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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
48/195

48話 ブルズン

 ルマ救出するために和吉はありとあらゆる方法でハッキングしているであります。それでも情報が少なく、本当にブルズンにいるのでありますかね。一応ブルズンのハッキングに成功して囚人たちを見ていくも館長の姿がないであります。 

 授業中にこっそりやっていたら、先生にタブレットを没収され、拳骨をもらい集中しなさいと注意されたでありました。


 予備のタブレットをと鞄から出そうとしたら、隣の席にいるレッツォにやめておけと目で言われ、授業に集中するであります。ワイズは新婚ほやほやで今日は欠席しているであって、早く映像を見て遺体でありますと空を見上げたであります。

 まだ館長が処刑されたという情報がないでありますから、無事でありますよねと見ていたらハリセンでまたまた先生に怒られ、クラスメイトに笑われたでありました。


 昼食、先生に返してもらい、囚人をチェックしているとむ?と気になる囚人を見かけたであります。チーシャが探していた人でありますかねと、映像を小さくしてその人が誰なのかを確認したであります。


 名前はムージュ・アガン。聞いたことがあるようなとネットで検索をかけたらやっぱりそうであります。元紫遺伝子元団長であり、実の子を殺害したとして殺害容疑で逮捕されたであります。

 確かムージュ・アガンが実の子を殺害したのは、チーシャが本部の施設に来る前でありました。となるとチーシャはムージュ・アガンが殺害したところを目撃していたとすれば。はっと思い出してシャーチが現れたのは本部に来てすぐのことであります。


 もしかしたらチーシャはそれに恐れ、シャーチを生み出したとなればとすぐさまチーシャを探すであります。チーシャはどこでありますかと校舎を回っていたら、キアが誰かに連れて行かれるのを見たでありました。

 あれは確かシフォンのクラスメイトのメーファでありますと尾行したであります。裏校舎へと行きそれを目撃したでありました。

 メーファはキアに思いっきり水をかぶせているであります。透明人間となったキアでしたがキアを逃さないようにペンキをぶっかけたでありました。見てられないでありますと和吉は表に出たであります。


「何をしているでありますか!」

「間違えてペンキが滑っちゃっただけだって」


 他の女子は口合わせするようにそうだよとせせ笑い、和吉は風邪を引かないよう和吉のブレザーをキアに羽織らせ他であります。


「これ、リアたちに言いつけるであります。ばっちり動画撮ったでありますから」

「証拠ちゃんと撮ってるの?ここはカディヴィアだよ。法律はちゃんと守らなきゃ。撮ってるなら、ちゃんとここで削除してよ」


 メーファは冷ややかな笑顔で言い、カディヴィアの撮影は禁止されていて、撮影した場合は罰金を支払うか懲役ニ年牢屋行きになるであります。

 嘘だよねとメーファたちはまだあるペンキをキアに向けてかけようとするから、和吉はキアを被ったでありました。シフォンの次はキアに攻撃するだなんて、卑怯であります。


「ルマを探しても無理なんじゃない?ルマはもう」

「黙れであります!ルマは生きているであります!これ以上、キアに何かをしたらティルに言いつけるであります!」


 そしたらティルが走って来て、やばいとメーファたちは撤退していったでありました。


「キア。大丈夫?」

「平気だよ」

「最近、メーファがシフォンに攻撃しない理由が知りたくて尾行してたら、ルシャンダを見かけたんだ。そしたらこんなことになってるから、びっくりしたよ。一応先生には僕から説明しておくから今日は早退しよう」

