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崩壊した世界でみんなで楽しく生きていく〜サバイバル〜  作者: 伊右衛門


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探索編4

○オレは珍しくさとるさんと近くの街まで探索に来ている。

なぜ、さとるさんが同行しているのかというとキャッホーの本格調査のためだ。

キャッホーはゴブリン化しなかったゴブリンではないか?

さとるさんはその答えを探しにきたのだ。

なんでもさとるさんの計画に、キャッホーの正体が影響する可能性があるらしい。

でも、その計画ってなに?


「まだ具体的にはなにもないんです。もしかしたらってぐらいで」

そういうことなのでオレはなにも知らない。

マスターたちは少し知ってるみたいだけどね。

まぁ時期が来たら教えてくれるだろう。


オレとさとるさんが探索に行く場合、問題になるのが移動方法だ。

なんせオレは身体がでかく、さとるさんは尻尾が邪魔で車のシートに座る事が出来ない。

一度、車のシートの背もたれを外してみたが運転中の衝撃から身体を安定させるのに背もたれは絶対に必要だった。ちょっと考えたら分かったのだろうが、チャレンジしてエライ目にあった。


そこで今回はマスターに車で送ってもらった。

それならマスターと探索すればいいのだが、今回はさとるさんたっての希望でオレが探索に同行する。

マスターなら帰りに一人になっても安心だ。

優子さんだと、ちょっと心配になってしまう。

たぶん、大丈夫だと思いはするんだけどね。


でも、オレと探索したいなんて…

さとるさん、あっちの世界の人じゃないよね。


オレの表情から考えている事が分かったのか、さとるさんが、

「今回の探索でキャッホーの正体が明らかになったら、真人くんに相談したいことがあるんです」

苦笑しながら言ってくれた。

「相談って例の内緒の計画ですか?」

「それに関わってきますね」

なるほど。


マスターは夕方にここに迎えに来てくれるので、それまでにキャッホーを捕獲しなくてはいけない。

優子さんが居ればほっといてもキャッホーが現れるが、今回はオレとさとるさんだ。

うまくいけばいくかな?


さとるさんは変異した身体を隠すような服を着ている。

変異したさとるさんをキャッホーが見れば警戒するかもしれないし、生存者が居れば驚くかもしれない。

マントのように加工した布を被っている。

ま、生存者ならさとるさんと話せばすぐにいい人だって分かってくれるだろう。

「真人くんは変異した僕や祖父の身体を見てもあまり驚きませんね?」

オレの顔をまじまじ見ながらさとるさんに問われる。

「話せばすぐにいい人だって分かりましたけど、最初は驚きましたよ」

最初に会った時は、さすがに驚いたよ。

でも、ゲームや映画などで見たことがある容貌だったので受け入れるのは難しくはなかった。

むしろ、大先生やさとるさんの方が自分の変異に驚いたんじゃないかな?

「最初は驚きましたが、祖父も同じ変異をしていましたので助かりました。さすがに一人だけだったら相当悩んだでしょうね」

そうだろうなぁ。


「ですが、本当に自分の変異を受け入れることが出来たのは真人くんに会ってからです」

真剣な目でさとるさんが言う。

オレ、なにかしたっけ?

「マスターや北村さんは以前からの知り合いですが、真人くんとは変異してから知り合ったでしょう」

美咲ちゃんもね。

「まぁ美咲ちゃんはちょっと一般的なサンプルではありませんからね」

さとるさんが苦笑する。

美咲ちゃん、見とれてたもんね。

「ですから僕と祖父の姿を見た一般人は真人くんが最初になるんです」

オレもかなり変異してるから、一般人ってわけじゃないけど言いたい事は分かる。

「その真人くんが僕たちを受け入れてくれた。それは一種の救いになったんです」


「その後、助けた村の女性たちも僕たちを受け入れてくれました」

キャッホーよりさとるさんたちの方がはるかに人間的であるのは間違いないからだろう。

村の相談にのっているさとるさんを最近、熱い視線で見ている女性が何人かいるのも知っている。

気付いたのは優子さんだけどね。

その気になれば、さとるさんハーレム作れるんじゃないかな?


「この身体でも充分に恋愛も楽しめそうですしね」

さとるさんが笑いながらウインクする。

気付いてたのか。


「まぁ、恋愛を楽しむのはもう少し落ち着いてからになるでしょうが」

「そうかな?オレは優子さんがいるからがんばれるけど?」

優子さんがいなかったら、オレはここまでがんばってないだろう。

元々、そんなに真面目な人間じゃないからなぁ。

「それもそうですね」

さとるさんが腕を組んで考え込む。

「私生活が充実してる方が仕事もうまくいくんじゃないですか?」

少なくてもオレはそうだ。

「少し真剣に考えてみます」

そう、そう。

人生は楽しんだ者勝ちだ。


「そのためにも、キャッホーを調べたいですね」

さとるさんが今回の調査の事を説明してくれる。


オレやさとるさんは変異している。

しかし、これまで倒したキャッホーは外見的にはほとんど変異が見られなかった。

もしかしたら美咲ちゃんのように目が変異しているのかもしれないが、女性たちの証言ではその形跡もない。

つまり、キャッホーは外見的にはほぼ人間なのだ。

だが、その行動は人間的とは言いがたい。

さとるさんの考えでは現在、全人類はゴブリンウイルスに感染している。

極一部の隔離された環境に残った人類以外は。


キャッホーはゴブリンウイルスに感染しているのか?

また、感染していた場合はどこに変異が現れたのか?

万が一、感染していなかったら、なぜ感染しなかったのか?

そんな事を調べたいらしい。


さとるさんの考えでは彼らの脳に変異が現れているという。

だから、彼らはあんな無謀な行動をするのではないか?

うん。キャッホーは無謀で考えなしの行動を取る事が多い。


最近のゴブリンは警戒心が強くオレの姿を見ただけで隠れてしまう。

また、優子さんやマスターに矢で射られると逃げる。

それが生命としては正常な行動だ。


しかし、キャッホーはオレの姿を確認しても優子さんの姿を見ると血迷って襲ってくる。

中には矢で射られても襲ってくる。

これは生命としては異常な行動になる。

そんな事をしていれば種としても生存ができなくなる。

なのになぜそんな行動をとるのか?

さとるさんの回答が脳に対する変異だ。


「そのためには出来るだけフレッシュな脳のサンプルが欲しいんです」

さとるさんがオレを見てニッコリ笑う。

・・・なるほど。

それで今回、オレが同行したのね。

オレの力ならやつらの首を落とすのは簡単だ。


さとるさん、やっぱりマッドだ。



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