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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
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初恋

 中学3年の卒業式の日に翼に告白をした。


 高校には行かずに料理屋で働く事が決まっていて、もう会う事もないと思い、思いを告げた。


 

 卒業式が終わって教室の中で、女子達と話をしている時に思い切って,

[話があるから廊下に来て」と,話した。


 友達と話をしていた翼は少し驚いた様子で話を止めて席を立ち、キョトンとしている女子達に軽く会釈をして2人で廊下に向かった。


 どきどきしながら緊張を隠し、

「ずっと好きだった。

 もう会えなくかもしれないから思いを伝えたかった。

 付き合いたいとかじゃなくてただそれだけだから」と告げ、


 翼が何かを話そうとすると、別のグループの女子が教室から「翼」と呼ぶ声が聞こえてきて


「それだけだから、聞いてくれてありがとう」と伝えて、立ち去った。



 翼を始めて見たのは小学1年の時の入学式のクラスの中だった。


 凄く可愛く見えて、何故だかイチゴの様に感じた。

 

 気を引こうとして、よくちょっかいを出したり、いたずらをして嫌われている様に思え、クラスの中でやさしい男子がいて、その男子といつも仲が良さそうに話をしていて、やきもちを妬いていた。

 

 入学式から2か月が過ぎた頃に激しい頭痛があって、先生に言うと

「家に電話を掛けるから、保険委員の翼に保健室に着いて行ってもらって」と言われ、翼を呼んだ。

 

 保健室に入ると小太りで怖そうな女の先生がいて、

「どうした」と、ぶっきらぼうに聞いてきて、

 翼が説明をしてくれた。


 先生がこっちを向いて「頭の何処が痛むんだ」と聞いて来て、


「わかりません」と答えると


「例えば右側とか左側とか前とか後ろとかあるでしょう。どこが痛い」


「全体的にいたいです」


「どんなふうに痛い」


「ズキズキ、ガンガンします」

 

 先生は立ち上がり頭を軽く触って、カーテンで仕切られた3つある右端のベッドに指を差して


「ここでお母さんが来るまで横になって」と言って、そこに連れていかれた。


 着いてて来てくれていた翼に先生が、


「あなたはもう帰っていいから」と、ぶっきらぼうに言って、


「保険委員なので担任の先生が来るまで付いていています」と言ってくれ、、

 そばで「大丈夫」と声を掛けてくれて、優しくしてくれて凄く嬉しかった。



 担任の先生が来て


「家に電話を掛けたけど誰も出なくて、何処に行っているか分かるか」


「お父さんがしている仕事の手伝いだと思う」


「電話番号、連絡先は分かる」


「分からない。でも家に帰る頃には居ているからもうすぐ帰ってくると思う」

 

 時計を見て、

「分かった連絡が付くまでここで休んでいなさい。それから翼は教室に戻りなさい」と言って、翼と出て行った。

 


 しばらく眠り、目が覚めると痛みがだいぶ治まっていた。


 しばらくしてから母親が来て担任と保険の先生とで話をし、話が終わって母と帰った。

 

 家に帰り母に、

「3歳の頃にひきつけ(痙攣)を起こして病院に行き『脳波に異常があって、てんかん』だと医者に言われた。今も寝る前に飲んでいる薬がてんかんを抑える薬だから」と言われて、

次の日は学校を休んで病院に行ったが「変わりはない」と言われた。



 頭痛は時々起こって、いつも翼に保健室に連れて行ってもらい、眠るとやわらいだ。


 母に「夜に行っている空手を辞めた方が良い、保険の先生が『眠ると治るので、睡眠不足からくる頭痛だ』と言っていたから」と言われて、仕方なく空手を辞める事にした。


 小学1年生から始めた空手で、週に2回18時から19時30分までだった。


 いつも父に送り向かいをしてもらっていて、甘い小豆が嫌いだったが空手の帰りに駅前で売っている回転焼きを父に買って貰い、食べるのを楽しみにしていた事もあって、辞めるのは嫌だったが言う事を聞いた。

 

 空手を辞めても頭痛は時々あったが、小学3年生になった頃から頭痛が嘘の様になくなった。


 翼とは小学1、2年生の時と5、6年生の時に同じクラスで、3、4年生の頃は違うクラスだった。


 でも時々すれ違うたびに話し掛けられなかったが遠くから見て、あの時の優しさを思い出し、3,4年生の頃から好きだと言う気持ちがさらに膨らんでいって、中学に入学しても思う気持ちは変わらなく1年の時と3年の時が同じクラスで、卒業式の時に告白をした。


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