「いや、試験も近いし午後の授業も受ける。心配はいらないよ。授業が終わったら透明人間になって帰るから」

「さっきみたいにペンキ塗られたら終わりでありますよ」


 キアは大丈夫だからと行ってしまい、このことはシフォンに言うべきでありますと、和吉とティルはシフォンの教室へと向かったであります。

 しかしシフォンの姿がなくティルがシフォンのクラスメイトに聞いたところ、男子と一緒にどこかへ行ったよと来たでありました。


 まさかと和吉はタブレットで校内の防犯カメラをハッキングし、シフォンを探すとシフォンは体育館倉庫で倒れていることがわかったであります。

 すぐにゲートを開いてティルがシフォンと呼ぶも、返事がなく保健室のゲートを開いて先生は驚いていながらも、ベッドへとシフォンを寝かせたでありました。


 酷い傷ねと先生は手当をし、説明してちょうだいと言われたから、先ほどのことを全て打ち明けたであります。


「そう。懲りない子たちね。担当の先生に伝えとくけど、ルシャンダ。校内でのハッキングはあれほど禁止したはずよ」

「ごめんなさいであります…」

「わかっているのならよろしい。二学期にクラスメイトを変えるよう提案はするけどどうなるかはわからないわ。ただシフォンのメンタルが壊れないようになるべく親しい友人といてほしいんだけど」


 先生はシフォンの状況を知っているのであります。シフォンは教室で孤立しているでありますから。シフォンと同学年と言ったら、ネフィラでありますが、ネフィラは行方不明者となっているためいないであります。

 ふうむとシフォンを保険の先生に預け、保健室を出たでありました。


「ティル、どうするでありますか?」

「メーファとその仲間たちに思い知らせてあげたい」

「そうでありますね。あ!そうだったでありました。チーシャどこにいるか知っているでありますか?」

「確か図書室で寝てたけど、何かあったの?」


 歩きながらチーシャが探していた人物について話すと、ティルは立ち止まってしまったであります。


「ティル…?」

「ルシャンダ、なぜルマがあそこに連れ去られたのかはっきりした。ムージュ元団長の能力がルシャンダと似たような能力だからだよ。ルシャンダは電波を通してゲートを開けているでしょ?」

「そうでありますね」

「ムージュ元副団長の場合は時空移動能力者。ノアみたいに未来や過去に行くことはできないけど、行きたい場所に移動できる。仮にルマがデッドハラン王国の調査員となっていたら、尚更危ない」


 和吉はルマが調査員であそこにいるとは考えにくいでありますが、仮にそうなら処刑の日に囚人たちは脱獄してしまうであります。


「ルシャンダ、今、ブルズンのハッキングって」

「できているでありますが、館長となったルマが見つからないであります」

「ここはチーシャの力を使って探しに行ってもらうしかない。チーシャがやるなら作戦会議を行おう」


 そうでありますねと話していたら昼休みが終わってしまい、授業が終わったら島で落ち合うことにしたでありました。


 夕方、和吉はすぐに島へ帰り、パソコンの電源をつけブルズンの映像を何個かつけるであります。中央下の画面では過去に起きたムージュ元副団長の記事を印刷していくと、帰宅部が着々帰って来たでありました。キアは少し元気がないまま部屋へと行ったであります。

 その一方、チーシャは元気ありありでたっだいまと帰って来たのでありました。


「チーシャ、話がありますから、着替えたら会議室で待っててであります」

「はいなの」


 るんるんしながらチーシャはモニター室を後にして、後はティルでありますと待っていたら、シフォンとティルが防犯カメラに向かって、手を振っていたであります。ゲートを開け二人を入れたでありました。


「キアは?」

「落ち込んで帰って来たでありますよ。シフォンはキアのそばにいるであります」


 うんとシフォンはせっせとキアの部屋へと行ってもらい、チーシャ帰ってるとティルに聞かれたから帰って来てるでありますと答えたであります。

 資料をざっと作り、ティルとチーシャで作戦会議をするでありました。


「あの人、元団長だったの。知らなかったの」

「チーシャが探していた人は殺人者であります。用心して会いに行ってほしいでありますが、目的は館長を探してきてほしいであります」

「チーシャのすり抜け能力があれば、必ず見つけられるはずなんだ。本物の館長なら無視していいけど、ルマだったら確実に連れて帰ってきて」

「はいなの。それでいつ出発していいの?」

 

