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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
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突然の父との別れ

 中学2年の1学期の終り頃に、母から学校に電話があって、

 「父が交通事故にあった」と、担任の先生に告げられ、

 1歳年下の妹の星優と、先生の車に乗せてもらって病院に向かった。



 病院に入りエレベーターに乗って病棟に着き、看護師さんに父の病室を教えてもらって病室に入ると、

 

 母が、横になっている父のベッドの横に座っていて、泣いていた。

 

 父の顔を覗き込んで見ると真っ白になっていて、いつもの姿とは違い死んでいると、すぐにわかった。

 

 星優が父のそばに行って顔をのぞき込み、涙を流した。


 その姿を見ながら父に近づき、昔の思い出と、もっと父と遊び、話をしたかったと言う色々な思いが込み上がり、泣いた。

 

 

少しの時間が過ぎて、母が話をはじめた


「お昼休みに、お昼ご飯を自転車で買いに行く途中で信号無視の車にはねられた、即死だったみたい。

 相手は運転免許取りたての18歳の子で、警察所に連れて行かれて『事情調書を受けている』って警察の人がいっていて、病院の費用の事などの事聞くと


『たぶん保険には入っていると思うから大丈夫だとは思うけど、民事の事は警察は無介入だから、弁護士に相談した方が良いと思います。無料相談所などもあるのでネットで調べて下さい』と言われた。

 だから葬儀が終わってから相談する弁護士を探すから、辛いと思うけど何も心配しないで」と、

力強く言われ、2人で「うん」と頷いた。


 葬儀には父の会社の関係者や友人、学校の同級生達、妹の同級生も来てくれた。

 

 父の会社で以前からお世話になっていた森光公認会計士の奥さんの由香さんと母は仲が良く、いろいろと手助けしてもらっていた。


 

 葬儀が終わった2日後に母は、父の会社の顧問弁護士をしていた和山弁護士に相談に行った。


  学校から帰ると、少し不機嫌そうに「なんか好きになれない、あの弁護士。お金の事ばかり言って、


『今回の事故では多額の慰謝料や休業補償が保険会社から取れるから、着資金が税抜きで30万、裁判になったら別に税抜き30万、成功報酬が10%』と、いやらしい口元をニヤつかせ、笑みを浮かべながら話して、

『私に任せなさい。私は多くの政治家やタレントなどにも知り合いがいて、信用があるから任せておけば大丈夫』と言われて、『少し考えさせて下さい』と言って、帰って来た。


 お父さんが亡くなった時に警察の人に、

『弁護士の無料相談がある』と言われたから、少し事故の事や弁護士の事に付いてネットで調べて、勉強する」と言って、部屋を出て行った。



 翌日の朝、

「ネットで調べた無料の弁護士相談に電話をかけて、行ってみる」と言っていた。


 学校から帰ると母は帰って来ていて


 「若いけど優しそうな弁護士で、着資金も『税別で5万円と交通費や郵送代などの経費と、裁判になったらプラス税別の5万円で、成功報酬が取れた分の11%』と言われて、行く前にネットで調べていたら300万円を超える成功報酬の相場は10%ぐらいだと書いていたので、10%にしてもらえないですかと言うと、

 

快く、

『良いですよ。ただネットの情報は間違った情報が多いので、これからは調べたりはしないで下さい』と言われたけど、優しそうだったから委任して来た」と、委任状を見せてもらい、

委任状にはその事が書いていた。


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