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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
61/195

61話 メリュレの正体

 ニュースで報道されており、お父様が住んでいるノールト城が燃えていた。それと同時にお兄ちゃんがおじいちゃんを連れて来たけれど、お兄ちゃんはそこで倒れ、今サリラにお願いしてもらっている。お兄ちゃんよりおじいちゃんの容体が危険かも知れないとまで言われた。

 一体ノールト城で何が起きていたのと医務室の前で行ったり来たりしていたら、サリラがふうと息を吐き、終わったよと教えてくれる。


「おじいちゃんとお兄ちゃんは?」

「どちらとも大丈夫。ただおじいちゃんのほうはまだ油断はしないほうがいいかもしれない。傷口を見させてもらったけど、得体の知れない何かが張り付いてて応急処置しかできなかったから」

「ありがとう。話はお兄ちゃんから聞いたいけど、まだ起きないよね…」

「お兄ちゃん、起きてたから、話聞いたらどお?」


 こんな早く起き上がれるものなのと医務室に入ってみると、お兄ちゃんはおじいちゃんが寝ているベッドに座り込んでいた。


「お兄ちゃん…」

「心配かけてごめんな。今はとてもじゃないけど整理が追いついてないからもう少し待っててもらえる?」

「うん。何かあったら呼んでね」


 お兄ちゃんが今まで見せていなかった表情に少し驚いたけれど、考える時間が必要で一度医務室を出る。社長室へ入りワイズは資料の整理をしていた。


「リア、ノアとじいちゃんは?」

「お兄ちゃんは起きていたけれど、おじいちゃんは危ないかもしれないってサリラから言われたよ」

「…ティルの次がノアとじいちゃんも怪我を負う羽目になるだなんて思ってもみなかった。リアの両親が無事なのかもニュースでは報道されていなかったし、ノアの言葉を待つしかなさそうだな。明日、ちょっとニューダ社に行ってくるから」


 ワイズが言いかけた時、ギーディスが走って来て親父はと聞かれたから医務室と私が答えると行ってしまう。私とワイズはギーディスを追いかけると医務室の前でお兄ちゃんと話していた。


「ナユが…」

「あまりこの話は。社員たちには聞かれたくない情報だ。会議室で話そう。ワイズ、少し会議室を借りる。ルシャンダが盗み聞きしそうだから、絶対に盗むなよって伝えといてくれ」


 私たちには言えずギーディスには言える話のようで、ワイズはモニター室にいるルシャンダのところへと行く。私はおじいちゃんの手を握って、待つしかなかった。


 しばらくしてお兄ちゃんは私の隣に座り、きっとよくなるよと私の手を握るも少し手が震えている。


「リア、これからは一人でノールトには行くな。あそこはもう俺が知ってる国じゃなくなった」

「…お父様とお母さんに何かあったの?」

「詳しくは教えられないが、言えるとしたら俺たちはある種族の末裔だということだ」

「それってまさか、匿名部隊と何か関係しているの?」


 そういうことだと言われある種族はまだ私は知らないけれど、これから匿名部隊が現れるってことでいいんだよね。


 夜中、お兄ちゃんに言われたある種族について、気になってしまいなかなか寝付けないでいた。どんな種族なのか知りたくなって、リビングへと入りタブレットで種族を調べるもピンとこない。

 ヨウミなら何か知ってるのかなとファンズマの種族一覧を見ていたら、なぜかテレビの横ににメリュレがいる。どうやって入ってきたのと驚いていたら、メリュレが喋った。


「種族知りたい?」

「なぜ私が種族を知りたいって知っているの?」


 メリュレは微笑んでいるも寒気を感じさせるような笑顔をして、ゆっくりとこっちに来る。私は咄嗟に寝室で寝ているワイズを起こしに行こうとしたら、寝室の部屋がなかった。

 後ろにいるのを感じ振り向くとメリュレは天使のような姿となって、白い羽で私を壁に固定する。


「あのお方の使者、ピット。あれは偽装データで、リア様たちに接触するために近づいた者。リア様の種族を知ってしまったら、あなたは二度と帰ることはできない。まだあなたを連れて来るよう合図は来ておりません。今は何も聞かずに旦那様とお過ごしください。いずれあのお方からご教示いただけます。それまで、どうか」