 今からでも大丈夫でありますかねと考えていたら、あなたたちとコルアが怒っているであります。


「コルア、これには訳があって」

「ワイズが不在なのにチーシャを一人で行かせられる訳ないでしょ。それに囚人がいるのよ。もしチーシャに何かあったら」

「コルア、大丈夫なの。見つからないように動くの。だから行かせてなの」

「だったらキアを連れて行きなさい。キアと手を繋げば透明人間になれる。見つからず探しやすいでしょ」


 その手があるのですが、キアはただいま精神がやられているような感じがあるでありました。ティルもリアの妹を勝手に使うわけにはいかないような目でいるであります。

 するとキアが入って来て、行くよと答えたでありました。


「キア、大丈夫?今日、あんなことあったのに」

「明日、ぶっ倒すからいいよ。それで僕は何をすればいい?」

「わえを透明人間にして館長となっているルマを探すの」

「なるほどね。わかったけど、ワイズと姉貴には報告しといたほうがいいんじゃない?勝手に動くとワイズ凹みそうだし」


 それもそうでありますと一応ワイズに本日様子を見に行ってもらうことを伝えると、すぐに返事が来たであります。気をつけてと言うメッセージをティルたちに伝え、モニター室へ戻り無線をキアとチーシャに渡すでありました。


「二人とも気をつけてであります」


 行ってきますと二人は手を握り、ブルズンの中へと侵入したであります。



 透明人間となって見つからないように動きながら、僕とチーシャは館長がどこにいるのか確認していく。それにしてもこんなに囚人がいる場所に来るだなんてと危ないところはルシャンダの誘導で助かっている。

 ここにアイズが来てたらアウトだなと思いながら、進んでいくと扉にはムージュ・アガンという表記が出ていた。

 チーシャがどうしても会いたかった人物、ムージュ・アガン。以前チーシャが探していた人物は父親だったけれど、この前の大会議で現在の紫遺伝子団長であるワファエに聞いたところ、チーシャはワファエの兄であるムージュの子であることが発覚した。


 防犯カメラがあるから素性をばらしたら、警報が鳴るのは間違いはない。ルシャンダがハッキングしてくれると思うけど、長いはできない。チーシャはポシェットから手紙を取り出したのだ。


「チーシャ」

「渡したいの。すり抜けてそっと手紙を置いておくの」

「ちゃんと会わなくていいの?」

「うん。チーシャはシャーチがいるから寂しくないの。お父さんがこれを読んでくれるだけでわえは嬉しいの。力貸してたの」


 本当にそれでいいのと思いながらもチーシャと僕の力でムージュ・アガンの牢屋へと入る。そこで見たのは思いがけないことで、チーシャは手紙を落としてしまった。

 ムージュ・アガンは拘束衣を着ていて寝ており、心電図モニターが設置されている。ルシャンダが見たというムージュ・アガンはもしやルマかとここは一度引いたほうがいい。


「チーシャ行くよ」

「お…父さん、起きて!起きてよ!」


 ちょっと僕の手離さないでと離そうとするからチーシャを止める。チーシャがいなければこの部屋から脱出することもできない。一旦引くよとチーシャを引っ張ろうとした時だった。

 しまったとチーシャの手が離れ、チーシャが姿を現し警報音が鳴り響く。ルシャンダゲートをと告げているとすぐに扉が開いて、僕は透明人間のままだから端っこに寄る。

 チーシャ何やってるのと無線の向こうでコルアの声が聞こえた。チーシャは運良くすり抜けるもあちこちでは待ちなさいという声が響き渡り、牢屋にいる囚人は逃げろ逃げろと声を上げている。うまく逃げ切ってよと僕は扉が開いてくれたからそっと逃げるつもりだった。出た瞬間僕目掛けて銃を構えている大人たち。気づかれているはずがないと一歩足を踏み出すも、止まれと僕に向けて喋っているようだった。


「姿を現せ。我々には見えているぞ、キア・ノールディン」


 あのサングラスに僕が見えるようになっていたということかよと手を上げ、姿を現し大人に手錠をかけられ無線は壊される。行けと言われ進みチーシャがうまく逃げていればそれだけで十分だ。

 不法侵入でここで暮らす羽目になるのかと、エレベーターに乗り最上階のボタンを押した。この牢獄の偉い人のところへでも連れて行かれるのだろう。シフォン、ごめんと心の中で謝りながら最上階につき、扉の中へ入ると一番会いたくなかった奴が待っていた。


