挨拶周り その2
やってきました203号室前!
201号室の人がとても優しくて可愛くていい子だった事もあり、私のチャイムを押す指は前回よりも軽快だ。
「はい」
どうやら203号室は男の人のようだ。
「隣に引っ越してきた者ですけど」
「ちょっと待ってください」
そう言って出てきたの男の人はとてつもないくらいのイケメンでした。
黒髪だけどもどこか外国人の血が混ざってるんじゃないかなーと思わせるような涼しげな顔。
部屋用なのかはよく分からないけれども、黒くて細いフレームの眼鏡がよく似合っていた。
少々見惚れてしまったことを謝ろうと思い、改めて相手の顔を見ると少し驚いたような顔をしていた。
勘違いしてもらないでもらうためにこの際はっきりと言うと私の顔は見惚れられるような顔ではない。悲しいことに。
「隣に引っ越してきた雨宮鈴といいます。これ、地元のお菓子なんですけど、そこまで甘くないので男性でも食べやすいと思うので良かったら…」
「わざわざすいません。ありがとうございます。僕は千崎 蓮です。よろしくお願いします」
テノールの良い声してるなーと思いました。イケメンの笑顔って良いなと思いました。此処に引っ越してきてよかったなと更に思いました。眼福眼福。
「これから、よろしくお願いしますね」
背が高い様で、彼の部屋の中の様子が良く分からなかったけれど、部屋の中もきっとイケメン仕様になってるんだろうな・・・・・・と思いながら、私は軽く頭を下げて203号室前から去った。
やっとヒーロー登場です。