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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
53/195

53話 サリラ

 閉じ込められて一時間ぐらいで、ジルーが扉を開け、こちらへとまた鍵閉められたら今度こそルシャンダにメッセージを送ろうと決めた。ジルーがお連れいたしましたと案内されたのは王の間で、豚が座っていると一瞬思ってしまう。ガリシャは笑いを堪えていて、我慢しろと横っ腹を抓った。


「お目に描かれて光栄です、ボルシャ陛下」

「話は聞いたであるのる。サリラ、こちに寄れ」


 はい、王様と姿を現したのが、サリラで思わず鼻血が出てしまいそうだった。胸デカすぎるだろと思っていたら、隣で鼻血をだらだら出しているガリシャがいる。

 まるで保健室の先生だったら、毎日通いたいと男子は思うだろう。


「フリジンダ社に連れてってよい。その代わり取引のる。もしボルダウ国で怪我人、病を患った者が出たらサリラを貸してほしいのる」

「もちろんです。サリラをフリジンダ社に入社させる代わりに何かできないかと考えておりましたので。でしたら」

「わかっているのる。防犯カメラの設置は済ましておくのる」


 こんなあっさりサリラがフリジンダ社に入ってくれるとは思わなかったがよかった。これでスノーリア国と取引ができる。よろしくねとサリラが近くによったことで、ガリシャは鼻血を出しすぎてぶっ倒れてしまった。

 おーい大丈夫とサリラが触れると起きるも鼻血を多少出し、しっかりしてくださいとケリーがティッシュを鼻に詰め込んだ。


 じゃあねとサリラはボルシャ陛下に手を振り、俺たちもボルダウ国から出られることができた。スナナ街まで行き防犯カメラに合図を送って、島へと帰還する。


「お帰りであります。初めましてであります、サリラ。和吉はルシャンダであります。よろしくであります」

「よろしくね。それであたしゃはどこに住めばいいの?」

「まだ新しい人の家がまだできてないんだ。だから代わりに」

「それなら和吉の家貸すでありますよ。和吉はここで寝泊まりが多いかもしれないでありますから」


 やったとやけにはしゃぐサリラで、ルシャンダの家だからルシャンダに案内してもらった。そしたらちょっといいかとガリシャに言われ、使っていない会議室へと入る。


「さっきの豚王が簡単に渡すはずがない。何か裏がある」

「閉じ込められていたから、何かあるとは俺も思った。ガリシャ、スノーリア王国の取引が終わったら、サリラを見張っててくれ」

「俺の鷹の目で見張っておく。遠くにいれば鼻血は多分出ないはず」


 ティッシュがすでに赤く箱ティッシュを渡して、新しくティッシュを詰めたガリシャであった。


 ある程度仕事を終わらせ、もうこんな時間かと社長室の電気を消し、帰宅するとパーパと玄関で出迎えてくれる。ただいまとミライを抱っこし、リビングに入るとご飯が置かれていた。

 そこにメモがあり、食力がないから先寝るねと書かれてあり、明日少しサリラに診てもらったほうがいいか。ミライをベビーチェアに座らせ、おもちゃを置いとき、夕飯を食べながらミライを見ていた。


