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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
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少し理解が出来始めた

 翌日、翼が来てくれて屋上に車椅子で連れて行ってくれた。


「今、何月か分かる」


「12月」


「今、10月だよ」


「また、冗談を言って」


「じゃあ、何で半そでのTシャツを着てるの」と笑いながら言われて、


 それを見て「そういえば12月にしては、暑いな。マジで10月」


「そうだよ10月、12月だったら寒いでしょ。ここが何処だか分かる」


「ここは沖縄」


「違うよ。ここは大阪の国立脳医療センターだよ。『電車とバスに乗って行かないと行けないから、都大学病院より不便で遠く感じる』って、言っていたでしょう」


「え、あ、そうか」

 

 激しい頭痛とめまいがして、電車とバスに乗ってここに来た事を思い出して、

「ここは国立脳医療センターだ、ケータイを見せてくれ」と言ってケータイを見せてもらい、日にちを確認すると10月7日だった。


「本当だ、わけがわからないようになっていた」

 

「高次脳機能障害って言う精神の障害で、脳に損傷があって大きな手術をしているから仕方がないよ」と、優しく言ってくれた。


「仕事の事、星優から聞いた。ごめん、俺のせいで」


「大丈夫。1番大事な人のためだし」と、微笑んで「いろいろ考えたのだけど、一緒に暮らさない」と真剣な眼差しでいわれ、どんな言葉で答えて良いのか分からずに黙っていると、


「ごめん、いきなり。でも、考えて」


「ありがとう、ごめん。

 今は混乱しているから少し考えて、考えが落ち着いたら返事をするから、ありがとう」


「あと話しづらい事だけど、星優ちゃんと話をして、お店の契約を解約したから」


「え」


「意識が戻った時に、、

『高次脳機能障害があるから数か月は入院してリハビリをしないといけない。退院しても直ぐに店を始めるのは無理だと思う』と医者に言われたから、城君にも手伝って貰って解約の手続きをしたの、家賃も掛かるし、いつから仕事が出来るか分からないから。

 きちんとリハビリをして良くなったら、お店はまた出来るから。ごめん、勝手なことをしてごめんなさい」

 

 田中さんとの事を思い出し、泣きそうになるのを堪えて、

「そうか、分かった。仕方がないよ」と言った。

 

 

病室に戻ると妹がいて、


「さっき主治医が来て『血圧が高いのですけど』と言われたから『血圧が高いのだったら直ぐに血圧の薬を出して下さい』と、きつめに言ったから、本当にあの医者大丈夫かな、ここの部長なのに。

 それから食事制限の事を聞いたら『もう、何を食べたり飲んだりしても大丈夫』って言っていたから、コンビニにコーヒーを買いに行くけど何か食べたい物とか飲みたい物はある。あ、翼さんも」


「本当か、アイスクリーム2つとコーラーを頼む」


「私はカフェオレで」


「2つも大丈夫」


「大丈夫、大丈夫」


「分かったけど、お腹こわしても知らないからね」と言って、出て行った。


 妹が戻って来て、アイスクリームとコーラーの旨さに感動していると、


「お兄ちゃん、集中治療室ではほとんどご飯を食べなかったから心配していたけど、食べられるようになって良かった」


「人体実験の映像と匂いが頭の中にこびり付いていたからかな、今でもはっきり覚えているよ。本当に幻覚だったのかな」


 笑いながら翼が「間違いなく幻覚だよ。でも残さずに食事が食べられるようになって良かった」


「あー、ここのご飯凄く美味しいよ」


「ここの病院食は美味しいって、有名だからね」と言って、カフェオレに口を付けた。


 話をしていると担当の看護師が入って来て「美味しそうなのを食べてるね、でもいきなり沢山食べるとお腹を壊すかも分からないからほどほどにね。

 それから熱も下がったし、少ししたら大出屋に移ってもらうから」と言って出て行き、暫くしてから3人の看護師と来て、ベッドを大部屋に移して大部屋に移った。

 

 少し話をしていると、リハビリの担当の人が来て、


「今日から、リハビリ室でリハビリをするので付いて来て下さい」と言われ、

 外来診療のある2階に行き外来診療とは反対側の通路を進んで行き、リハビリ室に行った。


 大きな扉を開いて中に入ると、だだっ広い大きな部屋に多くのスタッフと患者がリハビリをしていて、

 若い男の方に向かい「今からリハビリをして貰う、理学療法士だから」と言って、変わられた。

 

 簡単な挨拶をした後、両サイドに手を付けて歩く練習をする器具を使って、手すりを持って歩く練習をし、軽くスクワットをした。

 

 その後、連れて来てもらった人の所に行って、

「作業療法士です」と、簡単な挨拶をされ、テーブルの上に小さな物を置く練習をしながら話をした。


「ここの病院で人体実験をしていたり、自分のクローン人間を作られていたのをはっきりと覚えていて、その話をしたら『幻覚だ』と言われたけど、幻覚だったのですかね」


「それは幻覚でしょうと」と、笑われ


「体を縛られたり、手に大きなグローブ見たいのを付けられて、外そうとしたけど取れなかったのを薄っすら覚えているけど、これも幻覚ですかね」


「それは幻覚じゃないですよ。縛っている所を外そうとしてもぐるぐる回るだけで取れなかったでしょう」と笑われ


「あまり覚えてないですけど、グローブ見たいな奴を外そうと歯でジッパーを下ろそうしたけど駄目だったのは覚えてます」


「そうですか、それも取れないように出来てますよ。

 でも良かった、くも膜下出血で同じ動脈瘤が2度も破裂していてドレナージと開頭手術をして助かったのだから」


「え、ドレナージと開頭手術って、2回手術をしたのですか」と、驚いていると


「え、そうだけど」と言ったあと話題を変えられ、

 

 リハビリが終わると、今度は若い可愛らしい女の人の所に連れていかれて「言語療法士です」と、簡単な挨拶をして、

 その後、個室に行って簡単な質問に答えてリハビリを終え、病室に戻った。


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