39話 リセット
ニュラン町に行ってみるも、情報を教えてくれた人はすでに引っ越してしまったそうで振り出しに戻ってしまった。今は本部で事務仕事をしていると、内線でアイズから呼び出される。
軍隊長室に入ると資料が散らかり放題になっていて、今どかすとせっせと資料をどかしていくアイズ。
私も資料をどかす手伝いをし、だいたい座れるスペースができたところで例のことで指示が出たっぽい。
「島に行ってルシャンダに告げるよう言われた。もし行きたくないなら、俺一人で話をつけてくるけどどうする?」
勝手に島を出てって歓迎されるかはわからない。それでも私は今、アイズのパートナーとして働いているから行くことを決める。
「私も行くよ。ミライ連れてっても大丈夫?」
「平気。なら早速連絡して行こうか」
アイズがルシャンダに連絡とっている間に、私は託児所に預けていたミライを引き取りに戻る連絡をした。ルシャンダが準備をしてくれるらしく、その間にミライを引き取りに向かう。
「突然といなくなったから、みんなびっくりするかな」
「どうだろうな。普段と変わらないんじゃないか」
そうだといいなとアイズの車に乗って数分後に、託児所に着きアイズは付近で車を止めてくるらしい。
ミライはあれ以来、パパと呼ばないからきっと大丈夫だよねとミライを引き取り、ベビーカーに乗せる。マンマと私をよく呼ぶけど、アイズをパパと呼んでいる姿はない。
ベビーカーについているおもちゃで遊んでいるミライを見ていると、お待たせとアイズが来て久しぶりにゲートで行くことになった。
ルシャンダは帰宅部でもあり、すぐゲートが開いて久しぶりの島に帰る。
「おかえりであります」
「ただいま、ルシャンダ」
「それで話ってなんでありますか?」
「俺が話しつけとくからリアはミライをみんなに会わせてきなよ」
いいのと思いながらも遠慮なくミライを抱っこして、みんながいそうな場所を探した。まだ学校かなと建物を歩いていたら、コルアがびっくりした顔でこちらを見ている。そしてコルアは嬉しそうな笑顔で、ハグしてきた。
「リア、ミライ。こんな早く帰ってくるだなんて」
「ううん。ちょっと島に用事があって来ただけなの」
「それでも嬉しいよ。おいでミライ」
ミライは笑顔でコルアに手を伸ばし、ゆっくりとコルアにミライを預ける。
「シングルキツくない?」
「全然平気。アイズが手伝ってくれるから、そんなに苦じゃないよ」
そ、そうとぎこちない返事で、ルシャンダから見せてもらったらしい動画について話す。
「あの動画、見たわよ。ワイズをしっかりお父さんだって理解してるもの」
「そうかな」
「そうに決まってる。じゃなきゃミライがパパって呼ばないはずだもの」
ねえとミライに話しかけているコルアで、続々とみんなに出会い、ミライ抱っこ争奪戦が始まってしまった。人見知りはなく誰にでも笑顔を見せるミライで、みんなに会えてよかったねと見ていると姉貴とキアの声が聞こえた。
コルアに見ててもらい、私はキアと思いっきり抱きつく。
「ごめんね、何も言わず出てって」
「いいよ。僕のほうこそ、ごめん。姉貴が苦しんでるのに相談に乗れなくて」
「いいの。学校どう?」
「んー実技試験は得意だけど、筆記試験やばいかな。あのさ、姉貴」
ん?と首を傾げるとここでは話しづらそうな感じで、建物から出て浜辺で聞くことにした。
「姉貴はこれからどうしたいのかなって。ワイズのことを思って離れて過ごしているのはわかってる。それでもワイズの隣に寄り添えない?」
その言葉に私はキアからどこまでも続く海を見て、正直なことを伝える。
「ワイズのそばにいたい。記憶回復も手伝いたいよ。それでもね、ギーディスに言われた言葉がたまに思い出しちゃう。悪影響なことはやめてくれという言葉。ワイズが苦しむ顔を見たくなくて、逃げ出したの」
「ワイズはそんなこと一度も思ったことはないと思う。最初は苦しかったかもしれない。けどさ、姉貴が毎日送り続けていた写真のおかげで、治療も専念できたって聞いたよ。今は記憶がなくてもワイズは一生懸命に姉貴とミライのこと思い出そうとしてる。だからさ、帰って来れない?」
