HP1から始まるファース観光①
半年も更新できずにすみませんでしたー!!
誰だ大学生は人生の夏休みだと言ったやつ!
高校時代の恩師やん……
冒険者ギルドから出たあやは、まず最初にルシアとアレスの用事に付き合うことにした。
「いいんですか?あやさんが行きたいところから案内しますけど……」
「いいのいいの。どこから行きたいとかないし、なんなら全部見たい!だから二人の行き先から順番に見ていこうかなーって」
「……でも今から行くとこは鍛冶屋だ。でもあやさんの装備に匹敵する物はないから退屈かもしれない」
「そんなことないよー。お店は買わなくても、見てるだけで楽しいからさ」
まずはモンスターと戦ったことで壊れた防具の修理をするために、ギルドと提携している鍛治工房に行くことにした。
提携しているだけあって、ギルドからわずか徒歩5分の地点にそれはあった。
「『ドルタ工房』……すごい活気だ」
建物の規模は西区の冒険者ギルドとそう変わらない。だが、静かだったギルドに比べて、鉄を打つ音に時折聞こえてくる怒号。それが店の外にも聞こえてくる、随分と賑やかなところである。
店内は武器が至る所に飾られており、店の奥はカウンターになっている。
「すみませーん!ドルタさんいますかー?」
「ん?……その声は……ちょっと待ってろ!」
ルシアが声をかけると、カウンターの奥からヒゲの濃い大男が現れた。間違いなく、この工房の長だろう。
「ルシアにアレスか。今日はどうした?」
「防具の修理をお願いしにきました!」
「……これ、アンナさんからの書類」
「どれどれ……修理はできるな。ちょっと待ってろ。ついでに武器もよこしな。メンテしてやる」
「お願いしまーす」
ドルタは二人の装備を受け取ると、工房の奥に戻って行った。二人の装備を修理するためだろう。
「今のがドルタさん?」
「そうですよ。この街一番の鍛治師で、私達もお世話になっているんです」
「……元は鉱山都市の職人だったと聞いている」
「鉱山都市か~……」
るーじゅに誘われているところだ。鍛冶の街からきた職人の腕なら確かだろう。
店内に飾られている剣を見ると、金属特有の輝きを放つ刀身は素人目でもかなりの業物だと分かる。
そうこうしているうちにドルタが工房の奥から戻ってきた。
「終わったぞ~。そういやそこのべっぴんさんは誰だ?」
「あやさんです。危ないところを助けていただいて、お礼にこの街を案内してるんです」
「そうか。ガキの頃から見てたコイツらに何かあったら悲しいからよ、助けてくれてありがとうな」
「いえいえ、運が良かっただけですから」
「何か欲しいもんがあれば言ってくれ。安くするぜ。店頭にないものでも作ってやらぁ」
「欲しいものか……うーん……」
今のあやが欲しい、鍛治師が作れるものといえば……
「お鍋……」
「は?」
「あっいや、煮込んだりするお鍋が欲しいなーって思っちゃって……」
色々な食材が手元にあるのだから、それと同じようにいろんな調理法を試してみたい。そのためには【見習い料理人セット】にはなかった調理器具が欲しい。
そんなつい思ったことが口に出てしまったが、ドルタには面白いやつだと思われたらしい。
「はっはっはっ!面白い嬢ちゃんだな!」
「あはは恐縮です……」
「この俺に調理器具が欲しいって言ったやつはお前が二人目だぜ」
「もう一人いるんですか!?」
「おう。メッチャーっいうなかなか商魂逞しい商人でな、面白いから定期的に調理器具とか売ってるんだよ」
「メッチャーさん……」
随分と個性的な名前の商人らしい。あやも人のことは言えないが。
「てな訳で調理器具ならまずそいつの店に行ってみてくれよ。そこにもないやつなら俺が作ってやるからよ!」
「そうですね……行ってみようかなと思います」
「じゃあ次はメッチャーさんの店ですね!案内します!」
そうしてあやはルシアに連れられドルタ工房を後にした。
次はもう少し早く更新します。絶対に!