 耳元で囁かれ私はガバッと起き上がる。眩しい太陽の日差しが寝室に入っていて、隣ではミライとワイズが同じポーズで寝ていた。あれは夢だったのと混乱してしまうも、ベッドから降りてすぐさまヨウミに連絡をとってみる。

 ピットが匿名部隊の子だとしたらと思っても、連絡が取れずお兄ちゃんはまだ医務室にいたよねと、パジャマのままフリジンダ社へと急いだ。


 医務室に入ったけれどお兄ちゃんの姿はなく、さっき耳元で囁かれた言葉が本当ならとルシャンダがいるモニター室に入る。お兄ちゃんがルシャンダのデスクトップを借りて何かをしていた。ルシャンダはまだ夢の中なんだろう。


「お兄ちゃん…」

「おはよう、リア。見たか?」

「やっぱりメリュレは」

「使者が見えたら用心しろとよくじいちゃんに言われてたよ。このタイミングで使者が俺たちの夢に侵入するとなればもうすぐ迎えが来るってことだ。その前にキアを先に連れて行くと言われた。一刻も早く、デッドハランに侵入できるようにしておかないと、未来通りになっちまう」


 お兄ちゃんはあるデータを開き、私に見せてくれた。これは私の今の遺伝子データで過去のデータも見せてもらうと全く別のもの。


「これをじいちゃんはこっそり詳しく調べていた。その結果、狙われたようなものだ」

「…私、知ってる。小さい頃、館長に教えてもらったの。私は特別な存在で、大きくなったら私を迎えに来る人が来るって」

「館長がか?オーケルはただの研究家の一人に過ぎない。ノールトとの関わりはないはず…待てよ」


 カタカタとキーボードを打ち、ルシャンダみたいにニューダ社の情報を抜き取り、私とお兄ちゃんは唖然としてしまうほどだった。

 館長の過去データを引っ張り出しその中にある一枚の写真に、館長と写っているのは紛れもなくお父様。気品のある正装を着ていて、何かの受賞書を手にしていた。


「ウラデュエ研究受賞書…。ウラデュエという場所はないはずだし、じいちゃんがよく読んでくれたおとぎ話の場所だ」

「私も館長におとぎ話の本を読んでもらってたから覚えてる。確かファンズマと人間が恋に落ちたおとぎ話でも、結局は同じ種族の相手を選んでおしまいだったよね」

「ハッピーエンドじゃなかったけど、舞台はウラデュエという都市。一度は何人かがその土地があるのではないかと冒険家が探すも、ウラデュエの都市という土地は見つからなかったとされている。だからあれはただの空想の世界だと思ってた」


 実在するのならどの辺りにあるのだろうとお兄ちゃんと地図を見ながら考えていたら、リアと呼ばれルシャンダが起きてしまい、ルシャンダは目を擦りながらおはようでありますと言う。