本当に帰っていいのか迷いが生じている。ワイズと過ごす内に変化が生まれるのはもちろんのこと。それでも私はまず耐えきれないと思って、この島から離れることにした。
ミライにとってはどちらがいいのか、判断はしにくくもワイズの負担にならないようにしてる。
言葉を積もらせていたら、リアとワイズの声が聞こえ立ち上がった。キアは微笑んでワイズとバトンタッチしワイズがこっちに来る。
「はあはあ、悪い。ルシャンダから連絡来て、リアが来てるって言ってたから掃除終わらせて即帰って来たから」
ワイズは息を整え少し歩こうと言われたから昔みたいに靴を持って歩き出す。
「リア、苦しませててごめんな」
「ううん。体調のほうは?」
「だいぶ良くなったけど、定期的に通院はしてる。大事なものの記憶がなくても、ミライの写真に救われてたんだ。ありがとな」
いいよと相槌を打ちながら、ワイズは私に告げていく。
「兄貴にさっき言っといた。記憶がないからといって、俺の彼女に手出すなよって。本当はさ、記憶戻してから渡そうと決めてたんだけど渡しとく」
なんだろうと待っていると左手をとり、薬指に何かがついた。ワイズの手が下りるとそこにはなんと可愛らしい指輪でピッタリ。
「記憶がはっきりしてないんだけど、リアが誘拐された時にさ、インディに作ってもらってたらしいんだ。インディがそれをずっと保管してたらしくて、思い出したら渡してやれって。ただみんなの噂、聞いちゃってさ。早く渡しておこうって決めた」
インディったらなんで私に言わなかったんだろうと嬉しくてありがとうと素直に伝える。
「まだミライに会えてない。一緒に行こう」
ワイズに手を差し伸べられ、手を握ろうとした時のことだった。私の手をとったのはアイズとそしてなぜか島にいるティル。
「離せ」
「そっちこそ離してもらえない?」
アイズとティルがばちばちしていて、この状況は何と様子を伺っているとワイズも私の手をとる。
「二人ともなんなんだよ。リアは俺の」
「知ってるけど、僕は諦めたつもりはないし、ニディアが許してくれたから今日、ワイズに宣戦布告をしにきた。そしたら、まさかワイズの兄であるアイズもそのつもりみたい」
「お前はニディアのフィアンセだろ?邪魔してくるなよ」
「いい加減にしろよな。記憶がなくても俺とリアはすでに」
知ってると同時にはもる二人で、この状況見ているならルシャンダ助けてよと思っても絶対に助けてくれなさそう。
「ミライはどっちを父親として認識してるのかわからないが、いずれわかる。だからティルは諦めろ」
「諦めないって何度も言う。僕は元々リアが好きだ。実際にリアはワイズがいない間、僕と一緒にミライを育てるつもりだった。それなのにアイズはリアに何を吹き込んだか、ワイズ、この兄貴相当やばい奴だ」
なぜそれをティルが知っているのと少々ほおが赤くなっていると、そう言えばニディアに話したんだ。
「ティルはニディアのフィアンセであり、殺人者には変わりない。何かがあると感じてやめておけって伝えたんだ。それに噂が流れ匿っていたのは俺の両親だ。せいぜい従ってもらわなきゃ、ティルわかってんだろ?」
「それでも今回は引けない。だいたいさ、ワイズが記憶なくしてラッキーな顔してんのばればれなんだよ。ワイズ、これはニディアから聞いた話なんだけど、アイズの部屋は」
ティルが言おうとした瞬間にティルの口を塞ぎ込み、喋るなよという圧をかけている。そろそろ離してもらってもいいかなと思っていると、三人ともやめるであります!とルシャンダの放送が流れた。
三人はごめんと手を離してくれて、ゲートが開きあなたたちとコルアの拳骨をもらう三人。
「リアを困らせてどうする気だった?せっかくいい雰囲気だったのに、邪魔する二人は連れていくからワイズとリアはゆっくりね。行くわよ」
コルアの瞬間移動ですぐいなくなり、大丈夫だったと心配する。
「うん。ちょっとびっくりしちゃっただけだよ。アイズからは告白されてたけど、まさかティルもまだ私のこと思ってくれてただなんて思わなくて」
「兄貴に告られてたのかよ。ちょっぴりショック」
