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その2: よくある状況


「はぁ~~疲れた~~。やっと落ちつけた~~」

 そう言って駅の前にある噴水の淵にどかっと腰掛けたのは、高校生ほどの少女であった。

 シャツにショートパンツという格好で上下共に半袖のため、健康的な肌が惜しげもなく外気に晒されている。

 下にスパッツを履いているからか、足を大きく開いて地面に投げ出していた。

「つけたー」

 続いてその隣にちょこんと腰掛けたのは、一目には小学生にしか見えない小柄な少女である。

 フリルの入った半袖のシャツと、キュロットパンツという組み合わせは、童顔の少女によく似合っている。

 知らない大人が彼女を見れば、思わず微笑んでしまうような愛らしい少女は、これでも実は高校生。先の少女と同じ歳だった。


「夏陽があんなに歩き周るからでしょ」

 後に座った少女が淵に座った勢いを殺しきれず、噴水の方に倒れ込もうとしていたのを服を引っ張って助けながら、別の少女が苦情を言った。

 だが苦々しい表情に覆われながらも、その可憐さは隠しきれていない。

 少女は肩より少し下の所まである薄い紅色の髪を左右に束ねており、綺麗な顔立ちをしていることもあって、まるでお人形のようにも見える。

 しかし、その瞳は力強ささえ感じ、また見た目から想像されるような大人しい少女ではなかった。

 加えてスタイルも良いとは言えない。後に腰掛けた少女とほぼ同等。こちらも小学生と言っても十二分に通じそうな体型であった。

 涼しげな白いワンピースを着ているためか、汚れるのを気にして淵に腰掛けようとはせず、立ったままである。


「だってしょうがないじゃ~ん。やっと魂の牢獄から解放されたんだからさ~~」

 夏陽と呼ばれた少女は悪びれる風もなく、毛伸びするように背筋を大きく伸ばす。

 今居る場所は、この辺りでは発展している街の駅前である。当然、人通りはそれなりにあり、彼女の振る舞いは衆人の目にも入っていよう。

 しかし、夏陽はそのだらしない言動を止めようという素振りも無い。


 隣に腰掛けた少女が夏陽の真似をするように背筋を伸ばし、再び噴水に落ちそうになっていた。

「もう、ミア危ないって」

 幸いにも前に立ったワンピースの少女が、少女――ミアのシャツを掴んでそれを阻止する。


「ふふふっ」

 ここまで友人たちの言動を穏やかに眺めていた人物が、ミアの子猫のような行動を見て思わず笑みを漏らしていた。

 その優しい眼差しは、見る者を安心させることだろう。

 落ち着きのある妙齢の女性。そんな風にも見えるが、彼女も他の少女達と同年齢である。

 肩より少し長い、ふんわりと柔らかそうな髪が風に揺れている。少し大人しい服装は彼女の印象に近く、見た者は清楚という言葉を思い浮かべるに違いない。


「まぁ、気持ちは分かるけどね」

 と、ミアの姿勢を正してやりながら、ワンピースの少女が夏陽の言葉に対して理解を口にした。

「でしょでしょ~~? やっぱ今日くらいはパーといかないと。リリーもエリッちも、いくら勉強が出来るって言っても、鬱憤が溜まる一方だと身体にも悪いよ~~」

 夏陽が満面の笑顔で主張する。

 実は昨日、彼女達の学校では中間試験が行われていた。

 その為、ここ一、二週間は試験勉強漬けの毎日だった。なので基本的に活動的な夏陽は、ずっと息抜きをする場を求めていたのである。

 

「う? はれつする?」

「するする。だからやっぱ息抜き重要。打ち上げサイコー」

「おおーーさいこーー」

「もう、だからってだらしないわよ。ミアも真似しないの」

 腰に手を当て苦言を漏らすが彼女、エリッちこと、エリノアにしても試験勉強から解放されたいのは同じだったのだろう。

 どこか楽しげな様子が見え隠れしている。

「ふふっ」

 三人の友人の様子を見て、もう一人の少女も楽しげに微笑み続けていた。


 穏やかな。何処にでもある友人達の憩いの情景だった。

 が、これらを台無しにする介入者もまた、ある種何処にでも居る存在といえた。


「お、可愛い子発見!」

 突然奇声が上がった。

 声の主は何処にでもいそうな、砕けた格好をした――言い換えればだらしない格好をした少年だった。

 少年の背後には、友人と思われる数名の姿がある。


「ねぇねぇ今何してんの? 良かったら俺達と遊ばない?」

「はい?」

 どうやら少年達の狙いは、大人びた少女のようだ。視線が彼女へと集まっている。

 一方の少女は、少年が早口だったため聞き取れなかったのだろう。穏やかな表情を不思議そうなものに代える。

 誰にでも真摯に応対しようとする少女だったが、この場合はそれが悪く働いた。

 嫌な顔どころか、申し訳なさそうに聞き返した少女の反応を見て手ごたえを感じたのか、少年達は更にググッと距離を詰めてナンパを続けた。


「ごめんなさーい。今休憩中なんで、他当たってくださーーい」

 その場で立ち上がり、声を張り上げたのは夏陽である。

 声の中には多分に険が含まれている。


「その服可愛いくね? なんつーかやぼったい感じが一周して逆に可愛いみたいな 」

「あ、有難うございます」

「高校生だよね? 何年? 2年? 3年?」

「いえ、一年生です」

 