 翌日、朝起きるとお弁当を作っていたようで、お弁当いらないかもと伝える。


「そっか。なら誰かにあげるから気にしないで。スノーリア王国との取引うまくいきそう?」

「うまく行きそうだよ。体調はどう?」

「ぐっすり寝たから大丈夫かな。異変感じたらちょいちょい休ませてもらうけど仕事のほう平気?」

「うん。リアはゆっくりでいいよ。ミライもいるんだし、無理して仕事に入らなくていい」

「ありがと。ご飯食べちゃお」


 俺がいない間はコルアに付き添ってもらう形をとってもらうから心配はいらないし、サリラがいるから問題はないだろうと思いたい。

 いただきますと伝え、朝食を食べていたらチャイムが鳴り、俺が出るとサリラだった。


「どうした?」

「社長、お腹すいた。冷蔵庫何も入ってなかったから、何かもらえない?」

「ちょうどよかった。朝食渡す代わりに診てほしいことがあって」


 何と言われながらサリラを家の中に入れ、リビングに入ってもらう。リアは少々怒ってはいるもの、お茶と残り物の朝食を出してもらった。

 いただきますとサリラは美味しそうに食べ、リアはミライを抱っこしソファーに座る。


「誰を診てほしいの?」

「リア」

「私、大丈夫だよ」

「あぁなるほどね。赤ちゃんの心配をしてたのか。今、何週目?」


 リアはミライを降ろして引き出しにある母子手帳を確認し、三週目になるかなと答えるとこんな回答がやってきた。


「だるさや頭痛とか、腰痛に腹部の違和感がで始める。まあ人それぞれ違う体質を持ってるし、それ以外の症状も出てくる。今のところ、身体の痛みとかは感じてる?」

「特にないかな」

「念の為、体温計で体調管理はしたほうがいいかもしれない。ごく稀にいて長く身体がだるいとか眠気がひどい場合は、風邪の初期症状に似てるから」

「覚えておくね」

「朝食のお礼。もし不安だったら、医務室で診てあげるから。医務室あるよね?」


 もちろんと答えていると朝ですよという放送が流れ、いつもこんな感じなのと聞かれる。


「まあいつもこの時間にみんなが起床させてたし、モニター室で寝てたからだろ。ルシャンダ俺たちより早起きだし」

「そうそう。一番がルシャンダでその後が私かな」

「多分そう。今日は朝の散歩どうする?」

「ううん。今日はやめておこうかな」


 リアとそんな話をしていて朝から賑やかだねとサリラに言われてしまい、照れる俺らだった。


 昼食を食べ終え、俺とサリラは先へとフリジンダ社へと向かった。ついでに社内を案内して記憶してもらい、医務室を案内する。


「サリラはこの医務室とその奥に部屋があるから自由に使って。家をどうするか決まるまではここで寝泊まりしてもらうかもしれないけど、大丈夫そう?」

「全然平気。お風呂もばっちりあるから、家ができるまで待つよ」

「助かる。それからフリジンダ社の食堂に行けば普通に朝昼晩食べられるから明日からそうして」

「なるほど。さっきはありがと。めちゃくちゃ美味しかったよって奥さんに伝えといて」


 リアの手料理はどれも美味しいからなと、もう一つ伝えとく。


「実はサリラに会いに来たのは別件があったんだ」

「病の持ち主?」

「そう。スノーリア王国の女王が伝染病にかかったらしくて」

「伝染病か。流行病と似てるかもしれない。すぐ行こう。広がってたら大変だから」


 寒いから防寒服を渡し、モニター室で待っていると、サリラがやって来てルシャンダが鼻血を多少出していた。男子はやはりそうなるのかとゲートを開けてもらい、スノーリア王国へと到着する。ついでにクーヴァから頼んでいた追加の隊服ももらっておこう。 

 スノーリア兵に証明証を見せ、スノーリア城へと入るとやたらとバタバタしているのが見えた。こちらへとホデュヴィが案内をしてもらい、王の間へと入る。


「ヒジュン王、お連れしました」

「すまないな。右大臣、彼女をスノファのところへ」


 行きましょうと右大臣の目はハートになりながらで、そういう光景をしばらくは見るのだろうと思い込んでしまった。


「約束通り、兵器を渡したい」

「お願いします」


 こっちだとヒジュン王に案内してもらい、兵器があるところへと向かう。下では相変わらず男が火の中で作業を行っていた。


 場内の中にある大きな倉庫を開けてもらうと、軍艦と軍車に航空機までもがある。


「ブラッディアに行くにはこの軍艦で海に渡ったほうがいいだろう。防犯カメラが設置されているかもしれないが、ゲートを開けた瞬間に、敵がフリジンダ社に入ったらアウトだからな」