 ワイズはミライを抱っこして、急にいなくなるなよとミライを私に渡し、息を整えていた。


「ごめん。ちょっとびっくりしたことがあって、お兄ちゃんと話してたの」

「俺変な夢みて起きたらいないし、ミライが久しぶりに泣いてたからまじで焦った」

「変な夢って?」


 お兄ちゃんがワイズに聞き、ワイズは夢の内容を教えてくれる。


「リアとミライが俺のこと忘れて、なぜかティルっぽい奴と一緒に過ごしている夢だよ。どんなに追いかけて止めても白い翼が邪魔してリアとミライって叫んだら目を覚ました」


 するとスマホが鳴り確認するとヨウミでスピーカーにし、応答した。


「ヨウミ、朝早くごめんね」

『よい。今日はなんか変な夢を見てしまっていたのだ。リアが我が輩たちのことを忘れ敵視する夢をな』

「ねえそこにメリュレは?」

『隣でぐっすり寝ている。メリュレがどうかしたのか?』


 どうやって夢の中に入ったのかは分からずとも、お兄ちゃんは私に言わなくていいという合図をしてなんでもないと答える。


「ヨウミ、また変な夢をみかけたら随時、俺とリアに報告を頼む」

『うむ。あの夢を再びみるのは辛い。まるで正夢になるかのようなリアルすぎる夢だった。他に変な夢を見た者がいないか聞いておく。では』


 ヨウミとの通話が終えこれは一応ワイズとルシャンダには伝えておこうと思い、会議室で話す。


「本当のことでありますか?」

「あの夢を見せられる能力があるってのかよ。つまりあれは偽装?」

「メリュレが言ってたの。だから夢を操作できるような能力が本来の能力とみていい。また似たような夢を立て続けに起きる前に、なんとかメリュレから事情を聞かないと」

「いや、接触は避けたほうがいい。メリュレは子どもであってもあの威力を出された。一度間違えればどうなるか想像がつくから、とにかくリアたちは今まで通り過ごしてもらいたい」


 お兄ちゃんはそれでも動くような雰囲気であっても、メリュレに囁かれた言葉がまだ耳に残っているような感覚。


「わかった。メリュレに悟られないように今まで通りの生活をしていく。お兄ちゃんも気をつけて」

「あぁ。ワイズ、じいちゃんのこと頼むな。俺は再度未来を複数見てくる。デッドハラン王国に攻める頃には戻ってくるから。それじゃあ」


 お兄ちゃんは少し焦げてしまった鈴を鳴らしいなくなってしまって、私たちは一度家に戻り朝食を食べることにした。



 狸寝入りをしながらヨウミが電話をしている内容を聞いていた。ふふっ小生はそれでも逃げないし、パトレア様から指示をいただくまではここから離れるつもりはない。

 ヨウミがベッドから降りて扉が閉まる音が聞こえ、身体を起こす。これパトレア様に伝えたら真っ先に天罰が下りそうと部屋に貼ってあるリア様のポスターをみる。

 大人しく旦那様といるかはわからずとも、ジルーとヴェルディの気配が感じられないとなれば、バンジャという少年の架空世界に閉じ込められているわけですか。


 まあ自力で脱出はできるでしょうと小生もベッドから降りて、ご飯をもらいに食堂へと入る。おはよう少年と厨房のおじさんはにこにこしながら、小生のトレーに朝ご飯を乗せてもらい、ありがとうと伝え席へ座った。

 ここは基本大人しかいないしエピルス集団は半分ファンズマの血を受け継いでいるから小生には少々きつい。ヨウミはファンズマの帝王でもあるから、どくどくの匂いが漂っている。これは小生たちにしかわからないから、さっさと食べて書斎にこもろう。

 そしたら目の前におはようっすと元気マックスのタングが来て、タングは水だから水の匂いが強い。


「おはようございます」

「食堂のおじちゃん、サービスしすぎっすね」

「うん」

「少しは落ち着いた?大人ばっかりでごめんね。子どもたちは基本、カディヴィア学園内にある寮生活だから」


 それは知っているとあのお方からいただいたのは、リア様たちを監視することだから気にしてなかった。


「部屋空いてればそこ使ってもらう予定だったんだけど、ヨウミの部屋嫌でしょ?」

「ううん。別に。タングさんは」

「さんはいらないっすよ。どうしたんすか?」

「おとぎ話読んだことある?」


 一応念のため聞いておこうとタングはおとぎ話と少し考え、ファンズマと人間のおとぎ話のことっすかと聞かれたからそうと答える。


「ファンズマと人間が恋に落ちたけれど、結局同じ種同士を選んで終わった話っすよね」

「うん。タングはどっちがよかったとかある?」

「んーわんぼは恋とか興味ないっすけど、子孫を残したいなら同じ種族を選ぶっすかね。まあわんぼの種族はもういないっすけど、ノデッドの合コンに付き合うぐらいで十分っす。メリュレはどっちがいいんすか?」


