HP1から始まる初めての戦闘
本日2回目!
[セーフティーエリア 安らぎの小川]
「着いたー!」
「思ったより奥だったわね」
あやとるーじゅは、るーじゅが言った通りにあったセーフティーエリアにて休息を取っていた。
尚、2人はここまで来るのに結構な採取ポイントがあり、採取したアイテムの品質を向上させる{採取LV1}というスキルを習得していた。
その時ゲットしたのがこちらである。
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【マナマナ草】レア度☆☆☆☆☆品質 普通
魔力を多く含んだ薬草。パプリカ10個を煮詰めたような味がする。加工するとマナポーション類の材料になる。
+MP5
【ドクドク茸】レア度☆☆☆☆☆品質 普通
食べるには相応の覚悟が必要。毒薬の材料になる。
状態異常 毒Ⅰ
【マヒマヒ茸】レア度☆☆☆☆☆品質 普通
食べるには相応の覚悟が必要。麻痺毒の材料になる。
状態異常 麻痺Ⅰ
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これらを5つずつほど採取した。
ちなみにこれらのアイテムはすべてあやが預かっている。
あやにはそれでいいアイテムを作ってと言ったが、それはるーじゅなりの気遣いらしい。
ゲームに無理に誘ったのは自分だから、と。
「まあ、【空き瓶】がないと作っても収納できないんだけどね」
「確か、モンスターが高確率で落とすんだよね?」
「それも系統問わずにね。スライム系でもゴブリン系でも、どのモンスターも高確率で落とすわ」
「なんで空き瓶なんて持ってるんだろうね?」
「まったくね。あ、ちなみに生産系プレイヤーは材料さえあれば自作できるらしいわよ、【空き瓶】。特殊効果も付くみたい」
「私の{加工LV1}でもできるかな?」
「ちょっと難しいかもね。大抵は{錬金術}持ちの人がやるらしいし、{加工}の派生で{ガラス細工}なんてのもあるらしいし」
「じゃあ頑張って{ガラス細工}取ろう」
「できたら見せてね。でも取り敢えずは狩りに行きましょう。初戦闘よ」
「おぉー!」
そうしてセーフティーエリアを出ると、すぐに近くの茂みがガサガサと音を立てた。
出てきたのは、【ブルースライム LV2】。LV2ではあるが、攻撃方法が“体当たり”しかない、単純なモンスターである。が、その“体当たり”があやにとっては致命傷になる。
一応防具込みの防御力を超える攻撃力はあるのだ。油断は禁物である。
あや達が武器を構えたと同時に、ブルースライムは体当たりをしてきた。狙いはあやである。
「シッ!」
あやにぶつかる直前、るーじゅが剣で叩き落とし、
「ヤァ!」
あやが短剣を刺してトドメを刺す。
「キュゥゥ……」
ブルースライムは光になって消えた。
『プレイヤー【あやピコ】、【るーじゅ】のLVがUPしました』
「あ、上がった」
「こっちもね。まぁ、最初はこんなもんよ」
「思ったより簡単だったね。スライムも可愛かったし」
「確かに可愛いけど油断は禁物よ。あ、ドロップアイテムだわ」
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【空き瓶】レア度☆☆☆☆☆品質 普通
ガラスの容器。液体を入れられる。
【ブルースライムジェル】レア度★☆☆☆☆品質 普通
ブルースライムを構成するジェル。利用方法は不明。
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「あや運良いな〜。レアドロップじゃん。利用方法不明だけど」
「で、でも美味しそうだよ。ゼリーみたい」
「……食べないよね?」
「流石に“生”で食べるほど不用心じゃないよ」
「加工したら食べる気!?」
「何か混ぜたりしたらいけそう!」
「……{加工}さんも{調合}さんもできることとできないことがあると思うんだ」
「どっちかっていうと{料理}じゃない、これは」
「知らないよ」
その時、2人の会話を聞いてやって来たのか、茂みの奥から角の生えた兎、【ツノウサギLV5】が現れた。
「へ?ウサギさん?」
「ッ!あや下がって!」
るーじゅが慌てるのには訳がある。
ツノウサギの攻撃方法は“突進”。ブルースライムの“体当たり”の強化版である。
その“突進”は、βテスト時代のるーじゅならともかく、今のるーじゅには反応できない程だ。
もし、あやに向かって突進されでもしたら……。
次の瞬間、るーじゅの横をものすごい勢いで何が通り過ぎたと同時に、ダメージエフェクトが飛び散った。
「がは……」
「あや!」
るーじゅが振り返ったときにはすでにあやは光の粒子へと変わっていた。
『プレイヤー【あやピコ】が死亡しました。15秒後リスポーンします』
「あやの仇ーー!」
「キュゥゥ!」
『プレイヤー【るーじゅ】のLVがUPしました』
るーじゅはツノウサギをすぐに倒すと、ドロップアイテムを確認せずに【安らぎの小川】へと走っていた。
眠い。




