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死んでしまったということだ。おそらくは。私は死んでしまった。世の中からいつの間にか外れてしまって、あの世でもない、誰も行かないような正気を失った人間の見る夢のような世界に足を踏み入れてしまった。あるいは足を滑らせて落ちた。いつの間にか、気がつくと手遅れになっていたというよくあるやつだ。ここに来るまでに持ち合わせていたであろうものをもう何も覚えていない。いつ死んでもいいというのは、個人の意志や気持ちに左右されるものではなく、周囲の状況から自動的に決定されるものだと思う。いつ死んでもいい、なぜなら、死んでも大した変化が周囲に起こらないから。むしろ周囲にとっては利益になるということもありうる。あいつが死んでよかったよ。死んでくれて助かったよ。迷惑だったからな。この世に生きる必要のない人間だったということにある日気がつく瞬間があって、その時私はパソコンでネット動画を見ていたのだけど、好きな番組を見ていて、どうして私はそっちに居ないんだろうと、私はどうして何も持っていないんだろうと、何も持たずにどうして今まで生きていられたんだろうと不意に気がついてしまって。ほんの少しそう思っただけなのに、穴はどんどん広がっていって、いつの間にか私を飲み込むほどの大きさになっていた。ふらふらして、気を失った瞬間、自分がどこにいるのかがわからなくなって、今自分の居る場所が相対的に溶けていった。




