HP1から始まるエンカウント
1万pv達成!やったぜ。
[紫水晶の洞窟]
『プレイヤー【あやピコ】がログインしました』
『ログインボーナスを確認してください』
『おお、起きたか。あや』
『お嬢!今日も張り切って参りましょう!』
「二人ともおはよー」
【紫水晶の洞窟】の中でログインしたあやは、エバーとさおピコに挨拶する。
二人の間ではあやはずっと寝ていたことになっているのでこのような挨拶になってしまうのだ。
「今日のログインボーナスは……【1万ユート袋】。開けると1万ユートもらえるねー。そういえば私0ユートだ」
ずしっと重そうな袋をイベントリにしまい、今日の予定を二人に話す。
「えー、今日やるのはー……」
『崖下の探索!』
「はしません」
『なぜだ!』
「そろそろ素材集めしたい。食材もいろいろ必要だし。あと崖下怖い」
『私の勘があそこに何かあると言っているのだ!いいから行くぞ!』
「えー」
こんな風にエバーは崖下の探索を推奨してくる。
あやとしてはビッグブラックスライムのようなモンスターがいたら怖いので、できるだけ後回しにしたい。
『お嬢がしないって言ってるんだからしないに決まってるでしょう。それより優先すべきことがあるだけですって』
『むぅ……』
「まぁ、怖いけど私もあそこ気になるし、いつか行くよ。いつか」
『いつかとはいつだ?』
「えーと……もっと強くなったらかな?」
『絶対だぞ』
エバーも納得したところで【紫水晶の洞窟】を出ようとするあや。
「ん?なんか暑いな……動きづらいし……ってダメージ受けてる!?」
『ん?あぁ、{弱化・日光}だろうな。アンデットは日光なら当たるとダメージを受けて、動きも遅くなるのだ。雑魚なら一瞬で消滅だ』
「どうにかならない?」
『“不死強化”を使え。私の{死霊魔法の心得}のやつ』
「“不死強化”!あっ、動きやすくなった」
{死霊魔法}の“不死強化”は日光の中で動くアンデットを強化し、夜でも変わらず動くことができる呪文だ。夜に使えば、アンデットはさらに強化される。
「よし!行くぞ!」
【邪炎ノ外套】が黒い炎を纏った翼を広げる。
そして一気に崖を登っていく。
さおピコを使って降りてきた時よりも倍の速度で景色が変化する。
そして群集猪に追いかけられた岩場が見えてきた。
翼にいっそう力を込め加速した。
そして岩場には………
数十人の他のプレイヤーがいた。
誰も彼も武装し、突然現れたあやを凝視している。
その中で一人のプレイヤーが……
「“炎矢”!」
魔法を放ってきた。
炎の矢は、あやの翼を的確に打ち抜いた。
次回もお楽しみに!




