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サバイバル  作者: 伊右衛門


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冒険者編1

○オレたちが基地に移住して数日が経った。


その間にオレたちが始める冒険者ギルドに関して基本的な仕組みや組織を考えた。

もっとも考えたのはほとんど美咲ちゃんなんだけどね。


初代ギルド長には満場一致で大先生が就任した。まぁ、これまでも難しい問題に関しては大先生に相談していたので、これまでどうりな感じだ。

副ギルド長にはさとるさん、ギルド長補佐に田中さんが選ばれた。

そして、オレとマスターと優子さん、それにお姉さんの代表がギルド幹部に指名された。

んで、美咲ちゃんはギルド長秘書ってことになった。ギルドの顔、受付嬢は村のお姉さんたちが持ち回りで担当してくれる。


これまでの村の組織がそのまま活かされた形なので混乱はないだろう。

周辺の集落からきた依頼の中で助けが必要と思った以来は受付嬢さんが受け、さとるさんと田中さんが吟味して大先生が承認する。

承認された依頼は幹部がメンバー、つまり村のお姉さんたちと協力して解決する。

まぁ、そんな感じになっている。


そして、今、オレは最初の依頼に取りかかっている。

この辺りの集落の中でも小規模な集落から畑にゴブリンが出るので退治してほしいと依頼されたのだ。

メンバーはオレと村のお姉さんの代表のお姉さん、ちなみに香織さんというんだけどね。

その香織さんと他に二人のお姉さんの総勢4名だ。

オレと優子さんで解決しようとしたけど、秘書からこの程度の依頼に幹部二人が出る事は無いと却下された。

ひょっとして秘書の方がギルド長より権限強いんじゃないかな~


集落の人に退治の仕方を教えようかと思ったけど、小規模な集落なので退治に行って返り討ちにでもなったら集落自体が消滅するかもしれない。

あとで罠の作り方と仕掛け方を教える事にした。

ゴブリンにも学習能力はあるから、罠が仕掛けられた畑には近づかなくなるだろう。


オレたちは、香織さんを先頭に畑から延びるゴブリンの足跡を追っている。

オレがやっても良かったんだけど、香織さんがやりたいというのでお任せしている。

見ているとしっかり足跡を捉えているし、問題は無いみたいだな。

香織さんは優子さんとほぼ同年代だ。よく優子さんとも話している。

弓の腕前も高く、なにより罠の作り方と仕掛け方に関してはオレや優子さんを抜いてマスターに匹敵する腕だ。

村でも香織さんが仕掛けた罠にはほぼ確実に猪やゴブリンがかかっていた。

おかげでいつも助かっています。


2時間ほど追跡したが、足跡は山に向かっている。

今からだと山中で日が暮れてしまうだろう。

「残念だけど、ここまでにしよっか」

暗い山中で足跡を追跡するのは難しいし、不意打ちされるのも怖い。

ここは諦めるべきだろう。

香織さんは悔しそうだ。

最初の依頼だから解決したいけど、無理はしたくない。

正直、オレには依頼達成より香織さんやお姉さんの方が大切だ。

オレたちは集落に引き返す事にした。


オレが殿に立ち香織さんの様子をうかがっていると香織さんが話しかけてきた。

「あの、真人さんこのまま帰るのもなんですから、畑近くで夜営してゴブリンを待ちませんか?」

う~ん、これからの事を考えると依頼は達成しておきたいよね。

ゴブリン退治もできないなんて思われたら、これから依頼なんてこないだろう。

最初の依頼に失敗てのも感じ悪いしね。

別に依頼してほしい訳じゃないけど、周辺の集落から不信感を持たれるのもまずい。

集落の人たちからすれば、オレたちは正体不明の集団だもんなぁ。

「でも、オレたちが帰らないとみんなが不安になるよ」

夜になっても基地に戻らなかったら、みんなを心配させてしまう。

それはまずい。

「えぇ、ですからこの2人には戻ってもらってこちらの状況を伝えてもらいます。そして、明日一日待っても戻らなければ応援を出してもらうのはどうでしょう?」

なるほど、それが一番いいかな?

