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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
9/95

現実

 数日後、弁護士から電話があり母が話をしてから受話器を置くと怒りをあらわにしながら


『事故の相手が18歳の未成年者で先輩から車を借りていて、その先輩が20歳で、20歳以上じゃないと保険が下りない契約の任意保険に加入していたから自賠責保険は降りるけど、運転していたのが18歳の未成年者だから金額が多きい任意保険は降りない』と言われた」と言い、泣き出しそうな表情になっていた。

 

 話している内容の意味はあまり分からなかったが、不安そうな表情から良くない事が起っていると察しながら「どうするの」と聞いた。


『裁判をして勝っても相手は未成年だし破産宣告をされたらお金を取れなくて、、親からも『払わない、知らない』と言われたら、お金は取れないので裁判は辞めた方がいい。自賠責保険でも結構な金額が取れるから』と言われて、


それでもお父さんが死んで納得が行かないから裁判をして欲しい、別に5万円と消費税と裁判費用を出したら裁判をしてくれるのでしょう。と言ったら


『それは無理です。裁判をするなら着手金としてあと30万円の消費税と裁判費用と合わせると数十万の経費が掛かります』と言われた」と話し、

 テーブルの引き出しの中から委任契約書を持って来てそれを見ていた。 

 

 しばらくそれを見て「ここに裁判になった時は着手金5万円の消費税って書いているのに」と怒った口調で話して、


 ため息をつき「これを見せて裁判をしてもらっても、お金にならないだろうから真剣にはしないで適当にされるのは嫌だから、気が進まないけどもう一度、和山弁護士に相談して来る。

前に行った時に、顧問としてお世話になっているので相談料はいらない』と言っていたので、もう一度行って見る」と言って、次の日に相談に行った。

 


 翌日の夕方、相談に行ってきた母は疲れた様子で帰ってきて、冷蔵庫からペットボトルの水をグラスに注いで一気に飲み干し「疲れた」と言って、話を始めた


『初めから私に委任しとけば良かったのに安く済まそうと思ったのだろう、着手金5万円なんて安すぎる。本人から取れないのならば親から取ったらいいのだよ、親から』


『そんな事が出来るのですか』


『私なら絶対に出来る。私が出来ると言ったら出来る。出来ないと言ったらどんな弁護士でも出来ない。裁判になっても裁判官にも信用があるしな、ただし着手金は30万円の消費税をもらうけど』と言われて、少し考えていると


『今決めないと私は依頼を受けない。他の弁護士には出来ないだろうし、誰もしたがらないだろう』と急かされて、


『分かりました、お願いします』言ったら、


 少しにやけた顔をしながら頷きながらキツイ口調で『分かりました、受けましょう。ただし今日お金を用意してください。それから今日の相談料は1万円だけど5千円に負けとくから30万5千円と消費税分を用意して下さい』と言われて、慌てて郵便局に行ってお金を降ろしてお金を渡してから今帰ってきた」

委任して大丈夫」


「お父さんが友達に『有名な政治家などにも顔が聞く弁護士だから』と言われて紹介してもらった弁護士だけど、

 以前会社で困った事があって相談した時には『和山弁護士はだめだった』と、お父さんが怒って、相談に行ったら『その件は無理、私が無理と言ったら絶対に無理。私が出来ると言ったら絶対に出来る』と言われて、別の弁護士に相談したら簡単に解決した』と言っていたから不安だけど、着手金も払って来たし他に弁護士に知り合いもいないから信じるしかないと思う」と、少し不安そうに言われ、


 頷きながら「うん、分かったと」と答えるしかなかった。。

 

 母はその後、前に委任していた若い弁護士に電話を掛けて「着手金は返さなくていいから辞任してほしい」と事の経緯を話し、翌日に事務所に行き、辞任の手続きとこれまでの経費の支払を払って、今までの書類を貰った。


 和山弁護士に会いに行く約束をしていた日までに、その書類を全てコピーしてから和山弁護士の事務所にコピーをした書類を持って行き渡した。

 

 それから1か月過ぎた頃に母から「和泉弁護士から電話があった」と話され、2日後に事務所に向かった。

 

 学校から帰って来ると母がいて、顔を見るなり「騙された」とカンカンに怒っていた。


「どうしたの」


「いきなり『あなたの言っている事は信用出来ない。相手の親に電話をかけると


『相手が青信号で渡っていても自転車に乗っていての事故で、車両同士の事故だから10・0と言うのはおかしいと思う。それにもし10・0だとしても子供がした事故なので、慰謝料などのお金は払う気はない」と言ってきていて、

 あなたが言っている過失争いの10・0と言っていたのはおかしいでしょう」と言われ、強くまくしたてられ、ネットで調べた過失争いの図と説明を書いている用紙を見せて、青信号で自転車専用歩道を通っていて、相手は携帯を見ながらの信号無視なので、この場合だと10・0だと、ここに書いています』と言ったら、


 自分の間違えを否定するかのように大声で


『そんな事はどうでもいい、相手が金を払わないと言っているので裁判をするしかない裁判を』


『裁判をしたら勝てるのでしょうか』


『そんな事は分からない、ただ裁判をするのだったら別に着手金30万円の消費税と、裁判費用と経費を含めたら、あと50万円位は掛かる。自賠責でも保険は降りるし相手もまだ若い子供だから許してやった方がいいんじゃないのか』


『この前に来た時に『絶対に取れる』と言っていたので裁判をやってもらおうと思います』


『絶対に取れる。そんな事は言っていない。だからあなたの事は信用出来ない』と、まくし立て怒鳴られて

『もう私はしない、この件からは降りる。後、着手金は今まで動いているので返さない」と言われて、


 この弁護士はやはり無理、最悪だと思って「分かりました。書類を返してください」と言ったら


『書類は返せない、書類に直接大事な事を書いているから返せない。ここに名前を書いてくれ』と書類の片隅に指を指してきたので、コピーだからいいやと思って名前を書いて帰って来た」と

、怒りをぶちまける様に話した。


[それって詐欺」


「相手は弁護士だし、言った、言わなかったの事で、証拠もないからどうしょうもない。会話を録音でも取っていたら良かったけど」


「どうするの」


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