 少年達は夏陽の叫びを完全に無視していた。

 というより目に、耳に入っていない、と言うのが適当かもしれない。

 夏陽は苛立ちで表情を覆うと、噴水の淵の上に登り、先程より大きな声で叫んだ。

「すいませーーん。だから私達休んでるところなんで他当たって下さーい!」


「そうなの!? 全然見えないね。あ、もちろん悪い意味じゃなくて、大人っぽく見えるってことね」

「そうか一年かぁ~~。あ、俺達は二年なんだ。年下か~~でも、まあいいよな?」

「いいじゃん、俺結構年下好きよ?」

 夏陽の拒否に解散するどころか、少年達は少女を取り囲み、更に盛り上がっていた。

 痺れを切らした夏陽は、少女と少年たちの間に割り込んでいく。


「聞いてくださ~~~いって、言ってんでしょ!!」

 募った苛立ちは、夏陽の言葉から敬語を消していた。

 面と言われれば、流石に少年達も夏陽の存在に気づく。

「ああ?」

「何?」


「私達は忙しいんで、他を当たってください!!」

 注意が集まったのを見て、夏陽はもう一度厳しい口調で言った。

 言いながら、後ろ背に少女を庇うように立ち位置をずらす。

 こうまではっきりと拒否すれば、退散するだろう。今までの夏陽の経験上からすると、間違いなかった。

 残念ながらその際の主役は夏陽ではなく、背後に居る少女が常だったが。

 しかし――――


「何言ってんの?」

「何なのお前。誰もお前に声掛けてねーし」

 どうもこの少年達は勝手が違っていた。

 夏陽に対して、露骨な苛立ちを覗かせる。


 ここまでしていれば、夏陽と少女が友人なのは分かる筈である。

 にもかかわらず、ナンパ対象の友人を貶めるその神経が分からず、夏陽は唖然としてしまった。

 なので、その罵詈に対して反応したのは、夏陽ではなく二人の傍まで近づいていたエリノアだった。

「何それ!? それはちょっと失礼じゃない!」

 