「でも断ったよ。私はワイズがいいし、このまま記憶戻らなかったらシングルマザーとして育てるつもりだったから」
そうなのかと少し落ち込んでいるも、ワイズの正直な言葉をもらう。
「たとえ記憶がなくっても、俺はリアとミライと過ごしたいし、一緒にやろうって決めてたことやりたいんだ」
まさかこんなこと言ってくれるだなんて思わなくて、つい抱きつくと抱き寄せてくれる。
「こんな俺でもいい?」
「もちろん。私はずっとワイズのそばにいるよ。ミライも望んでるもの」
「ミライと初対面。兄貴の奴、後で叱っておかないと」
話しているとゲートが開いて、ワイズは私の手を握りミライのところへ行った。するとアイズとティルがミライを見ていて、ミライと呼びながらしゃがむワイズ。するとミライはやっと会えたというような笑顔でパーパとワイズのところへ行く。
そのことでここにいる全員が涙を流しながら撮影をしていた。ワイズの顔をペタペタと手をつけては大はしゃぎで、それを見守る。
その夜、川の字となって寝ているとミライが泣き出しそうな感じで、ワイズの部屋から出て廊下を歩いた。どうしたのと背中をポンポン叩くも泣き止まなそうで、会議室に入り泣き止むのを待つ。
おむつは寝る前に変えたし、濡れてる様子ではなく、何かの病だとしても私が治療で治せるからな。するとワイズかと思えばアイズでどうしたと様子を見に来てくれた。
「急に泣きそうになって出てきたの」
「そう。おむつとかじゃないもんな。どうした」
アイズが抱っこしようとしたらさっきよりも泣いてしまい、モニター室で寝ていたルシャンダがあくびをしなガラどうしたでありますかと入ってくる。
状況を把握してルシャンダがガラガラでやっても、泣き止まない。アイズが病院に事情を話し、ルシャンダの力で救急病院へと急ぐ。お医者さんに診てもらい、病気とかじゃないよねと診察が終え下される。
「能力判定はしてますか?」
「はい。もうすぐで結果が入ると思います」
「ミライ君の容体はいたって健康です。おそらくですが、能力の開花が出始めるケースかもしれないと見ていいでしょう。ちなみにご主人は?」
「ワイズです」
「ちょっと待ってくださいね。ご主人の能力は無効化で奥さんは治癒能力者。二人の能力からにして、医療系や効能系の能力かもしれません。少し自分の能力に驚いて泣くことがあるので、心配はいりませんよ」
それならよかったと安心して会計を済ませ島に戻った。
翌朝のこと、ワイズがいきなり叫び出すから起き上がり、それによってミライが泣いてしまう。ワイズはベッドから転げ落ちていて、私たちを驚愕していた。
「ワイズ、急にどうしたの?」
「…お前誰だ?」
えっと混乱が招き嘘でしょと固まっていると、アイズとキアが来てワイズは再びお前ら誰だと呟く。
「何言ってんだよ、ワイズ」
「ここはどこだ?俺は誰だ?」
信じられないことで頭がついておけずにいて、アイズが私にアイコンタクトするからミライを連れてワイズの部屋を出た。
「自分のことも僕たちのことも忘れてる。一度、病院へ連れてったほうがいいんじゃない?」
「だな。心配だろうけど、リアはミライを見ててくれ。俺がワイズを連れて病院へ連れて行く」
「私も行く」
「だめだ。ミライが泣いていた原因がわかるかもしれない。リアは一度ミライと家に帰って能力判定の書類が届いているか確認してほしい」
納得できないけれど、ワイズは混乱してるし、とにかくアイズの指示に従うことにする。
ルシャンダにゲートを開けてもらい、見届けた後、新しくゲートを出してもらってマンションの入り口へと到着した。信じたくはないけれど、ポストを確認し一通の手紙があって確認すると能力判定結果の通知。
家に入り封を開け確認してみるとミライの能力は記憶のリセット。はっと思い出して、アイズがどうしたと代わってもらおうとした時、大泣きした。つまりミライは自覚しているかのように泣いていたってことなの。
私は治癒能力があるから、ミライに触れてても大丈夫。このことギーディスと総司令官に伝えるとしてもすでに知れ渡っている可能性は高い。
ピコンと鳴り確認するとギーディスからで、今すぐにミライと一緒に本部に来なさいというメッセージだった。