「助かります。これ全ていただいてよろしいのですか?」

「構わない。デッドハラン王国さえ滅びれば、ファンズマも怯えず生活ができる。最近はファンズマも誘拐されていることが増えているニュースも見かけているからな」

「そうですね。俺も何度かそのニュースは見ました。必ずデッドハラン王国を消滅させます」


 話していたら左大臣が走ってきて、陛下、奥様がと叫んでおり、サリラの能力でも駄目だったのかと部屋を覗く。そしたら元気なスノファ女王がいらっしゃって、治ったよとVサインをするサリラだった。

 ヒジュン王はスノファ女王を抱きしめ、よかったと何度も伝え、スノファ女王はありがとうございますと俺とサリラに伝える。


 兵器はゲートには入らないことで、後日島に来てくれるそうだ。スノーリア王国の城下町にある一つの店に入ると、偶然にタングがいた。


「なっワイズ、その女は」

「あれ?タングひっさしぶり、元気にしてた?」

「近寄らないでっす。魔性の女っ」


 ひっどいと言いながらタングの肩に触れやめてっすと言っていて、揶揄い始めるサリラ。あら、いらっしゃいとクーヴァさんが奥の部屋から出てきてくれて、タングはクーヴァさんの後ろに隠れた。


「いい女連れてるわね。そのサイズはさすがに作ってないわよ」

「ですよね。追加の隊服取りに来ました」


 待っててちょうだいとなぜかサリラを連れて奥の部屋へと行ってしまう。タングはやれやれと俺に聞いてきた。


「なんでサリラちゃん、フリジンダ社にいるんですか?」

「治療系はいたほうが」

「駄目っすよ。リアちゃんがいながら、サリラちゃんとお出かけなんて。きっとリアちゃん嫉妬してる頃ですよ」

「後で甘えさせるから大丈夫。それでタング、なんかあったの?」


 思い出したくないっすよと言いながら、喋るタングである。


「一度、サリラちゃんをライディー騎士団から助けたことがあったんすよ。エピルスで保護してたんすけど、エピルスの男子は目をハートにして、集中してくれないから、出てってもらったんす」

「今、本部がそうなってる状態だよ。仕事に集中してもらいたいところだ」


 そうっすよねとタングと意気投合してたら、サリラの叫び声とクーヴァのはしゃぐ声が聞こえた。タングはあっと思い出し奥の部屋と行ってもらう。

 そういや、クーヴァさんって男だったと大丈夫だったかなと思っていたら、なぜかタングは頬に手形がついて戻ってくる。

 

「どうした?」

「助けるんじゃなかったっす。逆に平手打ちもらったすよ。もう」


 そしたらなんなのとサリラが出てきて、さっきはごめんとタングに謝るサリラ。


「大丈夫か?」

「平気。隊服作るのに採寸してもらってたんだけど、あの人がにやけてくるから」

「クーヴァさん、服になると興奮するから諦めるっすよ。もしあれだったら、リアちゃんに洋服作ってもらうのがオススメっす。リアちゃんの服、自分で作ってるっすから」

「そうなの?」

「うん。リアは基本、仕事はあまりさせてないから、家で洋服作ってることが多いかも。最近はミライの洋服作りにハマってるよ」


 それなら早く言ってよと涙目で言われる俺であった。少ししてできたわよとサリラ専用の隊服と追加分の隊服を受け取る。サリラは猫のようにクーヴァさんに威嚇していても、クーヴァさんは洋服のアイディアが浮かんでいるような目をしていた。


「ありがとう」

「またきてちょうだいね、サリラ」

「もう二度と来るもんか!」

「もう来なくていいっすよ」


 サリラは自分の隊服を持って先に出てしまい、それじゃあと俺も出て島へと帰る。さてここからだとサリラはどう動くのか。ガリシャはちゃんとやってくれているか心配になりながら仕事をしていった。



 あのおかま、今度行くようなら、断固拒否させてもらうと医務室へ入り、奥の部屋に入った。これがあたしゃの隊服と着てみるかと一応鍵をかけ着替える。

 いつもは胸を出してしまっていたけど、計算され見させないように工夫されていた。やるじゃん、あのおかまと鍵を開け医務室である人のカルテを確認する。唯一、あたしゃが助けられなかった人、今どうしてるんだろうと思っていたら、ノックが聞こえ、どうぞと伝えるとルシャンダだった。


