お屋敷編3
○美咲ちゃんは疲れたのか、ベッドルームに直行した。
いろいろ衝撃があったんだろうなぁ。
客室は二間あってリビングとベッドルームに別れている。まるで、高級ホテルだ。泊まったことないけど。
優子さんも疲れたのか、ソファでぐったりしてる。
オレは床に座った。ソファ、高級そうだし壊れても弁償なんか出来ないからね。
「なんていうか、面白い人だよね。マスターって」
すごいインパクトだったな。しかも、元レンジャー隊員で現バーのマスター。濃ゆい人生みたいだ。
気がつくと、優子さんがオレをじっと見ている。
あっ口先が尖ってる。
「真人、さっき、助けてくれなかった」
さっき?優子さんの秘密暴露の時か。
それで、すねてるようだ。
「ごめん、ごめん。優子さんの秘密って言われて好奇心が抑えられなかった」
優子さんが、ソファから床に座っているオレのひざの上に移動する。
「どうせ、モテないもん」
相当、ダメージがあったみたいだ。
「優子さんは間違いなく美人だよ」
こんな時、なんて言っていいか分からんな。
「でも、告白されたの人生で一回だけだもん」
ん?一回?
そういえば、オレ、優子さんにちゃんと告白したっけ?
・・・してないな。
オレは優子さんに立ってもらう。
オレは優子さんのきゃしゃな肩を優しくつかみ
「北村優子さん、あなたの事を世界で一番愛しています。オレと付き合ってください」
優子さんの瞳を見て、真剣に言う。
指輪か、せめて花束でもあればいいんだが・・・
どきどきしながら待っているが、優子さんからの返事がない・・・
さらにどきどきしながら待っていると、優子さんの瞳から涙が溢れてきた。
なんで?やっぱり、指輪も花束がないからか!せめてどちらかを用意してから告白するべきだったか!
オレがパニックにおちいっていると、
「はい。私も世界で一番真人を愛しています」
泣きながら、優子さんがやっとお返事してくれた。
オレは優子さんを抱き締める。
「美咲ちゃんは?」
オレは抱き締めた優子さんの背中を撫でながら、確認する。
「あん、もう、寝てる」
それなら、ここからは大人の時間だ。
「うぅ〜。大先生のお家で・・・まだ、ご挨拶もしてないのに・・・」
床で優子さんが頭を抱えている。
「えっと、気持ち良くありせんでしたか?」
オレがそう聞くと、
「・・・すっごく気持ちよかったから、困ってるの・・・」
優子さんが耳を真っ赤にしながら、それでも小声で答えてくれる。
優子さんを撫でながら、どうしても気になったことを聞く。
「優子さん、前は1ヶ月ってどうして?」
ムードが無いこと、はなはだしいが気になっている。
優子さんの性格は一度好きになったら、相手を嫌いになれない性格だと思う。
それなのに、1ヶ月はおかしい。
「もう、今、それを聞く?」
優子さんの口先が尖ってくる。
優子さんはオレの瞳を見てオレが諦めないのが分かったようだ。
少し、ため息をついて言ってくれた。
「前の人は事故でね。あっさり居なくなっちゃった」
オレは優子さんを強く抱き締める。
「真人、ちょっといたいよ」
優子さんが軽く暴れる。
「オレは告白に何も用意できないけど、絶対に優子さんを一人にはしない。なにがあっても、必ず、優子さんと生きていく。これだけは絶対に約束する」
優子さんは最初微笑んでいたが、みるみる瞳から涙が溢れ出す。
「絶対?」
「絶対、なにがあっても」
「やくしょく?」
「約束する」
優子さんはオレの胸で泣きながら眠った。
ちょっと、鼻を垂らしていたけど、それでも優子さんは美しかった。
翌朝、オレと優子さんは慌てて、昨日の後始末をした。床を拭いて窓を開け、空気を入れ換える。
それが終わると、美咲ちゃんが起きてきた。
オレと優子さんの顔を交互に見て、
「・・・告白には花束が必要ですね」
美咲ちゃんは呟いた。
あれだけ、激しければ起きちゃうよね~
優子さんは全身が真っ赤になっている。
「朝ご飯できたわよ~」
マスターの美声が響いた。




