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今世の廻天 - 巡り巡って本気出す -  作者: 飽き性の少年
第二章 少年期 冒険の始まり編
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第9話「視点外の綻び」

フィリアが天井をぶち破って落ちてきた。

粉塵の中、彼女の手には――魔人の斧。


「この斧、かなり鋭いわね」


次の瞬間

僕たちを囲んでいた機械を次々と切り裂いていった。



あの斧が機械を切り裂く度、嫌な思い出が連続して頭に流れ込む......


虐められた過去。

魔人との相対。

そして――全てから否定された事実。




そんなもの全て記憶の片隅に消えていた、お気楽気分でこの世界を生き続けて。

そんなもの思い出す必要もなかった。



......なのに。


まだ痛い。

怖い。





正面上空。

機械音と空気の揺れ。



敵だ



ならあの魔術を


「硬く、固く、何よりも熱く――」




杖の先に石や土が生成され固く圧縮される。

土と石から聞こえているとは思えない衝撃音、足裏にすら響く。


そして廻る







「逝け――!」


音速を超えた塊が機械の喉元に突き刺さった。


貫いたのは装甲のみだった。


硬すぎる。


弱い。


足りない。







アイセラを守らないと――





死んだ。






......



目を開けるとまだアイセラがそこに居る、機械の首は天井に突き刺さり。




ある壁が連続して貫かれて行く。


その真反対にフィリアが何かを投擲したような姿勢で立っていた。


「ああもうダメね、逃げましょう」



僕はボロボロのナダユキさんの肩を担ぎ階段から逃げた。


あの機械よりも――

魔人の斧が脳裏に焼き付き。

トラウマとしてフォルダに入れられた。






――数日後

僕達は部屋に戻り、ナダユキさんとフィリアは病院へと運んだ。



残ったのは無傷のアイセラと僕だけ......



「あの、あの時はありがとうございました。」



花のような匂いが脳を刺激する。

とても幸せな匂いだ。



「あのお二人は大丈夫ですかね」



「きっとすぐ治ります」


あの二人ならきっと大丈夫だろう、なんせ全国大会決勝戦進出とあの"ラクロ"が認める男だ。


そう信じたい。




この前助けた時からアイセラの声はどこか落ち着かない。


頬も少し赤みを帯びている。





こんな場面をアニメで見た事がある。



その時主人公は大抵何かを見落としていた。




......好意?




アイセラは僕の隣に腰を下ろす。


距離が近い。



ほんの少しずつ、椅子が軋む毎に近づいて来る。



そして



僕の肩に顔を乗せた。




これ、僕のこと好きですよね?

 


アイセラは徐に顔を見せて、赤く照れながら目を閉じた。



これは是非ともしたい。

てかやらないと可哀想だ。



肩に手を乗せたが、鼓動がうるさ過ぎて全く集中できない。


僕の顔は変じゃないか?





よし、覚悟を決めよう。


今こそ勇気を出す時、そうですよね父様!



次の瞬間。

口付けの手前でドアが激しく開いた――





「あんたらのパーティーメンバーのせいで街が半壊状態だ!!」



パーティーメンバー?

ナダユキかフィリアが何かやらかした?


すぐ行かないと。




その瞬間、これまでの後悔が頭をよぎった。

このままやめて行ったら後悔すると。




今まで後悔しっぱなしの人生だった。


何も思い出を作れずに父様と離れ、フィリアと死にかけた。



後悔はもうしたくない。






悲しそうな表情のアイセラに顔を近づけた。



「......!」




今はこれで留めよう。



「行きましょうか」



彼女は恥ずかしそうな反面嬉しそうな顔で返事をした。


「はい...!」



僕達は空間転移で移動をする。




街の噴水に転移した僕達は絶句した。



先程までのワクワクドキドキ展開とは打って変わり。

家は崩れ落ちて、焦げの匂いが充満している。




もしかして、さっきの振動は鼓動ではなく。




――街の破壊音?



「アイセラさ......」



呼びかけようとしたその時、アイセラが消えた。

というより、吹き飛ばされた。


僕の血管が浮き上がる。



今結構腹立ってる。



空間転移を発動し、吹き飛ばされたアイセラを受け止めた。


あの時以来当たり前のように無詠唱魔術を使いこなしている。




相手はいない。

こんな事する奴なんていない......




まさか。



魔人の斧?


「.....ウッ」




腹に衝撃、吹き飛ばされる。




僕の体はまだ残っている誰かの家を粉々に破りながら飛ばされて行く。


一瞬の衝撃でも意識が飛びそうだ。



「我が命の永遠を祈り

延命の施しを受けさせよ。

ヒーリング――」



ある程度回復を行い、遠心力を使い剣を抜いて地面に突き刺す。



エネルギーを一気に止めたので剣にヒビが入り、脳震盪を起こした。



ダメだ、立てない。



世界が気持ち悪い。



背後からの殺気!

空間転移で奴の背後に回り込み、剣を振る。



布を切ったような感触のみ、

ほとんどが空気を切り裂いていた。




速すぎて無理だ、止めれない。



またもや悪寒が起きた。

でも違う、右からナイフを突き刺されるような感覚が何個もある。




扉は開いてランドセルを冷蔵庫に、ダメだ。


違う。




思考出来ない。




空間転移だけに集中して、アイセラと共に病院へと向かった。


これ以上あそこにいたら、全てが破壊されていただろう。




病院も左半分が木っ端微塵に消し飛んでおり、右半分だけがマンションのように佇んでいた。




僕は病院に触れて病院毎どこかへ転移した。

場所すらわからない。

ただ転移をした。




ここは、森のような場所だ。

けれど何かおかしい。



空間が切り裂かれたように黒い世界が見えている。




まるで斧で斬られたように――





目の前が消し飛んだ。



隕石クレーターのように全てを抉り取られている。



その中央に佇んでいたのは魔人だった。

しかし様子がおかしい、眼が更に黒く染まっている。



空中に光が咲いた瞬間魔人の足元が真っ二つに割れた。




グチュという生々しい音と共に魔人も真っ二つに。





この世界はどうなってんだよ。


「げほっ....あ.....」




アイセラが目を覚ました。




この子を守らないと

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