 大人たちは下がりアイズは僕の頬に触れ、やっと会えたと抱き寄せる。手が自由だったら真っ先にひっぱ叩いてたよ。


「僕がここに来るってわかってたわけ?」

「いや、普通にオーケルがどうなっているか確認しに来ただけだ。そしたら侵入者の情報を聞き、来られるのは限られている。キアとチーシャだ」


 偶然とは言え僕はやはりアイズのことが苦手だ。なかなか離れてくれず蹴りをしようとしたらアイズが離れる。そしたらチーシャを追いかけていた大人一名がやって来て報告を受けた。


「チーシャ・アガンはゲートを通じで逃げられました」

「そうか。わかった。キア・ノールディンはこちらで引き受ける。仕事に戻れ」


 御意と大人は去って行き、これ外してくれないと合図するも僕を抱っこしてソファーに座らせられ、アイズは隣に座り僕の頭に触れる。


「これは何かの縁だ。キアを手放したくないと強く思った」

「思わなくていい。それに僕には彼氏がいる」

「わかっている。シフォンはどう思うかな。ここでエンディードを出してもいい」

「それは断る。そもそも僕は昔っからアイズのことが大っ嫌いだ」


 知っていると余計に近くに寄ってきて全身が震えた。僕が抵抗できないからって卑怯じゃんと僕を倒し、アイズの顔がだんだんと近くなったところ、何しとるんじゃとルマの声が聞こえピタッと止まる。


「ルマ、邪魔しないでほしい。それにどうやって牢屋から抜け出した?お前はすでに処刑が決定されている。大人しく牢屋に入ってろ」

「窮屈すぎるからのう。警備兵に成りすまして館長が逃げたと報告し今探し回っている頃じゃ。妾はどうなっても構わぬ。だからキアを見逃してくれぬか?そうじゃなきゃ妾は脱走するぞ」

「そんなこと言うな!ルシャンダはずっとルマのこと探して、連れて帰るって約束したんだ!頼む、アイズ。言うこと聞くから、ルマをルシャンダのところに返してあげてくれ」


 アイズは僕の瞳を見て、ルマの言葉を聞くか僕の言葉を聞くか考えていた。僕の頬に触れアイズはわかったよと僕を起こす。


「ルマ、オーケルの姿になれ」

「兄者とティルに伝えてくれ。妾は幸せ者じゃったぞと」

「アイズなんで僕の言葉を」

「師匠の言うことを聞かなかった罰だ。それにリアのことを考えればルマの言葉を聞く」


 よせと思っても手錠があるせいで、アイズにしがみつけず床に倒れてしまい、アイズはルマを連れて行ってしまった。なんでだよ、なんでと少ししてアイズが戻り手錠を外す。僕は思いっきりアイズの頬をひっぱ叩きアイズの服を掴む。


「ルシャンダがこの二年間、ずっとルマのこと探してたの知ってただろ!いい加減にしろよ!師匠の言いなり?ふざけんなよ!大事なもん奪ってさ!本物の館長を処刑すればいいだろ!」

「それはできない。館長の遺伝子は特殊だ。デッドハランにずっといてもらうから、代わりにルマを使ったようなものだ。世界はもうオーケルを信じない。世界はオーケルの死を待っている」

「その話、父さんに伝えて公表してもらう!」

「どうだろうな。そうだ、シフォンと別れ俺の許嫁として動いてくれるなら、ルマを解放してやってもいい。どうだ?いい条件だろ?」


 まさか昼休みで起きたことってアイズの差し金と考えていたら、冷笑していてアイズに聞く。


「シフォンの嫌がらせはアイズが仕向けた?」

「いや、仕向けてはいないがやめさせることはできる」

「…だったら条件だ。僕の大切な人をこれ以上傷つけさせんな。いじめがぴたり止まったことを証明してくれるなら、僕はアイズに従うよ」

「すぐに証明させる。それまではシフォンといることだな。ただシフォンやリアたちに言ったら」


 わかってると伝えるとアイズは機嫌良さそうに笑い、まだ持っていたらしい鈴を渡してくれる。


「これはカディヴィア社のものだから、キアに渡しとく。近々迎えに行くよ」

「…あとさ、もうこれ以上姉貴には」

 言おうとしたら口付けされアイズは姉貴も奪うつもりなんだと理解した。鈴の力を使って僕は島へ帰り、早く口濯ぎたいとフリジンダ社に入る。コルアが瞬間移動で来てよかったと安心してくれた。


