番外編! 『魔力極振りの迷宮探索』 没そのに!
「さて、番外編!」
「作者」
「大山 たろうの! グダグダ! 未練たらたら『魔力極振り』振り返りコーナー! ぱちぱちぱち!」
「いぇーい」
「どうしたぜっちゃん、気分でも悪いか?」
「いや、どれだけ後悔があるのかと」
「そりゃあ山ほど。だって二年生編すっ飛ばしたんだぜ?」
「それもそうか、でもそれならやればよかったじゃない」
「処女作を完結するのに誰も見てくれないんじゃあ、悲しくないか?」
「まぁ、その選択自体に悔いはないと」
「そうだな。その代わり回収しなかった伏線が山ほど」
「例えば? って聞いたらいいの?」
「ありがとうぜっちゃん! 実はアルファイエティの後、ベータを出そうとしたんだが、尺の都合でカットしたんだ! そして百階層、試練の間を結構でかく書くつもりだったんだが、尺の都合でカットしたんだ! そして最後まで会長の名前考えてなかったんだ! の三本でお送りするぞ!」
「ほう、その......え、まって最後なんて」
「三本でお送り」
「その前」
「会長の名前を?」
「を?」
「考えてませんでした」
「なんてこったい」
「先に一つずつ。アルファイエティのステータスは主人公と同じ一極集中ステータスだったんだ。だからベータにカウンターを持ってきて、それでバランスを保っている、っていうことだったんだけど、ダメだった、出せない」
「それはわかった。カウンターは良くも悪く映えないし」
「そう。そして次。試練の間。これ結構でかい。実はあれ――――――いや、この内容は別で使うかもしれないから伏せるが、個人の心を問う試練だったんだ。けど実際は......」
「引っ張った結果このありさま? たろー」
「そうだよちきしょう! そして最後が......」
「それが一番大事、会長の名前」
「実は考えたけど個人的に微妙で、どこで言うか見てたら、もう言わなかった、はず」
「確かに、姉妹シーンは姉と妹、っていう対比でずっと書いてる」
「そう、そして主人公がいるところは常に会長、で呼んでたし、妹もお姉ちゃんだったろ? 確か」
「......」
「どうしたぜっちゃん」
「準ヒロインの名前くらい出して!」
「誠に申し訳ございません あ、姉と妹の主人公奪い合い、書けなかったなぁ......」
「今思い出して落ち込むの!?」
「もうどこで伏線張ったか覚えてないしな、そこから関連するところが芋づる式に出てくる」
「たろー、実はバカだった」
「はぁ、その通りでぐうの音が出ねぇ。そういや――――――」
「もういい、一回落ち着いてたろー」
「実は―――――」
「落ち着け!」
ドゴォォオオン!!!
「やりすぎた」
焦げ付いた地面と、ちりちりの髪をしたたろー少年が地面と抱擁を交わしているだけだった。
もうこれを話す場所がここしか残ってないんだ、許してくれぇ......




