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サバイバル  作者: 伊右衛門


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マンション編2

それから、24時間が経過した。


とりあえず、身体がでかくなったが食料の消費量は、そこまで増えていないように感じる。まぁ、あくまで体感なので正確では無いかもしれないが・・・


 時折、窓から街中を観察したが、動く車や生存者は確認できない。


 相変わらず歩いているのはゴブリンばかりだ。


これまで、遠くてよく見えなかったけど間違えなく視力が上がっている。


よく見えるようになった目で観察した結果、ゴブリンたちには群れる習性があるように感じる。

また、ゴブリンは飢えると共食いをするようだ。あまり見たくなかったけど。


これまで、ゴブリンたちが何を食べているのか疑問だったけど、恐らく、街中の食料を食べ尽くしてからは死体や同族を食べて生きているのだろう。


こうなると街中での食料調達は、かなり厳しいだろう。

街中に残っている食料は、ゴブリンたちが入れなかった倉庫などにしかないだろうから、ゴブリンの相手をしながら食料を探すのは、一人ではほとんど不可能だ。


それにゴブリンの濃度はやはり街中の方が多い。

街で生き延びている人たちはゴブリンウイルスで変異するか、飢え死にするかになるんじゃないだろうか?


 そういえば、このマンションの住人はどうなっているんだろう。


これまでできるだけマンションの住人と接触しないようにしていたけど、そろそろ調べた方がいいのかも知れないなぁ。


 このマンションは市街地から遠く、少し交通の便が悪いのであまり人気がなく、3分の2ぐらいくらいしか住んでいなかったと思う。

 

 決めた!


オレが住んでいる、最上階から順番に調べてみよう。


 とりあえず、外に出る為に服を着よう!

 身体が巨大化してしまったので、これまでパンツしか着ていなかったのだ。いや、いくら自分の部屋でも裸はさすがにね。

 ちゃんとした服を着ていれば、オレがゴブリン化していない証明にもなるはずだよね。


スーツはさすがに着ることが出来ない。高かったのでちょっと悲しい。


 ゆったりとしたワークパンツとシャツに着替える。

それでも巨大化した身体だと、かなりパツパツになってしまった。

だが、動きは阻害しないのでひとまずこれでいいだろう。


 苦労したのが靴だった。


ほとんど入らない。スニーカーの靴紐を外し足を無理やり突っ込む。

これは服と靴をどこからか調達しないといけないだろう。


 服はまだしも、靴はほしいなぁ。

これでは素早く動けないし、足の裏をケガしてしまうのはまずい。

 医療機関はすでに崩壊しているだろうから、ケガや病気は命取りになりかねない。


このマンションの他の部屋から発見できたらいいんだけど。


 オレはドアの覗き穴から廊下を観察して、ドアに耳を付け様子を窺う。


だれもいないようだ。


これまでもこの階では、ほとんど人に会ったことはないけど用心しないとね。


そっとドアを開け廊下に出てみる。


 廊下は普段とほとんど変わらないように見える。別にごみが散乱している訳でもないし・・・

廊下だけ見ると世界が崩壊したなんて信じられない。

 しかし、耳を澄ませても車の音や飛行機などの音は聞こえない。


廊下から下をそっと覗いてみる。


 周辺にゴブリンはいないようだ。

もしかしたら隠れているかも知れないので、用心しよう。


 隣のドアに移動して、そっとノブを回してみる。

開かないがこの部屋は空き部屋のはずなので、当たり前だな。

ドアに耳を付け、中を窺うが音は聞こえない。


 さらに隣に移動して同じ手順で確認する。

この部屋も空き部屋だった筈なので気配が無い事を確認する。


 そして、一番エレベーターに近い部屋に移動する。

ひとつの階に4部屋あるのでこの部屋が最後だ。


 しかし、この部屋には住人がいたはずだ。


異変以降、気配を感じたことはないのでどこかに避難したと思うけど、ひょっとしたら室内で息をひそめているもかもしれない。

確か、ここの住人はオレより10歳ぐらい年上の男性のはず。

単身赴任だろうか?


