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072_王都への帰還

マイペースの2巻が発売されます!

暗殺者との戦い、そして管理者……。

買ってやってください。

 


 木々のダンジョンを踏破した俺たちは、ダンジョンを出てダンジョンの近くの人がいない場所で96式装輪装甲車(クーガー)を出してゆっくりした。

 王都に早く帰らなければいけないのではと思うかもしれないが、そんなことは俺の知ったことではない。

 インスに会えないのは辛いが、インスとはいつでも話ができるから、少しはマシだ。

 あと、ダンジョンから魔物が出てきてもインスなら無事に逃げ切れるから、なんの問題もない。

 国王がインスを人質にしなかったら、俺もここまで気持ちをこじらせることはなかっただろう。


 96式装輪装甲車(クーガー)の外に出る。【神器創造】でルビー用の鞍を創ろうと思ったからだ。

 ルビーは進化してさらに大きくなってしまったので、その体に合わせて鞍を創る。

 素材になる木は木々のダンジョンで倒したトレントを使って、【神器創造】を発動させると、10メートルほどの大きさだったトレントが光り出して形が変わっていく。

 できたのはゴンドラのような物だ。さすがに鞍に跨って大空を飛ぶ勇気は俺にはない。四方が囲まれていて、シートベルトもあるゴンドラを創った。

 ちなみに、シートベルトや、ゴンドラをルビーに固定する革バンドには、カオスドラゴンの皮を使っているので、ちょっとやそっとでは切れないぞ。


 翌朝、今回はリーシアにちょっかいを出さない。

 そろりと起きだし、朝食の支度をしていると、セーラが起き出してきた。

「おはようございます。グローセさん」

「おう、セーラ、おはよう」

 軽い口づけをして、可愛い妻と朝の挨拶をする。

「お手伝いしますね」

「ありがとう。それじゃぁ、パンを焼いてくれるか」

 セーラと俺はパン派、リーシアはご飯派、サンルーヴはどちらも食べる派である。

 ご飯の方は既に炊飯器で炊いているので、セーラにはホテルパンを適度な厚みに切ってもらい、オーブンで焼いてもらう。

 おかずの方は薄切りベーコンのカリカリ焼き、厚切りベーコン、ソーセージ、スクランブルエッグ、サラダ、梅干し、みそ汁、コーンポタージュである。

 最近はリーシアのお気に入りが梅干しなので、毎日出している。


「今日も主のご飯は美味かったぞ!」

「はいはい。ほら、ご飯粒がついているぞ」

 リーシアの口元についていたご飯粒をとってやって俺が食べる。

「まったくリーシアは子供なんだから」

「むー、俺は大人だぞ! 主」

「そういうことを言う奴は子供なの」

「むむむ……」

 セーラがサンルーヴの世話をしてくれているので、俺がリーシアの世話を焼く。

 リーシアにも困ったものだ。


「さて、いくか」

 食事の後片づけも終わったので、王都に旅立つことにした。

「ルビーすまないが、大きくなってくれ」

「分かったっピー」

 体長10メートルを超える巨体のルビーの腹側にゴンドラを取りつける。

 背中だと飛びにくいから、腹側の方がいいとルビーが希望したので、この形になった。

 リーシアがしっかりと、ゴンドラをルビーに固定してくれた。


「ルビー、いってくれ」

「っピー!」

 大きくて綺麗なルビー色の翼を羽ばたかせ、ルビーが飛び立った。

 ぐんぐん上昇して、地上の大木があっという間につま楊枝よりも小さく見えるようになる。

「ルビー、ゴンドラの具合はどうだ? 痛いとか、飛びにくいとかあるか?」

「大丈夫ッピー」

「よし、それなら王都までひとっ飛び頼むぞ」

「はいっピー」

 ルビーの飛行速度はとてつもなく速かった。音速を超えたのは間違いないが、マッハいくつなのかは分からない。

 ルビーが【風魔法】で俺たちの乗ったゴンドラを守ってくれたおかげで、空の旅は寒い以外は空気が薄いとか気圧や音は気にならなかった。

 今度はゴンドラの防寒対策をすることにして、今回は【通信販売】で防寒着を買って着ることにした。

「うう、寒いぞ、主」

