表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
43/195

43話 デンパット王国②

 みんなが学校に行っている間は、コルアと二人でミライを見つつ来年オープンさせるフリジンダ社の準備を着々進めていた。若手社長のワイズであり私はミライの面倒を見ることもあるから、ミライを見つつワイズやみんなのサポートをする。

 来年には私が用意した従業員たちも住居することになっているし、着々とカディヴィアの船引越しの荷物がちらほらと届いていた。大人を入れたほうがいいと言われ、お兄ちゃんと総司令官が面接官になってくれた。もちろんフリジンダ社に入る人たちは、カディヴィア社の人たちで、落ち着いたら他国から探してもいいんじゃないかとお兄ちゃんの提案でもある。


「リア、年内にはみんなを各家に引っ越しできるのよね?」

「その予定でいるけど、どうかした?」

「ううん。いよいよこの会社が表に出るんだなって思うと嬉しくて。二人を見守って来た甲斐があった。一時はどうなるかと思ったけどね」

「私も正直、ワイズがこんな早く元に戻るだなんて驚いちゃったよ。ミライがやってくれたから、ワイズ思い出せたんだよ」


 ミライに向けて伝えるとミライはおもちゃを持って笑いながらこっちを向いた。


「ミライは託児所に預けなくてよかったの?」

「うん。島でのんびり育てようってワイズと決めたの。ほら、アイズは託児所知っちゃってるし、もしワイズの代わりに来たら困るなって思ったから」

「それもそうね。もし困ったことがあるなたあたしも手伝うから言いなさいね」


 感謝を述べながらモニター室で作業をしていると、ゲートが開いてぎゃああと叫びながら入ってくるルシャンダ。


「何かあったの?」

「まだこの時間帯、授業中よね」

「うぅ。いろんなところからルマがっルマがああぁぁぁ」


 状況が読めずルシャンダはぐずんと泣きながら、モニター画面の電源をオンにしてカタカタとキーボードを打っていく。いろんな情報を出して見せてくれた。

 ルマがあちこちへと目撃情報がルシャンダに来ているそうで、手に負えず早退して整理がしたかったみたい。これは一応父親であるタンヴァにも情報が入ってるから、タンヴァが調査をしてくれるのではないか。そう思ったけれど、先ほどタンヴァから連絡をもらったそうで、集計してほしいということだったらしい。


「リアかコルア、和吉にコーヒーをお願いであります」

「持ってくるわね」

「ありがとであります」


 コルアはコーヒーを淹れるためモニター室を後にし、ミライを抱っこしてルシャンダの隣に座った。


「何か手伝うことある?」

「大丈夫であります。ルマ以外の情報はないでありますが、まさかルマの情報だけがこんなに現れるとは思わなかったであります」


 ミライと遊ぶこと数分後、できたでありますと集計したものを印刷してくれたようで、それを見る。発信源はデンパット王国だとしても、各土地からルマを見かけたという情報のグラフ。多い場所は黄土地のイエロード。


「イエロード調べつくしてもルマが見当たらないであります」


 防犯カメラ外にルマがいるってことでいいのかな。それでもイエロードは他の土地より多く防犯カメラがある。どうういことなんだろうと考えていたら、スマ、スマとミライが言うからスマホを取り出す。するとスマホからヨウミから連絡が来て、応答した。


「ヨウミ?」

『やあ、リア。出るの早かったね』

「ミライがスマって言ったから、スマホ取り出したらヨウミからかかってくるから。それでどうしたの?」

『エピルス調査員から妙な報告を受けていてね。一応知らせといたほうがいいと思ったから、今からそっちにいってもいい?』


 平気だよと伝えて、ルシャンダがヨウミ見つけたでありますとゲートを開ける。中に入ってきたヨウミは少々服が乱れ汚れていた。


「ヨウミ」

「気にしなくてよい。それでこれを見てもらいたいんだ」


 ルシャンダにUSBを渡し、ルシャンダはUSBをもらって挿し、フォルダーを開く。そこには新種のファンズマに関しての情報だった。


「本来ならばルシャンダにデータを渡そうとしたところ、いきなり襲われてしまってね。だからUSBを持って逃げたということだ」

「どこ行ってたの?まさかデッドハラン王国?」

「違う。デンパット王国だよ。あそこはデッドハラン王国と手を組んでいて、すでにあそこはデッドハラン王国の支部みたいなところだ。そこでルシャンダ、心当たりはあるかい?」