 意外とストレートのことを言うタングで、ヨウミと正反対だと感じとれた。小生はもちろん、回答はこれだ。


「ハッピーエンドで終わってほしかったなって思う」

「ファンズマと人間が結ばれるハッピーエンドっすね。ならわんぼたちを応援してくれるんすか?」

「うん」


 言われてみればエピルス集団はおとぎ話のハッピーエンドを指しているのは確かだった。それにスノーリア王国はファンズマと人間の子を発表している。

 パトレア様はナユ様を少女から元に戻し穢れを祓い、ノア様たちを産んだことを抹消した。ナユ様がどうされているのかはそこまで把握はできていない。


「ねえ、デッドハラン王国にはいつ行くの?」

「まだ未定って聞いてるっすよ。ご両親に会いたくなったんすか?」

「そうじゃない。キアって子が小生を逃がしてくれたから」


 これは嘘であってもタングは信じているようで、早く助けに行ってあげたいっすよと朝食を食べるタングだった。


 ◇


 レッツォとニューダ社へと行き、ヤエン団長が手続きをしてくれたようでニューダ社の中を自由に歩き回れる。レッツォは資料室へと入り、過去の資料を探すようだ。一つとりペラペラとめくると、俺たちがやってきた過去の資料が結構あるな。

 読んでいるとワイズと呼ばれ、読んでいた資料は棚に戻し、レッツォはある資料を開いて見せてもらった。


「これって、随分前に起きた爆発事件のことだよな」

「ソアレは産まれた時から本部にいたと言われ続けてたけど、これが原因でソアレはデッドハランに狙われていたとしたら?」

 この爆発事件では周囲にいた観光客や住民たちが巻き込まれ死亡したと記されている。しかも記録をしているのがヤエン団長だ。そこには能力者がいたとかは書かれていないから、単なる事故と処理をされている。


「ニューダ社には記憶をいじれる能力者、ベインがいるけど、実際に会ったことがないんだ。資料を探してもデータを探しても記録はされていない」

「確かに言われてみればそうだよな。リアの記憶をいじったのもベインって聞いたけど本部内にはいなかったぞ」


 仮にいたとすれば一緒に逃走はしていたから別の施設かと思考を膨らませているとピコンと鳴った。誰だと確認してみるとリアからで、ティルが目を覚ましたようだ。


「ティルが目を覚ましたってさ。ティルならベインのこと知ってんじゃないか?」

「病院に行ってみよう。知りたいんだ。そうすればボルシャ王の言葉が信じられる」


 何を言われたのかは俺はその場にいなかったからなと、受付に来客バッチを返し、ニューダ社を出てルシャンダに病院のゲートを開けてもらう。

 受付でティルの見舞いですと告げ、お見舞いバッチをもらい、それをつけながらティルの病室へと入った。


 ティルはぼうっと窓を見ていて声をかけようとしたら、リアに手を引っ張られ廊下に出る。


「急にどうした?」

「…ワイズたちのこと忘れちゃってる」


 えっと俺とレッツォは思わず顔を見せ合い、そっと扉を閉めるリア。


「冗談だろ。俺みたいになるだなんて、あいつは糸人間だ。記憶を消せる能力は」

 ふと思い出してしまい、ティルを止めてくれたビルーはティルに注射を打っていた。その注射に記憶を消せる何かが仕組まれていたらビルーはもしかして。


「ビルーに注射を打たれて、ティルは落ち着いたのは確かだ」

「ただね、私との記憶はあるみたいなの。それ以外の記憶が全くないらしくて」

「…リア、ティルを看病するのか?」

「ワイズの力で無効化できなかったら、ニディアの代わりに看病するつもり」


 まじかと落ち込んでる場合じゃないなと、ガラガラッと引き戸を開け、リアがまず説明をするも、困惑するティル。大丈夫とティルに言い聞かせ、俺は信じて無効化を発動させた。

