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愛した君への最初で最後の手紙  作者: 幸(ゆき)
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初恋の人との再会

 ベットから起き上がり、車椅子に移り病室を出て屋上に向かった。

 

 屋上の扉を開けると、分厚い雲がどんよりと広がっていた。

  

 中に入りゆっくりと周りを1周して一番景色の良い所で車椅子を止めて、

 遠くを見ながらここから落ちたら楽になれるのだろうかと思っていると体に水滴がかかり、下を向くとコンクリートにぽつりぽつりと雨粒が落ちてゆっくりと地面に広がっていて、

 数人いた人達が慌て出口に向かって行き扉を開けて出て行った。


 誰も居なくなった屋上の周りを見渡し1度大きなため息をついて、死を決意して車椅子を真っ直ぐに進ませた。


        ・・・・・


 扉を開ける音が聞こえて「いらっしゃい」と言って「ませ」まで言わずに言葉を止めた。幼馴のじょうだった。


 城は「よう」と言って、左手を軽く上げながら「生ビールと適当に上手いつまみ」と言い、いつものカウンター席に座って、


「慶良間諸島は良かったよ、和歌山とは違うよ沖縄は。松もダイビングを始めろよ、女子も多いし」と少しにやけながら、いつものダイビングの話と誘いが始まった。

 

 海の話をさんざん聞かされ、興味が無かったわけでは無かったけどあと一歩が踏み出せなかった。

 

 城が「翼がダイビングのライセンツの申し込みに来て驚いたよ」と、にやつきながら言ってきて


 「え、翼って小学校と中学の時の同級生の」


 「そうなんだ、当時も可愛いかったけど更に可愛くなっていて、びっくりした。

 看護師になっていて平日が休みで、来週の月曜日の夜に学科講習をしてから次の週の月曜に1回目の海洋実習に行く予定で2回目の海洋実習の日はまだ決まってないけど、友達と2人で来るから松も来いよ。梅雨も明けたし月曜日だったら定休日だろう、

 ついでだから安くしとくから海は良いよ、翼も来るし」と、楽しそうに言ってきた。


 以前から城に話を聞かられてダイビングに興味はあったが、なにより翼が来ると聞いて、会ってみたいと思い「分かった、行くよ」と、返事を返した。


 翼は初恋の女子で、小学校低学年の時、喘息と睡眠不足と言われた頭痛で学校を休みがちだった時、やさしく接してくれた女の子だった。

 

 幼少期の頃は構ってほしくて、よくいたずらをした。


 喘息と頭痛が酷くなって学校を休む様になってから、成績も悪くなり好きだった体育も休みがちで、良い所が無かったので、あまりこちらからは話しかけられなくなった。

でも今なら店もしているし会える、会って話をして見たいと思った。






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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! 自分も喘息持ちなので、何か通づるものを感じました [一言] これからも頑張ってください!
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