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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
52/195

52話 フリジンダ社設立

 四月となり、桜が満開に咲く季節であってもこの島は桜が咲かない島でもある。みんなは花見がしたくても今日はとても大切な日となるから、それで今はバタバタと動いていた。

 会見会場は島ではなくニューダ社でやることにし、会見会場には各土地からわざわざ足を運んでくれた報道陣たちが勢揃い。


「緊張してきた」

「ティルもいるんだし大丈夫だよ。私たちは壁側で見守ってる」

「パーパ、ファイ」

「リア、ミライ行ってくるな」


 私にキスをしてミライにはおでこにキスをし、出番ですと言われ、ワイズは会見の場へと入った。シャッター音が鳴り響きながら壁側にミライを抱っこしながら行く。

 ティルとワイズはアイコンタクトをとり、二人はお辞儀をして着席し、まずはティルから話し始める。


「この場をお借りし、大勢の皆様に集まっていただきまして、誠にありがとうございます。この度、集まっていただいたのは、皆様はすでにご存知かと思いますが、本日からニューダ社が本格的に活動することをここで発表させていただきます」


 大きな拍手でティルは会釈し、今度はワイズが喋った。


「この度、ニューダ社と同じく、フリジンダ社も本日から、活動を行うこととなりました。そして我が社ではニューダ社と手を組み、能力者が過ごしやすく、そしてファンズマも住みやすい環境を目標にし、活動を行っていきます」


 すると挙手をした記者がいて、質問をする。


「二人は不仲という説があったのですが、これは本当のことだったのでしょうか?」


 いきなりの質問で二人は目を合わせ笑い合い、それは違いますとティルが回答した。


「いえ、私とワイズは不仲ではありません。親友であり、家族であり、そして常にライバル関係です。最後にお伝えするつもりでしたが、私はワイズの妹であるニディアと婚約することをここで発表させていただきます。なのでワイズは弟のように接していますよ」


 回答し終えると違う記者たちが手を挙げていき、マイクを渡すニューダ社員。


「ではワイズ社長の奥様であるリアさんを奪い合いしていたのは本当のことなのでしょうか?」


 二人は少し頬を染め私までもが体温が上がってしまっていた。二人は私を見て今度はワイズが回答した。


「はい。リアがティルのことが大好きで、私は二人が幸せならいいと考え過ごしていました。三人で過ごし、そして悲劇が起きた時、リアを支えられるのは私だと確信し、絆がより深まつつ、ティルをずっと二人で探し回っていたんです」

「リアさん、決め手はなんだったのですか?」


 こっちにカメラが向きそうになって、慌ててミライをシフォンに託し行ってもらう。カメラがこっちに向き、ニューダ社員からマイクをもらった。


「ティルを一度失った頃、私は島のみんなを支えるべく、動いていました。ですが私にとってはティルがいないことで精神が病んでいた頃、ワイズに支えてもらい、ワイズの気持ちを知り、ワイズと一緒にいることを決意しました」

「それでもまだティル館長のことは好きなんですか?」


 そう言われティルはさっきよりも赤くなって、ワイズはいいよという笑顔だったから、正直に答える。


「はい。もちろん、今もティルのことが好きです」


 ざわざわとなり始め、二人の記者会見なのになんでこうなってるのとニューダ社にマイクを返し、カメラは二人に向きティル館長はと質問し、ティルが回答する。


「今でもリアのことを愛しています。ですが私は終止符をつけるべく、二人の幸せを盛大に祝福しました。そしてリアは私の妹として見ていますので、あまり掘り起こさないでください」


 照れながらそう言って、私はシフォンのところへ行きミライを返してもらう。ミライはティティとティルのことを呼んでいた。別の記者が違うことについて二人に質問をする。


「甘酸っぱい回答、ありがとうございます。ニューダ社はティル館長、フリジンダ社はワイズ社長。この二社の共通点というのはなんでしょうか?」


 共通点と言われ、どちらが喋るのだろうかと待っているとティルが回答する。


「私たちは一度、逃走を図った者として、お互いの願いはやはり遺伝子の研究は廃止いたしますが、新種のファンズマに対抗できるよう研究を行い続けます。新種ファンズマは全て野生でもあり、一般のファンズマも襲う可能性も少なくありません。ですので、全ての族を守れるよう、活動は行っていきます」

