HP1から始まる集中砲火
ハッピぃぃぃハロウィン!
ハロウィンジェネラル出たぞー!
【邪炎ノ外套】の翼を撃ち抜かれた。
アイテムとはいえ、ダメージを受けた黒い翼にはその役目を果たすことは出来ず、まっすぐにあやは地面に落ちていく。
ドン!
地面に叩きつけられたあやは、苦悶の声ひとつ漏らす事はできなかった。
「いっ………」
「オラァァァ!!」
戦士風の男性プレイヤーがハルバードを振り下ろした。
慌ててあやは地面を転がってなんとか回避する。
「“水矢”!」
「“風刃”!」
「“闇球”!」
3連続で放たれた魔法も難なく回避した。
「チッ、早いな………『賢者』ってあるから足は遅いと思ったが……」
「ばっか、お前。アンデットに{闇属性魔法}とか効果薄いだろ。無難に火とかがいいって」
「闇しか取ってないから仕方ないだろ。てか、風使ったお前に言われたくねぇ」
そう言いながら彼らや、他のプレイヤーたちも武技や呪文を放ち始める。
それらを躱しながら、あやは思った。
(もしかして………モンスターと勘違いされてる!?)
実際その通りだった。あやの【泣き髑髏】の{死のその先}の効果によって、本来【あやピコ LV23】と表示されるアイコンが、【不死王賢者 LV23】と置き換わっていたのだ。
加えて、【邪炎ノ外套】が禍々しい《邪気》を醸し出している。勘違いを加速させる原因の一つだ。
そうこうしているうちに攻撃は加速する。
炎の矢が、風の刃が、水の槍が、その全てがあやに放たれ、武技の輝きを纏った武器があやを仕留めんとする。
(あーもう………!どうしよう……)
それと比例してあやはだんだんとイライラしてきた。当然だ。いきなり攻撃されたと思ったら、モンスターと勘違いされてるのだから。
とはいえ話せばわかるかもしれないし、プレイヤーに反撃するのもアレだし……。
『やむを得んな……』
その時、あやの胸元にあるペンダントが光る。
「もらったぁぁ!」
あやにハルバードを放った男があやの首に狙って武技を放つ。
そして――
首がゴトリと落ちた。
あやを狙った戦士の男の首が。
「は?」
その呟きはどのプレイヤーが放ったものか。思いの外あやだったかもしれない。
あやの手のひらからは、20cmほどの骨の刃が生えていた。
それを振り抜いた姿勢で戦士の男の身体の後ろに立っていた。
(んー?)
そういや私Twitter始めたんだった。