「…一度、ニシャにメールを送ったであります」


 その通りともう一つの情報を開いてもらうとフリジンダ社の情報が筒抜けでいることが判明する。


「これって…」

「あっちにはすでに削除してあるし、ルシャンダ特製ウイルスもかかっているから安心だろう」

「ごめんであります!」


 ルシャンダは私に頭を下げ、報告してくれた。


「ニシャにメールを送った時に、なんらかのウイルスが入り込み、フリジンダ社のデータが盗まれたであります。取り返すために時間かかっていたであります」

「ワイズにはなんて?」

「ルシャンダの力を甘くみんなって逆に褒めてくれたであります」

「ワイズがそう判断しているなら、私は何も言わないよ。それよりそのウイルスの特定はできたのかな?」


 コルアにミライを見ててもらい、ルシャンダはキーボードを打ち込み見せてくれる。それはハッカーの情報で名前はクロウと呼ばれているらしい。クロウはデッドハラン王国にいて、ルシャンダと同じレベルのハッカー。


「こいつ手強かったであります。まだレベル上げないと今後、みんなが危ないであります」

「そうだね。サーバー対策部も強化しておかないと島の情報もばれる」


 一番の恐れはアイズがこの島に訪れる可能性が高いのに、フリジンダ社を表に出していいのか。そこはワイズと話すべきところでもある。


「アイズがこの島にすぐきたら危険すぎるのではないか?そうとなればエピルスもフリジンダ社に入社はできそうかい?」

「それはワイズが帰ってきてから話し合おう。アイズはこの島にいた時期もあるし、ここで会社を立ち上げることも知ってる。表に出るタイミングで襲われたら、アウトのようなものだもん」


 アイズはバリアだから必ず島を包囲することもできる力はあるはずだ。アイズが来た時の対策も考えなければならない。考えていると、ヨウミが失礼とルシャンダのキーボードを触り、さっきの新種ファンズマの種類にある一つを見せる。


「まだ断定はできないが、このファンズマは誰にでも真似ることができるファンズマ、マネジールと呼ばれているようだ。属性はエスパーと認識しているが、ルマだと認識してしまうと攻撃がしづらくて、まだ攻撃はしないよう指示はしてある」

「喋ってるところとかは見た人いるでありますか?」

「今の段階だと喋っているケースはなく、道中を歩き回っているそうだ」


 そうなるとなれば刑務所にいるルマもこのマネジールが刑務所にいて、ルマは実際にデッドハラン王国にいるのだろうか。ただお兄ちゃんの未来では刑務所ブルズンにいるのは明白と言うべきだよね。

 それともお兄ちゃんは私たちを試しているのだとしたらどうだろうか。ここはティルにも相談を持ちかけたいところだなと考えていると、学校の校門付近にある防犯カメラにワイズとキアが手を振っており、もう授業は終わったようだった。


 ルシャンダはゲートを開け、ワイズとキアが帰宅する。


「ただいま、ヨウミいたんだ」

「やあワイズ、キア。お邪魔している」

「姉貴、お弁当ありがとう。今日も美味しかった」


 それはよかったとお弁当箱を回収していたら、ヨウミが羨ましそうな目で見ていて、ワイズがパコンと軽く拳骨をした。


「それでルマ見つかった?」

「まだであります。先ほどヨウミからある情報をもらって、そのファンズマがルマに成り済ましているのではないかと話していたであります」


 ワイズとキアに情報を見せ、なるほどと頭に入れてもらいつつ、ヨウミからワイズに提案を持ちかける。


「この状況を思って、エピルス全員をフリジンダ社に入社させることはできまいか?」

「まじか…。今の現状、人手はリアが手配してくれた人材でひとまずやっていくつもりで、給料面とかどの配属が合うかいろいろ考えなくちゃならないから、もう少し考えさせてもらってもいい?」