「ほとんどの社員は能力者とお聞きしていますが、一般人でもニューダ社やフリジンダ社に入社することは可能でしょうか?」


 次の質問ではワイズは可能です、こちらをご覧くださいとルシャンダが映像を流した。それは一般人でも入れるシステムを短期間で話し合った内容だ。


「一般人の皆様が入った際には、訓練を一度行ってもらい、選別をさせていただきます。それとファンズマに対抗できる武器も開発中ですので、会見が終わり次第、ニューダ社のホームページもしくはフリジンダ社のホームページでご覧いただければと思っております」


 ルシャンダが作ったホームページで、うまく入社希望の人が増えればいいなと思いながら最後の質問を聞く。


「最後に、お二人の未来をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「昔は未来はないと考えておりましたが、支えてくれるニディア、そしてワイズ、リア、そして全世界にいる皆様が何も怯えずに暮らしてもらえたらいいです」

「私はすでに子を持つ父として、子どもたちがいつまでも幸せでいてくれたらそれだけで十分です」


 ワイズの言葉で一同がこちらを向き、そしてワイズに質問した。


「リアさん、二児妊娠ということでしょうか?」


 はいっとワイズは嬉しそうに伝え、おめでとうございますと歓声が上がる。ミライはそれを聞いてとても嬉しそうに笑って、初めて聞いたことでシフォンがおめでとうございますと言ってくれる。

 二人は立ち上がってよろしくお願いしますと頭を下げ、最後に写真をと言われ二人は握手し、とてもいい笑顔をし、会見が終わった。

 

 二人は疲れたと言いながらソファーに座り、シフォンがお茶を淹れてくれる。それを飲みながらティルが改めて言う。


「二人ともおめでとう。ミライ、夢叶ってよかったね」

「ありがとう。忙しくなるからしばらくは無理かなとは思ってたんだけど、ワイズが疲れ切ってたから癒そうとして」

「悪い。つい甘えすぎちゃって。性別はやっぱり女の子がいいな。今度は立ち会えるように変なこと起きませんように」


 ワイズはミライの時立ち会えなかったからねとそんなことを話していたら、お疲れ様とニディアが入ってきて私のお腹に触れた。


「リア義姉ねえ様、好きなことしたかったら、いつでもミライとこの子見ててあげる」

「ありがとね、ニディア。そうだ、応募者早速きてるかな。帰ったら確認してみよ」

「それもそうだな。ホームページで応募の件数増えてるかもしれないし。それじゃあティル、俺たち帰って仕事戻るな」

「お互い、頑張ろう。リアは無理しないようにね」


  うんとミライはワイズに抱っこしてもらい、ルシャンダにゲートを開けてもらってフリジンダ社に帰る。モニター室ではルシャンダを囲みながら大人たちが画面を常にチェックしてもらっていた。

 

「お帰りであります。早かったでありますね」

「応募者きてるかな」

「人事部に行ってみるでありますよ。会見後、電話が殺到していたでありますから」


 ルシャンダに負担がかからないように人事関係はダディゴに任せてある。ただダディゴはまだ学生ということもあり、今は大人たちが丁寧に対応してくれていた。人事部の一人がワイズに報告をする。