泣き疲れちゃってコルアに見ててもらっているけれど、今後誰かの記憶をリセットする確率が高いと思い島には帰れない。ルシャンダにゲートを開けてもらい、ミライを引き取って本部付近のゲートを開けてもらう。
「姉貴」
「キア、ごめん。しばらく会えないかもしれない。みんなにも謝っといて」
キアに伝え私はゲートを潜り、本部へと急ぐ。ミライを奪われるかもしれないという恐怖心がありながらも、成長するまでは厳重に警戒が必要となる。
まだ出勤時じゃないから中は誰もいなく、総司令官室へと向かった。少し不安がありながらノックすると総司令官の声ではなく、ギーディスの声で入れともらう。失礼しますと伝えながら中に入り、そこに座れと言われたから座った。
「状況はアイズから話は聞いた。よりによってミライがその能力を持つだなんて信じたくはなかったが覚悟はしていたよ」
「私も衝撃なことでまだ受け止められない。夜泣いてアイズが抱っこしようとした時に拒否して泣いたの。ワイズの記憶をリセットしてしまったのは自覚があるみたいだった…」
ミライは誤ってやってしまった行為で誰もミライを責めたりはしない。
「まだ赤子だから時に誤ってしまうこともある。シフォンを呼んでしばらくは能力を封じてもらうが、記憶回復を見つけるまではワイズと接触を禁じ、アイズを同居させろ。万が一、リアの記憶が消えたら大事になるからな」
「はい…」
シフォンが来るまでここで待つよう言われ、ワイズとこれからいろんなことやっていけると思ってた。ミライの能力をみんなは受け入れてくれるのかな。どうなんだろうと体を縮こませていたら、扉が開きそこにはお兄ちゃんがハグした。
「ミライの未来見てあげられなくて悪かった」
「いいの。ワイズはもう死なないから、違う方法で探す。だからお兄ちゃんはお兄ちゃんしかできないことをして。私は大丈夫だから…」
「記憶回復者がわかったんだよっ。そいつがデッドハラン王国に所属していることもわかった」
「それじゃあ、行くの?」
「いや、その前に別の事件が起きる。だから急いで帰って来た。ルマが処刑される事件。それを阻止しに行く」
ルマが処刑されるだなんて信じたくはない。それにお兄ちゃんに聞きたいことがある。
「お兄ちゃん、館長はどこにいるか知ってる?」
「あいつはデッドハラン王国で幽閉されている。なんであいつのこと心配してんだよ」
お兄ちゃんはハグするのをやめ、不機嫌な顔になった。最悪な記憶しかなくても、逃走するまでは育ててくれたようなものだから少し心配してたということは伏せておこう。
「ちょっと気になっただけ。となればルシャンダにはすでにアイズが話しつけてるよ。ただ私はしばらく外出できなるかもしれない」
「そこまでしなくてもいいはずなんだけどな。ミライは大好きなパパに会えて喜んでたのに、嫌な思いさせちゃってごめんな」
お兄ちゃんがミライに触れようとして、私が止める。
「まだシフォン来てないから、触れちゃだめ」
「悪い。それよりエンディードでなくてよかったな。ミライの泣き声で目が覚めたら危なかったし」
そっか。私の血を受け継ぐからエンディードを出せることもできるんだった。もう少し大きくなったらファンズマのことについて教えてあげよう。
「どうする?フリジンダ社のこと。本来ならワイズがやることになってたけど、記憶がリセットされたことで何も思い出せない。このまま表に出さず終わらせてもいいんだぞ」
ワイズのために準備してきたことが全て水の泡になる。記憶を全てなくしてしまったことで、やりたかったことをできないまま治療に専念するだろうな。それでも希望は持ちたいし、みんなの意見も聞きたい。
「お兄ちゃん、みんなと話してからでもいいかな?リーダーたちにもいろいろ手伝ってもらってたこともあったから」
「わかった。俺もしばらくトラベラーはしないから、いつでも頼れよ。時々様子見に行くし」
ありがとうと伝えていたらシフォンがお待たせしましたと息を切らして来てくれた。失礼しますねとシフォンは優しくミライに触れ能力を封じてもらう。
