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サバイバル  作者: 伊右衛門


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閑話1

⚫真人が寝たのを確認して部屋を出た。

今日の真人は激しかったのでちょっと痛む。

そんなにあの服に興奮したのかな?


のどが渇いたので食堂に行く。

あれ?食堂に誰かいる。

食堂に居たのはマスターだった。


「お疲れ様」

マスターが笑いながらお水を出してくれた。

「お疲れ様って疲れた訳じゃないよ」

「あら、探索お疲れ様ってことなんだけど」

あう。


「まぁ、いい感じになってると思うわよ」

「真人との事?」

「えぇ、真人ちゃんと優子ちゃんのこと」

マスターが笑いながらうなずく。

私たち、いい感じかぁ。


「ちゃんと愛されてるし愛してるって感じよ。うらやましいわ」

うん。正直、真人に愛されてるのは分かる。

真人はかなり顔に出るタイプだ。

本人は気付いてないみたいだけどね。

もちろん、私は真人を愛してる。

それが素直に認められる。

こんな時代なのに愛する人がいる。

私は幸せなのだろう。


真人と出会ったのは偶然だけど、真人を愛したのは私の意思だ。


「無理してるんじゃないかとちょっと心配だったけど、大丈夫みたいね」


ここに来てから、いろんなことがあった。

屋敷に来たらマスターが居て、さとるさんや大先生も無事だった。

さとるさんたちはドラゴニュートに変異していたけど、真人も私も気にしていない。

もちろんマスターもだろう。

美咲ちゃんに至っては二人にあこがれている。

美咲ちゃんは鱗マニアだったのだ。

どうせ変異するなら自分もドラゴニュートになりたかったみたい。


「貴重品だからみんなには内緒ね」

マスターが薄い水割りを出してくれた。

これって真人が持ち込んだんじゃなかったっけ?

まぁ、真人はお酒に興味がないのでもう忘れてるかもしれないけどね。


「真人ちゃんって興味があることとないことの境界線がはっきりしてるわよね」

マスターは自分も水割りを飲みながら笑う。

「優子ちゃんに興味があるけど村の女には興味ない。変異に興味はあるけどゴブリンやキャッホーには興味がない」

マスターが指折り数えていく。

うん。正直、村の人たちに興味を持たなくて安心した。

いやな考えかもしれないけど、真人は私の真人で居て欲しい。

自分の醜さにちょっとへこむ。


そしたら、マスターに頭を軽く叩かれた。

「まったくいつまで恋に夢見る乙女のつもりよ。人を好きになれば人間いろいろ欲が出るのよ」

うん。本当に好きな人ができるといろいろな欲が出るね。

「それも恋の醍醐味よ」

今度はマスターが軽く頭を撫でてくれた。


マスターはかつて私がお付き合いをした人のお兄さんだ。

お付き合いしてた人は残念ながら亡くなってしまったけど、マスターは私のことを何かと心配してくれている。


亡くなった恋人のお兄さんが私の新しい恋人を見ている。

思えば、不思議な縁だと思う。


「ほんと、優子ちゃん男を見る目はいいわよね」

そうかな?

「真人ちゃんを見つけたんだから、自信を持ったら」

マスターの瞳をじ~っと見る。

真人とマスターって仲いいよね。


「あたしにまでやきもき焼かないでよ」

でも、マスターが恋敵になると勝てないかも・・・


「あたしにとって真人ちゃんは弟みたいなもんよ」

マスターが私の額をこずく。

「膜付きみたいな真似はしてないみたいだから、取らないであげるわ」

あう。バレてる。


「あんた、あんだけやっといてバレてないつもりだったの?さとるちゃんはもちろん、美咲ちゃんにもバレてるわよ」

えぇっ美咲ちゃんにも!

「教育上いいんだか悪いんだか」

明日、美咲ちゃんの顔が見れない…


「まぁいいんじゃない?お兄ちゃんとお姉ちゃんが仲良くしてるんだから」

そうかな?


「ね、それでどうなのよ!」

なんのこと?

「やっぱり、真人ちゃんってすごいの?」

・・・すごいと思います。


それから、マスターに根掘り葉掘り聞かれてしまい、結構しゃべっちゃった。

真人、ごめんなさい。


「やっぱり真人ちゃん、すごいのねぇ」

マスターの顔がちょっとうっとりしてる。


ほんとに大丈夫かな?


「半分、膜付きみたいなあんたをここまで虜にするなんてやるわねぇ」

あんまり膜付き言わないで。


一応、膜はなかったはずですから。

「心は膜付きみたいなもんだったじゃない」

・・・おっしゃる通りです。


最初は半ば勢いみたいな感じだったと思う。

でも、私たちのことを考え一生懸命にがんばってくれる真人を見ていると、好きにならずにいられなかった。


このお屋敷に来て初めての時は、少しがんばってみた。

真人が喜んでくれると何でもしたくなっていった。


正直、今では私も真人との行為を心待ちにしている。

自分でも変わったと思う。

真人のせい?真人のおかげかな。


マスターがニヤニヤしてる。


マスターには、心の声がわかってしまう。


「最初はショックだったのよ。心の声が聞こえるなんて」

そういえば、マスターは私や美咲ちゃんとは少し距離を取っている。

精神的にではなく物理的に。


その分、真人にべったりだけどね。


「真人ちゃん、全然気にしてないんだもん。驚いちゃったわ」

うん。真人は全然気にしてない。

「それどころか、あの子この能力便利ですって」

真人はそう思ってるみたいだね。


「それにさとるちゃんたちのことも」

さとるさんたちのこと?


「真人ちゃん、さとるちゃんたちのことも全然気にしてないわよ」

うん。

「真人ちゃんにはさとるちゃんや大先生のことがかっこよく見えるみたいね」

多分、美咲ちゃんもね。


「真人ちゃんたちが来るまでは、ここもちょっと暗かったのよ」

そうだったんだ。


「そりゃ、私は心の声が聞こえるし、さとるちゃんたちはとんでも変異しちゃうしね」

驚いちゃうよね。

「真人ちゃんも最初は驚いてたけど、すぐに馴染んでくれて二人も嬉しかったのよ」

むしろ、真人は二人を尊敬してると思うよ。

マスターが云うところのとんでも変異をしても、理性的な二人のこと。


「それに美咲ちゃんにも感謝してるわ」

美咲ちゃんは尊敬とは、ちょっと違う感じだけどね。


「おかげで、私も含めて助かってるわ」

真人も私も助かってます。

あのままマンションに居たらダメになってたと思う。


あの時、真人が未来を探そうとしなかったら、私たちはここに居ない。

そしたら、マスターやさとるさんも暗いままだったかもしれない。

村の人たちも助からなかった。


真人は私を幸運の女神ってふざけて言ったけど、真人の方がすごいと思う。


遅くなったので部屋に戻ることにする。


おやすみなさい。マスター。


寝てる真人を起こさないように隣に入る。


お布団の一部が盛り上がってる。


明日、早く起きれたらおねだりしちゃおうかな?


・・・眠れなくなっちゃいそうです。


おやすみなさい、真人。


あなたを愛した私は幸せです。





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