「これ、スマホであります。社員全員入っているでありますよ」

「ありがとう。買いに行かなきゃって思ってたの」

「いいであります。初日はどうでありましたか?」

「ちょっと最悪なことあったけど、フリジンダ社に入社できてよかったって思う。あたしゃの家っていつ頃できそうなの?」


 ルシャンダに聞くとタブレットでスケジュールを確認してくれている。お家はどこでもいいけど、私専用のお家が欲しかったから。


「今のところ予定は入ってないであります。もしよかったらそのまま和吉のお家使ってもいいでありますよ」

「本当にいいの?だってあそこは社長の家の隣じゃん」

「いいであります。まだ未開発地がありますから、その時までは使用していいでありますよ」

「やった。ありがとう。大切にお家使うね。そうだ。さっき、社長に言われたけど、ご飯はやっぱり自炊したい派だから食材はどこで買えるの?」


 今度はスマホを取り出して、このアプリでありますと見せてくれた。えっとと探しているとこれでありますねと教えてくれてタップするとカディヴィアオンラインへようこそと表示される。

 衣服や家具、食材などがあって一週間に一度カディヴィアから運んできてくれるそう。衣服をタップしいいなって思う衣服は私のサイズはやっぱりなかった。


「ありがとう。これで注文してみる」

「困ったことがあったらいつでも言ってであります」


 そう言ってルシャンダは仕事へと戻り、患者が来ないからスマホでリアにメッセージを送る。返事が来るまで食材を選んでいると、ただいまという声にあたしゃは扉を開ける。

 生徒たちが帰って来て、目的の子も帰って来ている。まずは仲良くなってからかなとおかえりと声をかけた。誰と下の子たちは混乱していると、懐かしい声がかかる。


「サリラだべか?」

「久しぶり、ウバン」

「大丈夫だべよ。このお姉ちゃんは緑遺伝子でぼかぁのお姉ちゃんだべ。みんな、仲良くするんだべよ」


 ウバンの言葉ではーいと元気よく返事をし、そっかとウバンに尋ねる。


「ねえ、しばらくあたしゃをウバンの家に泊まらせて」

「却下だべ。ぼかぁの家には一ミリたりとも入れさせないだべよ」

「けち」

「けちじゃないだべ」


 あたしゃは優秀な能力ですぐ本部へ行くと思ってた。だけど先に行ったのはウバンであり、本部の人が来てもあたしゃを選ばず時が過ぎ、あたしゃが大きく育ったことでいやらしい目で見られる日々。

 ザズ兄もシフォンも本部へ行ってしまい残されたあたしゃは耐えきれず、施設を脱走した。ライディー騎士団に追われていたところ、タングが助けてくれても、出ていってほしいと言われたっけな。

 あたしゃの居場所がなく彷徨っていたら、ボルダウ国で流行り病が起こっている記事を見て、訪れたらあの王に認められるも自由はなかった。


 義姉弟であってもさすがに難しいかと胸に手を当てながら扉を閉める。ここも同じなのかなと椅子に座り、スマホを見るとリアから来た。


 洋服作るよ、仕事終わったらうちに来て。


 嬉しいと感謝のメッセージを送り、患者が待ちながらあるものを頼むことにした。



 今朝、ワイズが家に入れた女の子を調べたら、緑遺伝子を持つ子で、緑遺伝子の施設から脱走していた子だった。女子たちにとっては、嫉妬してしまう部分もあるけれど、ワイズはそういう目で見てなかったから。

