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Utopia・Online〜開始初日で魔王になるエクストリームプレイ日記〜  作者: オタケ部長
HP1から始まる魔王降臨
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HP1から始まる初期設定

新・連・載!でございます!

下手くそかもしれませんが、読んで頂けたら幸いです。

私が書いております『異世界転生したけど割と平和な世界なので荒ぶる厨二魂に基づき悪の象徴になろうと思います〜テンプレ網羅で人生イージーモード〜』の方もよろしくお願いします!

※長いんでオタケ部長って検索したら作品一覧から出てきます。

 

 ――とあるよく晴れた春の日


彩華(あやか)!私とゲームしてください!」

「……はい?」


 高校の教室で茶髪の女生徒が黒髪の女生徒―【夜雲(やぐも) 彩華】に頭を下げていた。しっかりと頭を下げ、相手にピーンと手を伸ばした姿はさながら告白する様子そのものである。


「あざっす!」

「いや、YESの意味じゃないから。どうしてそうなったの朱莉(あかり)


 そう言うと茶髪の女生徒―【三田 朱莉】は頭を上げ、向かいの席に座った。


「…ことの発端は2週間前。私はとあるフルダイブ型MMOのβテストに参加したの」

「それは聞いた。確か抽選に当たって喜んでいたもんね。覚えてる」

「1週間に渡るβテストを終え、βテストの参加者には《バーチャルギア》……ゲーム機の優先購入権が与えられる。私はそれを購入したわ」

「それも聞いた。『これであの仮装現実が現実に!ヒャッハー!』とか言ってたね。笑顔で自慢してきたじゃない」

「そのゲームの名前は《Utopia・ Online》!通称《UO》よ」

「そこからは初耳だわー」

「しかもサービス開始が明日……私は楽しみで最近寝付けなかった」

「だから今日日本史の授業で寝てたのか」

「そこはツッコマなくていいの。それでね、昨日の夜……お父さんが……お父さんが……」

「えっ!(あつし)さんなんかあったの⁉︎」


 【三田 淳】。朱莉の父親であり、彩華とも幼い頃からお世話になっている今年で58歳のおじさんである。


 『俺はあと100年生きるぜ!』と豪語する男であり、病気になったと言う話も聞かないのでまさかとは思うが……


「お父さんが新しく別の《バーチャルギア》買ってきちゃったの!」

「私の心配を返せ」

「《バーチャルギア》って脳波とかそう言う色々なことがあるから2つ以上持っていてもあんまり意味ないのよ。なので買ってきちゃった方あげるから一緒にゲームしてください」

「ファッ⁉︎い、いやちょっと待って。私はゲームのことなんてさっぱりわからないし、その《バーチャルギア》って抽選で買えるから買えなかった人も多いんじゃなかったっけ?そういうのは欲しい人にあげるのがいいんじゃない?」

「お願い〜〜!私は幼なじみで1番の仲良しで大好きな彩華とゲームがしたいの〜。《UO》したいの〜。お願い!」

「………………仕方ないな〜〜」


 彩華はまんざらでもなかった。顔もものすごくにやけている。


 それに、朱莉は彩華がこちらに引っ越して来てからずっと一緒にいてくれる親友だ。このくらいのことなら、いくらでも付き合ってあげるべきだろう。


 ネットのゲーム仲間より、自分を選んでくれた、というのもあって、彩華は笑顔で承諾した。


「ほんと!?ありがとう!」

「と言ってもほんとにゲームとかよくわからないんだけどね」

「その辺は私の方でサポートするから!よろしくお願いします!」

「こちらこそ。よろしくお願いします」


    ××××××××××

 ――次の日の夜


「……それにしても、ガチャガチャのダブりは貰ったことあるけどまさかゲーム機もらうとはなあ」


 昨日の放課後。朱莉の家に行き、そのまま《バーチャルギア》を貰ってきた彩華は昨日と今日を使いようやくアカウント登録を終わらせた。


 聞けばこの《バーチャルギア》はゲーム以外にも動画を見たり、通路をしたりすることができる。VRなので通話なんかは直接会ったようになるらしい。


 一部ではこの機能を使って通信授業を始める計画があるんだとか。


「………さて、と。今日の6時からだったよね。サービス開始」


 時計をチラリと見ると時刻は5時59分。両親には事情を話して夕食は既に済ましている。


「そろそろ始めるか」


 ヘルメットのような《バーチャルギア》を頭に付け、ベッ

トに横になる。


 すぐに仮想現実に入った彩華の前に《Utopia・Online》の文字とアイコンが現れる。


 彩華はそのアイコンに触れた。

  

    ××××××××××


『《Utopia・Online》へようこそ!私はこの世界の女神《全の母クリアナル》にお仕えする天使です!』

「お、おう」


 いきなり目の前で背中に羽を生やした「いかにも天使です」と言わんばかりの女性を前に彩華は少々驚いた。一瞬真っ暗になったと思ったらこれである。無理もあるまい。


『まずはあなたの名前を教えてください!』


 言うや否や彩華の目の前に赤い半透明のボードが浮かび

『名前を入力してください』と表記されている。


「う〜ん……。本名はダメだよね……と、なると……あ、やピ、コ。よしあやピコに決定!」


 このゲームにおける彩華の名前は『あやピコ』になった。

『あや』はいいとして『ピコ』を付けたのは「パ行って可愛いよね』と思ったからである。そこに深い意味などない。


『次は女神の恩恵……《スキル》を選択してください!』


 次に出てきたのは青い半透明のボード。そこには『《スキル》を10枠選択してください』となっている。

 

 《スキル》は大きく分けて3種類。


 主に剣術や魔法などの《戦闘系スキル》。


 物作りに役立つ《生産系スキル》。


 そして具体的な実利は無い、《Unknown》。またの名を《趣味スキル》。


 特に《Unknown》はβテスト時代からも何の役に立つかわからない、"自己満足のためだけのスキル"とされていた。


「………これでよし」


 彩華、いやあやピコ……あやは事前にどんな《スキル》があったのか知っていたのでスキル決めは早く終わった。


『最後にステータスを割り振りしてください!』


 最後に出てきたのは黄色いボード。そこには


   あやピコ Lv1


 HP-

 MP-


ステータスポイント70

 攻撃力-

 防御力-

 敏捷値-

 器用-

 精神力-

 知力-   

 運-



 とされている。


 言うまでもなくこのステータスポイントをそれぞれのステータスに割り振る。


 また、HPとMPはそれぞれの合計が100で、それぞれが0にならないように割り振らなければならない。


「…………できた!」


 こちらの方もそれほど時間を掛けることなく終わった。


『本当にこれでいいですか?』


 あやの前にさっきの三枚のボードと『YES/NO』と書かれた白いボードが現れた。最終確認というやつだろう。


「YES!」

『それでは我らの世界にようこそ!あなたの理想郷に幸あれ!』


 次の瞬間、あやの視界は白に染まり―――


 

 

 

彩華のとんでもステータスと《スキル》は次回のお楽しみに!

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