「もちろんだ。この島にアイズが来てしまったらと考えていたのだよ。答えがでたら連絡してほしい」

「悪いな。せっかくいい話聞かせてもらったのに。そういやヨウミたちってカディヴィアと手を組んでるんじゃ」


 ヨウミは苦笑いして手を組んでいるのではないのと私たちは思っていた。


「ノアとギーディスは仲良くさせてもらっているが、ワイズたちの母君やカディヴィアの民は用が済んだら出て行けという感じで手は組んでいないのだよ。リアの一件で入院はさせてもらったが、それ以外はあまり接触はしていない」

「意外すぎるな。てっきり総司令官たちも仲良しかと思ったよ。じゃっ僕、試験が近いから勉強してくる」


 キアはそう言ってモニター室を出て行き、ワイズもやばいとじゃっと部屋へと行ってしまう。そっかこの時期中間テストだったねとルシャンダも勉強をするそうで、残った私たちは食堂で話し合うことにする。


「話はなんとなく聞いてたけど、エピルスたちがいれば島は安全ちゃ安全よね」

「私もヨウミの意見にちょっと惹かれたかも。ファンズマのこと詳しくなれるし、対策も探さなくて良さそう」

「リア、そうは言っているが我が輩たちも探りを入れてファンズマの弱点を探しているのだ。たとえファンズマの血が流れていようともあまり詳しくはないぞ」

 

 ヨウミに言われてしまい、それもそうかと納得してしまう。ヨウミやエピルスのみんなも所詮、私たちと変わらない。そしたらコルアが何かを思い出したように、ヨウミに聞いた。


「スノーリア王国にいるホデュヴィ王はエピルスの仲間と認識してよかったのかしら?」

「本物のホデュヴィなゆえ、我が輩たちの仲間ではないが、協力はし合っている。城下町にクーヴァを住まわせてもらっているが、いずれデッドハラン王国が仕向けてくるのは間違いない」


 気温は確かスノーリア女王の出産と同時に雪が降り始めたと記事に載ってたな。私も一応ノールト国の王女でもあり、会食した時にスノーリア女王の姫を抱っこさせてもらったことがある。

 ワイズと今度一緒にスノーリア王国に訪れるのもいいかもしれないし、ミライを見せてあげたいな。それと聞いておきたいことがもう一つあった。


「ニュラン町の人たちのこと、何か知ってたんじゃないの?」

「アイズが表か裏か判断がしにくく、言い出せなかったが、ニュラン町はすでにデッドハラン王国の調査員が実際にいた。おそらくアイズが指示を出して留守をするよう指示したり、町人には大金を払い口合わせして知らないと言っていたのだろう」

「もしかしてアイズの表情を読み取るために、あそこに住んでいたの?」


 そうだとコルアが淹れてくれたコーヒーを飲み、アイズはデッドハラン王国にいたこともあったから、記憶回復能力者は知っていたと言うべき。

 探すのに遅らせ私との関係を良好に進めるためだったと思ったら、あの文面を思い出してしまって頭の上を消す。ゾッと震えるぐらい、アイズとしばらく会いたくないと思ってしまった。


「ごめん。全然気づかなくて、しかも限定のポスター破っちゃって…」

「いいんだよ。あれ用意したのノアだし」

「え?お兄ちゃん?」

「そうだ。ワイズの未来を見ていた時に不審に思っていて、アイズの未来も見ていたそうだ。その結果、リアには言いたくないことが未来で起きるようだ。それを阻止するために、アイズの様子を見ながら準備をしていたのだよ」


 お兄ちゃんがそこまで準備していただなんて、お兄ちゃんの偉大さに驚かされっぱなしだ。


「いやぁ。あのポスターはとてもよかった。中古品でも買おうと思ったがすでに売っていないから」

「それならアイズが処分しようとしてたのこっそりもらっといたの。いるかなって思って確か私の部屋に」


 本当かと目を輝かせ、私とワイズの部屋へ入り確かこの箱にしまっていたようなと探るもなかった。あれとあちこち探すもなくって、ルシャンダに聞いたところこんな回答がくる。