 新しい子の洋服を作っているとインターホンが鳴り、ミライを抱っこして出てみる。そしたらサリラじゃなくて、ソアレだった。


「おかえり、ソアレ。どうしたの?」

「ただいま。あのね、今日の授業で発動しちゃったの。それでみんなを怪我させちゃった。こんな能力、ソア、持ってたくないっ」


 おいでとミライを抱っこしたままソアレを優しく包み、ソアレの能力を封じ込めてもらうか、それともヨウミに頼んで能力を消してもらうかだ。

 発動してしまった原因がなんなのか、後でソアレの担任に聞くしかなさそう。ソアレを家の中に入れさせ、ミライと遊んでもらっているうちに、ソアレの担任に連絡を取ってみる。本来ならばここはヤエン団長に頼むべきなんだろうけど、調査にあたっているみたいだから代わりに聞くことに。


「はい、そうですか。いえ、ソアレが私のところに来て打ち明けてくれたので。クラスメイトの子たちは大丈夫でしょうか?フリジンダ社に医能力者がいるので向かわせることもできますし、私も治癒能力を持っているので行くことは可能です。はい、わかりました。では」


 ソアレの担任との通話を終え、寝室に入りクローゼットを開け、羽織を着る。ソアレの担任の話だと体育の授業で、ボールがソアレの顔面に当たってしまい、それで発動をしてしまったそうだ。

 まだソアレは自分の能力を制御できないから、稀に発動することもあり、私が吸収してあげていたけれど、最近は発動してしまうことがしばしばある。


「ソアレ、少し出かけることになっちゃったから、一人で家に帰れる?」

「うん。明日の朝、また吸収してくれる?」

「いつでもするよ」


 私はソアレのおでこに私のおでこをくっつけ、吸収してミライを抱っこした。玄関に鍵を閉めソアレは自分の家に行き、私はフリジンダ社へと向かう。


「コルア」

「リア、もうすぐ仕事終わると思うわよ」

「違うの。ソアレがまたやっちゃったみたいで、学校に行かなくちゃならない。ミライをお願い」

「わかったわ」


 ミライをコルアに渡し、私は医務室にいるサリラのところへ行く。


「あれ?怪我しちゃった?」

「違うの。ソアレがちょっと学校でやっちゃったらしくて、学校に行かなくちゃならなくて。洋服、今度でも大丈夫?」

「あたしゃも行ったほうがいい?」

「できればお願いできる?」


 了解と医療器具を持って、モニター室へと行くとワイズとルシャンダが話していた。

「リア、ソアレから聞いた?」

「うん。今から担任に会いに行かなくちゃならないから、ルシャンダゲートをお願い」


 あいあいさーとゲートを開けてもらい、職員室の前に到着して最初は驚かれるもサリラの担任と会う。


「先生」

「すまないな。そちらが医能力の?」


 初めましてとサリラは笑顔で言っていて、先生は頬を染めながらよろしくと言う。先生ったらと思いながら保健室に連れてってもらうと、重症を負った子や、軽傷の子もいた。

 サリラは次々と診察をしていき、その間に先生に言われる。


「カディヴィア人の親御さんたちが先ほど来て、ソアレは別のクラスに移してほしいと言われたよ」

「その人たちに会えますか?」

「仕事があるからと帰ってしまった。仲良くできるようにとクラスを分けたのが間違いだったのかもしれない」

「…クラスメイトの子たちはなんと?」


 ソアレのこと心配していたよと言っており、破壊=爆弾を持つソアレ。不安になったり、ちょっとしたことで自我爆発してしまい、周囲を巻き込むほどの力。それを危険視していた元館長はなぜソアレを処分せず、閉じ込めていたのだろうか。

 考えてもあの人はもういないと、ここはやはりヨウミに頼むしかなさそう。


「ソアレもあの能力を持っているせいで、お友達に危害を与えてしまっていることが辛いようです。ヨウミに頼み、ソアレの能力を消してもらいます。それでよろしいでしょうか?」

「総司令官がなんと言うかわからないが、ソアレが能力を失ったことで、カディヴィア人の親御さんも納得するだろう。一応、ソアレの父親であるヤエンには伝えといたほうがいい」


 はいっと伝え待っていると終わったよとサリラが保健室から出てくる。ソアレのクラスメイトは傷が癒え元気を取り戻したようだ。

 

 その夜、私たちが就寝中に、ソアレは島から消えた。 

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