HP1から始まる【悪賽の指輪】
テスト1週間前に投稿してしまった……
だが悔いはない
ゲームはほどほどにしよう。そう思った。
[外道術師の研究所・書斎]
「お邪魔しまーす……」
あやが研究所を探索し、まず入ったのは書斎。
盾持ちの骸骨戦士を前に出し、恐る恐る足を動かす。
幸いにも部屋の中に誰もいないようだが、真っ暗で何も見えない。
『あや、照明の魔導具のスイッチはそこ……そう、右だ』
「ここね……あっ、付いた」
エバーの指示によって、部屋の明かりを付けることに成功したあや。
目に入ったのは壁一面の本棚だ。ぱっと見でも300冊はあるだろう。部屋の中央には立派な机が置いてあり、その上には書類が散らばっている。
あやはまず本棚を調べることにした。スケルトン達とくろピコは扉の近くで警戒だ。まだまだ油断できない……ではなくあやの臆病さの表れだが……。
「読めないのいくつかあるな……」
『さっき見た言語の他にも複数別の国の言葉があるな。ここの持ち主も読めてないのではないか?作者順に並べたにしてもバラバラだ』
『同じ形の文字はシリーズ物かと思ったんですかね?きちんと並べられてますよ』
3人ともさまざまな考察を立てながら本棚を調べていく。
結果、本棚の6割以上の本があやには読めない、読めても理解できない物だということが分かった。
『でも根こそぎ持ってくぞ。いつか使えるかもしれんからな』
「泥棒みたいで気乗りはしないな……」
『ビッグブラックスライムの迷惑料だと思えば、安い物だ』
「でもイベントリには全部入らないかも……」
プレイヤーのイベントリは200枠。特に本は一冊一冊違うアイテムなので、かなりイベントリを圧迫する。到底入り切れるものではないだろう。
その時、エバーが閃いたようだ。
『よし。ならば本棚ごと持ってくぞ』
「えぇ!?入るかな……」
『異界人の空間棚には入らんかも知れないが、{影収納}を持つ【永夜ノ王服】ならいけるぞ。魔王の物は大抵入る。取り出しやすいしな』
「そういえばこの服そんなスキルあったな……」
スカートの裾を掴んで、足元の影を見る。どことなく影が揺らいだ気がするが……気のせいだと思いたい。
「とりあえず私でも読めるやつはイベントリに入れておこうかな……」
そうしてイベントリに突っ込んだのは『魔獣飯〜いつも戦うアイツを晩御飯に変えよう!〜』と『新魔獣解体“今までの解体は6割損してる!?”』、{毒魔法の心得}を持つ魔書『清く正しく毒魔法!』を手元に置くことにした。
あとは{影収納}で本棚ごとしまうだけである。
「さてと……{影収納}」
スキルを発動させるとあやの足元の影が本棚の下に伸び、沼のように変化し、本棚がずぶずぶと沈んでいく。
10秒もしないうちに本棚は消えた。
『あとは机だな。面白い呪いのアイテムでもあるといいな』
「呪いのアイテムは面白くない」
軽口を叩きながら机の上の書類を手に取る。
「これは私も読めるな……えーと……《操国》?《紅花》?」
『それだけしか書いてないな……まったく分からん』
『誰かのあだ名っぽいですね』
机の上の書類は理解できなかった。
次に引き出しを開く。
灯りの魔導具が弱いのと、木製の机自体が黒いのもあって何が入ってるかよく分からない。
「よく見えないな……」
左手を突っ込んで手探りで探していく。
その時、
ーーカチンッ!
何かが嵌る音と、あやの指に何かが巻きつく感触があった。
「うわっ!」
反射的に手を引っ込めるあや。
『お嬢、手袋が……』
さおピコの指摘通りに左手の手袋が、薬指のところで少し膨らんでいる。
まるで何か指輪をしているような……
「嘘でしょ!?」
嫌な予感と共に手袋を外す。
あやのアンデット化によって若干白くなった左手の薬指には、白い手とは正反対の黒い指輪が。
指輪の石座には、三つの面が見えるようにサイコロがくっついている。だがそのサイコロの目は、赤い宝石で全て6だった。横並び、縦並び、円と並び方には違いがあるが、全て6である。
外そうとするが、外れない。
「まさか……」
エバーの言ったことが本当になったのか。
嘘であって欲しいという願いを込めて指輪の詳細を開く。
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【悪賽の指輪(呪)】レア度★★★★★品質 良
全ての幸運、不運を悪運に変える指輪。その悪運から逃れることはできない。
※注意!このアイテムは呪われています!一度装備すると外すことができません!
{全テノ幸福不悲ハ悪ト化ス}{振られた悪賽}
+悪運1000
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「嘘であってくれよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
嫌な予感的中。思わず地面に突っ伏してしまう。
しかも【不動の守護者】とは違い、『解呪できます』の文字もない。
しかも「+悪運」ってなんだ。悪運ってなんだ!?
「す、スキルは……?」
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✴︎ユニークスキル{全テノ幸福不悲ハ悪ト化ス}
ステータスの「運」を「悪運」に変える。
◇{振られた悪賽}
ランダムで発動し、ランダムで何か起こる。
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「説明が曖昧!」
スキル説明が吹けば飛ぶほどフワッフワだった。「悪運」ってなんだ。「何か」ってなんだ!?
「……えっ?なに、私運悪くなるの?」
『……いや、どうだろう……』
『でも全ての幸運、不運ってありますよね?単純に運が悪くなるだけじゃないと思いますけど……』
「せめて3行くらい説明書いてくれよォォォ!!」
再び地面に突っ伏すあや。地面にヒビが入った。無意識に{死を望む者}と{死に急ぎ}のコンボを使ったそうだ。
「もういい!次の部屋でいいもの根こそぎ奪い取る!」
『おお!やっとその気になったか!いいぞいいぞ!金銀財宝素材に宝石!全て新生魔王軍の運営資金にしてやろう!』
『運営資金て……』
スガズカと外に向かうあや。
その足取りは少し魔王っぽさがあった……多分?
クククククク、爆弾装填完了




