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サバイバル  作者: 伊右衛門


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マンション編10

○朝になって、自然に目が覚めた。パニック以降、お日様に従って生活している。かなり、健康的な生活だ。

 こんな事態だけどね。お日様は偉大だ。

 とりあえず、寝室はある程度片付いたと、思う・・・

ゴミをゴミ袋にまとめて、突っ込んだだけだけど。

 ちなみに、オレの貴重なコレクションは、ちゃんと仕舞ってある。いや、捨てる場所も無いし、ある程度発散させてないと、北村さんが危険になるし。そう!これは、北村さんの安全保証上、必要な物資なのだ。うむ、完璧な理論武装。

 北村さん、美人なんだよなぁ。こんな事態だから、北村さん、多分ほぼすっぴんなんだろうけどそれであのクオリティ。エルフ耳が、また、いいんだ。北村さんいまいち気がついてないみたいだけど。エルフ耳は、金髪と思っていたけど、黒髪もありだな!

 バカなことを考えながら、服を着る。寝る時は、パン1なので。もはや、ファッション性より、サイズ優先だ。今日の探索で新しい物資が見つかるといいけど。


 着替えて、ダイニングに移動すると、すぐに北村さんがやってきた。

 そうか。北村さんの耳は、高感度ソナーだから、オレが起きたのがわかったのだろう。

・・・北村さんの安全保証上必要な運動は、注意深く行おう。


 「おはようございます!」

 「おはようございます、北村さん。ちゃんと、眠れましたか?」

 「はい!久しぶりに熟睡させてもらいました」


 北村さんの顔色は、昨日よりかなりいい。熟睡したのは、本当だろう。妙にテンションが高いような気がするが・・・熟睡したからか。こんな状況では、健康は、本当に大事だ。

 さて、朝ごはんにしよう。カレーは昨日、食ったから、今朝は、うどんにするか。乾麺のうどんを茹でることにする。材料がちゃんとあったら、北村さんの手料理も食ってみたいが、現状では仕方ない。茹でるだけだもんなぁ。


 食べながら、今日の予定を確認する。

 今日は、このマンションの安全確認をメインに考える。

 このマンションは、エントランスの左側にエレベーターがあり、実質的な1階部分は、エントランスと駐輪スペースになっている。そして、建物の左側に階段がある構造だ。ちなみに、実質的な1階部分は、エレベーターの表示では、B1、つまり、地下1階になる。山の中腹の斜面を整地して建築されたマンションなので、そんな表示になっているんだろう。階段を封鎖できれば、かなり安全なのだが、防火扉って、非常時に開けれるようになってるから、鍵がないはず。あるのかな?エントランス部分に無人の管理スペースがあるから、そこを探してみよう。


 北村さんには、4階から最上階の探索をお願いする。でも、4階の2部屋には、入らないように注意しておく。ゴブリンの汚部屋には、使えるような物資はないだろうし、もう1つの部屋には、まだ、住人のご遺体がある。

 だが、北村さんは、その部屋も確かめたいという。

 「病院勤務でしたので、普通の人より慣れていますし、ご遺体をそのままなのは、かわいそうです。それに、そのままにしておくのは危険だと思います」

 北村さんの説明によると、遺体をどうにかしないと、病気の発生源になってしまうそうだ。なるほど。ゲームなら、ゴブリンを倒すと報酬が貰えたりするけど、現実だと、病気の発生源になるのか。

 しかし、遺体の処理問題か。どうすれば、いいんだろう。ベストなのは、火葬だろうけど、現状では不可能だ。となると、どこかに埋めるか?う~ん、どうしよう。なにも、アイデアがない。北村さんも考えてくれるそうなので、今後の課題とする。


 今日中に、このマンションの安全確認を終わらしてしまいたい。とりあえず、低階層の物資の探索は、後回しにしよう。

 そして、近くの水場で水を確保したい。以前、散策中に会った、おじいさんがあそこの水でお茶をいれると美味しいと言っていたので、飲めるだろう。北村さんは、水場に行くことに、やや、難色を示したが、危険を感じたら、すぐに逃げると約束して、了承してもらう。そして、北村さんに内緒で地図や旅行雑誌を調べて、近くに温泉がないかを確認しておこう。


