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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
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翼への思い

昼過ぎに翼と城が来てその事を話すと、翼が


「信じられない、優しく接してあげないと。

 周りの人も見て見ぬ振りして笑っている人までいるなんて、

 いろいろな患者さんがいて、中には嫌な患者さんもいてるかもしれないかもけど、それを分かって働いて給料をもらっているのだから。

 まして弱い患者さんへの暴言なんて、それを見て注意しないで笑っている人までいるなんて、信じられない。

仕事が嫌だったら辞めればいいのに。

そう言えば個室も寒くて『暖房が個室だけ入らない』って、言っていたよね」


「久しぶりに顔を見に来たら、いきなりそれか。前の病院に行ったら集中治療室に入っていたから『身内の人しか面会できません』と、断られて面会出来なかったけど、前の病院も酷かったのか」と、少し怒った口調で城が聞いて来て


「前の病院でも達の悪い看護師が1人いたけど守ってくれる看護師もいて、医者も主治医は良くないように思えたけど、他の医者が良かったと思う」


「そうか、ここの病院が最悪なんだな。

 職員のパワハラに、それを見て見ぬ振りして笑っている奴までいるのは最低最悪だけど、

 個室だけ暖房を入れないなんて、経費削減だとしても酷いよな。

 夏の間は忙しくて来れなかったけど、これからの季節は暇になるからちょくちょく来るからな。

 それより店を閉めて、退院したらどうするんだ」


「妹に『意識が無くなって命の危険があって、助かっても後遺症が残る可能性がある』って医者に言われたから、お店は解約した」と聞いて、仕方がないと思っているけど、

 退院して落ち着いたらまた店を創めようと思ってるから、また新しい店を捜すよ」


「そうか、仕方ないよな。

 でも、まぁ、元気で良かった。また潜りに行こうぜ」

 

 

 2人が帰ると入れ違いに斜め向かいの車椅子に乗っている人も所にもお見舞いの人が来て、話し声が聞こえた。


「体の具合はどうだ」


『もう、足は動かせない』って医者に言われているけど、リハビリを頑張ってるよ」


「そうか。交通事故だから保険は降りるのだろうけど、障害年金なんかも降りるのか」


「お母さんが『社労士を入れる』って言っていたから大丈夫だと思う」と、聞こえて来て、


 そうだ俺も社労士を入れないと、と思った。


「そうか、それなら大丈夫だな。彼女とはどうなったんだ」


「別れるって言ったよ。だってこんな体になったから」と、涙を堪える様な震えた声が聞こえて、沈黙があり


「そうか、リハビリを頑張らないとな」と、聞こえて来た。

  


 その会話を聞きながら(モヤモヤ病で1度出血を起こすと再出血率が7%)と、国立脳医療センターのホームページに書いていたのを思い出し、


 翼とは、これからどうしたらいいのだろうかと考え悩み、その夜は眠れなかった。


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