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灰色の少年

初めまして。わくわくするお話をかいていけたらと思います。よろしくお願いします!


魔法を使う世界で、1人の少年が強くなっていくお話です。

500年前、嵐の夜ㅡ...


雷鳴が空を裂き、雨が大地を叩きつける。

ある魔法研究所の上空に今この世界で1番ともいえるだろう巨大な魔法陣が浮かんだ。


「あの魔本陣を止めろ!!」


1人の魔導士が叫ぶ。―若き魔法研究者、オルテリウス・サーキュラだ。

彼の体は震え、声は届かないほどの轟音の中で震える。


「違う…こんな力のために研究してきたんじゃない…」


だが周囲の魔導士たちは興奮し、声を張り上げる。


「この魔法があれば戦争は終わる!」

「無限の魔力だ! 世界は我らの手に!」


オルテリウスは必死に叫ぶ。


「違う!!」

「これは世界を壊す!!」


魔力が注ぎ込まれた魔法陣は彼らの意志を超え暴走を続ける。


オルテリウスは決断する。


「封印する。」


周囲の罵声をものともせず彼は手を大きく広げ、最期の言葉を残す。


「もし未来に」

「この理論を正しく使える者が現れるなら...その時こそ、世界を救ってくれ…」


彼が巨大な魔法陣に勢いよく自分の魔力を注ぎ込み魔法陣の文字を変形させたかと思うと、その魔法陣は形を変えて彼の身体に目掛けて吸収されていく。


そして、その研究は魔法研究所の崩壊と共に永遠に封印された。

魔法陣の光は消え、嵐だけが静かに地上を濡らしていた。


---------------


森の向こう―誰も踏み込まない荒れ地に、かつて世界を揺るがした戦の名残が残っているという――誰の目にも触れないまま、ひっそりと。


500年前、世界は魔法戦争で揺れていた。魔法を研究する者たちは人類を救う力と世界を壊す力を同時に抱え、1人の死と共に世界が一度滅びかけ、戦争が終結したという。

6歳のリオには、そんなことは何も分からない。ただ、高い塀に囲まれた孤児院の屋根を叩く雨水の音と、自分の失敗ばかりの魔法練習が目の前にあるだけだ。


「また灰色が失敗してる!」


部屋の片隅で魔法の練習をこっそりしていると同じ年の奴らがわざわざやってきて僕をからかう。

周りにいた他の子どもたちはくすくす笑い、僕を見ないふりをする。


今日もまた、火を起こす練習、水を操る練習、風で紙を舞わせる練習――全部、うまくいかない。


孤独はいつも僕の隣にいた。親はいない。僕は産まれてすぐに銀色のペンダントと共におくるみに包まれて孤児院の前に捨てられていたらしい。

友達はいない。

なぜ僕がいじめられるか。

それは僕が魔法を第一とするこの世界で魔法をろくに使えないうえに、灰色の髪と瞳を持つからだ。

この世界には7つの魔法が存在する。


火、水、風、土、雷、光、闇。


自分が何の魔法の属性かは、髪や瞳の色で判断できる。火は赤く。水は青く。風は緑で土は茶色。雷は紫色で、光は黄金に輝き、闇は黒い。その濃淡はあるもののより濃く、輝くほど魔力が強いと言われている。

でも僕は。僕は...少し魔法が使えてもこれといって属性分けできるほど魔力が強くない、何の属性とも人に言えない中途半端の「灰色」なのだ。


だからこそ同年代の子供も、大人でさえも僕を気味悪がり遠巻きに見る。


「おい、灰色!おまえはいつまでたっても養子にはされないんだな!」


先ほどからしつこく僕のことをからかうのは燃えるように紅い髪と瞳を持つ同い年のライルだ。


「お前、いつまで孤児院にいるんだよ?天才な俺は来週からは貴族様だぜ。ライル様だぜ?まぁもうお前と会うことはないけどな」


ふふん、とライルは自慢げに鼻をならす。

ライルはその瞳の色から魔力の強さを買われ、来週には貴族の養子になる予定だ。

優越感に浸りたいからか、ライルはいつも僕をからかってくる。


「...僕は捨てられたんじゃない...きっと、何か理由があるんだ...」


「捨てられてないって?もう6年も経つのに?知ってるか?お前がここの中で1番長くいるんだぜ。しかもお前の手にあるそのアザ、親がお前の手を焼いたって大人は言ってる。」


孤児院にくる子供達には孤児院にくる理由がある。一時的に経済状況の悪化で預けられる子供、親が死んでいない子や、もちろん、親に捨てられた子供も。

でも大概は3年ほどで新しい親に引き取られていく。そう。僕は他の人の倍もこの孤児院にいるのだ。

さらに僕の左手には大きな灰色がかったアザがある。捨てられていたときにはただれて真っ赤だったらしい。


「そんな気味悪いお前なんか、誰にも引き取ってもらえねぇよ。」


そう言ってライルはボソボソと詠唱し、お得意の火魔法で巨大な火の渦を僕に向ける。

その火は僕の首の近くにやってきて、首からぶら下げていたペンダントが熱を帯びる。

僕はその熱を感じ、慌ててペンダントを首から外したけれど、それを見ていたライルがペンダントをひったくった。


「取り返せるなら取り返してみろよ!」


ライルは指先でペンダントをくるくる回す。


「返してよ!」


ライルは鼻で笑う。


「はっ、やだね」

「お前みたいな灰色にこんな綺麗なもん似合わねぇだろ」


キラリとひかる紅い瞳が僕を見てニヤリと笑い去っていった。

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