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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
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医者のミス

「そうだよね」と、斎藤さんと同じ位の年齢の女の人が話し掛けて来て、名札を見ると山本と書いていた。


 斎藤さんが

 「旨く言ってないのか」と聞くと、


 窶れ目の下にクマがある顔を曇らせ「弁護士に不信感があって」と答えた。


「どう言う事なのですか」と聞くと、小さなため息をついて


「私は看護師をしていて、仕事の帰りに歩いていて自転車に乗っている19歳の男の子にぶつかって来られ、脳に出血をおこして高次脳機能障害だと言われてここの病院に来たのだけど、

 その前に国立がん研究医療病センターの癌の検診に1年に一度行っていて、ずっと問題がないと診察されていたのだけど、突然「ステージ4の末期の肺癌」だと言われ、おかしいと思いカルテ開示をして見ると、その1年前にレントゲンなどを見る放射線科の医者が(癌の疑いがあるので検査が必要)とカルテに書いて、主治医がそれを見落としたのか勝手な判断をしたのかは分からないけど、検査をしなくて、1年後の検査で「ステージ4の肺がんだと言われたの」


「それって医療ミスになるんじゃないのですか」


「そう。小さな病院だと放射線科医とかはいていないから診察医が、画像情『問題はない』と言って、その後、癌が見つかったとしても「その時の診断です」と言ったら、医療ミスにはならないけど。放射線医がいているような大きな病院で放射線科医が『異常がある』と書いているのに、それを見落としていたり、無視をしている事はミスになる。

これまでの裁判でも認められているから」


「そうなのですか。俺も脳内出血で病院に行って入院中に『別の動脈瘤が2回破裂していた』と聞いたけど、『MRI画像では誰も動脈瘤がある事に気づかなかったと』言っていたから、医療ミスにはならないのでしょうね」


「カルテを開示して見て見ないと分からないけど、誰も『気づかなかった』と言っているのだったら、多分ならないと思うよ」


「そうですか」


「多分だけどね。

 国立病院や大学病院のような大きな病院だと忙しいから雑に見てる医者もいていると思う、

 ただ忙しくて激務と分かって、そこで働いているのだからキチンと見て貰わないと。

 それが出来ないのだったら、国立病院や大学病院を辞めてもっと楽で稼げる病院に行ったらいいのに」


「そうですよね。

 今の医者が嫌で、やなだ先生に良い医者がいないか相談をしてセカンドオピニオンをしようかと考えています」


「セカンドオピニオンは、患者の権利だからした方が良いと思うよ」


「そうですよね。あ、それからどうなったのですか」


「自転車事故の事はネットで調べて事故に強そうな弁護士を入れたのだけど、担当していた弁護士が辞めて、同じ事務所の別の弁護士に代ってから全然進んでなくて、

 がんの方は元検事の弁護士を入れたのだけど相手の弁護士に遣られて、自分から『辞めたい』見たいな事を言っていたので、着手金を返して貰って辞めてもらった。

 その後、新聞で同じ様な医療ミスの事が書いていた記事を見たので、そこの新聞社に投稿して見たら記者の人から『会いたい』と言って来てくれて、会った後に、ネットで調べて医療訴訟に強そうな弁護士に相談しに行って、その弁護士に頼んだ。

 その後記者会見をして新聞やテレビなんかに取り上げられて裁判になったのだけど、弁護士が医療の事を余り分かっていないようで、あれをやってくれ。これをやってくれ。と言って来るばかりで高い弁護士費用を払っているのに何もしてくれていないように感じて、

 言われた事をするのも大変なのに事故で頼んでいる弁護士も働いている事務所を辞めてしまって、新しい弁護士に代わってから、また1から説明をし直しで全然進んでなくて」と、疲れ切った様子で話していると、

 

 斎藤さんが、

「テレビなんかでも、出演している弁護士の話を、間違いなく正しい様な言い方をしているけど弁護士は裁判官じゃないから。裁判所でも地裁や高裁、最高裁などいろいろ分かれていて、それぞれで裁判官の意見が違い新しい判決も出ているのに、弁護士が「こうなるかもしれない、こうなると思う」と言うならまだいいけど、「こうなる」などと言い切るのは、おかしいと思う。