「心配かけちゃってごめん」

「いいの。最上階に防犯カメラがなかったから、状況が読めなかったの。オーケルがエレベーターに乗っている姿を見た。ルマだった?」

「ううん…本物のオーケルで逃してくれたよ」

「そう…チーシャが泣いてたの。安心させてあげて」


 わかったと伝え一度洗面所でうがいをし、顔も洗う。姉貴たちを心配させたくはない。けれどルマを助けるにはこの方法しかないと蛇口をしめ顔を拭く。


「キア…」

「イルル…未来予知で分かっちゃったの?」

「そや。これはリアたちに言うべきや。一人で抱え込まないほうがえぇで」

「ちなみにどんな未来が見えたのか詳しく教えてくれる?」


 イルルは苦笑いしながらそれはやなと周囲を見て誰もいないか確認した後、耳元で教えてくれる。


「アイズはキアを使ってエンディードを出し、従わせている未来や」


 考えたくもないことで、これが姉貴だったらと考えるとなんか嫌だな。そうならないように未来を変えていくしかなさそうとイルルにお礼を伝え、チーシャの部屋に入るとチーシャは布団に包まっていた。

 ごめんなのと泣きながら呟いていて、チーシャを呼ぶと布団から出てきてごめんなのーと僕に抱きつく。


「無事でよかった。怪我はしてない?」

「大丈夫なの。ごめんなの」

「いいよ。これからは気をつけてくれればいいし、お父さんがなぜあの状況だったのか、これから話し合おう」


 うんと少し元気を取り戻すチーシャで、スヤっと寝てしまいシャーチが出て来てすまなかったとシャーチからも謝罪を受けた。


「本当にすまない」

「いいって。チーシャが無事でよかったよ」

「チーシャはまだ混乱している。父親が眠らされている理由を」

「本当に実の子を殺害したのかは不明だ。とにかく情報はニューダ社にあるはずだからティルに相談する」


 そうだなとシャーチは眠りにつきチーシャが、シャーチなんて言ってたと聞かれたから、謝罪の言葉だよと伝え、モニター室へ入る。開けた瞬間にシフォンが無事でよかったと飛びつかれ、心配かけちゃってごめんと言う。


「無事でよかったであります」

「状況はチーシャから聞いた。この件はワイズも含めて話し合いたいから明日でもいい?」

「わかった。あのさ、少しシフォン借りてってもいい?」


 もちろんとティルが言ってくれて、シフォンを連れて浜辺を歩く。アイズと接触したことは誰にも言わず、未来のことを話し合う。


「シフォンはニューダ社でティルと働きたいという気持ちは変わらない?」

「うん。ティル様のもとで働きたいのは変わりないし、キアの隣にいたいのもある」

「ならさ、僕がニューダ社を希望する。姉貴と仕事したいなとかは思ってたけど、やっぱり姉貴みたいに一番大切な人の隣にいたい。いいかな?」


 シフォンは頬を染めながら、本当にいいのという顔でいて、うんと伝えるとありがとうとシフォンが抱きついた。シフォンの未来は僕の未来でもある。たとえ離れ離れになっても、僕はシフォンのことが大好きだ。

 シフォンの笑顔や照れ顔、時におっちょこちょい部分や仕事をしているシフォンが愛おしいな。


「どうしたの?」

「砂が目に入っちゃった」


 見せてと言われるも、砂が入ったんじゃない。アイズじゃなくてシフォンのそばにいたいよと思いながら、シフォンに口付けをした。もう二度とできないと思ったから。

 し終えるとシフォンは子供のような笑顔で笑い、そしてシフォンからキスをもらい、これが僕とシフォンの最後の口付けとなった。

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