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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
58/195

58話 ボルダウ国襲撃②

 いつもより海の波が荒く感じ天候も悪く、今でも雨が振り出しそうな勢い。ワイズたち無事に帰ってくるよねとミライを抱っこして、医務室で待機をしていた。

 防犯カメラはまだ動いているようで、怪我人が出たらここに来られるようになっている。モニター室ではクロウが再び島のハッキングをし始めているようで、ルシャンダはそれに対応していた。もしかしたらゲートを開けさせないために、やっているのだとしたらと考えてしまう。ミライもなぜかおもちゃを持ったまま、窓をじっと見ていた。


 きっと大丈夫だよとミライの髪の毛を直していたら、ガバッと扉が開きイルルが息を切らし入ってくる。


「リア、どないしよっ」

「どうしたの?」

「ティルがっ以前のハディックのように暴れる未来が見えとったんよっ。暴れる場所がこの島なんやっ」


 信じられない未来にミライをイルルに預け、モニター室にいるお兄ちゃんのところへ行くもお兄ちゃんの姿がない。お兄ちゃんはと社員に聞いたところ、お兄ちゃんは今さっきボルダウ国へと行ってしまったそう。

 お兄ちゃんは何かを知っていて、ボルダウ国へと言ってしまったんだ。


「リア、お願いであります。コーヒー持ってきてくださいであります!ブラックで」


 わかったと伝え、食堂へ入りコーヒーを淹れ、モニター室に戻りルシャンダの近くに置くとありがとでありますと言いながらコーヒーを飲みつつ、クロウに挑んでいる。

 私も何か手伝えればと思い、ルシャンダの力を吸収して、待機をしていた。すると防犯カメラに手を振っている社員がいて私はゲートを開ける。

 負傷者ですと負傷者を島に置いたら、戻って行き私は負傷している社員をその場で治療していた。するとお兄ちゃんが新しい負傷者を抱っこして戻ってくる。


「リア、この人のことも頼む。結構、負傷者が出ているから、俺が代わりに運び出す。動ける者たちは負傷者を医務室へ運べ」


 お兄ちゃんはフリジンダ社の一員でなくとも、フリジンダ社の社員は御意と癒した人を医務室へと運んでくれる。私はお兄ちゃんが連れて来た人を治しつつ、医務室へと移動した。

 ミライにはさすがに見せられない状況で、イルルにそのまま医務室の奥の部屋でミライを見ててもらう。


 やはりサリラをここに残しておくべきだったかもしれないと癒していくと、お兄ちゃんが学校まで行ってたらしく、もう一人の医療能力を持つ、テルゼが来てくれた。


「リア姉さんのお兄さんが教室に来て、緊急事態って聞かれたから。それで容体は?」

「これからお兄ちゃんが負傷者をここに連れてくるから、応急処置をお願い」

「了解。僕は応急処置しかできないけど、サリラ姉さんは?」

「一緒にボルダウ国へ行ってしまったの。サリラがいたとしても間に合わない人たちをお兄ちゃんが運んでるんだと思う」


 それ以上にボルダウ国が大事になっているんだと、手当をしていく。



 ティルがなかなか元に戻らず、ハディックがティルを止め、無効化をもう一度試してみるも正気に戻らない。ティルをここで放置したくないし、ティルはニューダ社の館長だ。絶対に戻らせると方法を探していると、見慣れないフードを被った人がティルを素手で掴む。

 一体誰だと立ち尽くしていたら、風によってフードが下りた。その姿に目を疑うほどの姿で、思わずネフィラと言ってしまった。それでもネフィラのそっくりの子はティルの攻撃を押さえティルに注射を打ち眠らせる。


「しばらくすれば目が覚める」

「ネフィラ…?」

「新しい軍隊長にもそう言われたけど違う。あちはネフィラの元姉、ビルー。妹はカディヴィア人だったのに、ネフィラの中にある父親の遺伝子が消えたから赤の他人になっちゃったけどね」


 ビルーはティルを寝かせ、フードを被り行ってしまいそうで、止めようとしたがウリが止め行ってしまった。ウリとハディックはこのことを知っていたようで、姉の目的は今、ネフィラを止めることに集中したいんだそう。