 とりあえず、オレはチャイムを押してみる。


チャイムを押せばこちらに敵意がないことや、思考低下が起きていないことを伝えられると思う。


甘いかな?


 ドキドキしながら、部屋のようすを窺う。


もう一度、チャイムを押し耳を付け室内のようすを窺う。

やはり、反応はない。

オレは意を決して、ドアノブをゆっくり回す。

巨大化して力が強くなっているので、ドアノブが軋みながら回っていく。

ある一点を越えるとノブの抵抗が軽くなった。

そのまま、ノブを回してドアをゆっくりと動かす。


開く!


オレはいつでもドアを閉めれるようにしながら、そっと、室内の様子を窺う。

内部に動くものの気配はしない。

徐々にドアを開きながら、ちょっとずつ視界を拡げていく。

身体が入るぐらいまで、ドアが開いたところで中に入る。


 やはり、この部屋の住人は避難しているようだ。


玄関にうっすら埃が積もっている。

 心の中で、失礼しますとあいさつしながら、土足のまま部屋に入る。

室内は人が暮らしていた気配はあるものの住人がいないからか、空虚だった。

 レイアウトはオレの部屋と同じなので、トイレや風呂場、押し入れやベランダなど人が隠れそうな場所を確認していく。


人影無し。


 念のためベットの下なども確認するがだれも居ない。

とりあえず安全なようなので、室内を物色させてもらう。

 まずは、冷蔵庫を開けるが停電しているので、中の物はとても食べれる状態ではない。

中にあった缶ビールを開け、飲んでみる。

アルコールが入っているので、腐りにくいはずだ。

かつての大航海時代も、腐りやすい水よりアルコールを船に積んでいた。はず、多分・・・

飲んでみた感想は、やはり、ビールは冷やさないと!

腐ってはいないはずだがまずい。

多少の栄養と水分補給と割り切って、がまんして飲みながら室内の物色を続ける。


部屋はきちんと片付いており、探しやすくて助かる。

クローゼットや押し入れの荷物から、やはり単身赴任中の男性のようだ。

身長170センチ後半で結構太りぎみ。

おかげで、今のオレでも着ることが出来る服が調達できそうだ。


 期待した靴は残念ながら合うものがなかった。

パソコンの中のデータに心引かれるものがあるが、男同士の情けで触れないようにする。

どうせ、停電でバッテリー切れになっているだろうけど。


 とりあえず、数着の服やカセットガスなどの日用品、室内に買い置きされていたアルコールや食料品を自室に持ち込む。

オレは、普段アルコールを摂取しないので、アルコールは消毒などに使うつもりだ。


 荷物を移動させて、自室に戻る途中、ふと、思い出す。

部屋を見にきた時、案内してくれた不動産屋さんが水道のメーターのところから鍵を取り出していた。

地方だからか、不用心だなと思ったのだ。

空き部屋のメーター周りを見てみると紐のついた鍵があった。

 それぞれの部屋の鍵だろう。ゆっくり、慎重に鍵をさしてまわすと開いた。


中を確認するとやはり空き部屋だ。

だれもいない。

カーテンも何も無いが、倉庫代わりに利用できるだろう。

日光は段ボールやタオルなどで遮断すればいい。

 ここにどの程度までいるのかは不明だが、物資を確保しておいて損はないだろう。

とりあえず空き部屋の鍵はズボンのポケットに入れておく。


 さあ、次は5階の確認だ。


5階には何人が住んでいたのかわからないので、慎重にやらないと!

エレベーターは停電で使えないので階段から5階に入る。


 まずは、表札を確認する。


5階の表札は一軒にしかついてない。

だが、最近は防犯の為にあえて表札を付けない住人も多い。

全ての部屋を確認すべきだろう。

6階で行った手順で、室内を確認していく。

チャイムを押し内部の様子を窺う。


 結論からいえば、5階も無人だった。

室内の様子から住んでいたのは、男性が一人だけで、収穫はインスタント食品や缶詰め、日用品など。服もできるだけ大きな服を選んで自室に持ち込ませてもらう。

申し訳ありませんが大事に使わせもらいます。


5階の住人は避難したのか、ゴブリン化してしまったのか不明だ。



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