 どうもリーシアは寒いのが苦手のようだ。

 常闇の鎧は自己修復や形態進化はあっても、適温機能はないからな。

 俺はセーラとサンルーヴを抱き寄せて温まっているが、リーシアは無理。だって、常闇の鎧がゴツゴツして痛いんだもん。


 あっという間に王都付近に到着した。あまりにも速くて、昼時にまだ時間がある。

 俺的には夕方に王都に到着する予定だったので、少し時間を潰すためにお茶をすることにした。

 そこからはだらだらとしながら、三人とデートしながら徒歩で王都を目指した。

「お、あれはなんだ?」

「ん? あれは、人?」

 リーシアが何かを見つけたが、よく見ると人が倒れていた。

「おい、大丈夫か~?」

 倒れている人のステータスを確認すると、HPは減っていないので焦ってどうこうする必要はないだろう。


 一応、近づいてみる。でも、俺には見えているんだよな。

「皆、殺さないように相手をしてやるんだぞ」

「なんだ、主。敵か?」

「かこまれているワン」

「盗賊のようですね」

 まぁ、盗賊だ。

 しかし、王都のこんな近くで盗賊が出るなんて、この国の治安は大丈夫なのか?


「ち、バレているんじゃ仕方がない。大人しく金目の物と女を置いていけ……ぶべぇらっ」

 無精髭を生やした男が偉そうに語りかけてきたが、リーシアによって殴り飛ばされた。

「頭っ!? ぐばっ」

「うげっ」

「ぼべっ」

「何だこれは!?」

 リーシアとサンルーヴが武器を使わず素手で盗賊を殴る蹴るで倒していく。

 セーラは地面を沼のように変えて、三人の盗賊を腰の辺りまで埋もれさせて拘束している。

 盗賊も相手を選んで襲えばいいのにな。この三人に遭ったが最後、盗賊は捕縛されるだけだ。

「主、終わったぞ」

「すぐおわったワン」

「この人たちは文字数を増やすために出てきただけですね」

 セーラさん、それを言っちゃーいけねぇぜ。それに大して文字数は増えてないし。


 さて、そんなわけで俺たちは夕方ごろ王都に入った。

 門をくぐって、そのまま王都の屋敷に向かうと、インスが屋敷の前で待っていてくれた。

「インス!」

「マスター!」

 俺はインスに駆け寄って抱き寄せた。

 ああ、なんて柔らかな感触だ。それにとてもいい香りがする。

 俺はインスエキスを補給するかのようにインスを抱いた。


「おい、主。いい加減いいんじゃないか?」

「ひまワン」

「もう十分は抱き合ってますよ」

 十分でも一時間でも抱いていたいインスの感触だ。

「マスター、続きは屋敷の中で、皆さんも一緒に」

「……分かったよ」

 インスは俺の手を引いて屋敷の中に入っていく。

 今日は思う存分、インスを補給しよう。


 ▽▽▽


 ははは、いい朝だな!

 なんだか、これからの戦いのための力を得た気がするぞ!

 美しくて可愛い四人の妻が寝ているベッドから抜け出し、庭に出て歩く。

 いい天気だ。こんな日はのんびりと日向ぼっこでもして過ごしたいと思うのは贅沢なのかな。

 俺が王都に入ったことはすでに国王や貴族に知られているだろう。

 なんせ、門から堂々と王都に入ったのだ、俺が国王なら重要人物の入国は管理させるだろう。

 まぁ、俺が重要人物だったら、だけどね。

 俺が重要人物でなくても、この屋敷の使用人の中に国の息のかかった使用人がいるから、情報は洩れている。

 どちらにしろ、いつ王都のそばでスタンピードが発生するか分からない以上、早く俺をダンジョンの中に入れたいはずだ。

 昨日の夕方に王都に入ったから、そろそろ迎えがくるんじゃないかな。


 使用人が走ってきて、俺に気づかれないところで、息を整えているのが分かった。

 これでもいくつもの戦闘を繰り広げ、死線をくぐってきたから、そのくらいのことは分かる。

「お館様、城から使者がお越しです」

 国に繋がっている使用人の一人だ。

「そうか、準備する。応接間に通しておいてくれ」

 さて、国王と貴族たちはどういう態度で俺を迎えてくれるのかな。

「畏まりました」


 

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