「社長、お疲れ様です。書類選考のメールと電話が鳴り止まない状態でありますが、一つ気になることがありまして」

「なんだ?」

「この島はカディヴィア保有の秘密島であり、一般には公開できないはずです。面接に来る方たちにはなんとお伝えいたしましょう」

「それなら住んでいる土地にある支部に来てもらう。面接の案内は支部に来るよう伝えてあげてくれ」

「かしこまりました。では仕事に戻ります」


 人事部の人は席に戻り対応してもらって、そう言えばここ秘密島だったことを思い出す。ルシャンダのゲートで来てもらうのもいいだろうけど、念のためなんだろうと感じた。

 ワイズはモニター室に戻り、私はミライを連れて自宅へと入って、ソファーでごろんと横になる。ミライはおもちゃで遊び始め、睡魔に襲われ私はそのまま寝てしまった。



 社長室に戻り、書類を確認しているとノックが聞こえ入れと伝える。失礼しますと入って来たのはコルアだ。


「本日の午後の予定は、リモートでスノーリア王との商談が入っています」

「準備を頼む。それからリアの容体管理も頼みたい。ミライと違う感じらしいから気にかけてくれると助かる」

「えぇ、承知しました」

「あとさ、喋り方普通でいいから。畏まられるとやりづらい」


 わかったわよと言われ会議室で準備をしてもらっている間に、メールを確認しておく。ヨウミたちからおめでとうメールが来て、こういうのはスマホで送れよと思いつつ、ありがとう、これからよろしくと送信した。

 書類を仕分けていると準備が整ったらしく、会議室へと入って数秒後にスノーリア王国、ホデュヴィで名前はヒジュン王が映る。


『会見を見させてもらったぞ。めでたい情報も。おめでとう』

「ありがとうございます、ヒジュン王。それでデッドハラン王国から襲撃を受け続けていたというのは?」

『本当だ。すぐに伝えられなくてすまなかったな。クーヴァにも情報は与えるなと伝えていたし、心配はかけたくはなかった』

「いつ頃から、襲撃を受けていた?」


 ヒジュン王は確かと過去を思い出してもらい、ちょうど俺が記憶を失っていた頃から襲撃は受けていたらしい。


「なぜニューダ社に助けを求めなかった?」

『俺はまだニューダ社が憎い。会社名が変わったとしても、思い出してしまう辛さ。前館長が処刑されたとしても、心が晴れない。だからまずはフリジンダ社と取引をすれば何かが変わるかと思ってな』


 ヒジュン王はまだニューダ社を信じられないのはよくわかる。元ライディー騎士団が何をしていたのかは、ルシャンダの情報で得ていたから。少しずつ信頼を得られるように、ティルをフォローしておかなくちゃな。


「取引というのはどういった内容になる?」

『デッドハラン王国に襲撃するんだろう。城で作っている兵器を渡す。その代わりリアを少し借りたい』

「リアは今大事な期間で、あまり島から出したくはない。なぜリアを借りたい?」

『…スノファが見知らぬ病にかかってな。リアの力で癒せるか試したい』


 見知らぬ病かと少々悩む。そばに居させたらリアが病にかかる可能性もあるはずだ。悩みどころだなと考えていたら失礼するでとイルルが勝手に入って来た。


「ヒジュン王、お久しゅうな。未来が見えて至急こちらに来たんや。スノファ女王の病は伝染病や。リアは行かせられへん。スノファ女王を隔離したほうがえぇよ」

『主治医から伝染病とは言ってなかった。なぜ言い切れる?』

「スノファ女王の侍女、そやつがデッドハラン王国の調査員。せやけど、すでにいないはずや」


 心当たりがあるような感じで所々に調査員が紛れ込んでいることが判明する。警戒したとしても信頼が強いせいで調査員かどうかも判断しにくいところだ。


『スノファが病にかかる前に、辞めた侍女がいる』

「そやつの能力は触れただけでいろんな病を引き寄せる能力や。そやつに触れたら死ぬと同時になるやで。治せるのはただ一人、ボルダウ国にいるサリラや。能力は医能力」

「ならフリジンダ社の人間に連れてくるよう手配する。多少時間かかると思うが、全力は尽くす。それでいいか?」

『わかった。スノファが回復できたら、約束通り、兵器を渡そう』


 商談が終わり映像が消えイルルにお礼を言う。


「さっきはありがとな。危うくリアを行かせるつもりだったから」

「いいんや。そや、性別見えてしもうたけど」

「やめておく。楽しみはとっておかなくちゃだろ。さて誰を行かせるかだよな。一度、俺とリアが行こうとしていた国だしな」


 かと言ってリアを連れ回すのはどうかと思うし、ここはヨウミと相談かな。イルルがまだいて、何か用かなと考えていたらあかんと何かが見えたようだ。


「まずいで…ボルダウ国がデッドハラン王国に侵略されている未来が見えよった。それまでにサリラを連れ戻さんと」

「すぐ動けそうな人たちをかき集めてもらう。何かまた見えたら俺に教えて」


 モニター室でルシャンダにすぐ動けそうな人たちをかき集めてもらい、俺も行くかと一度自宅へ戻った。ミライは静かにおもちゃで遊んでおり、リアはソファーで寝ている。風邪引かないように膝掛けをかけ、身支度をしフリジンダ社へと戻った。

