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無敵王子の弱点?

弱点は間違いなく妹ですな。

「父上?私を呼んだのは、陛下ですか?父上ですか?」

 キラキラのエメラルドの瞳を標準デフォルトで装備している、最愛の妻に似て愛らしい顔立ちの6歳の長男に真顔でそう問われ、国王フェルディオスはうなった。


フォティニア王国は歴史のある割に、元々ゆるふわっとした王国なのだ。

小さな事から大きな事まで公私混同は多々ある。

むしろ色々厳密にルール化しない事で、個性あふれる実力者達の暮らしやすさを維持してきたからこそ、この国に今の繁栄があるのだ。

そんな事は百も承知のはずの賢い息子からの先の質問ともすれば、警戒もするだろう。


今回も幼馴染の王様の為に、人外レベルの魔力持ちの息子の手を借りたいのだ。

超、プライベートなお願いだが、国のトップ同士のやり取りでもある。

恩を売っとけば、次代の王子同士何らかの絆が生まれるやもしれぬし、情けは人の為ならずなはずだ。


「最愛の息子兼、優秀な第一王子よ、よく来たな。」

 嘘はついてない、嘘は!

これで答えにしてくれないだろうか?

愛情をこめて言ったのに、涼しい顔で返されて心が折れそうになるが、話が進まないので頑張って伝える。


「実はな、ちょっと隣国ガイラルディアにお使いに行って欲しい。」

 ……にじみ出る嫌そうな顔も可愛いぞ!


……解る。

今この瞬間だけは、何を考えているか、手に取る様に解るぞ、難解な思考力を持つ息子よ!

みなまで言うな、妹と離れたくないんだな!


基本的にフォティニア王国の国民性は、研究者気質で、自分の関心のある事のみに没頭したい欲求を持った人間が多く、興味ない事に対しての面倒は嫌う傾向にある。

そんな中、王様とか国政とか、代々やってきているフェルディオスの一族は、他の人間が実益を兼ねた趣味しごとに没頭する為に面倒を押しつけられたお人好しでしかない。


フォティニア王国で王位簒奪劇をやっても客が入らないと言うのは劇場関係者の間では有名な話だ。

主な客である上流、中流階級の間で、何故そんな面倒なものを奪わなくてはいけないのかと、全く共感が得られないと言うのがその理由である。


親から見てもアルフェラートは、常識がはだしで逃げ出すレベルで、色々無茶苦茶な子だと思う。

だが、他国ではどうだか知らないが、この国の王太子としては優秀だった。


例え、妹への溺愛ぶりが常軌を逸脱するレベルでも、当事者であるリオも含め、誰にも迷惑をかけてないし、

やらなくてはいけない事はきちんとこなした上で、自国に不利益をもたらさない範囲で好き勝手しているからだ。


最近叱ったのは、去年、ユーグランスのディオナ女王にガチな方の、キスマークを付けられて帰って来た時か。

あの国の女王は少年愛の気があるから、まだ近寄らせたくなかったと言うのに……。

危険を感じ取れさえすれば、充分に自分で身を守れる上、飛行魔法や空間転移を自在に操るアルの行動を制限することは難しい。


好奇心に満ちた顔で、鏡を確認しながらキスマークを抓って「魔力の反応はないので安心してください」という5歳に安心できる要素が何もなかった。


それからは、良く解って無いなりに、他国に行く前にはきちんと報告に来るようになった。

行ってきますとただいまは大事だ。

取りあえず今は、それで許そう。


お互い、切り出しにくい言葉を発する頃合いを、じわっと計って居たが、王様という家業は割と忙しい。


「ディーの、息子の……」

「リチェの首の……。」

 ……頑張って切り出したら、親子で被った。


ちなみに、ディーは、ガイラルディア帝国の王様のデュランダルの愛称だ。

しかも、まだ何も話してないのに、すでに察した顔で、王子は取り繕うことなく思いっきり眉をひそめる。


「王妃様達のおもちゃにされてるアイゼンクリフ第五王子ですか?最近は緑のドレスばかりだそうですね。」

 緑は、息子の瞳と同じ色だ。

意味も無くこんな事を言う子では無い。

おいお前、こないだお茶会に呼ばれてたな、何をした?

息子と同じ年の王子に惜しみない同情が溢れる。


だが、しかし今はそれはどうでもいい。

重ねて言おう、可哀想だがどうでも良い。


「解っている癖にはぐらかすな。その上の第四王子の、カレスファシルだ。」

 2歳年上の王子の名前を聞いたアルの嫌そうな顔に、やっぱりと言う諦観にも似た感情を見つけて不思議に思う。


万能王子の息子が誰かを苦手とするなんて本当に珍しい事だ。

「何でお前、カレルが苦手なの?」

 隣国の王子を愛称で呼びつつ息子に問いかけた。

2015/9/5/20:002か所修正しました。

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