 今回はネフィラが来ていなかったこともあり、すぐ行ってしまった。


「ビルー、前より、暗く、なかった?」

「そりゃあそうだよ。妹がデッドハラン王国の調査員として動いてるんだもん。さてとうちとハディック先行っても大丈夫そう?」

「平気。さっきはありがとな」


 いいよとウリとハディックはファンズマのままでボルダウ城へと先へ行き、俺はティルが起きるまで周囲を警戒していく。



 ボルシャ王がいるところへ到着した迂生たちは、ワイズが言っていたように思わず吹き出してしまいそうな姿だった。タングは我慢できないっすと大笑いしていても、ボルシャ王は怒らず微笑んでいる。


「外が騒がしいと思っていたのるが、フリジンダ社員たち、なんのようのる?」

「妹をどこへやった?」

「妹のる?はてなんのる?」

「惚けるな!ソアレは迂生の妹!返してもらう!」


 釘を取り出し迂生はボルシャ王に向けて、釘を投げるも同じ岩同士だから釘は当たらないのはわかっていた。タングがガラシャディの姿となり、シャガヴァのファンズマを複数出して攻撃を開始する。

 ボルシャ王はガディックを出し攻撃を防いだかと思えば岩から芽が生えその芽が花となりシャガヴァを簡単に倒された。


「水タイプであっても、効果は薄いのる。わるは元々植物タイプでガディックの力を得ているのるよ」


 だったら元々ワイズもここに来させればよかったかもしれないと、無線で伝えたとしてもそれどころじゃないだろう。ハディックが早く到着してくれればいいけれど、もう少し時間がかかるかもしれない。

 少しでもボルシャ王に当てれることができればと、迂生とウバン、タングで総攻撃を仕掛ける。岩タイプと植物タイプでどちらも迂生は普通の攻撃程度。ガディックのみならウバンとタングでボルシャを倒せていたのかもしれない。紫遺伝子の誰かを班に入れておけばよかったと思った。


 ボルシャ王は鼻をほじりながら迂生たちが戦っている姿を見ている。あの腹に辿り着けばと考えていたら、腹の中から何か動いていた。


「こら。何してるのる。しばし待っておれのるよ」


 さっきキアが教えてくれたボルシャの息子、バンジャがその中にいる。どうやってあの中から引きずり出せばいいと考えていたら、さっきの男とヨウミが言い争いながらやって来た。


「もう片づいていると思ったが、手こずっているようだな。ボルシャ、いい加減息子を出してもらわないとこちらとしては親子揃って死ぬぞ」

「あの日のことは忘れておらぬのる!ソアレが自爆さえしなければ、息子は愛弟子として認められていたのる!」


 あの日っていつのことだと思考を膨らませていると、ボルシャ王が語り始める。


「バンジャがまだ四歳であり、親子で任務をしていたのる。そして任務中、悲劇が起こったのる。迷子になってしまったらしい、ソアレがお母さんと泣き喚いた瞬間、自爆をしたのる。ちょうど、わるたちはたまたまソアレの目の前にいて、バンジャは顔に酷い火傷を負ったのる。この気持ちがわかるのるか!」


 自爆、つまりソアレはたまたまお母さんと一緒に出かけていた日。ただ迂生の記憶だとソアレは破壊の能力でもあり、部屋から出られなかったはずだ。どうやって母親と会っていたのかと考えている暇は与えてはくれないようだった。

 ボルシャ王はガディックと見たことがなかったファンズマを複数出し、ボルシャ王の姿が二種類混ざったような姿。


「バンジャと共にソアレはわるの中で生き続けてもらうのる!」


 バンジャが攻撃し始め、僕たちはバンジャの攻撃を交わしきれず、多少傷を負う羽目に。けれど知らない人は無傷でいる。


「やはり、お主は師匠の言っていた例の仲間でのるな」

「それがどうした?あのお方はお前たちを排除するよう命じられている。血筋を穢した者だということを」


 知らない男はある短剣を取り出して、ボルシャの瞳が変わり、ヨウミとタングも表情を変えた。以前ウリが刺された短剣でファンズマを消滅できる短剣とも言えるらしい。ウリは元々人間だったことにより、奇跡的に助かったようなもの。

