お屋敷編7
○翌日からみんな大忙しになった。
女性たちは屋敷の庭で畑を耕したり、自衛のために優子さん達から弓の扱い方を教わっている。
オレとマスターは街に行き、家を補強する物資や畑に植える作物を探す。
さとるさんが育てやすく収穫が重ならないような作物を選んでくれたのでそれを探す。
ゴブリンは基本的に肉食なのか種や苗を見つける事が出来た。
苗は育ちすぎて苗じゃなかったけど贅沢は言えない。
お屋敷は砦だ。なにかあったらここに避難してもらう。
避難してもらうだけじゃなく、なにかあったらこちらから助けに行けるように連絡手段が無いか考えていると、さとるさんが笛を作ってくれていた。さすがだ。
出来るだけお屋敷の近くにあった民家を改造する。
女性たちは全員で14名。
一軒では足りないので四軒の民家を改造する。
女性たちの中には実家が農業を営んでいた人もいたので、知っている事をオレ達も教えてもらう。
多少の問題は発生したけど、なんとか移住してもらえた。
部屋割りというか家割りは女性たちに自分でしてもらった。
あまり少人数だと危険だしあまり多いとストレスになる。
一軒に3~4人で住んでもらう。
ひどい体験を共有した女性たちはお互いに協力しあっている。
オレとマスターは農作業をする女性たちの護衛をするので、周辺の罠の設置と見回りには優子さんとさとるさんが加わった。
さとるさんは護衛もしてくれる。非常に助かる。
最初にさとるさんや大先生に会った時は、さすがに女性たちも怯えたが二人が紳士である事がわかると大丈夫だった。
あいつらよりずっとマシらしい。
今日はマスターが護衛に行き、オレと優子さんが罠の見回りをする。
「あれには困っちゃったね」
優子さんが苦笑しながら言う。
最近、忙しかったので二人になれるのがうれしい。
優子さんが言ったあれとは、助けられた女性たちの何人かはオレ達にお礼をしなくてはと思ったらしい。
しかし、彼女たちにお礼できるようなものはない。
自分の体以外は。
そして彼女たちはオレやマスターの寝室に忍んで来たのだ。
マスターは悲鳴をあげ逃げ回り、オレは丁重にお断りした。
気持ちはうれしいが手段が間違っている。
オレには優子さんが居るし、マスターに女性の裸は天敵に近い。
「よく我慢したね」
優子さんが誉めてくれる。
じつはちょっとヤバかった。
心の悪魔がバレなければいいじゃんとか囁いたのだ。
オレの部屋に来たのはかなり肉感的な女性だった。
つまり、巨乳だった。
ふらふら~とした時、マスターの悲鳴が響いたのだ。
オレはお礼ならみんなで協力してがんばってくれた方がうれしいと言って彼女に戻ってもらった。
マスターの悲鳴がなければ危なかった。
マスターありがとう!
あなたの犠牲は忘れない!
マスターは翌日無事、食堂に現れた。
ちっつまらん。
オレと優子さんは山中にある大きな岩にたどり着いた。
ここは森を見回る時によく休憩場所として使っている。
周囲はやや拓けていて見通しがいい。
優子さんは岩にもたれている。
森の中を歩いていたので、少し汗をかいている。
火照った体に冷たい岩肌が気持ちいいのだろう。
目を閉じている。
オレはそっと優子さんに近付く。
オレが近付いたことに気付いた優子さんが目を開ける。
近くにいたオレを見て首をかしげ、微笑む。
その瞬間、オレの中で何かがキレた。
「このケダモノ」
ぽこん!
「この変態」
ぽこん!
「この匂いフェチ!」
ぼこん!
いきなり、始まった大人の時間に優子さんはご立腹だ。
森で拾ったいい感じの棒でオレの背中や肩をぽこぽこ叩いてくる。
しかし、怒りながら照れる優子さんは色っぽいな。
屋敷までまだ少し距離があるしもう一回ぐらいいいかな?
オレが後ろで不埒なことを考えていると
「真人のってこんなんだもん。私、絶対緩くなってるよ」
手でオレのエクセレントなサイズを示しながら優子さんはあらぬ心配をしている。
いや。それは大丈夫。オレが保証する。
オレが手をわきわきさせながら、こっそり優子さんに近寄ると、
「…マスターになら入るのかな?」
優子さんがとんでもない事をのたまった。
一瞬、想像しかけて一気に萎えた。
そのままおとなしくお屋敷に戻ることにした。
ちなみに、想像しかけたが断じて想像はしていない事を宣言しておく!
だれにだよ?
全世界にだ!