 どうだとティルから離れるも、何も思い出せないと頭を抱えてしまう。リアはティルのベッドに座りハグをしてティルを落ち着かせていた。


 俺が記憶を失った時はリアのみだったけど、ティルはその逆。一番愛おしい人との記憶はあるもそれ以外の記憶がない。なんとかして取り戻さなくちゃな。


「ワイズ…」

「リア、ニディアは来てないのか?」

「鈴を使ってどこか行っちゃったの。もしかしたら、お義母かあさんのところに行ったのかもしれない」

「なら俺はニディアの様子を見に行って戻ってくるから」


 お願いと言われレッツォと一緒に病院を出た。


「…ワイズ」

「何も言わなくていい。ティルに今必要なのはリアだから仕方ないよ」

「迂生もできる限りのことはする。ティルがあんな状況ならニューダ社はどうなる?」

「そこは代理は立てておくだろ」


 俺の代理はキアにしていたけれど、キアはあっちに行っちまったし、俺の代理はまだ空白のままだ。ルシャンダに頼み、レッツォは島に戻り、俺はカディヴィア社の入り口のゲートを開けてもらった。

 受付で総司令官に会いたいと告げ、五分後、親父が来いと合図をするからついていく。


「ニディアは?」

「帰って来てない。島には来てないのか?」

「ニューダ社の帰りに病院行ったから島には帰ってないけど、ルシャンダから連絡は来るだろ。親父聞いたか?」

「リアから報告を受け俺はニューダ社の館長代理として動くことになった」


 親父が代わりにやってくれるのなら大丈夫そうかと総司令官室へ入ったら母さんは頭を抱え資料に目を通していた。


「ワイズ、ニディアから連絡は来ていないようだな」

「うん。ニディア、まさかデッドハランに侵入してないよな?」

「あり得るかもしれん。ギーディス、ワイズに伝えたか?」

「まだ伝えていないが、話しておく。あれはーーー」



 数分前……

 

 リア義姉ねえ様と一緒にお見舞いへ行ったら、ティルが起きてて窓を見ていた。ティルと呼ぶとリア、それからそちらの子はと言われ、ニディアは冗談やめてよと言うもティルは困ってた。

 ピキッとヒビが入ったような痛みで、花束を落とし鈴の力を使って逃げちゃった。ワイズお兄様の次がティルを苦しめるだなんて悔しいとしゃがみ込む。

 

 記憶を取り戻せるのはデッドハラン王国にいる。それでもニディアはドロップに会いたくないと身体を縮こませていたら、キアの声が聞こえる。

 振り向くと心配そうな瞳でニディアを見るから、ニディアはついキアに飛びついた。何があったのと聞かれさっきの出来事を伝えると、キアはえっと声を漏らす。


「ちょっとニディア、離れてくれる?確かめておきたいことがあって」


 うんと涙を止めながら離れキアはスマホを取り出し、誰かと連絡を取っているようだった。そしたらアイズお兄様が来て、大丈夫かとニディアの頭を撫でる。


「リアの記憶はあって、それ以外のみんなと過ごした記憶がない…。まるでワイズの真逆をとっているような感覚だな」

「グックはハディックのようにはしてないって言ってるから、デッドハランがやったんじゃない。アイズ、もしかして」

「可能性はあるな。ティルなら大丈夫だろうとは思っていたが、先回りされていたようだ。大丈夫、後でこっそりヘリットを行かせるから、心配はいらないよ」

「アイズお兄様…」


 本当はわかってた。アイズお兄様がデッドハラン王国の弟子入りした理由を。


「ドロップには十分に気をつけろよ。圧はかけているが、ドロップの暴走は誰にも止められないから」

「うん。気をつける」


 それじゃあなともう一度アイズお兄様がニディアの頭を撫で、キアと一緒に行ってしまう。戻らなくちゃと鈴をとり行こうとしたら、背後から襲われ甘い匂いで気を失ってしまった。

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