 テレビドラマなんかでも弁護士や医者が主役の良い事ばっかり言っているドラマなどが多いし、

 弁護士や医者だけじゃなく裁判官や検事が悪い事をしてニュースになってテレビで取り上げられても直ぐに消えてなくなるし、

 法律を盾にずる賢く悪い事をしている奴らは沢山いてると思うけど、弁護士や医者で悪い事をしている奴ほど達が悪いのは最低な奴らだと思う。

 法律を作る政治家や法律家、判断をする立場の奴らや医者に、皮膚科や眼科の専門医に脳の手術や心臓の手術をして貰いたいと思うのか。

 離婚問題や金利の過払い金などを専門としている弁護士に、医療訴訟や殺人罪などの重大な刑事事件や民事訴訟の裁判を任せられるのかと聞きたい。

 自分や、自分の家族がその立場になったらどうするのかと」

 

 山本さんが頷きながら「やなだ先生が書いている本を読んだのだけど、(やなだ先生の息子さんが大学院に行っている時に交通事故にあって、重度の高次脳機能障害と身体の障害が残ったらしくて、自ら高次脳機能障害の勉強をして高次脳機能障害の専門病院を作った。)と書いていた。

 だから高次脳機能障害になった人や家族の事をよく分かってくれるのだと思う。

 病院自体利益も出ていないみたいだし、自分の人生と命を懸けて医者をし、病院を経営している様に思える」


「そうか」と頷きながら、斎藤さんが

「確かに、ここと同じ様な病院がないはずだ。儲からなかったら誰もしないよな」と話し


「そうだよね。私も頑張らないと、命ある限りは」と、山本さんが微笑みながら言った。



 国立脳医療センターの診察の時、主治医に「星野脳神経に行って見たいので、紹介状を書いて欲しい」と話すと、凄く嫌な顔をしながら


「星野先生は高齢なので今は手術をしてなくて、ここの病院に手術を頼んで来る事もあるし、医療機器も、あそこの病院よりここの方が良い物があるから行かなくていい」と言われ、


 やはり嫌がって来たなと思いながら「高次脳機能障害のやなだクリニックの先生に言われたので」と言い返した。

 

 主治医は曇った表情になり、少し間を開け「星野脳神経では高次脳機能障害は見ていないはずだけど、それなら紹介状を書くけど高次脳機能障害の病院の先生からも紹介状を書いて貰って」と言われ、

 

 他の病院の悪口なんて言わなくてもいいのにと思いながら帰った。


 電車を2本乗り継ぎバスに乗って降り、そこから2分位歩いて星野脳神経に付いた。


 受け付けを済ませ、2通の紹介状を渡した。

 

 暫くして名前を呼ばれ診察室に入ると小柄だがオーラがあるように感じる先生がいて、

 予め国立脳医療センターから連絡が言っていたようで、国立脳医療センターからの脳の画像を見ながら事細かくモヤモヤ病についてと、今の症状について説明をしてくれ

「これからの診療、治療をどうしていくのか」と聞かれ、 


 診察中は鋭い目つきでスタッフに指示を出し、遅い時に怒る事があったが、丁寧に分かりやすく時間を気にせず説明をしてくれていたので、この先生だったら大丈夫だと思い

 

「国立脳医療センターの主治医が嫌なので、ここの病院で見て欲しい」と話して、星野脳神経で見て貰える事になった。




            ・・・・・・


 城が捜してくれたモルディブの島に行く事に決めた。


 「モルディブの首都マーレまで飛行機で行き、そこから水上飛行で島まで送迎してくれて結婚式が出来て。

 ダイビングでは日本人のスタッフがいて、ハウスリーフでのビーチダイビングの無制限ダイブが出来、ボートダイビングでは運が良ければマンタやジンベイザメが見られる島だから、運が良かったらだけどな」と言われ、


 そこの島の最高級の水上コテージに7泊8日で泊まる事にして。

 初めての海外旅行で病気になってから狭い所が苦手になっていたので、飛行機は思い切ってビジネスクラスにした。





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