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血のつながらないイケメンは妹姫と会えません。

時は朝、妹姫との触れ合いを終えた王子が、王子付きのクレアとシオンを伴い、リオルーチェの部屋を出て最初の角を曲がった所まで遡る。


「王女殿下との朝の逢瀬は恙無つつがなく終えられましたか?」

 王命により、待ち伏せをしていた、アルフェラートと同じ年の少年が裏のない人懐っこい笑顔で微笑みかけてくる。


ふわっとした癖のあるミルクティー色のアッシュブロンドに、柔らかなオレンジ色の瞳の砂糖菓子みたいな雰囲気を持つ少年は、従兄弟のマイセラキトスだ。

彼は、アルフェラートの幼馴染にして、将来補佐となるべく城内で教育を受けている人類レベルでの秀才だ。

加えて、家柄も性格も良く、更に癒し系な為、城で勤務する娘を持つ貴族達による、あの子になら娘をやっても良いランキングでは、王子を押さえて一位に輝いている。


すぐに返事を返さず考え事をしている王子にも慣れた様子で、そのまま国王からの伝達事項メッセージを伝えようとしたところ、先に言葉をかけられた。


「おはようマイス。丁度良かった。父上に会いたい。」

 質問には答えず、要求だけを伝えてくるのは、気心が知れているから……だと思いたい。


「……ええ、陛下も御用がお有りの様で、謁見の間の控え室で、お待ちですよ。」

 アルフェラートは、こんな朝からどうしたのかと、自分の事は棚に上げていぶかしがりながらも、先程リチェの身体に見つけた象徴しるしを父親にどう切り出すか考えていた。

そんな様子を見ても、マイスも心得たもので、考え事をしている王子に話しかけたりせず、並んで歩く。


いつになく、深刻そうな顔をしているが、やっぱり天使だよなあと思いながら繊細な中にも凛とした美を持つ従兄弟の王子をしげしげと眺めていると、

「……やっぱりほろぼしてしまおう。」

 空耳だった事にしたくなる、物騒な独り言が耳に入ってぎょっとなる。


「……えっ?」

 きちんと聞き返そうかどうか迷っているうちに、目的地に着いてしまった。


国王付きの近衛がドアを開けてくれるが、マイスは中に入らない。

「呼ばれてるの、アルだけだもん。……巻き込まれたくないから、行かない。」

 立ち止まった気配に振り返った王子は、特にそれに対してどうとも思った様子もなく、ここまで送ってくれたマイスに軽く手を振る。

王の待つ部屋の重そうなドアは二人の間で閉じられた。



「なんだか、目茶苦茶うわの空っぽいんだけど……、大丈夫かな?」

 マイスは同じ年の子たちの内では、群を抜いて賢いと褒めそやされる事が多かったが、あくまでも人類レベルの賢さだ。


小さいころから、そこそこと言えるくらいには一緒に過ごしてきたマイスにとって、アルは嫉妬するのもばかばかしくなる様な奇蹟の天才だ。

そして、アルが居たから、マイスはいくら褒められても天狗になる事はなく努力できたのだと思う。


アルは、大人でも出来無い様な事を、軽くこなした上で、アレンジを加え、傍にいるマイスを楽しませてくれる。

面白い事をしている時は一番近くで見て居たいと思うが、経験上わかる。


今回のは駄目なやつだ。

アルがマイスを必要と言ってくれるまで、この件に自分から首を突っ込むのはよそうと思った。

人間、引き際はとっても大事なのだ。


それに、マイスの仕事は別にある。

「さて、今日のアルの先生誰だっけ?急な公務の為欠席の連絡しないと……」

 アルフェラートがのびのびと自由に振舞えるように手配をする、それが出来る立場をマイスはとても気に入っていた。

台風のおかげで、二日間ホテルなう。

短いですがちょこっと更新

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