魔王降臨
メリクリ!!なんとか間に合った!
クリスマス回じゃないけど!
あと掲示板回とキャラ紹介で一章完結だけど、なんとか年内にしたい!
今後ともよりなに!それじゃ!
(なんだよコイツ……)
次々とプレイヤーの首を狩るあやを見て、そう戦慄したのはこのプレイヤー達の中でもトップの実力者。《雷刀》の【テンマ】という男である。
その二つ名の通り、{風属性魔法}の上位魔法である{雷属性魔法}と刀……ではなく刀に似せて作られたサーベルを併用する魔法剣士である。
今はまだ{風属性魔法}しか使えないが、それでも強いプレイヤーには違いない。
そんな彼が、暴れ回る化け物を前に敗北を覚悟した。
彼がリーダーを務めるパーティー【鳴雷】のメンバー《忍者》こと【ハヤテ】もやられてしまった。
その時、あやの動きが一段と鋭くなった。じわじわと上昇していたのが、急に鋭くなったのだ。
(おいおい……まさか今のはレベルアップ?成長するモンスターかよ……)
テンマはそう推測するが、実際は“暴走中”のあやがステータスポイントを割り振っただけであるが、他のプレイヤーにとってはどちらも同じだろう。むしろその方がまだ良かったかもしれない。
(どうすれば……)
「テンマ!」
横にいた、巫女服のようにアレンジされた神官服を着た女性プレイヤーがテンマを呼ぶ。
「!ツバサ!?」
「私が“ライトウォール”であいつを止める!その隙に“風絶剣”で仕留めて!」
「わ、わかった!」
“風絶剣”。今のテンマが放てる最強の技にして、文字通り一発逆転の切り札。
サーベルを鞘にしまった状態で風を纏わせ、風の勢いのままに振り抜く、{雷属性魔法}が使えるようになってもテンマを支え続けた技だ。
この技が通用しなければ、もう笑うしかない。
テンマはサーベルを鞘に収め、風を纏わせる。
普通ならこの時点で鞘に収めておくのが不可能なのだが、テンマは絶妙な加減でそれを制御している。
カタカタとサーベルが揺れ、周囲の葉が宙を舞う。
そしてそれを見て、危険度を感じ取ったのか、単純に興味がテンマにむいたのか、あやがテンマに向かって方向転換してきた。
木を蹴り、テンマに向かってまっすぐ突撃するあや。
サーベルを構え、動かないテンマ。
そして二人の間に入り込むツバサ。
「“ライトウォール”!!」
ツバサとあやの間に、光の壁が現れる。
同時にテンマは前に出た。
狙うはあやの首。
ビュンビュンと風の音とともに振り抜かれる剣。
ビキビキと音を立ててヒビが入る鞘。
これぞ“風絶剣”。
あやが壁にぶつかったところに一太刀入れる。
そしてあやは…………
壁にぶつからなかった。
その黒炎の翼を持つが故に。
「上!?」
悲鳴のようなツバサの声。
そしてテンマの“風絶剣”は何もない空間を切り裂いた。
「マジ、かよ………」
そしてテンマが上を見上げると……
黒い光が放たれ、そこでテンマとツバサのHPは0になった。
――数分後。
そこに残っていたのは、
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!」
『しまった……やりすぎたか』
勝利の喜びで狂ったように笑うあやと、落ち込むようにぼんやりと光るエバーであった。
最近『「幽霊なんかいるわけない」と言う花岳先輩がゾンビになって帰ってきた』って話を思いついた。いずれ書くぞー!