 本日のスケジュールが決定したので、北村さんがコーヒーを入れてくれる。インスタントなのに、北村さんに入れてもらうと、美味しいような感じがする。


 オレの部屋から出る時に、昨日、見つけたバールを北村さんに渡そうとすると、断られた。北村さんには、重すぎるので、オレが身を守るのに使ってほしいと言われた。

 しかし、同じマンション内とはいえ、単独行動になる北村さんにも、何か武器を持ってほしい。

 「北村さんは、何かスポーツはしてますか?」

 「学生時代は、陸上をしてましたけど・・・それが何か?」

ん~、やはり、弓道とか空手とかライフル射撃なんてしてないよね。

 「いや、北村さんにも何か武器をと思って」

 「武器ですか」

 「状況が状況なので」

 武器を持つのは、イヤかな?

 「使えるのは注射器ぐらいですね」

 いや、それは武器じゃないし、注射は嫌いだけど。

 「大丈夫です。何か異変を感じたら、すぐに部屋に逃げています。私、結構走るの速いんですよ」


 ちょっと、不安だけど、仕方ないだろう。

 オレと北村さんは部屋を出る。


●隣の部屋からごそごそと、物音がする。

 立花くんが起きたようだ。機能までは物音が怖かったのに、立花くんだと安心する。着替えてるみたいなので、少し待ってから、立花くんのお部屋にお邪魔する。

 私も着替えて、薄くだけど、お化粧もした。

 「おはようございます」

 朝の挨拶をする。朝の挨拶なんて、久しぶりで嬉しい。

 立花くんが、朝ごはんにおうどんを作ってくれる。私がやろうとしたけど、茹でるだけだからと断られる。

 簡単すぎて、立花くんは申し訳なさそうだったけど、私一人なら、限界までお腹が空くのを待ってからじゃないと、食べれないと思う。

 それに、立花くんはやっぱり、何も要求しない。立花くんが悪い人なら、これに対しての対価を要求するだろう。


 二人でできたおうどんを食べる。立花くんは猫舌なのか、フーフーしながら、食べている。それを見て、なんだかほっこりする。

 食べ終わったので、私がコーヒーを入れる。ただのインスタントコーヒーだけど、立花くんは美味しいと言ってくれた。ちょっと、照れながら、今日の予定を話す。

 立花くんは、今日中に、マンションの全ての部屋を確認するつもりのようだ。私は、その間に、4階から最上階までの部屋を調べて、使えそうな物資を探す。

 立花くんは、4階の2部屋には、入らないようにというが、ご遺体をそのままにしておくのは、衛生面からも問題なので、それを伝える。立花くんは、少し考えて、注意して入るようにと理解してくれた。冷静に判断してくれるので、立花くんには意見を言いやすい。

 立花くんは、マンションの安全確認をしたら、湧き水の場所まで行くつもりだと言う。外には、ゴブリンもいるだろうから、危ないと思うけど、立花くんは、危険を感じたらすぐに逃げると約束してくれたので、私も理解する。

 たしかに、水は必要だ。でも、立花くんの方が、ずっと大事だと思う。


 部屋を出る時に、玄関にあった鉄の棒を私に渡してくる。重い。立花くんは武器として、私に渡してくれたけど、私には、重すぎて使えないと思う。それに、マンションを調べる立花くんの方にこそ武器は、必要だろう。私は、学生時代、400メートル走で、全国大会に出たこともある。注意していれば、この部屋までなんとか逃げることなら出来るだろう。

 立花くんは、ちょっと不安そうだけど、大丈夫。私に使えるのは、注射器ぐらいですって冗談を言ったら、ちょっと、目が泳いだ。立花くん、注射嫌いなんだ。ちょっと、面白い。


 マンションの外まで行く立花くんの方が心配です。

 「立花くん、絶対に、何があっても、自分自身を最優先にして。私と約束してね」

 外には、ゴブリンだけじゃなく、生存者もいるかもしれない。

 でも、生存者が善人とは限らないだろう。もしかしたら、生存者の方が危険かもしれない。

 立花くんには、気をつけてほしい。


○部屋を出る時、北村さんに、

「絶対に、何があっても、自分自身を最優先にしてね」

と、オレの背中に手を当てて言われた。

 気を引き締めていこう。

「大丈夫。絶対に北村さんを一人にしたりしないから」

北村さんの顔が赤くなった。うん、言葉のチョイスがちょっと、おかしかったな、オレ。



本日はここまでとなります。

ありがとうございました。

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