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Utopia・Online〜開始初日で魔王になるエクストリームプレイ日記〜  作者: オタケ部長
HP1から始まる魔王降臨
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HP1から始まる【紫水晶の洞窟】

最近やってるゲーム『装甲娘』で『ジェネラル』が出た。

ポップキュン先生尊い………

あっ、イセ川ヤスタカ先生の『パーフェクトZX3』もちゅき。


   [チュートリア大森林 西部]


 あの後、{戦釣技(せんちょうぎ)}の武技(アーツ)“一本釣り”をツノウサギに使ってみたら、あや一人で楽々倒せた。


 糸がツノウサギの頭に命中すると、武技(アーツ)の補正により竿を持ち上げ、天高く登ったところで地面にたたき落とす。なかなか凶悪だ。


 難点としては発動中は身動きが取れないことと、命中するかは器用さに依存することだが、【あやピコの執念のボロ竿】には{必中}があるので、まず、外れない。


 そして、あやは初めてるーじゅがいなくてもツノウサギを倒すことができた。たった一人で、だ。


 死にまくりだったあやに自信を付けさせるには充分だった。


 そんな訳であやは【チュートリア大森林 南西部】から【チュートリア大森林 西部】にやってきた。


 南部や南西部より、ゴツゴツとした岩が目立つエリアで、出現するモンスターのレベルも、その二つよりは高い。


 それでもあやは、いざというときは木の上に隠れたりすればなんとかなるだろうと思ってやってきた。隠れるのに役立つ{隠形}というスキルを取ったのも大きい。


 そして現在――


「いやぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「「「「「「ブォォォ!!!!!」」」」」」


 絶賛モンスターの群れに追いかけられ中だった。


 あやを追いかけているのは【群集猪(クラウドボア)LV10】。このエリアで出てくるモンスターとしては、少しばかりレベルが低い。攻撃方法も“突進”だけだ。


 だが、群集猪(クラウドボア)最大の特徴は数だ。最低でも五体からなる群れが一斉に獲物に向かって“突進”するのだ。るーじゅのような熟練のゲーマーも、始めたばかりでは戦いは避ける。


 そんな相手にあやが勝てるだろうか?


 答えは否だ。


 なら木に登ろうとしても、周りに映るのは岩岩石岩岩岩。


 という訳で絶賛逃亡中だ。


『{疾走}スキルを修得しました』


「!ラッキー!」


 敏捷値の補正とスタミナの減少を緩めてくれるスキル{疾走LV1}。これによってあやは群集猪(クラウドボア)との差を広げようとするが………


「「「「「「ブォォォ!!!!!」」」」」」


 生憎と群集猪(クラウドボア)も{疾走}スキルを持っていた。しかも、魔法が使えない代わりにそのステータスは物理一辺倒だ。むしろあやとの差を縮めようと速度を上げる。


 さらには……


「!?が、崖!?」


 そう、崖だ。このまま行けばあやは崖から落ちる。


 モンスターからの攻撃でないと{不屈}は発動しない。それは釣り竿作りと{水泳}で確認済みだ。


 転落死。


 そんな言葉があやの頭に浮かぶ。


 なんとか崖を避けて移動しようとしたが、


 ――かくん


 突然、あやの膝が崩れ落ちた。


「うっ!な、なにこれ!?」


 さらには先程まで感じなかった疲労が一気にやってきた。


 スタミナ切れだ。{疾走}があっても無限に走り続けられる訳ではない。


 そして、突然減速した獲物を逃すほど、モンスターも甘くない。


「ブォ!」

「ちょっ、ま――へぶ!?」


 群集猪(クラウドボア)の一体の“突進”があやを捉える。


 {不屈}のおかげで即死は免れたが、かなり遠くに飛ばされてしまった。


 崖に向かって。


「えっえっ?ちょっ、いやぁぁぁぁぁぁ!!!」


 あやは手足をばたつかせながら崖の下へ落ちていく。


 今はスタミナ切れなので{立体機動}の“天歩”も使えない。


「わわわわわわわわ!!」


 なんとか打開策を見つけようとしても、その間もあやの体は下へ下へと吸い込まれていく。


(なんとかしないと………)


 その時、あやの視界に3つのものが映った。


 崖にある横穴。


 その上に生えている枯れた木。


 そして【あやピコの執念のボロ竿】の針だ。 


(賭けるしかないか……)


 背中に背負った【あやピコの執念のボロ竿】を握る。スタミナ切れだが、手に持ち、振り抜くくらいならできる。


「いっけぇ!」


 ――ヒュン!

 

 糸が冗談のように伸び、枯れた木に巻きつく。


 そしてあやは糸に引かれて洞窟に向かっていく。ターザンムーブの再来だ。


 このままいけば無事に洞窟に着地できるだろう。


 ――バギィ


「へっ?」


 だが、運命というものはあやの味方をしてくれないらしい。


 音から分かるように、枯れた木が折れた。


 幸い勢いはあったので無事洞窟には入ることができた。


   [セーフティーエリア紫水晶の洞窟(アメジストホール)


 あやの視界の様にそのようなテロップが流れる。


 そこは名前の通り美しい紫の水晶で彩られた洞窟だった。入り口から入る光によって、洞窟そのものがキラキラと光る。


 あやは投げ出されている最中でも魅了されたかのようにそれらを見つめた。


 槍のように鋭く尖った紫の水晶を。


「あ」


 再三だが、あやの{不屈}は“攻撃”でなければ働かないし、今は使えない。


 なので、


 ――グサ!


 紫の水晶があやの胸を貫く。


 あやは光の粒になって消えた。


『プレイヤー【あやピコ】が死亡しました。15秒後リスポーンします』


 セーフティーエリアに入って数秒で死亡するプレイヤーは、後にも先にもあやだけだろう。



PV数が1000を超えました。これも皆さまのおかげです。







図々しいかもですが、高評価お願いします。

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