 今回はこちらの味方だからヨウミたちに危害は与えないだろうと思いたい。


「わるを倒せば腹にいる子らは助からないのる。お前は引くでのるよ」

「引き下がるわけがない。それにこれは人間にはなんも支障が出ない短剣。切れば子どもたちは助けられる」


 知らない男はそれを手にして、ボルシャ王に挑み始め、迂生たちも遅れをとらずにボルシャ王が出すファンズマを倒していった。


 ◇


 なんなのこの女とザズ兄とガリシャに班のみんなは飴のベトベトで動けずにいる。女はドロップ飴を口にし、指を舐めていた。


「いい獲物見つけてラッキー。あっ!ボルシャが管理してた子。よくないなーボルシャから逃げる子は。それかあれか。ボルシャは息子のために、取引したんだっけ。じゃあボルシャが管理してる子じゃないから、君はろのコレクションにしてあげる。大丈夫だよ。ろのところには女しかいないから。ね?一緒に行こ?」


 手を差し伸べられても、あたしゃはいかないと一歩下がった瞬間に、飴のファンズマに捕まってしまい、動きたくても動けない。


「サリラ!」

「男は黙ってろ」

「ザズ兄!」


 ザズ兄が飴に飲み込まれ息ができていないのか、苦しんでいる。


「数秒で固まるから、何をしても無駄だよ。君がろの言う通りに、ろたちの仲間を治してくれたら助けてあげる。どお?」

 こんなの間違ってると次々と飴に飲まれていき、飴女の言いなりになるしかないと思った。その時、炎が降ってきて飴が溶けていき、ザズ兄たちは助かる。

 炎を降らせたのは元ライディー社赤遺伝子元騎士団長ギーディス。


「息子の社員を奪わせたりはしねえよ。飴女、ドロップ」

「久しぶりだね、ギーディス。ニディアは元気?ニディアとたっぷり遊んだ記憶ははっきり覚えてるな」

「黙れよ。ニディアの心を弄んで何が楽しかった?ニディアがいつも心の中が空っぽってノアから報告を受けるたびに、お前の顔を思い浮かび反吐が出る」

「あははははは。ろのこと思い出してくれるだなんて光栄だなぁ。だったらもっと悪戯心が芽生えちゃう。キアはアイズのパートナーだし、だったらろはニディアをパートナーにしよっかな」


 ギーディス元団長の怒りが強く炎が舞い上がって、ザズ兄は一度距離を離すぞとあたしゃを支えながら距離を離そうとした。そしたら飴のファンズマが通せんぼをする。


「サリラは逃さないよ」


 ギーディス元団長がノースと叫ぶと猛獣たちが現れ、飴ファンズマを倒し道を作ってくれる。


「俺が一人で来るわけがないだろ」

「ギーディスの子たちも来てたのか。なら娘たちいる?」

「娘たちは悪影響だから連れて来てない。ノース、サリラたちを逃がせ」


 はい、団長とノースというギーディスの子は猛獣に乗って誘導してくれた。助かったよとザズ兄は知り合いのようで、まだ油断はできませんとノースは言う。


「ニディアさんは、過去にデッドハラン王国と接触をした唯一の一人だったと聞いています。そこからです。アイズさんが変わり果て、そしてデッドハラン王国の者になってしまったのではないかと、団長が仰っておりました」


 あたしゃはまだニディアって子に会ってはいないけれど、ギーディス元団長の目が今でも焼きついていて、激怒を抑えているような瞳。今はカディヴィア社で奥さんを支えていると聞いたな。

 それに戦場では団長と呼ぶノースは父親の代わりにニューダ社赤遺伝子団長として動いていて最年少の団長になる。


「ザズ、俺は社長のところへ行ってくる。ティル館長が倒れているのが見えた」

「俺も見えた。サリラを連れてティルの容体を確認するか。ノース、平気か?」

「はい。あの人は団長が止めてくれているので、館長を頼みます」


 本当はザズ兄の班のみんなを手当したいところだったけれど、行ってくださいと言われてしまい、あたしゃたちはワイズとティルがいるところへと向かった。



 ソアは今、どうやって脱出しようか考えながら、バンジャの相手をしていた。ソアは小さい頃、すぐ自爆してたけど、今は訓練をして、制御できるようになってる。

 それでも不安が続くと自爆しちゃうから、その恐怖を誤魔化しつつ、チェスをしていた。チェスはあまりやったことがなく、負けたらバンジャの言うことを聞く。もし買ったら望みを叶えてくれると言ってくれた。