 すぐ動ける人は初対面の大人二名で、よろしくと伝えると二人は敬礼してよろしくお願いしますとくる。なんか大人たちに敬語使われるとなんかなと思い、後でため口でいいと伝えよう。


「ルシャンダ、ゲートはやっぱりスナナ街からじゃないと行けなそう?」

「はいであります。準備はできているでありますか?」


 二人はと聞くと準備完了しておりますと言われ、ゲートが開きスナナ街へと入った。カウボーイの格好をした人たちがいながらも、ルシャンダの無線で道先を教えてもらう。

 

「二人とも敬語は使わなくていい。敬語使われるとやりづらくて」

「いいのか。ならそうさせてもらう」

「えぇいいんですか。ワイズ、午前中の会見見ましたよ。おめでとうございます」


 ありがとうと感謝を述べながら、そう言えば隊服に名前が入っていたんだと二人を確認しておく。

 背が高く無表情の男はガリシャ・バーン。それでもう一人はお祝いの言葉をくれたケリー・ナデュ。二人ともカディヴィア社からフリジンダ社に異動してくれた。


「二人はなぜ、フリジンダ社に?」

「決まっている。俺は総司令官の犬はもう疲れたから、こっちを選んだ」

「私はその、色々ありまして、転職しようと思っていたところ、フリジンダ社のことお聞きしたんです」


 二人とも要はカディヴィア社を辞めたかったんだろうと理解する。母さん、最近くまできてて大丈夫だろうかと心配になってきた。これが終わったら連絡してみるかとボルダウ国が徐々に見えていき、ガリシャが待てと合図がかかる。


「何か見えた?」

「見張りが数名いる。入るには困難だ。どうする?」

「この距離で見れんの?」

「ガリシャは鷹の目能力者だから遠い場所に何があるのか見えるんですよ。私もそんな能力がよかったな」

「ケリーはなんの能力?」


 ケリーは手のひらを出し息を吹きかけると霧ができ始める。


「私の能力は霧能力です。これなら大丈夫そうじゃないですか?」

「一度行ってみるか。危険を感じたらすぐ撤退するぞ」


 隊長をやっていたのかはわからないが、霧を多く出してもらい、ボルダウ国へと入った。ここからは防犯カメラがないからルシャンダの力は借りれない。

 ボルダウ国は岩で作られた建物がいくつもあり、城も城っぽさがあまり感じられなかった。医療能力者は以前、ダディゴと一緒に行動していた子で、まだ学生だからフリジンダ社にはいない。けれどその子はリアと同じような子で、傷を癒せても病は治せない子だ。