 少年達は一瞬自分達が誰から怒鳴られているのか、対象を見つけられないでいた。

 周囲を見回して、そして下に視線を向ける。

 そこでようやく、凛々しい表情で睨んでいるエリノアを見つけた。

 少年たちの口元に嫌らしい笑みが浮かぶ。


「……何、こいつら。小学生?」

 少年の一人が、エリノアと、そしてミアに視線をやった後、率直な感想を吐露する。

 その呟きを聞いた少年達は、仲間内で爆笑し始めた。

「た、確かに面は良いけど、餓鬼ンチョには用はないわーー」

「俺達は彼女に用があるの。お子様は黙ってようなぁ?」

 ナンパ男にまるで諭すように言われ、エリノアは呆然とする。

 そして、理解が及ぶと、

「はぁ!?」

 険しい顔が、瞬時に怒りの形相に変化した。


 夏陽と二人して、少女と少年達との間に壁を作る。

 このまま一歩も少女に近づけさせまいとする二人と、少年達は半ばにらみ合うようにして、牽制しあう。

 重い沈黙が続く中、次に発されたのは――――この場に似つかわしくない愛らしい声だった。


「エリちゃん、おこさま」


 自分の名前を告げられたエリノアが思わずそちらを向くと、噴水の淵に立ったミアが両手で口を隠すようにして含み笑いをしていた。

 エリノアの張り詰めていた糸が、緩みそうになる。

 無視して対峙を続けるのが正解、ということはエリノアも分かっていたのだろう。

 しかし、エリノアは僅かな逡巡の後、ミアに向かって口を開いた。

「た、確かにそう言われても仕方ないとは思ってるけど……少なくともアンタにだけは言われたくはないわね! っていうか、さっきのはアンタも入ってるのよ!?」

 ミアは不思議そうに首を傾げる。

「うー? でもミアのがむねおっきい」

「ばっ、馬鹿! こんな所で何言い出してるのよ!」

 とんでもないことを言い始めたミアに、堪らずエリノアは近づいていく。


「でもおっきい。ミアのがおとなだもん」

「うぐっ! あ、あれは偶々よ! そ、それにほんのちょっとだけじゃない!」

 ミアの主張の裏には、以前行われた身体測定の結果があった。


 エリノアは日頃から、自分のスタイルが高校生としての標準を大きく下回っていることを気にしている。

 なので自分より明らかに格上のスタイルの持ち主とは絶対にやらないが、幼馴染の気安さで二人は互いの結果を見せ合っていた。

 無論エリノアとしては、流石にミアには負けてない、という絶対的な自信があったからでもあろう。

 しかし、蓋を開けてみれば、スタイルが良かったのはミアの方で……。エリノアはそれから暫く立ち直れないほどに落ち込んだのだった。

 ちなみに余談として、それ以来エリノアはそれまで飲んでいた牛乳の量を、コップ二杯分増やしていた。

 

「ちょ、ちょっ! 二人とも今はそんなドングリの背比べしてる場合じゃないって!」

 脱線しかかっている二人を、夏陽が慌てて呼び戻す。

 我に返ったエリノアは、直ぐに夏陽の元に戻ろうとして――――思い返したように立ち止まり、眉を顰めた。

「確かにその通りだけど……何かその言い方、腹立つわね」

「うーー? なっちゃんよりもミアのがおおきい」

 再びミアが爆弾を投下する。


 被災者は夏陽だった。

「はぁ!? な、何言っちゃんてんの? アタシがミアっちより? ありえないし!」

 一転、顔を真っ赤に染めた夏陽はミアの言葉を否定する。

 ただ、その反論は無視して、エリノアはミアに匙を向ける。

「そうなのミア?」

「うん。ミア、なっちゃんのも見た」

 続くミアの援護射撃。

 ただし、ミアは真の意味でフレンドファイアしかしない。

「い、いつの間に!? 人権侵害だよ!」

「な、なら体格比的には私の方が上、ってことになるわね」

 ミアの発言を信じたエリノアは、自分を納得させるように何度も頷いていた。

 これで夏陽にもスイッチが入った。


「何それ? 体格比? エリッち……そんな空想に浸ってないで現実を直視しなよ」 

「なっちゃんも。ミアのがおおきい」

「嘘だね! そんなことありえないし!」

「私まだ成長期来てないもん。これからだもん」

「ミアもーー」

「はぁ? 二人とも幾つですかぁ? 確か同じ歳の筈ですけどぉ? 今きてないってことはこれからも来ないですぅ!」

「そんなこと分かんないでしょ! 成長が遅いだけなのかもしれないじゃない!」

「うーー。でもいまもミアがいちばん」

 三者とも、最終的に大きいのは自分だと主張し続ける。

 しかし、それを受け入れられない他二名によって、話は纏まらない。

 このいつまでも続くかと思われた平行(むね)線の話は、


「はい! ダウトー! アタシのが大きいですし、それに一番大きいのは誰がどうみてもリリーですぅーー!」

「そうね。見栄の張りすぎは良くないわよミア。どうあがいても私達がリリアスに……」

 最大の強者()の存在を思い出す事によって終わりを告げた。


「そうだ、リリアス!」

「やばい、こんな事で争ってる場合じゃなかった! リリー!?」

「おーー?」

 エリノアと夏陽は肝心な事を思い出し、ナンパされていたリリアスの方へと視線を向けた。

 しかし、既に先程までの場所には誰も居ない。

 二人は慌てて周りを見回し、かなり離れた場所に少年達の姿を捉えた。そこには強引に連れて行かれているようなリリアスの姿もある。

 すぐさま、全力で後を追いかけた。


「ちょ、ちょっと待ちなさいって!」

 最初に追いついたエリノアが、少年達の後方から制止の声を上げる。

 不安そうに曇っていたリリアスの表情が、安心したように晴れたのを見ながら、エリノアは更に一歩前に出る。


「あ? 何だうるせえなぁ……」

 振り返った少年達は、威嚇するようにエリノアを睨みすえる。

 再びにらみ合いになり、そこに夏陽が追いついてくる。

 それから更に遅れて、ミアが合流する。


「お前等……あんまり俺たちの邪魔するようなら、いくら女だからって……やっちゃうよ?」

「ふざけないで! それはこっちの台詞よ!」

 危険な雰囲気を醸し始めた少年達に、気丈に言い返すエリノア。

 その怒りに染まった瞳からは、男に相対する恐怖などは微塵も見あたらなかった。


「そ、そうだ! エリっち、ミアっち、やっちゃって!!」

 直接的なやりとり(喧嘩)には自信が無いのだろう。先程までの勇敢さは、なりを潜めている。僅か百メートルに満たない距離を走っただけで、ぐったりしているミアの背後に隠れるようにして、夏陽は煽るように囃したてる。

