表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
58/95

意識が戻り「高次脳機能障害」と言われる

 車椅子に乗せられて、何処かに連れて行かれていた。

 

 後ろを振り向くと、見た事のない綺麗な看護師が車椅子を押しながら微笑み、


「何処に行くのですか」と聞くと、


「脳外科の一般病床に向かっています」と言われ、意識が朦朧としていた。


 

 目が覚めて周りを見渡していると、妹と翼が

「目が覚めた」と驚きながら声を出して、ベッドに近づいて来た。


 妹が「大丈夫、ここが何処か分かる」と言って来て、


 頷きながら「うん」と答えると、翼が「看護師を呼ぶね」と言って、ナースコールを押した。

 

 おしっこの管を付けられていたが、尿意がしていたので「トイレに行きたい、おしっこがしたい」と言うと、翼が


「管を付けてるからそのまましても大丈夫だよ」と話していると、看護師が来たので


「トイレに行きたい、管が気持ち悪いから取ってほしい」と言った。


「医者の許可がないと取れないから少し我慢していて」と言われ、よく顔を見ると車椅子を押してくれていた綺麗な看護師さんだった。


「松川さん、ここが何処だかわかりますか」と微笑まれ、


「はい、沖縄です」


「今は何月ですか」


「今は12月です」


「違いますよ。

 ここは大阪の国立脳医療センターで、今は10月ですよ」


「え、冗談ばっかり言って」と笑っていると、妹が看護師に


「高次脳機能障害ですね」と、看護師と何かを話し、看護師が部屋から出て行った。

 

 妹が近づき、

「お兄ちゃん、お兄ちゃんは高次脳機能障害と言う精神障害があるの。脳の何処かに損傷、異常がある人に起こる障害で、リハビリをすれば良くなっていくと思うから」


「よく分からないけど、障害者手帳は貰えるのかな」


「多分貰えると思うよ」


「店のお客さんで、こことは違う大学病院だけど『手術後に100万円、手術のお礼を医者に渡したら障害3級の手帳がもらえた』と言っていたから、手帳がもらえるのだったらラッキーだな」と、笑いながら話すと、


 頷きながら「そうだね」と言って、少し困った様な表情で、作り笑いをしていた。

 

 暫く話をしていると看護師が来て『医者がおしっこの管を抜いてもいい』って言っているので、管を抜きます」とズボンを降ろされ、おしめをしているのを見て驚き、

 管を抜いてもらい車椅子でトイレに行ったが、おしっこはほとんど出ずに戻って来た。


 部屋に入ると妹と翼が立ち上がり、妹が

「そろそろ面会時間が終りだから帰るね、明日の昼過ぎに来るから、翼さんは『明後日のお昼に来る』って、言ってくれてるから」と言って、2人で帰って行った。


 翌日朝食の後、昨日の綺麗な看護師さんが車椅子に乗せてくれて屋上の外に連れて行ってくれた。

 

 外に出ると晴れていて風が気持ち良く、多くのハトがあちこちに停まっていた。

 車椅子で周りを1週してもらいながら年齢やダイビングの話として部屋に戻った。

 

 昼食が終わって少しすると妹が来て「仕事を休んで大丈夫なのか」と、聞いた。


「両親が亡くなっていて、いない事はみんな知っているし、たった一人の肉親の兄が死にかけているのに働けとは言われないでしょう」と、笑いながら

「でも、意識が戻ったみたいだし、主治医の先生と話をして、2,3日様子を見て、病院に戻ろうかと思ってる。翼さんもいるしね」


「そうか、悪かったな。『大学院に行きながらは病院で働いている』って、言っていたから大変だろう。翼は大丈夫なのかな」


「翼さんは『看護師を辞める』と言っいたみたいだけど、婦長さんが

『小児外科じゃなく、休みが取れやすい科に移動出来るように頼んで見るから辞めない方がいい。

有給休暇も沢山残っているから』と言ってもらえたようで、小児外科から休みが取れやすい診療科に移してもらったみたい」

 

 

 夕方になって中年の女の看護師が、つかつかと部屋に入って来て「私が松川さんの担当看護師です」と、ぶっきらぼうに言われ、


「ここが何処か分かる」


「ここは沖縄」


「今、何月か分かる」


「今、12月」


「100から7を引いた数字を言って」


「93。え、えっと分かりません」


「そうか、分からないか。大変だな」と嫌味な顔をして出て行き、少ししてから若い男の人が入って来て、妹と少し話をしてから「体調はどうですか」と聞かれ


「大丈夫です」と答えると「リハビリをします」と言って、支えられながら立ち上がり、部屋の中を歩く練習をした。


 夕食を食べ暫くすると、さっきの看護師が来て体温と血圧を測った。


 血圧は上が180下が112で、熱が38・6度あり看護師が慌てて出て行き、

 しばらくしてから2人の医者と一緒に戻って来た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