 ここでサリラを連れてこれればリアも一安心する。途中でボルダウ兵を見かけ俺たちは隠れた。


「サリラがどこにいるか分かればいいんだけどな」

「写真ってある?」


 スマホを手にとり確かと能力者一覧で検索し、ガリシャに見せると城の中だなと答えた。建物あるのに見えるだなんてと思いながらどうやって侵入するかだ。

 それに一度入ってしまったら戻れなくなる理由も確認しておきたい。ガリシャの力を借りながら、城付近まで近づけたものの、どうやって入るかだ。


「中に入るとしてもボルダウ兵がいる。ここは商談をしに来たと伝えるのがベストかもしれない」

「いきなり、どうぞと言われないかもしれないけど、駄目そうならケリー頼むね」


 了解ですとケリーが言い、堂々と正面の城門に行くとボルダウ兵に止められ、証明証を見せると無線をつけている兵がはいはいと何かを聞き取っているようだ。

 そしたら入れと言われ城内へ入ることが成功した。扉が開き城の中に入ると眼鏡をかけた人が立っている。眼鏡をかけた人は一度、お辞儀をして自己紹介をした。


「初めまして、わたくしはボルシャ王に仕えているジルーと申します」

「初めまして、フリジンダ社のワイズ・ヴィアントと申します。失礼ですがこちらにサリラという女性はいらっしゃいますでしょうか?」


 こちらへと言われジルーについて行き、こちらでお待ちくださいと言われたから中に入った途端に、鍵を閉められる。


「いきなり捕まるの早くないですか。ワイズどうします?」

「いや、これでいい。俺たちはもとはと言えば侵入者でもある。時期にわかることだ」


 荷物は盗られていないし、GPSでゲートを開けてもらうからいい。それまではルシャンダ開けるな。



 誰かが捕まった情報にあたしゃは扉の隙間から見ていた。誰であれまたボルダウ国から侵入した輩かとそっと扉を閉める。どちらにせよ、枷の鍵がないとあたしゃは逃げられない。 

 流行病や病人に怪我人まで治したら、ここに閉じ込められ病や怪我人を治している。あたしゃはそんなつもりじゃなくって、すぐ国から出るつもりだった。早くここから出たいよと椅子に座り机に突っ伏す。今朝のライブ中継を見てあたしゃはフリジンダ社に興味を持った。

 ニューダ社は元ライディー社だからそこには戻りたくなく、そっちに就職できたら尚更いいと感じている。救世主が現れるまで待つしかないかと患者が来ないから暇すぎると思っていたら、ジルーが入って来た。


「怪我人いないの?」

「いません。あなたに会いたいと来た侵入者がいらっしゃいます。会わせてあげますが、王はあなたの能力を高く評価されいる。王の望みを受けていただけるのなら、あなたを解放いたしましょう」


 あの豚みたいな王の望みってなんだと思いながらも、まずは王のところで話を聞くことになる。ボルシャ王はお腹を出してお腹に寝ている奴隷女たちがいた。


「お連れ致しました、ボルシャ陛下」

「ほれ、君たちジルーと行きたまえのる」


 奴隷女を起こしてジルーと一緒に退散していく奴隷女たち。二人きりになったことで、ボルシャ陛下はこちに寄れのると言われたから近くによると鷲掴みされお腹の上に乗せられる。


「今なフリジンダ社社長たちが来客しているのる。そこで見つけて来てほしいのるよ。ソアレという少女をな。よいのる?」

「連れ出すにしても、どうやって王様にお連れすればよろしいのですか?」

「防犯カメラを設置してもらうのる。フリジンダ社のサーバー対策部部長に伝えるのるだ。詳細は伝えるのではないのる」


 これが解放の条件。ソアレという少女ってどんな子と思いながらも、これで夢が叶うんだとボルシャ王にお礼を言い降ろしてもらって自分の部屋に戻った。

 確か能力者ファンクラブに載ってるかなと検索をかけると、ソアレを発見し年齢は八歳。能力は爆弾という言葉に、ボルシャ王が好きそうな言葉だ。

 申し訳ないけど、あたしゃはもうここにいたくないから、ソアレちゃん捕まえて自由にさせてもらうよ。

 早く社長に会いたいなとファンクラブを閉じていると、再びジルーが入ってきた。


「もう社長に会えるの?」

「まだです。ついでなのですが、この子を探しに行ってもらえますか?」


 一枚の写真をもらい、ジルーが赤ちゃんを抱っこしている写真。


「ジルーってお子さんいたの?」

「昔の話です。名前はヘリット。フリジンダ社にいるかわかりませんが、ヘリットの行方を知りたいのです」

「オッケー。って言っても直接、社長に頼めば?」

「社長はまだ若い。覚えることが多いでしょう。ヘリットをお考えている時間はないかと思い、サリラに頼みたいのです」


 確かにあたしゃと同じ年齢だったかもとその写真をいただくことに。


「何かあったらジルーに伝えるね。だからそろそろ枷外してくれると助かる」


 えぇとジルーは首に下げていた鍵をとり、枷を外してくれて、荷作りをし始めた。

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