「チェックメイト。またわろの勝ち。今度は何をしてもらおうかなのろ。そうだ、ソアレがつけてるそれちょうだいのろ」

「これはだめ。リアお姉ちゃんがくれたやつだから」

「ふうん。じゃあこれリアお姉ちゃんに見せてあげよっかのろ」


 それはさっき新種のファンズマとバンジャの前で、披露した映像。恥ずかしくて誰にも見せられないような映像で、口篭っていたら、ペンダントを引き千切られちゃった。

 もっらいとそのペンダントはバンジャがつけ始めながら、チェスは飽きたなと消されてしまう。


「二人でのゲームはほぼやったからなのろ。父君も今、取り込み中でおもちゃはくれそうにないのろからな。いいこと考えたのろ」


 バンジャはソアの手を握って、違う架空へと移動するとそこは草原で小さな花が咲いている。ソアはふわふわの枷が付いているから、うまく花が掴めないと思っていたら、花を摘みソアレの頭につけてくれるバンジャ。


「気に入ったでしょ。わろは想像した架空を作って一人で遊んでることが多かったから」

「ごめんなさい。リアお姉ちゃんなら、その傷治せるかもしれない」

「リアでも無理だと思うのろ。だってさ、サリラに診てもらって試してもらったけど、時が過ぎっているから難しいって言われたのろよ。だからわろはずっとソアレを待ち続けたのろ」

「…ソアね、記憶、書き換えられてたみたいで、爆発事件のこと忘れちゃってた。ソアは危険人物だから処分確定だった。処分されて当然なのに、こうやって生きてたのはきっとバンジャに謝るために生きてたんだと思う」


 本音をバンジャに伝えたら、なんだよそれとソアレに背を向けてしまった。バンジャはこう見えていい人なのかなと花をじっと見ていたら頭に何かをのせるバンジャで、ソアレの手を取って川へと行く。川覗いてごらんと合図が来たから川に映るソアをみると花冠ができていた。

 どうしてそこまでとバンジャをみると、照れくさそうな仕草をしていて、これからは二人きりの世界だからと段々と声が小さくなる。これってまさかと驚きつつも、笑顔を作りありがとうと伝えたら、また背を向けてしまった。


「…ソアレはそれでも現実世界に戻りたいのろ?」

「…うん」

「ソアレの能力なら出られると思うのろ。ただ父君の扉は内側から開かないのろよ。外側からじゃないと開かないようになってるのろ。だから父君の腹に傷さえ与えれば亀裂が見えるからそれが合図。ただ、父君はそう簡単にソアレを手放さないと思うから覚悟はしたほうがいいのろ」

「バンジャは外に出ないの」


 髪の毛をあげながらこちらを向き、その傷痕があるからこれからもバンジャはこの架空世界で生き続けるんだと感じる。ソアは思わずバンジャに飛びついたことで花冠が落ちちゃった。

 

「バンジャも外に出よ。外に出てバンジャの顔を見て笑う人たちはソアが怒る。だから怖がらないで。ソアはバンジャのそばにいるって約束するから」

「そしたら学校にも行けなくなるのろよ。それでもいいっていうのろ?」

「だってこれがソアの償いっていうのかな。ソアはキラキラした場所には戻れない。多くの犠牲者を出しちゃったんだよ」


 まだ制御できていなかったからとは言え、こうやって被害者と対面しちゃったら、こうするしかないとソアは思っちゃう。

 方法はいくらでもあるかもしれないけれど、バンジャがそれを望むならそれに応えたい。そのほうがみんなを危険に晒さず、バンジャと一緒にいれば安定すると思ったから。


「わろのパートナーとなってくれるのろか?」

「パートナー?」

「そう。師匠は弟子にパートナーができると、ある特権をもらえるんだのろ」

「特権?」


 そうと違う架空世界へと入り、部屋にはびっしりとモニターが設置されていた。デスクトップでバンジャは検索をしあるものを見せてくれる。


「特権は指示されず自由に調査ができるようになるのろ。今は父君の部下として動いているから父君の中にいるだけ」

「自由…そしたら会いたい時に会えるの?」

「ソアレがデッドハラン王国の調査員になったら、フリジンダ社は困るだろうのろ」


 そう言いながら笑っており、リアお姉ちゃんたちを完全に裏切ることだ。ソアレがいなくても大丈夫だよねと考えていたら、バンジャが席を立ち、地面系のファンズマがソアの身体を呑み込む。


