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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
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初めての仕事

 駅から3分位で店に着き、

 以前面接の時に行った店の隣の小さな扉を開いて、階段を上がりの2階のドアをノックして中に入った。

 

 中に入ると大きなテーブルの向こう側に着物を着た30代後半位の女の人がいて、こっちを見ながら


「おはようございます」と笑顔で言って、先生が頭を下げながら

「おはようございます。この子が今日からお世話になります、松川です」と話した。


「話は伺っております。」と、先生に会釈をして、

「あなたが今日から働く松川くんね。制服はⅬで長靴は26・5って聞いているけど間違いない」


「はい」


「男子のロッカールームはそこの左側で女子のロッカールームが右側で、ドアの前に張り紙が貼っているから間違わないでね」と、

 テーブルの上に置いてあった制服と長靴を渡され「付いて来て」と、ロッカールームに連れられて、中に入り、


「ここが松川くんのロッカー」と、鍵を渡され「着替えてきてね」と言われた。

 

 着替え終わって部屋に戻ると先生と女の人が椅子に座って話をしていて、女の人に

「ここに座って」と言われて、座ると先生が立ち上がり、


 女の人に「よろしくお願いいたします」と、会釈をして

「帰るから頑張れよ」と部屋を出て行き、少し心細くなった。

 

 着替えている時から数人の男の人が入って来ていて、

 9時になると男の人が4人と、同じ年位の男子が1人、20代前半位の着物を着た女の人が集まりテーブルを囲んで座り、そこに来るように言われ、そこに行って一緒に座ると、

 

 1番年上の50代前半位の男の人が、

「朝礼を始めます」と言うと、みんなが立ち上がったので一緒に立った。


「今日から新しく入る松川くんがいるから、簡単な自己紹介をそっちから時計回りにして言ってくれ」と言って自己紹介が始まり、最後に緊張しながら自己紹介をした。

 

 ホールは、来た時にいて制服をわたしてくれた人が店長で、

 「20代前半位の女の人が社員で、後2人の女性が社員で働いている」と言っていたが、


「今日は遅番なのでもう少し後で来るから、来たら紹介する」と言われ、

 その他数人パートとアルバイトがいていると教えてもらった。

 

 厨房には5人の社員の人がいて、朝礼を始めた50代前半の背の高い体格が良い人が料理長。

 

50代前半位の人が2人いて、背が高く細い人が寿司職人で、

厨房では「寿司場と焼き場を担当している、副料理長」と言っていて、

 

 もう一人の背が低く普通体系の人が、

「魚をさばく板場の担当」だと言っていた。


 後30代半ば位の人と同じ年位の人がいて、


 30代半ば位の人は煮炊き物と、同じ年位の人が担当をしている、

「揚場が忙しくなったら手伝う」と話してくれた。

 

 揚場を担当している同じ年位の人は田中さんと言って1歳年上で、

 

 去年中学を卒業してからここで働いていて、揚場をしながら忙しくなったら焼き場を手伝いに行き、煮炊き場をしている人が揚場を見ていると言っていた。


 朝礼と自己紹介が終わってみんなで店に向かい、料理長達と厨房に入った。 

 

厨房は広々とした正方形になっていて、入って直ぐの所に洗い場があり、その奥に大きな10人掛けのテーブルがあって、テーブルの左側が寿司場で寿司場の前に大きな焼き代があり、その奥が煮炊き場と揚場になっていて、みんなが持ち場に向かっていった。


 何をしていいのか分からずにいると料理長に「松川、田中、こっちに来い」と、テーブルの所に呼ばれて、

 

「11時からオープンだから、それまでは昼の定食の茶わん蒸しの仕込みと、いつものように野菜を切ってもらうから田中が教えてやってくれ、

 11時になったら洗い場のパートが来るから、松川には洗い場をやってもらうようにする。

 茶わん蒸しの仕込みが終わって野菜を切る時には、包丁の使い方を教えるから呼びに来てくれ」と言われて、初めての仕事が始まった。

 

 卵を沢山割ってかき混ぜて、だしを入れて茶碗蒸し用の器にそれと、具材を入れて行き茶碗蒸しの仕込みを終え、料理長を呼んで包丁の使い方を教わった。

 

 初めは小さなペティーナイフで使い切りやすい野菜を切ったが、大きな包丁でネギやキャベツを千切りにするのが難しくて何度も手を切った。


 そのたびに田中さんが、


「俺も初めは良く手を切った」と、笑いながら励ましてくれ、優しくいろいろ教えてくれて、いろいろな相談にも乗ってもらい翼の事も話した。


「卒業式に思いだけは伝えたいので告白をします。付き合いたいとかゆう気持ちは無いのですけど」


「そうか俺には彼女がいてるけど、付き合い始めたのは最近だからな。

 単車の免許を取って、あと半年で1年たつから2人乗りも出来るようになるから楽しみだし、

 松も付き合ってくれって言ったらいいのに」


「無理ですよ。両親もいないし妹がいて家の事もしないといけないから、妹も手伝ってくれているけど、妹は勉強が出来るから良い高校と大学に行ってほしいと思ってるのので」


「そうか。俺も父親が中3の時に死んで、勉強は出来たけど進学をあきらめて、ここに就職したんだ。

 父親は運送会社を経営して金持ちだったけど、死んだとたん周りにいた奴らの態度が変わって、

 会社の整理が大変で金がなくなったから就職した。

 死ぬ前は「お世話になります。お願いします」と、いろんな事を頼みに来ていて、

 世話をしていた奴らが手の平を返して来たのを見てるから、人を信用出来なくなってる。

 金もなくなったし、早く働いて店を出して金を稼いで母親に楽をさせてあげたいからな。

 人それぞれの事情もあるし考え方もあるから松の好きにいたらいいけど、俺は単車の免許も単車も自分の金で買ったし、少しは遊ばないとと思ってる」


「そうなんですか。田中さんにも、いろいろと大変なことがあったんですね。

 でも、やっぱり付き合いたいとは言わずに、好きだったとだけ伝えます」


「そうか、ま、人それぞれ考え方があるからな。頑張れよ」と、笑いながら言ってくれた。



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