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Utopia・Online〜開始初日で魔王になるエクストリームプレイ日記〜  作者: オタケ部長
HP1から始まる魔王降臨
21/56

HP1から始まる【永夜ノ残滓】

pv数2000超えた!

ちょっと調子に乗ってもいいと思う



 戦闘が始まり、より一層霧が濃くなった。あやの足元にも薄っすらと霧が出てきた。


『イデヨ!我ガ下僕(げぼく)ヨ!』


 永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)が手を振ると、彼の周りにいくつもの紫の魔法陣が現れた。


 同時にHPバーの下にあるMPバーが少し減少する。魔法を使ったようだ。


 出てきたのは【骸骨戦士(スケルトンウォーリア)LV15】と【骸骨魔術師(スケルトンメイジ)LV15】が5体ずつ。合わせて10体。


『行ケ!下僕ドモ!』

『『『『『カタカタカタカタ!』』』』』

『『『『『カタカタ……』』』』』

「えっちょっ……“一本釣り”!」


 骸骨戦士(スケルトンウォーリア)はあやに向かって走り出し、骸骨魔術師(スケルトンメイジ)は魔法の詠唱をする。


 いきなり突撃してくる敵に大慌てで武技(アーツ)を使うあや。


 【あやピコの執念のボロ竿】は{必中}の効果もあり、まっすぐに骸骨戦士(スケルトンウォーリア)の一体の頭部を正確に捉える。

 

 そして、竿ごと骸骨戦士(スケルトンウォーリア)を振り下ろすと、ちょうど真下にいた別の骸骨戦士(スケルトンウォーリア)にぶつかって、四散した。


「えっ?」


 しかも骸骨戦士(スケルトンウォーリア)達が持っていた盾や剣が、他の仲間に当たってダメージを与えてしまっている。動く骸骨(スケルトン)系のモンスターは打撃に弱いので、大ダメージだろう。


 現にHPバーも4割に減っており、四散した個体のHPバーは消し飛んでいる。


『『『『『カータッタ』』』』』


 骸骨魔術師(スケルトンメイジ)の詠唱が終わったらしい。一斉に火の玉……“火球(ファイアーボール)”を放ってくる。


「わわわ!」


 5発の“火球(ファイアーボール)”をあやは、危なげもなく回避する。


「えっ?」


 これにあやが1番驚いた。


 あやは気づいていないが、周りの霧は《瘴気》といい、生者にダメージを与える効果がある。反対に不死系(アンデット)モンスターを回復させるが。


 だが、【ポーションキャンディ】と{HP貯蓄}がダメージを負った直後に回復させ、{痛覚遮断}も加わりあやの動きが痛みで鈍ることはない。


 さらに、ダメージを負ったことにより、HP減少時に{死に急ぎ}が発動。全ステータスと敏捷値に補正大。{回避}の成功率が強化された敏捷値と運で上がる上がる。


「“一本釣り”!」


 骸骨魔術師(スケルトンメイジ)の頭部にガッ!


 仲間にドン!


『{戦釣技(せんちょうぎ)}スキルがUPしました。武技(アーツ)“竿叩き”を習得しました』

 

 新しい武技(アーツ)を手に入れた。だがあやはそれどころじゃない。


「えっ……?」


 あやは「嘘でしょ?」といった表情で永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)を見つめると、


「弱くない………?」

『ムグッ!?』


 どうやら永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)も気にしていたらしい。


『ウ、ウルサイ!我ガ血肉ヲ糧トスレバ、モット強力ナ下僕ヲ呼ビ出セル!』

 

 そう言って再度骸骨戦士(スケルトンウォーリア)骸骨魔術師(スケルトンメイジ)を召喚する。


 永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)が使うアンデット召喚の魔法の正体は{死霊魔法}という、他の魔法とは一風変わった魔法だ。


 MPを消費して召喚するのは、{召喚術}と同じだが、この魔法の特徴はその先だ。


 なんとより強いアンデットを召喚するためには、HPを消費しなくてはならないのだ。


 では何故それをしないのかというと――


『カタカタ!』


 一体の骸骨戦士(スケルトンウォーリア)があやに襲いかかる。


「“竿叩き”!」


 それを手に入れたばかりの武技(アーツ)で迎撃する。


 “竿叩き”はシンプルな竿による殴打。打撃攻撃に弱い動く骸骨(スケルトン)にとっては相性最悪だろう。


 竿は的確に骸骨戦士(スケルトンウォーリア)の頭部を捉え、首がふっ飛んでいく。


 飛んで行った先には永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)がおりーー


『グハッ!?』


 頭蓋骨に命中。体力を1割削った。 


「えっ!?」


 あまりの攻撃の通りの良さに目を開くあや。


 

 この【魔王復活の儀】に登場する【永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)LV⁇】。LVこそ不明となっているが、実のところステータスの方は挑戦者のステータスを水増しした程度なのだ。


 これは、参加したプレイヤーには必ずクリアしてほしいという運営の願いが込められているが故だ。無論、スキルは違うし、継続ダメージを与える《瘴気》に、物量戦などを仕掛けてくるため、勝つのは楽ではない。それでも、プレイヤーが頭を使って戦えば、キチンと勝てるようになっているはずだ。


 問題は水増しされたステータスの方。


 ここで重要なのが、挑戦者がたったLV4のあやだということだ。


 HP1で始めた彼女のHPは、まだたったの4しかない。


 そしてそれを水増しした永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)のHPは……たったの10!


 だから簡単にHPを削ることができる。


「“竿叩き”!“竿叩き”!“竿叩き”!“竿叩き”!“竿叩き”!」

『グゥ……!』


 あやは好機とばかりに頭蓋骨をどんどん飛ばしていく。


 そうすると、面白いくらいに永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)のHPバーは減っていく。


 そうして半分を切ったその時。


『調子ニ!乗ルナ!』

「!?」


 突然、永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)の足元に巨大な魔法陣が現れる。


『グォォォォォォォォォォォォォ!!!』


 その魔法陣の中から出てきたのは……骨だけでできた竜【劣骨(レッサーボーン)(ドラゴン)LV54】。


 同時にみるみると永夜ノ残滓(エバーナイトダスト)のHPが回復していく。半分を切ったことによって発動した、スキルの《瘴気》の吸収だ。


 これはあやにも言えることだが、この二人は元のHPが低いのですぐに全快することができる。


 だが、ボスのHPが全快することは、プレイヤーに絶望を与えるもので……


「なにそれずるい!?」


 実際はあやも似たようなことしているのでずるいわけでは無いと思うが……


 この二人は案外似ているのかもしれない。




 第二ラウンドの鐘が鳴る……。




 

 

30mmってプラモ買おうかめっちゃ悩む。

アルトにするか……ポルタノヴァにするか……

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