少しするとミライが微笑んで寝ていて、安心できたかなと感じた。
「驚きました。まさか、ミライ様が記憶のリセット能力者だなんて。ニューダ社も大変驚かれていましたよ」
「そっちにも情報行くようになってたんだね。うん、私も内容見た時はびっくりしちゃった。しばらくはシフォンが守ってくれるから、もう少し大きくなったらちゃんとミライに伝えるつもり。ありがとね、シフォン」
「いえ。キアがとても心配されていたので」
キアとうまくいっててよかったと笑顔でいると、お兄ちゃんがキアがお前ととシフォンの周りをいかつい目で見ている。あれキア、お兄ちゃんに伝えてなかったのと振り返っていたらアイズが入って来た。
「ミライは?」
「能力封じしましたので、問題はありません。ワイズ様のほうは?」
「まだ混乱してて、母さんがそばにいる。ミライがやったということは伏せてあるから安心して」
実の息子に記憶をリセットされてしまったことを告げたら、ワイズはどう感じてしまうのか想像がつかない。本当はそばに言いたくてたまらないのに、ギーディスから言われちゃったら従うしかないよね。
「ちょっくらワイズの様子見てくるから、アイズ頼む。シフォンはキアが落ち込んでると思うから連絡してあげて」
お兄ちゃんとシフォンは言ってしまい、アイズが隣にきて私はアイズの胸を借りてしばらく涙が止まらなかった。
◇
ワイズの病室をこっそり覗くも、声をかけても混乱させるから入ることはしない。未来を見に行っている間にこんなことが起きるとは正直、嘘であってほしいと願いたかった。
廊下で突っ立ていたら後ろから引っ張られ振り向くと目が腫れているにディアがいる。
「ニディア…」
「ニディア、どうしたらいいの?ワイズお兄様の記憶っどうしたらっ」
「そうだな。俺もまだわからない。ワイズの未来を見に行こうか迷ってる。それを見たらどんなことが起きるのかは想像したくないけど、一つの未来を見てリアのサポートに回る。それからニディア、わかってるだろう?」
ぐずんと鼻を啜りながら、ニディアは涙を止めて俺に聞いてきた。
「…本当に起きるの?」
「起きる。それまでになんとしてでもワイズの記憶を回復させなければならない。とにかくニディアはティルと行動して、ワイズの記憶に関わるものなんでも探してほしい」
「わかった。アイズお兄様に任せっきりはしたくないけど…リア義姉様とミライのために探してみる」
頼むなと伝えニディアはティルのところへ行き、次はとニュラン町へと向かう。こっそりヨウミをニュラン町に住まわせた理由が実はある。
ノックをするとタングが扉を開けハディックを除く、四天王とヨウミが勢揃いだった。
「ワイズは?」
「完全に記憶を失った。その挙げ句にアイズが監視下としてリアのそばにいさせる。これで全てが繋がったよ。未来で見てきた内容が、簡単にリアとミライがデッドハラン王国に幽閉された意味がな」
「そうとなればわんぼの出番ってことっすね。ミライ君のために安全性のガラスで作るっすよ」
「状況はなんとなく把握はしたじゃん。それでもあいつ自分たちからミライを簡単に手放さないじゃんよ。どうする?」
「うち、療養中だったからミライに一度も会ってないから、会いたいな。ファンズマだから記憶消されないよね?」
タング、ノデッド、ウリが話していて、ファンズマの記憶が消されるのかは定かではない。するとヨウミがあることを言う。
「我が輩は父上と同じことができるようになった。リセットの能力を消すこともできる。そうすればミライはみんなに会えるのではないのか?」
「いや、カディヴィアの王族は誰もが能力を持っている。そう簡単に消すことは許されないから、ヨウミに頼まなかったんだろ」
事実を述べているとヨウミは心に矢が刺さったようにぶっ倒れてしまい、タングがしっかりしてくださいっすとヨウミを起こしている。
「だからまたやってもらわなくちゃならない」
頭を下げるとタングが代表で言ってくれた。
「大丈夫っすよ。悪役は何度も経験してるんすから慣れてるっす。そうとなればエピルス本部を再現させないとっすね」
三人は頷き、頼むよとヨウミたちに早速、動いてもらうことに。




