊長アイズ。
襲撃しに行く際にこの七人がデッドハラン王国にいるかは正直はっきりしない部分だ。もしかすると各土地に隊長一人が配置することになったら、俺たちはデッドハラン王国に行く意味がない。そうなるとそこは各土地で待機をさせ、デッドハラン王国に侵入する人数を決めておく必要がある。
「総司令官、準備を進めるにつれ、あの広告をみる限り、各土地に隊長一人がつく可能性があります。どうしますか?」
「そうだな。あれをみる限り、デッドハラン王国は全土地を総攻撃するかもしれん。デッドハラン王国を襲撃する部隊、そして隊長を止める部隊も必要になってくる。そこはワイズとギーディスで話し合ってくれ、ブルバ」
御意と伝え俺たちは総司令官が出した指示に動くことになった。
◇
大きなビー玉の上に寝っ転がりながら青いビー玉を眺めていた。ネフィラがあの愛弟子になり第五調査隊長と動いていることを知った時は、なんとも思わなかったな。
ネフィラと過ごした思い出はないけれど、一応妹だからカディヴィアの人に成りすまして見守っていた。けれどパトレア様はネフィラを完全に敵視した以上妹を守ることはもうない。
ビー玉から降りて青いビー玉は床に落とし、部屋を出て回廊を歩いていると走ってくるスターリ。
「ビリー、パトレア様がお呼びです」
なんだろうとスターリはそれを告げた後また走って誰かを探しに行ってしまい、あちはパトレア様のところへ行くとジルーとヴェルディ、それからメリュレという偽装の名でいるピットがいた。
「これからカディヴィアとニューダ社を滅ぼさせます。ジルーとビルーはニューダ社を、ピットはキア王女を保護しに、ヴェルディはニディアの護衛をしながら、アイズにこれを渡してください」
パトレア様はヴェルディに正方形の物を渡し、あれは地獄箱。一度入った者はもう二度と出られないという物だ。
するとお待たせしましたとスターリの声が聞こえそちらに目をやると懐かしい人が現れる。パトレア様は我が子を見るような目で、その人を引き寄せた。
「ベイン、おかえり」
「帰りが遅くなりごめんなさい、パトレア様」
「ベインはよくやりましたよ。オーケルを頼みますね」
はいっとベインが返事をしたことで、それぞれ動くことに。