「はははっ。ソアレがデッドハラン王国の調査員。めちゃくちゃいいのろ。デッドハランが次々とフリジンダ社やニューダ社、カディヴィアの人間を奪う瞬間は堪らないのろよ」

「バンジャ…」

「口にしたことは絶対守ってもらわなくちゃのろ。父君に報告しなくちゃのろから、少し寝ててもらうのろ。弱みを見せて正解だったのろよ」


 くくくとお腹を押さえながら笑うバンジャで、抵抗したくてもバンジャの笑顔が見えなくなり、冬眠するかのように眠りについた。

 


 まだ笑いが止まらないのろと笑っていたら、コツコツと足音が聞こえ笑うのをやめたのろ。現れたのは師匠でありどうやって入ったのかは分からないのろが跪くのろ。

 

「師匠、父君は今」

「派手に暴れているようだ。バンジャ、こんなところに閉じ込めさせてすまなかった。ソアレはどうだ?」

「はい。思っていた以上に扱いやすい子ですのろ。ソアレをパートナーとして迎えたいのろであります」

「そうか。ちょうど、ボルシャの目の前にいる奴がいる。奴を仕留めることはできないだろうが、奴を架空世界に閉じ込めさせろ。奴は我々の動きを知り尽くしている。ただし殺さず生かしておけ。それとジルーという男もだ。すでに架空世界にいる」


 父君の大臣であったジルーが架空世界に着陸しているのは知っていたのろ。そうなると別の架空世界に閉じ込めておく必要があるのろ。


「御意。ジルーともう一人を架空世界に閉じ込めておくのろ」

「頼んだぞ。その件が終わり次第、ソアレを正式にデッドハラン王国へ迎えさせるが、パートナーを逃がそうとする行為が見受けられた場合、飼い主が罰せられることは覚えておけ」


 御意と再度伝えると師匠は姿を消し、グラキャスに入っているソアレを一度消したのろ。この部屋はもう使わないのろから、大切なものはスーツケースにしまう。

 コンプレックスであったこの傷は見せようと前髪をあげ後ろの髪の毛と一緒に束ねたのろ。こんなもんかなと少し横髪が垂れるもいいかとスーツケースにいれたわろは指で鳴らしそのスーツケースを消す。


 父君と腹を叩くとまだお取り込み中で、だそうとはしてくれない。タブレットで呼びかけるもそれどころじゃなさそうだのろ。たとえわろが出たとしても、架空世界は実在するから問題ないというのに。

 もっと父君の腹を叩くと扉が開き、久しぶりだと手を翳しながら父君の腹から出たのろ。


 おっと一番厄介な人のろと思いながら、父君はこの人に苦戦をしているようのろ。


「父君、後はわろにお任せくださいのろ。ソアレは無事にわろの手にかかったのろから」

「ソアレは一体どこにいる?すぐに出せ」

「それは無理のろ。だって」

 

 わろはソアレが入っているグラキャスを出し、ファンズマ帝王のヨウミならわかるのろよなと見下していると、ヨウミは一番厄介な人に告げる。


「ソアレを今の段階では助けられない。よくそのファンズマを手懐けたものだ」

「わろとの相性はよかったみたいのろ。ソアレはわろの元で償うと言ってくれたのろ。だから敗北したヨウミたちは帰ってもらうのろよ。それでもまだやり続けるというなら」


 グラキャスを複数出し、相性が悪くても罠を仕掛けといてよかったのろ。厄介な人物に触れ架空世界へと飛ばしたのろよ。それによって、ガラシャディのタングがガラスを貼り付けたのろ。


「ヨウミさん、一旦引くしかないっす。あいつがいなくなってわんぼたちの勝ち目が薄いっすよ」

「そうだね。レッツォ、惜しいがここは引きワイズたちを連れて撤退しよう。次回、会った時には必ずソアレを返してもらう。では」


 ヨウミは仲間を連れて撤退して行き、父君と一緒に一度デッドハラン王国へ帰還することにしたのろ。

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