 まさに一色即発の状態の中、均衡を崩したのは第三者の登場だった。


「あーー! こんなとこで何してんのぉ?」

 場違いな甲高い声に、思わずこの場の全員がそちらを見る。

 すると、そこには数名の、所謂"ギャル"の少女達が居た。


 途端に少年たちの相好が崩れる。

「んん? おお!」

「ミキ達じゃん。何してんの?」

 少年達はエリノア達を放って、少女達に近づいていく。


「えーー。適当にぶらついてただけ」

「お、用事ないの? だったら俺らと合流しねぇ?」

「んーー、どうしよっかぁ?」

「私は別にいいけど~~ミキはぁ?」


 呼びかけられた少女は、ギャル達の中では異質の、比較的普通の少女だった。

 ギャル的可愛さではなく、一般的な女子高校生のような、普通に美少女と形容されるような容姿をしている。

 その少女は黒髪を弄るように撫でながら、流し目でエリノア達の方を見た。

 一人一人に視線を向けていき、最後にリリアスの姿を捉える。

「そうね……でもその子に声掛けてたんじゃないの?」


 少女の問いかけに、少年達は慌て出す。

「え? い、いや、ちょっと道を尋ねてただけだって」

「そ、そうそう!」

「あ、君あんがとね。もう行っていいから」

「は、はぁ」

 急な掌を返したような言動に、リリアスは目を瞬かせる。

 

 驚いているリリアスを、少女達が値踏みをするようにねめつける。

「そこそこ可愛いじゃん。ホンとにいいのぉ?」

「だからちげーって! そんなんじゃないって!」

 そう言うと、少年達はもうどっか行ってくれ、とばかりにリリアスに向けて手を払った。

「!? なにそもごもごっ!!」

 その素振りに腹を立てたエリノアが何か言う前に、夏陽が背後から口を抑える。


「ふーーん。じゃあ、何か奢ってくれるなら付き合ってもいいよ」

 ミキという少女の一言で、少年達は途端に色めき立つ。

「奢る奢る! 最近ちょっと臨時的収入があって、俺らプチリッチなんだよ!」

「へぇーー」

「あ、ずるーい。ならアタシも奢って~~」

「ともかく、ってことは決まりな! どこ行く?」

「何か食べたぁーい」

「おっしゃ、なら何か食い行くか!?」

「さんせ~~い!」


 そのまま少年達と、彼等に合流した少女達は離れていった。

 去り際、少女達は男達の関心を奪った事を勝ち誇っているかのような目で、エリノア達を見た。

 明らかに見下したようなその視線に、エリノアと夏陽は胸のむかつきを覚えながらも、嫌なものから目を逸らすように視線を切った。

 そうして、リリアスに向き直る。


「リリアス、大丈夫だった?」

「はい……ありがとう。正直……少し怖かったです」

 いつものように微笑もうとするが、まだ胸に残る不安がそうさせない。

 そんな様子のリリアスだったが、

「よしよしーー」

「あ…………ふふっ。有難う、ミアちゃん」

 精一杯背伸びして、自分の頭を撫でようとするミアを見て、意識せずに心からの笑顔が咲く。

 その微笑を見て、ようやくエリノアと夏陽はホッと安心した。

 そうすると、少年達への怒りが再び湧き上がってくる。


「うぬぬぬぬっ!! リリーをこんなに怖がらせるなんて!」

「ムカつく奴等だったわね!」

「そうだよ! それにあの女達も何か嫌な感じ!!」

「こっちを見下してた感じが!」

「そうそう!」

「それに、私らの貴重な憩いの時間を邪魔してくれやがって!」

「それは本当にそうね!」

 余程腹が立っていたのかエリノアと夏陽は、少年達と、そして少女達への不満を次々に挙げ続ける。


 そんな友人達の様子を不思議そうに見ていたミアが、

「うーー? ゴンちゃんよぶ?」

 何気なくリリアスに尋ねた。

 ミアの言う"ゴンちゃん"が、誰を指しているのかを知っているリリアスは、困ったように微笑む。

 もし"ゴンちゃん"を呼ぼうものなら、ちょっとした仕返しどころか警察沙汰になりかねない。

「それは……大惨事になりそうです。もう大丈夫ですから、止めておきましょうね? 夏陽ちゃんもエリちゃんも、落ち着けば同じ事を言うと思うわ」

「おーー、分かった」


 ミアの提案をリリアスが優しく棄却したところに、

「かくなる上は! ミアっち!」

「ミア!」

 何かの結論を出したらしい夏陽とエリノアが、鼻息荒い顔でミアを凝視する。

 二人は同時に言った。


「「”ゴンちゃん”呼んで、アイツらをちょっとビビらせてやって!!」」


「おーー?」

「二人とも……」

 この後リリアスが、怒りに燃える二人と、二人に当てられたミアを宥めるのに、少年達を相手するのに掛かった倍の時間を要したことは、ほんの些事に過ぎない。


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