「それはそのー」

「教えてルシャンダ」

「秘密であります」

「我が輩にくれるって言っているんだ。早く言いたまえ」


 ルシャンダに圧をかけるヨウミで、ここにはないでありますよとヨウミから離れて私の後ろに隠れるルシャンダ。


「リアファンに渡したでありますよ」

「リアファンは我が輩のみでいい。誰に渡したか言いたまえ」

「うぅレッツォであります…。レッツォはリアのことが好きでありましたが、ワイズとティルには敵わないと諦めたであります。その代わり何かないかと探した結果、ファンクラブを見つけて入会したでありますよ。それでレッツォはリアのグッズがあれば、苦ではないし仕事に励めると」


 ヨウミはルシャンダにレッツォがいるゲートを開けなさいとルシャンダを追いかけ回していて、コルアはなぜだか大笑いしている。

 私は全身熱くなりながら、ミライを抱っこしてまさかねと照れているとミライが私のほおに触れレッレと言った。



 クシュン。誰か迂生の話題をしているのだろうかと疑問に思いながら、デンパット王国について調べていた。デンパット王国では、城自体が広告会社となって動いている。普通の広告であっても、それはデッドハラン王国にとって貴重な情報が含まれているのは確かなことだ。

 一般人にはただの広告に見えても、実際これは迂生たちと逃げた逃走者の一人で、途中で島暮らしが飽き自立したニシャ。ニシャは能力者だけに見せられる細工能力者。


 これはティルも気づいているのかはまだ聞いちゃいないけど、今度の会議でこの広告で議論するに違いないとスマホをしまってリアが買ってきてくれた工具箱を持つ。

 工作部へ入り文化祭に必要な材料を作っていく。まだ文化祭は月が早くとも、工作部はみんなが欲しがるような物を製作しているため、早めに準備に取り掛かっている。


「部長ー、言われてきたものーきゃっ」


 物に躓き派手に転んだ女子は新入部員で名前は確かミシュアで、黄遺伝子を持つ。簡単に言えばルシャンダの義妹と言うべきか。転んだミシュアは分身能力を持っている。

 分身に笑われながらで派手に転んだミシュアに手を貸し立たせた。


「怪我はしてない?」

「すみません、部長」

「大丈夫ならいい。頼んでたのは?」

「はい、貰ってきました」


 宝石を作れる能力者に頼んでもらっていたものがようやく届いたようで、中身を見せると綺麗なダイヤモンドがケースにびっしり詰まっている。


「何に使うんですか?高級品に変えるとか?」

「違う。僕の大切な人たちに送るため、必要だったもの」

「大切な人たちって家族?」

「意味合いは違くなるけど、家族と同じくらい大切な人たち」


 クロッキー帳で、デザインをいくつか考え、ティルと相談し決めた物をすでに作成してある。後はダイヤモンドをはめるだけだ。箱を取り出すとティアラとネックレスに、イヤリングがありダイヤモンドをはめていく。


「これ全部、部長が考えたんですか?」

「うん。これは内密にしておいてね。誰かに言ったらティルになんて言われるかわからない」

「内緒にしておきます。はめるの手伝いましょうか?」

「平気。それ以外の物を頼めるかな」


 はーいとミシュアは他のを作成してもらい、集中していった。



 デンパット王国に到着した俺は待ち合わせていた人物と接触する。俺がいない間に鈍っていないか攻撃してみると、俺の攻撃を交わした。

「久しぶりだな、アイズ」

「ご無沙汰しております、師匠」


 師匠の体が鈍っていなくてよかったとルマの広告を見ながら、城へと向かう。


「作戦は失敗したようだな」

「すみません。順調に言ってたのですが、ワイズが全て記憶を戻し、邪魔が入りました」

「そうか。ヨウミも腕は落ちていないようだな」


 俺の師匠であるデッドハラン王国の国王であり、デッドハラン王国の指揮官でもある人、ロンゴール指揮官。俺はこの人のやり方に惹かれ、スパイとして動いていた。

 

「なぜあの力でリアを従わせなかった?」

「その力がなくとも、いけると判断していたのが間違いでした」

「今度はその力を使い従わせろ。ナユに与えたエンディードが伝染し子にも宿った。ノアは論外だがリアとキア、そしてワイズの子であるミライを使って、エンディードを使い、カディヴィアとニューダ社を全滅させる。お前はそれでいいんだな」