二人だけで基地に戻るのが少し不安だけど、二人とも弓を持ってるし、ここから基地までならそれほどの距離じゃない。

暗くなる前に戻れるだろう。

「二人はそれでいいかな?」

二人とも笑顔でうなずいてくれた。

それじゃ、それで決まり。


二人と別れてオレと香織さんは畑近くの林の中で夜営する事にした。

「依頼達成にどれぐらいの日数がかかるか、最初に決めておけば良かったね」

「最初の依頼だから仕方ないですけど、期限を決めておかなかったのは失敗でしたね」

香織さんと夜営の準備をしながら話し合う。

これから、いろいろ経験して決めていかないといけないだろう。


焚き火をしながら、二人で軽い食事をする。

「依頼中の食事とか宿をどうするかも決めないといけないね」

こうして考えると冒険者ってのも大変な仕事だな。

今回は幸いオレも香織さんも少しぐらいは食料を持って来てるけど、こういうのも依頼者負担かこちら負担か話し合っておかないといけないなぁ。

じゃないと長期の依頼があった時に困りそうだ。

「それに集落から離れた所でゴブリンを倒した時、どうやって証明したらいいんでしょうね」

香織さんも苦笑している。


「小説なんかだと証明する部位を持っていったりしてるよね」

「ゴブリンだと耳とかでしょうか?」

首は証明には確実だけど、持ち運びが大変だよね。

そうなると耳か手が一番かな?

香織さんといろいろ相談してみる。


話して分かったのは、香織さんもけっこうファンタジー好きだって事だ。

「わたしが中学とかの頃って、ちょっとファンタジーブームみたいなのがあったんです」

そういえば、海外の古典小説が映画化されたり海外小説が世界的な大ブームになったりしたな。


あまり話しているとゴブリンが警戒して現れなくなるかもしれないので、ほどほどにして交代で休む事にする。

「それじゃ、香織さんが眠くなるか0時を過ぎたら起こして交代ね」

ゴブリンはあまり夜目が効かないみたいなので、現れる確率の高い明け方はオレが警戒した方がいいだろう。

香織さんとそう取り決めをして、オレは毛布にくるまる。

依頼に行くときの基本的な装備品なんかも決めたおいた方がいいな。

そんな事を考えながらオレは静かに目を閉じる。


明け方になりなにかが近づいてくる気配を感じる。

ゴブリンたちがやって来たようだ。

オレは香織さんをそっと揺り動かす。

眠りが浅かったのだろう。香織さんがすぐに目を覚ます。

オレは声を出さないように軽く香織さんの口を押さえる。

少し驚かせたみたいだが、すぐに理解してゆっくりうなずいてくれた。


やって来たゴブリンは5匹。

今回の依頼は退治だから全滅させた方がいいだろうな。

この辺りも今後、依頼を受ける時にきちんと決めておかないといけない。

オレと香織さんはゴブリンが畑に入るのも確認して、ゆっくり移動する。

ゴブリンがやって来た獣道を塞いでから行動した方がいいだろう。


獣道に移動して香織さんとうなずき合う。

香織さんが立ち上がって、背後からゴブリンに矢を射かける。

2匹のゴブリンが倒れた所で、オレが残ったゴブリンに襲いかかる。

香織さんはゴブリンに襲いかかったオレを射線から外すように移動する。

1匹の体を槍で薙ぎ払う。ゴブリンの背骨が鈍い音をたてて折れる。

2匹目のゴブリンの胸を槍で貫く。槍が貫通してゴブリンがぶら下がる。

そのまま槍を振るって、3匹目の頭を砕く。

槍を振った衝撃で突き刺さったままのゴブリンの体が千切れる。

よし、これで全部だな。


「あの~真人さん、ゴブリンの体がめちゃめちゃで証明する部位がわからなくなってますよ」

おや?


とりあえず集落の人に確認してもらい、無事、依頼達成となった。

良かった。

集落の人たちが基地の食料、5日分を収穫後に払ってくれる事になった。


教訓、相手を倒す時は攻撃する場所に気をつけましょう。


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