「リアとミライのそばに居れれば、俺は何を失っても構いません」


 上出来だと師匠に褒められ、城の中に入ったら受付があり師匠が女王との打ち合わせであることを告げる。受付の人はお掛けになってお待ちくださいと言われ座った。


「まだその格好なのか」

「着替え持ってきてないので、帰ったら着替えます。師匠、ノアとの接触は?」

「していないがおそらく未来で鉢合わせた可能性がある。それがどうした?」

「いえ。なぜスムーズにいっていたのが、途中でこうなったのか知りたかったので。ノアが未来を見てきたとなれば、すでに母さんは動き始める頃かと。ルマにはなんと伝えますか?」

「デッドハラン王国より刑務所を先に動くだろう。ならば先手を打たせるだけのことだ」


 先手を打つということはオーケル館長となったルマを処刑ということだろう。ルシャンダには申し訳ないが、ルマは師匠の言葉を聞かず、オーケル館長となって警視庁へと連れてったんだからな。

 待っているとこちらへと案内してもらい、中へ入れさせてもらった。


 すごい人数が机に向かって広告作業をしている姿があって、これが全員デッドハラン王国の広告を作り上げている者たち。こちたでお待ちくださいと応接の間へ通されソファーに腰を下ろす。

 少ししてデンパット王国の女王と今回依頼した広告を作成している者が入ってきた。名刺を渡され手持ちにはないと告げる。作成者の者はなぜか俺に対して驚いている。そうか、ワイズの仲間だった人だろうかと思いながら、作成者の者が企画書を見せてもらい、内容を拝見した。


 デザインは黒がベースで周りには細かく、赤、青が点々と入っていた。文字は黄色でこう書かれてある。


 君には、何色に見えるだろうか。君の勝利はすぐ目の前に。


「これはどういう意味だ」

「指揮官にはこのベースは何色に見えますか?」

「黒に見える」

「あなたは?」

「指揮官と同じ黒」

「デッドハラン王国の証明のベースかと思い、ベースを黒にしました。では周りに見えるのは何色に見えます?三種類あるはずです」

 指揮官はデザインを見て何か違和感を感じているのだろうか。三種類と言われているのにベースのみではと答えた。俺には三種類見えるはずなんだけどと再度確認するとあれとまじまじ見てしまう。


「さっきまで赤、青、黄色が点々と入っていたはず」

「待った。赤い点が見えたぞ。これは凄い。ひらがなでもうじき、われわれはと赤が消え、次は黄色だ。侵略へと動き出す。黄色が消え青だ。さあ武器をとり、出陣の時だ」

「そうです。デッドハラン王国の民にしか見えないよう細工してあります。赤と黄色は数秒後に自動で切り替わりますが、青の部分は日程をしていただければ、その日にお見せすることができます」

「俺には見えないのはなぜだ?」


 作成者に聞くとそれはと口曇り、もしかしてワイズと認識しているからなのかと伝えようとしたら師匠が伝える。


「すまない。君が逃走者であり、混乱を招いているが、私の隣にいるのはワイズではない。ワイズは双子だったのだ。兄のアイズという」

「ごめんなさい。まだ整理がつかない。ワイズにお兄ちゃんがいることを教わってないから」

「それはそうだ。俺は母さんのところにずっといたから。奪われた弟をずっと探し続けようやく見つけた」

「…そうですか。それはよかったですね」


 デッドハラン王国がどんな場所なのか、知っているような表情をしているも、師匠の顔を見る限り初めて出会った子。つまりひっそりとこの国で暮らしていたというわけか。この国がデッドハラン王国と手を組んでいることを知らずに。

 それを知っていたらすでに調査員に殺されていただろうな。


「どうされますか?これを全世界にお配りしても」

「日程は後日知らせても良いだろうか?」

「構いません。てわのメールアドレスに日程と時間を頂ければ細工は可能です」

「気に入った。今後は調査員のための伝言とかをニシャ、君に頼もう」


 ありがとうございますとお礼を言うニシャ。

 俺にも見える日が来るのかは分からずとも、俺も広告を作ってもらおうかなと少し興味が湧きながら商談は終わり、師匠と共にデッドハラン王国へ帰還した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